2015.01.15


2015年115日号

政府が緊急経済対策 地産地消型再エネや燃料電池支援も
 政府は、年末に取りまとめた総額3.5兆円規模の緊急経済対策に基づいて平成26年度の補正予算案を閣議決定した。
 補正予算案では、エネルギーコスト対策として3515億円を計上、中小企業やエネルギー多消費企業への支援、独立型再エネ発電や再エネ熱利用の導入支援などをあげ、地産地消型の再エネ導入促進として分散型システムの面的利用や自家消費再エネ電源や蓄電池の導入支援などに203億円、エネファームの更なる普及に222億円の導入補助など、系統負担の少ない再エネ・分散型システムの促進や、水素燃料電池自動車の普及促進などに集中的に取り組む内容となっている。また、風力発電の即時償却の1年延長などの税制改革も発表されている。
 エネルギーコスト対策のうち、省エネや再エネ、分散型エネ関連の主な項目は次の通り。
◇省エネルギー・再生可能エネルギーの推進
 地域の工場・事務所・店舗、中小企業等に対する省エネ支援 929.5 億円
 住宅・ビルに対する省エネ支援150.0 億円
 定置用リチウムイオン蓄電池の導入支援 130.0 億円
 燃料電池車用水素ステーション、EV用充電ステーションの整備 395.9 億円
 クリーンエネルギー自動車等の導入支援 100.0 億円
 地産地消型など再生可能エネルギー等の導入促進 203.0 億円
 再生可能エネルギーの接続保留問題への緊急対応 809.0 億円


経産省、電源構成検討へ小委を設置 電源別コスト検証も
 経済産業省は、エネルギー基本計画には盛り込まれないままに検討が先送りされていた電源種別の構成割合などを示す「エネルギーミックス」の議論を年明けから開始することにした。総合資源エネルギー調査会基本政策分科会に「長期エネルギー需給見通し小委員会」を設置して検討を進める。
 小委の下には発電コスト検証ワーキンググループを設置して各電源種別語との発電コストを試算して、エネルギーミックスの議論に反映させる。


再エネ設備認定、太陽光発電は7千万kW超に
 資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく設備認定について、10月末と11月末の認定状況を発表した。
 10月末の合計認定設備量は7198万9187kWとなり、前月末に比べてほぼ横ばい、また、11月末の認定量は7348万8964kWとなり、10月末に比べて約150万kWの増加となった。10月までは設備認定の取り消し分が反映されていた影響で認定量が伸びていなかったと思われる。
 最新データである11月末の認定量では、太陽光発電が単独の認定量で7千万kWを突破し、7022万4917kWとなった。非住宅用の太陽光発電は10月には二カ月連続で認定量が減少したが、11月は122万kW増加して6688万kWとなり、住宅用とあわせた認定量が7千万kWを超えた。住宅用太陽光は前月に比べて8万kW増え334万kWになった。風力発電は8万kW増え143万kWになった。バイオマス発電も11万kW増え148万kWになった。その他、中小水力も1万kW増え34万kWになった。


その他の主な記事
・9月末の再可エネ導入量は1321万kW
・東京ガス マンション向けエネファームが初採用
・日本アジア 東近江市のメガソーラーが運開
・共同印刷 工場屋根のメガソーラーが完成
・大阪ガス LPG仕様の水素製造装置
・自然電力 大分県竹田市に自社メガソーラー
・京セラ 千葉のダムで大規模太陽光発電
・西部ガス 家庭用ガスコージェネが1万台
・MHIベスタス 8MW級風力を初受注
・住友商事のメガソーラーにファンド
・月島機械 浄水場で自家発電
・シーエナジーなど4社、浄化センターでバイオガス発電
・NEDOと日立大規模ハイブリッドを離島で実証
・東テク 福井大学で管理一体型のESCO
・トヨタと日野 燃料電池バスを路線バス用に提供
・東京ガス 水素販売価格は1100円
・JX、水素の販売価格は1キロ1000円
・ヤンマー バイオイノベーションセンターを開設
・JFEエンジ PFIでゴミ発電
・JPIセミナー、エネマネやガスシステム改革など
・SSKセミナー、ガス会社の事業戦略など
・環境省、国立公園での太陽光発電で基本的考え方
・環境省 2月に低炭素杯
・NEDO 新エネベンチャーマッチングを開催
・1月28日からENEX
・環境省 地球温暖化対策で発表会   etc.

<インタビュー>
・分散型エネルギーで地域とともに
(静岡ガス株式会社執行役員 総合エネルギー事業推進部長・静岡ガス&パワー株式会社 取締役社長 中井俊裕氏)
 昨年7月、静岡ガスは電気事業に参入、新会社「静岡ガス&パワー」を設立した。その背後には、都市ガス会社から総合エネルギー会社へと舵を切る静岡ガスの姿勢がうかがわれる。あらためて、同社のエネルギーソリューションとその背後にある考えについて、静岡ガス&パワー社長も兼ねる中井氏に話をお伺いした。




燃料電池新聞の主な記事
・2015年燃料電池の市場展望 〜燃料電池と水素エネルギー社会〜
・海外ニュース
 -独NorthRhine-Westphalia州、2015年までに6カ所の水素ステーションを新設
 -スウェーデンPowerCell、韓国に駐在事務所を設置、韓国およびアジア市場を開拓
 -韓国現代自動車、カナダで2015年からFCVの3年間のリース販売を開始
 -デンマークDTUとHaldor Topsoe、SOFCのライセンス契約を締結
 -英マンチェスター大学、グラフェン単層膜のプロトン透過性を発見
 -米FuelCell Energy、天然ガス整圧工場に3.4MWの燃料電池コージェネを設置
 -米Plug Power、北米無線通信会社から「ReliOn」ブランドのバックアップ電源500台を受注
 -スウェーデンPowerCellなど、オリーブオイルの廃棄物による燃料電池発電プロセスを実証
 -独Viessmann、2014年に数百台の家庭用燃料電池コージェネ販売を計画
 -スウェーデンのヴェストラ・イェータランド県初の水素ステーション、2015年にオープン
 -英AFC Energy、2015年12月から240kW級AFC燃料電池による商業発電を開始
 -米Northwestern大学、3DプリンタでSOFCを製造するためのインクを開発
 -米FuelCell Energy、燃料電池による累計発電量が30億kWhに到達
 -独SFC Energy、0.5kW級DMFC燃料電池を開発
 -独FuelCell Energy Solutions、ドイツ初のMCFC設置の正式認可を発表
 -米リフトラック製造のHyster-Yale Materials Handling、米Nuvera Fuel Cellsを買収
 -米Ramos Oil、北カリフォルニア州初の水素ステーションを開設
 -米Sandia国立研究所とLinde、FCVと水素ステーションの安全基準策定で協業
 -英Doddle、英Intelligent Energyのモバイル燃料電池のカートリッジ交換業務に参入
 -ノルウェーDNV、Power to Gasのガイドライン策定で共同プロジェクト「HYREADY」立ち上げ
・燃料電池フラッシュニュース
 -日産・ルノーアライアンス、4年間でEV販売20万台に到達
 -西部ガス、停電時発電機能(オプション)を備えた家庭用燃料電池「エネファーム」の販売開始
 -三菱日立パワーシステムズ、九州大学から250kW級のSOFC複合発電システムを受注
 -ブルームエナジージャパン、2015年4月から大阪府中央卸売市場で電力供給を開始
 -JX日鉱日石エネルギー、産業技術総合研究所などMCHから水素を高効率分離
 -トヨタのFCV「ミライ」、12月15日発売。受注台数は約1千台
 -岩谷産業、セブンイレブン併設の水素ステーションを2015年に順次オープン
 -科学技術振興機構、東北大学、貴金属触媒を使わない多孔質グラフェン水素発生電極を開発
 -福岡県、FCV普及に向けタクシー業者に次ぎレンタカー事業者へも独自補助制度を設ける
 -愛知県庁に設置される水素ステーション、2015年6月に水素供給開始
 -宇部興産とトヨタ自動車、水素タンクライナー用ナイロン材料を共同開発、FCV「ミライ」に採用
 -東京ガス、関東初となる商用水素ステーション「練馬水素ステーション」をオープン
 -東京都、水素ステーション建設で独自補助制度を創設、2020年までに35カ所を整備
 -ジェイテクト、FCVに高圧バルブを供給
 -愛知製鋼、高圧水素系配管材向けのステンレス鋼を開発
 -トヨタ車体、3次元的な微細格子構造を持つチタンセパレータをFCVに供給
 -エフアイエスの水素ディテクター(水素漏れ検知器)、FCV「ミライ」が採用
 -ホンダと岩谷産業、北九州で高圧水電解方式の小型水素ステーションの実証開始
 -住友理工のセル用ガスケット、水素ホースなど、FCV「ミライ」に搭載
 -トヨタ、燃料電池関連の特許実施権を無償で提供       etc.



シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門 96
 =COPリマで前進した新しい枠組み=
 (大串卓矢・スマートエナジー代表取締役社長)


・世界を読む 72
 =2040年の世界のエネルギー像=
 (本橋恵一)




コラム
・発電論評<エネファームでオンサイトサービス>
・青空<2015年の年明けに思う>
・ちょっと一休<合唱で新年の幕開け>
・ちょっと一言<再エネ促進で日本発送電が復活?>


エネファームでオンサイトサービス【発電論評】

 2015年の年が明けた。2016年の電力自由化を前に、電力市場で本格的な競争が始まりそうだ。激変するのは、電力の販売方法だといわれる。
 まず、ガス会社が電気も売る。都市ガス会社は現在でも電気を売っている。天然ガスを燃料にした火力発電所を建設して、PPSに卸売りしている。自由化後は電力会社とも連携して、天然ガス火力を拡大し天然ガスの販路の拡大につなげる。さらに需要家への電気の直接販売も行う。その一つの手段として家庭用の燃料電池やガスコージェネを使う分散型電源が考えられる。今はまだ逆潮流することが出来ないのだが、自由化によって制限がなくなる。家庭用の電力販売が自由化されると、太陽光発電のようにエネファームやガスコージェネの電力を買い取って系統電力として販売することが可能になる。これまでは買い取る電力会社がいなかったが、自由化後にはガス会社やPPSなどが買い取り、アグリゲーションして販売することが考えられる。ガスコージェネの電力は風力や太陽光とは異なって安定電源なので、負荷追従型の運転も出来る。ただ1件当たりの電力は極小なので、そうした極小電力をアグリゲーションして出力コントロールする技術が必要となる。
 もう一つの秘策もある。これまでガス会社は家庭用のエネファームやエコウィルを自家発電装置として販売してきた。これを販売せず、オンサイトの発電、コージェネシステムとして提供して電気と熱を家庭内に供給すると共に、余剰電力を系統で販売するというものだ。エネファームやエコウィルは、ガス会社の設備として保有して、現場で発電した電気と熱を販売するのである。ガスを売るのではなくガスで創った電気と熱を売るという、かつてのオンサイト発電の再来である。需要家はイニシャルコストの負担無しに安価な料金の電気と熱の供給が受けられる。オンサイトエネルギーサービスを行うガス会社は、余剰電力を系統利用して他所へも販売できるので、自家発の場合よりも効率的な運用が可能になり、発電コストも下がる。
 このオンサイト熱電併給サービスともいうべき手法は何もガス会社でなくても、安価なガス燃料が確保できれば他の事業者でも展開できる。電力会社が、エネファームやエコウィルを使ってオンサイト型の電力と熱の販売を行う姿や、販売代理店と使ってオンサイト熱電併給サービスを全国展開する姿も想像できる。電力会社が出来るのならば、身軽なPPSにはもっと可能性が広がる。
 自由化によって広がるオンサイトエネルギーサービスの可能性。自由化開始のタイミングにあわせて展開するために、準備の時間はそれほど多くは残されていない。