2014年1025日号

再エネ認定設備 7月は42万kW
 経済産業省は、7月末現在の再生可能エネルギー設備の認定状況と導入状況を発表した。
 累計の設備認定量は、6月末に比べて42万kW増加して、7221万kWになった。このうち非住宅用の太陽光発電は30万kW増にとどまり、新たな認定設備は今年度になって増加の勢いが止まってきた。太陽光以外の認定も低水準のままであり、再生可能エネルギー設備全体の96%を太陽光発電が占めている。
 太陽光発電以外の認定量は、風力が2万kW増の123万kW、バイオマスが3万kW増の131万kWと、相変わらず太陽光発電以外の設備認定は低水準で推移している。9月末には、九州電力や東北電力など電力5社が再生可能エネルギー設備の連系受入を一時中断したほか、東京電力や関西電力管内でも部分的な連系制約が発生しており、今後も新規認定設備は低い水準で推移するものと見られる。
 運転を開始した設備を集計した導入量は、7月もほぼ順調に拡大。6月末より76万kW増えて、1186万kWとなった。このうち77%にあたる915万kWが非住宅用太陽光発電で、太陽光以外では、中小水力が2万kW増の3万kWに、バイオマスが1万kW増の9万kWにとどまった。
 固定価格買取制度開始以前に運開済みの「移行認定分」を合わせた導入量では、2067万kWとなり、再生可能エネルギー電源は2千万kWを超えた。


経産省、ネガワット取引にガイドラインを整備
 経済産業省は、10月21日に開いた省エネルギー小委員会で、年内にネガワット取り引きのガイドラインを整備する方針を明らかにした。
 ガイドラインは、国内4地域で実施している実証事業の中で、東京電力管内でのネガワット取り引きの検証と並行して、参加企業と学識者、電力事業者などの委員で構成される検討会で検討が進められている。
 主な検討項目は、@節電要請が無かった場合に想定される電力消費量を算定する「ベースラインの設定方法」A評価対象とする時間区分やデータ計測単位などによる「需要削減量の測定方法」B節電失敗時の取り扱いなど「ネガワット取り引き契約のあり方」など。ガイドラインを整備することで、取り引きルールを明確化し、ネガワット取り引きの確実性や応答性を向上させることで、ネガワット取り引きを円滑化することに役立てたい考え。
 ガイドラインを整備することで、ネガワット取り引きが活発化することで、ピーク電力の確実な引き下げにつなげる。


風力発電の事故対策に保全ガイドラインを整備
 風力発電の保全対策の向上に向けてガイドラインが整備されることになった。
 資源エネルギー庁は、このところ国内で稼働中の風力発電設備の損傷事故が相次いだことから、風力発電設備の点検基準を整備して、安全対策を講ずることにした。エネ庁によれば、風力発電の事故率は火力発電所の事故率を上回る確立で発生しており、今後の導入量の拡大を見越してもメンテナンス体制の整備が必要だとして体制整備に乗り出した。これまで事業者任せだった運転開始後の風力発電設備について、統一的なメンテナンス方法を整備した上で、事業者が定期的に検査・メンテナンスを行うと共に、その内容について第3者が確認する制度を整える。具体的には、業界団体である日本風力発電協会が統一的な保全基準となる「風車の講習安全確保に関わる点検ガイド(解説)」を整備して、法令基準や自主保安基準に基づく点検制度を設けるとともに、点検を行う技術者についても資格制度を設ける。年度内にガイドや点検実施体制を整え2015年度後半の運用開始を目指して、取り組みを進めることにしている。


再エネ連系中断でWGが初会合 対策は太陽光など出力抑制の拡大が中心
 経済産業省は、10月16日に系統WGの初会合を開いた。WGは、電力5社が相次いで再生可能エネルギーの系統連系の受付を中断したことに対応して緊急的に設置されたもので、連系再会に向けて年に3、4回程度の会合を持ち、電力各社の接続可能量を検証した上で拡大策を取りまとめる。
 接続可能量の検証については@太陽光や風力などの自然変動電源の出力変動と平滑化効果A需要想定や需要カーブ、調整力など、需給調整が困難となる断面の整理B需給調整に用いられる調整電源や出力抑制の活用状況C地域間連系線の活用状況−などについて検証し、現状の連系可能量について整理・検証した上で、接続可能量の拡大に向けて、@調整電源や地域間連系線のさらなる活用や出力抑制の拡大など運用の見直しA蓄電池、地域間連系線、送配電網の整備などの設備の増強Bその他、自然変動電源の変動特性の把握、発電量予測の活用や精密化、需要対策の主に3項目について拡大可能量を検討していく。
【系統WGの委員】
◇座長 荻本和彦・東京大学生産技術研究所特任教授
◇委員 岩船由美子・東京大学生産技術研究所准教授 大山力・横浜国立大学工学研究院知的構造の創生部門教授 馬場旬平・東京大学大学院新領域創生科学研究科准教授 松村敏弘・東京大学社会科学研究所教授


その他の主な記事
・新エネ小委  再エネ拡大へ制度の見直しを開始
・川崎市、容積率緩和で環境配慮都市づくり
・佐渡クリーンCの委託先は川崎重工
・国立教育政策研、学校の自家発電の設置率は4割
・愛媛県東温市、3施設でESCO
・大阪府立大のESCO、2月中旬に事業者決定
・機器管理展 非常用自家発などに関心
・LPガスの広報強化を指摘、振興センターが発表会
・ブラジルの石油ガス生産が拡大 PwCセミナー
・福島の市民共同発電 出資者を募集
・気候変動と科学技術でシンポ
・横浜市、スマートシティ会議
・パイプラインでセミナー
・西部ガス エネシードひびきが全面運開
・日本アジア 大津市の処分場で太陽光発電
・高砂熱学 月島機械と業務、資本提携
・新日鉄住金エンジ 広島で下水汚泥燃料化事業
・住友商事 使用済み蓄電池で再エネを補完
・JX日鉱日石エネ 家庭用電力販売にも参入
・エナリスと日産 EV蓄電池でDR実証
・日本の再生可能エネルギー事情
・NTTF 千葉勝浦でメガソーラー
・タケエイ 花巻でもバイオマス発電
・ユーラスのスーパーメガソーラー 工事は55%
・日本電機工作 太陽光発電の遠隔監視を無線で
・シーテック ソーラーパークが竣工
・シャープ信州太陽光が運開
・ホンダ ポータブル発電機2機種を発売
・風力エネシンポ 11月27日に
・21世紀のエネルギーを考えるシンポジウム
・気候変動と科学技術シンポ
・パイプラインでセミナー
・北海道の自家発導入補助 2次募集   etc.

<インタビュー>
・エネルギー事業者の抜本的変革を支援
(アクセンチュア マネジング・ディレクター・公益事業部門統括 宮脇良二氏)
2016年4月に電力小売り全面自由化がスタートする。だが、電力会社も新規参入をねらうガス会社なども、まだまだ手探りの状況だ。こうした中、海外での支援実績など、コンサルティング会社の役割は大きなものとなってくる。自由化に向けて、グローバルで豊富な経験と豊かな人材を持つアクセンチュアは、日本の公益事業に何をもたらすのだろうか。



シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(50)
 =原油価格は下落だが、再高騰の要因も=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本の再生可能エネルギー事情 その18
 =「九電ショック」でわかったこと =
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也




コラム
・発電論評<再エネ拡大には地産地消型の奨励>
・青空<民の安寧とは>
・ちょっと一休<針・お灸の病院もある大学>
・一筆啓上<迷走するLNG市場>


再エネ拡大には地産地消型の奨励【発電論評】

 再生可能エネルギー固定価格買取制度が立ち往生している。制度の根幹である全量買い取りがおぼつかなくなったからだ。政府はにわかに検討組織を立ち上げたのだが、その内容は、系統運用を抜本的にあらためるという視点は乏しい。現状の系統にどの程度の再エネを受け入れられるのかということに主眼が置かれ、結局は、再エネ電源をどのように抑制するかという議論に終始するのではないかと危惧される。
 固定価格買取制度は、再エネを最大限に導入する支援制度としてスタートした。不安定になるという理由で連系が認められないのなら、制度そのものに欠陥があったといわれてもしかたがない。
 一方で、今回の系統受け入れの中断によって、利用可能な再エネは予想を遙かに超えるボリュームがあることもわかった。太陽光発電にしても、農地のソーラーシェアリングや建物の屋根や壁面、道路施設、湖や池の水面などなどまだまだ導入可能な場所が相当残されている。また、太陽光以外の再エネにしても、ようやく具体的な導入計画が開始されようとしている段階であり、ようやく本格的な導入が始まろうとしている。このタイミングでの突然の系統への受け入れ中断の措置がとられたことで、制度に対する信頼が大いに損なわれてしまった。
 とはいえ、抜本的な見直しが必要になることは避けられない。系統が一杯になった段階で再エネの新規開発は打ち切りだというのでは政策的には無策であるというに等しい。現状の系統では、受け入れきれないほどの再エネのポテンシャルがあることが分かった今、系統に負担をかけない形での再エネの活用策を講ずる必要がある。
 再エネの導入拡大には、系統に全量を受け入れる現状の固定価格買取制度以外の複数のルートを用意するのもいいのではないか。系統に繋いで広域的に利用する再エネと、発電した周辺で地産地消的に利用するもの。こうしたものを分類してぞれに導入促進策を考えてみたい。
 例えば、系統に繋がないものは、ネガワット効果を評価して、自家消費する電力を再エネ賦課金で支援すれば系統に負担をかけない買い取り制度ができる。再エネの電力を可能な限り増大させて、コストは電力利用者が等しく分担して負担するという固定価格買い取り制度の趣旨にも合致する。地産地消型を奨励するために、地域のネットワークの構築について支援制度を考えてみてもよい。再生可能エネルギーで作り出した電力を地域のネットワークを整備して地産地消することで、広域ネットワークへの負担を相当に減じることができる。系統に負担をかけない支援制度。見直しに当たっては、こうした観点も考えられるのではないか。