2015年 新年特別号
2014年12月25日 2015年1月5日 合併号


経産省、再エネ設備認定など運用ルールを見直し
 経済産業省は、太陽光発電の大量認定により連系容量がパンクする電力会社が相次いでいることなどを受けて、その対策について検討していたが、今後も連系を継続し、更なる再エネの拡大を目指すためには固定価格買取制度に基づく設備認定や系統連系ルールの見直しが必要になったとして、系統の運用状況に応じて太陽光発電や風力発電の出力抑制を行うことなどを内容とする改正案を取りまとめた。パブコメを経て1月中頃にも関係する省令を改正し、変更後の運用ルールを適用することにした。
 見直し後の運用ルールでは、現在30日までは無償で出力抑制が可能となっているものを、時間単位にあらため、夜間は発電できない太陽光発電については360時間、夜間も発電可能な風力発電については720時間まで系統運用を行う電力会社の判断で出力抑制が行えるようにする。また、出力抑制が迅速に行えるようにするため、発電事業者側に系統運用者との連絡が取れるシステムの導入を義務づける。システムは新たに開発することを考えており、それまでは、開発後にシステムを導入することを義務づけた上で連系を認めることにする。また、電力各社の連系可能量の上限を超えた場合は、30日(360時間)の制限を超えても無償で出力抑制が行える指定電力事業者に指定して、必要に応じて出力抑制が行えるようにする。
 また、認定取得後に太陽光発電の出力を増加して遡って認定取得時の買い取り価格を適用する問題については、認定後の太陽光発電の出力変更は原則として認めず、新たな設備としてあらためて認定取得を求める。
 また、買い取り価格の算定が毎年度見直されて、太陽光発電の買い取り価格が引き下げられることから、年度末に駈け込み申請が集中していることについては、買い取り価格を実際の発電時に近づける主旨から、電力会社との系統連系の契約成立時にあらためることにした。また、認定取得後一定期間を経過しても発電開始に至らない案件につては、電力会社との連系契約の締結後、1カ月を超えて負担金を支払わないものや、運転開始予定日までに運転を開始しない事業者については連系契約を解除できるようにする。
 今回の制度運用の見直しは、法改正の必要のない範囲でルールが見直されたもので、法改正を含む抜本的な制度の見直しについては、引き続き年明け後も委員会での検討が続けられる。

【新たなルールによる再生可能エネルギーの系統連系(接続)】
◇出力制御の対象の見直し<省令改正事項>
@太陽光発電・風力発電に対する出力制御の対象範囲の拡大
・現在、500kW以上の太陽光発電・風力発電に義務づけている出力制御を500kW未満の太陽光発電・風力発電にも拡大。
・太陽光発電に対する出力制御は、非住宅用太陽光発電(10kW以上)を先に出力制御を行う。
Aバイオマス発電に対する出力制御ルールの明確化<省令改正事項>
・現在、火力発電と同等の出力制御の対象となっているバイオマス発電について、出力制御の受容可能性を踏まえたきめ細かい出力制御ルールを設ける。
ア 地域型バイオマス発電:電力系統の運用上必要な範囲での出力制御の対象とするが、イ及びウの出力制御を先行して実施する。また、燃料貯蔵の困難性、技術的制約等により出力制御が困難な場合は、出力制御の対象外とする。
イ バイオマス専焼発電(アを除く):電力系統の運用上必要な範囲での出力制御の対象とするが、ウの出力制御を先行して実施する。
ウ 化石燃料混焼発電(アを除く):電力系統の運用上必要な出力制御の対象とする。
*地域型バイオマス発電とは、メタン発酵ガス発電、一般廃棄物発電、木質バイオマス発電・農作物残さ発電などであって、地域に賦存する資源を有効活用する発電。
◇30日ルールの時間制への移行<省令改正事項>
・現在、年間30日まで行える無補償の出力制御について、時間単位での制御に移行する。太陽光発電については年間360時間まで、風力発電については年間720時間まで行えるよう制度を見直す。
◇遠隔出力制御システムの導入義務づけ<省令改正事項>
・遠隔制御用のパワーコンディショナー等の開発を進め、出力制御の対象となる発電事業者に対し、その導入を義務づける。
※遠隔制御システムの構築には、一定の時間を要するため、当分の間は、制御に必要な設備の設置や費用負担を行うことをあらかじめ約した上で接続する。
◇指定電気事業者制度の活用による接続拡大
・接続申込量が現行ルールでの接続可能量を既に上回っている又は上回ると見込まれる電力会社に対しては、「指定電気事業者」に指定し、接続申込量が接続可能量を上回った場合には、30日を超えて無補償の出力制御を受ける可能性があることを前提に接続することができる。その際、遠隔出力制御システムの導入を義務づける。各電力会社に対しては、出力制御期間の見込みをあらかじめ示し、再エネ事業者の予見可能性確保に努めることを求める。

【参考】指定電気事業者制度下での出力制御
・500kW未満の太陽光発電及び風力発電についても、指定電気事業者制度の下での出力制御の対象とする。ただし、住宅用太陽光発電(10kW未満)については、指定電気事業者制度の下においても、非住宅用太陽光発電(10kW以上)を先に出力制御を行うなど優先的な取り扱いを行う。
◇改正後のルールの適用について
・改正後のルールは、パブリックコメントを経て、来年1月中旬を目途に施行することを予定。その際、新旧のルールの適用関係については、以下のとおりとする。
@省令改正後に行われる申込みに対しては、改正後のルールを適用するが、既に施行前に申込済の案件については、現行ルール下での接続への事業者の期待を保護する観点から、現行ルールを適用する。
A@にかかわらず、接続可能量の上限を超過した後に申込みに対する回答を行うこととなる案件については、指定電気事業者制度の下で、改正後のルールを適用する。

【太陽光発電以外の電源への新ルールの適用】
◇地熱発電・水力発電
・出力制御の対象とせず、接続する。(原則受け入れ)
◇バイオマス発電
・新たな出力制御ルールに移行し、接続する。
◇風力発電
・電力会社が風力発電の接続可能量を設定している場合には、接続可能量に至るまでは接続を行う。接続可能量を超過することが見込まれる場合には、指定電気事業者制度の活用を検討する。

【今後の導入拡大策等】
◇蓄電池の活用
・系統への受入可能量拡大のため、再生可能エネルギー発電事業者が設置する蓄電池の導入支援を検討する。
・また、受入可能量拡大のため、電力会社が系統に設置する大規模蓄電池の実証事業の支援を検討する。
◇更なる系統の活用・増強
・電力会社単位ではなく、日本全体で最も効率的に再生可能エネルギーを受け入れる観点から、広域的な系統利用を可能とするシステムを構築する。このため、優先給電指令や地域間連系線の利用ルールを見直す。また、固定価格買取制度全体の見直しの中で、広域的な再生可能エネルギーの受入れに伴う電力会社間の新たな精算ルールや、地域内系統及び地域間連系線の強化に必要となる費用の新たな分担方法等の検討を速やかに開始する。
・今後のエネルギーミックスの検討と併せ、地域内系統や地域間連系線の増強方針等について検討し、その検討結果を踏まえ、広域的運営推進機関等の場において、その具体化を図る。
◇上位系統増強時の費用負担方法(入札募集方式の導入)
・再生可能エネルギー等の接続に際し、エリア全体の接続可能量を超過していないものの、ローカルな上位系統の制約がある場合への対応として、現在、東京電力が群馬県北部で行っている入札募集方式を全国で実施可能とすることとする。

【固定価格買取制度の運用見直し】
・国民負担を抑制しつつ、再生可能エネルギー発電事業の健全かつ円滑な実施を図ることができるよう、以下のとおり、制度の運用を見直す。
◇太陽光発電に適用される調達価格の適正化
@調達価格の決定時期について、「接続申込時」から「接続契約時」に変更する。
(ただし、電力会社側の理由で、接続申込から270日を経過しても接続契約の締結に至っていない旨の電力会社からの証明書があれば、当該期間が経過した時点(接続申込の翌日から270日後の日)の調達価格を適用する。)<告示改正事項>
※現行制度では「設備認定」と「接続申込」のいずれか遅い方が行われた時点の調達価格を適用することとしているところ、この「接続申込」を「接続契約」に変更するもの。
A運転開始前に、「発電出力の増加」又は太陽電池の「基本仕様の変更」を行う場合には、変更認定を受けることを求め、その「変更認定時」の調達価格に変更する。
(ただし、電力会社の接続検討の結果に基づく出力増加、10kW未満の太陽光発電設備の出力増加(増加後も10kW未満である場合に限る)若しくはその太陽電池の基本仕様の変更、又はメーカーが製造しなくなったことに伴う太陽電池の基本仕様の変更については、例外的に調達価格を変更しない。)<省令・告示改正事項。平成27年2月以降の変更認定申請から適用>
※「基本仕様の変更」とは、太陽電池のメーカー若しくは種類の変更、又は、変換効率の低下とする。
B運転開始後に、「発電出力の増加」を行う場合、増加部分を別設備として新たに認定し、その時点の調達価格を適用する(事業者の選択により、変更認定により既認定部分を含めた設備全体について「変更認定時」の調達価格に変更することも認める)。
(ただし、10kW未満の太陽光発電設備の出力増加(増加後も10kW未満の設備である場合に限る)については、調達価格を変更しない。)<省令・告示改正事項。平成27年4月以降の別設備としての認定(又は変更認定)申請から適用予定>
◇接続枠を確保したまま事業を開始しない「空押さえ」の防止
・電力会社が、接続契約の締結時に接続枠を確定させることとした上で、接続契約の締結後1か月以内に接続工事費用が入金されない場合や、契約上の予定日までに運転開始しない場合は、接続枠を解除できることとする。<省令改正事項>
・併せて、電力会社に接続工事費用の透明性の確保や契約プロセスの見直し等を要請する。
◇立地の円滑化(地域トラブルの防止)
・太陽光発電等の立地をめぐる地域トラブルを防止するため、認定時に関係法令の手続き状況について提出を求め、個々の案件の詳細情報とともに、地方自治体に提供する。


その他の主な記事
・NEDO 小型風車の低コスト開発に乗り出す
・中部ガス 電力小売り事業に参入
・日本アジア 小水力発電事業を強化
・荏原環境、南信州のゴミ処理発電を受注
・洞爺湖で地熱開発に成功 発電や温泉事業を展開
・三井不動産など大手町再開発 BCPにデュアル発電設備
・東邦ガス コージェネとNAS電池で先進のエネシステム
・東芝など沖縄で消化ガス発電
・北九州にもスマート水素ST ホンダ
・東京ガスの練馬水素STが開設
・四国電力も一括受電サービス  etc.


<新年を展望する・年頭所感>
資源エネルギー庁長官/コージェネレーション・エネルギー高度利用センター理事長/省エネルギーセンター/都市環境エネルギー協会/日本電設工業協会/日本ガス協会/エネルギーアドバンス/東邦ガス/ヤンマーエネルギーシステム/ハタノシステム



シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(52)
 =日本国債格付け引き下げとエネルギー産業の改革=
 和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一

・日本の再生可能エネルギー事情 その20
 =分散と熱とシュタットヴェルケ=
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也


・世界を読む(特別編)
 =電力システム改革をめぐる今年の課題=
 本橋恵一






コラム
・プリズム<加速する「政策の正常化>
・ちょっと一休<クラブ関東で望郷のバラードを聞く>
・青空<未年はどんな年>


2015年の分散型、新エネルギー市場を展望する
〈新たな役割を担う分散型エネルギーシステム
 −再エネ、コージェネ、燃料電池など−〉


 ◆2015年の市場展望
 分散型エネルギーシステムに注目が集まった2014年が暮れ、さらに進化する2015年の幕が開いた。
 4月には、電力システム改革の第1弾となる広域運用機関が正式に発足し、電力事業の完全自由化に向けた最終の準備が開始される。1年後の2016年4月には、小売りの完全自由化がスタートする。電力事業は、小売りと送配電、発電事業に3分割され、それぞれがライセンス制となる。送配電部門を除く小売りと発電事業へは、誰もが自由に参入でき、託送料金を支払えば、発電した電力をネットワークを利用して運び、販売できるようになる。普通の商品のように電力が自由に販売できることになり、電力市場は劇的な変化を遂げようとしている。コージェネの余剰電力も、自由に販売できるようになる。遠くの工場で発電した自家発電力も、自家発の枠を超えて託送も出来る。遠方の風力や太陽光発電の電力とコージェネ電力をミックスして購入したいという需要家の期待に応える小売り事業者も現れるに違いない。
 市場に流通する電力は、これまでのように原子力発電や火力発電、水力発電などの電力をごった煮して何で作られた電力なのかわからなかったものが、需要家が電源を選べる時代になる。小売り事業者はこうした需要家のニーズに応えるために、販売する電力の電源構成を明らかにしなけらばならない。魚屋が全ての魚を刻んで混ぜて魚肉として売っていたものを、鯛は鯛、鰺は鰺、鮭は鮭として種類毎に分けて販売するようになるということか。魚屋や八百屋では当たり前のことがこれまでの電力市場ではあたりまえでは無かったのである。
 それに伴って、電力ネットワークも誰でも、公平な条件で電力ネットワークを利用して送電できるようになる。料金を支払えば誰でもが自由に利用できる高速道路のようになるはずである。そのために設立されるのが、広域運用機関であり、発送電分離後は、広域運用機関の下で、各電力会社傘下の送電会社がネットワークを所有して運用することになる。自由化後のネットワークの運用に必要な電源の確保も広域機関の役割だ。発電所の建設を求めたり、発電事業者から電力を調達してネットワークの安定運用を司る。

 振り返ってみれば、2014年は、エネルギー業界にとっては大胆に変革を求められた年だったと言える。
 4月には、エネルギー基本計画が閣議決定されたが、速やかに開始されるはずだったエネルギーミックスの議論は手つかずのまま放り出された。東日本大震災による原子力発電所の全停が継続し、再稼働の見通しが立たない中で、検討再開の見通しが立てられなかった。ようやく再稼働のメドがついてきた今年は、エネルギーミックスの議論が再開される。昨年末のCOP20の議論に基づいて、6月までに2020年以降の日本のCO2削減目標を発表しなければなない。そのためには、原子力発電の再稼働が欠かせない、というのがこれまでに議論が先送りされてきた要因であった。
 2014年はまた、買取制度開始後、2年半で日本の電力系統は太陽光発電の受入に黄色信号がともり、連系受付が一時中断する事態に追い込まれた年だった。しかしながら再エネ電力の流通量はまだ電力需要量の数%にしか過ぎない。年末には、国の対策が発表され、太陽光や風力などの出力変動電源については発電しても系統に電力に受け入れない「出力抑制」を条件として連系受入を再開することにした。太陽光発電の設備認定量は7千万kWに迫り、全量の受入は出力抑制しても限界を超えると見られている。
 自由化を目前に、電力市場は活気づいており、新年もまた、話題の多い1年になりそうな予感がする。再生可能エネとコージェネ・自家発、水素・燃料電池の3つのテーマで2015年を展望してみる。

【再生可能エネルギー】
 2015年の再エネ市場はどのように変化していくのか。
 昨年の再エネ市場は一つの大きな転換点を迎えた。太陽光発電の大量認定問題は、制度開始後わずか2年半で買い取り制度の変容を余儀なくさせた。新たに示されたのは、必要に応じて再エネ電源の系統への受入を遮断する出力抑制という新ルールだった。今後も、制度の見直しに向けて、出力抑制の拡大や系統連系要件の見直し、太陽光に偏りすぎている電源間のバランスなどの問題解決に向けて法改正も視野に入れる見直しが続けられる。いずれにしても、連系可能量の上限が近づいている今、買い取り制度だけをよりどころにしている日本の再エネ拡大は、一つの限界を迎えていると言えるわけで、買い取りに頼らない拡大策が検討されなければならなくなっている。
 それについては、再エネを優先的に利用する需要先の開発がカギを握ることになるのではないか。例えば、農業分野。農地で栽培と太陽光発電が両立できるソーラーシェアリングや、農業用水路などでも発電できる小水力発電に取り組むメーカーや開発事業者が出現してきている。また、家畜排泄物をメタンガスに変えて発電するバイオガス発電や、未利用の間伐材や農作物残渣をエネルギー資源に変えるバイオマス発電などが広がってきている。こうした取り組みが注目されるのは、地域社会と一体となったエネルギー開発が行われるということだろう。
 前述のソーラーシェアリングの魅力は、従来通りの農業収入に加えて売電収入が得られることで、事業としての農業の強化につなげられるという点だ。また、買い取り期間終了後は、一部を自家消費電源とすることで、自然エネルギーによる作物栽培も可能となり、ネットゼロエネルギー生活も夢ではなくなる。近年、後継者不足や農業従事者の高齢化にともなう耕作放棄地や農地の遊休地化などが問題となっており、この解決策の一つとして農業分野への企業進出も始まっている。こうした事業性に敏感な農業事業者が拡がることで、農作物と共にエネルギーも精算するという新たな農業スタイルが拡大する可能性もあるのではないか。
 また、ハウス栽培などのエネルギーを必要とする農業では、現場で創エネできる再生可能エネルギー活用型の分散型エネルギーシステムの活用も大いなる可能性を秘めている。新年の再エネ市場は、こうした新たなステージに移行する固定価格買取制度と農業分野などの地域の分散型エネシステムによる地産地消型の再エネ活用型の市場という両面で更なる拡大が目指されることになる。

【コージェネ・自家発・分散型】
 コージェネや自家発市場は、昨年は特に新たな動きは見られなかった。
 非常用を中心とした自家発電市場は、大震災以来、電力自給力の確保と、非常災害時の業務継続対策(BCP)としての自家発電設備の導入が定着しており、こうした非常用自家発電設備の需要は高止まりして好調が継続している。新年もこうした傾向はなお当分の間継続するものと見られる。
 一方で、コージェネなどの常用自家発電設備の市場は、震災直後の熱狂的な状態から3年を経て落ち着き、問い合わせ件数の割には制約物件は少ないという状態にとどまっている。とはいえ、震災前の壊滅といった状態からは徐々に回復している。最近の燃料価格の低下は追い風であり、発電コストの低減に寄与することは間違いない。
 電力システム改革による市場変化にも期待したい。自由化によって小売り事業に参入する新電力事業者が拡大することによって、取引市場を通じる電源調達の活発化や、出力調整用電源として中小規模のコージェネや自家発などが認知されるようになると、新たな市場開発の契機となるかもしれない。まだ時期尚早ではあるが、コージェネや自家発にとって市場再生に向けた第2ステップが始まるその準備期間と位置づけたい。

【水素・燃料電池】
 水素・燃料電池市場は、昨年大きな変化があった。年末にトヨタ自動車がセダン型の燃料電池自動車を発売し、一気に燃料電池や水素に関する話題が増えた。2015年の市場投入を目標に国内の関連事業者が努力を重ねた結果、目標が達成される。2015年中にホンダからも新型燃料電池自動車がリリースされる。燃料電池自動車への充填を目標に水素ステーションの整備に関するニュースも目立って増えている。水素製造大手の岩谷産業や燃料製造者のJX日鉱日石エネルギーなどの水素ステーションの建設、東京ガスなど都市ガス事業者の水素ステーションの建設拡大など話題も多い。また、ホンダは、再生可能エネルギーの余剰電力を活用して製造した水電解水素を充填する水素ステーションを埼玉県や福桶県で実証する。川崎重工は水素の液化システムを開発して、自社工場にプラントを建設、実証試験を開始した。液化によって、水素の流通が大幅に改善されることが期待でき、燃料としての水素利用が大きく幅を広げることが期待できる。
 燃料電池自動車の市販化によって、燃料電池自動車が日常の風景の中に入り込めば、それを核にした水素の燃料利用の市場が確立されることが期待できる。水素が燃料として販売・利用する流通市場が整備されることで、定置型の燃料電池の市場が拡大することも期待できる。前述の電解水素は、原子力発電の余剰電力を利用する目的で整備された揚水発電に対する分散型システムの余剰電力対策として育てたい。余剰電力を蓄電池で貯めるのか水素の貯めるのか、対策の選択肢が広がると言うことである。
 再エネの余剰電力の受け入れ先として水素化市場が形成できれば固定価格買取制度の補強の役割も担えることになる。
 水素・燃料電池に関しては様々な話題が提供される1年になりそうだ。