2014年105日号

川崎重工、非発兼用型低NOXGTコージェシステムを発売
 川崎重工業は、非常用兼用型のGTコージェネシステムを開発し、販売を開始した。1700kW級の自社開発の純国産GT「M1A−17D」を搭載し、ガス燃料と液体燃料の2種類の燃料が使用できるデュアル燃料方式とすることで、常用・非常用を1台で兼用できるコージェネシステムとして開発した。通常時には都市ガス燃料を使用し、災害時等にガス燃料の供給が途絶えた場合には、自動的に貯蔵している液体燃料に切り替えて運転を継続し、BCP対策に貢献することができる。
 開発したGTコージェネシステムは、DLE(ドライ・ロー・エミッション)燃焼を採用することで排ガス中のNOX値を50ppm(O2=0%換算)まで低減し、さらに単独運転中の負荷急変時にも低NOX運転が継続できるDLE燃焼システムも採用し、環境負荷低減のニーズに応えたシステムとした。オプションとして部分負荷運転時に空燃比を一定制御できる吸気ダクト可変翼機構を追加することで、低NOX運転範囲をさらに拡大することもできる。
 東日本大震災以降の国内の常用・非常用発電システム市場では、被災による停電時のライフラインの維持や復旧支援という観点からのBCP対策としての自家発電設備による電力自給力の確保を目的とした市場の拡大が続いているが、川崎重工業では、デュアル燃料方式とすることで、専用の非常用発電設備を設置する必要がなくなるため、発電設備設置の省スペース化や導入コスト・メンテナンスコストの低減、機器系統の簡素化などのメリットが期待できるとして、営業活動を強化していく。


再エネ連系、電力5社が一時中断 経産省回復措置をWG検討
 メガソーラーなどの太陽光発電が急増し、電力各社の系統連系受付が麻痺してきた。9月24日に九州電力が太陽光発電に限らず再生可能エネルギー発電設備全般について系統連系の接続申し込みの受付を管内全域で中断するという発表を行ったのを皮切りに、東北電力、四国電力、北海道電力でも接続中断を行うことが相次いで発表され、既に接続中断を行っている沖縄電力を含め電力10社の半数の管内で再エネ発電の新規開発が実施できない異常事態となった。
 こうした事態を受けて、経済産業省では、9月30日に新エネルギー小委員会(委員長:山地憲治・地球環境産業技術研究機構理事・研究所長)を開催し、全国規模での接続申請の回復に向けて対策を講ずるために作業部会を設置することを決めた。
 委員会では、接続中断する電力会社から現状についての報告を聞いた。北海道電力では、管内の電力の最小需要電力である270万kWを上回る300万kW程度の設備認定が行われており、これを全県受け入れると供給量が需要量を上回る事態も想定されるなど系統のコントロールが困難となる恐れがあり当分の間連系受付を中止すると説明。他の電力会社もほぼ同様の説明を行った。
 小委員会では、こうした事態に対応するため、電力系統に知見のある学識者5人程度の作業部会を緊急的に設置して、各電力会社ごとの連系可能量の再検証や連系可能量の拡大に向けた対策などを検討することにした。
 対策案としては、揚水や火力発電などの調整電源のさらなる活用や再エネ側の出力抑制の拡大、地域間連携の拡大、蓄電設備の増強、再エネの出力予測の活用などが上げられているが、いずれも新規性に乏しい内容で、大きな効果が期待できるのかは疑問が残るところ。接続中断をおこなった電力会社は、作業部会の結論を待って申請の受付を再開するかどうか決めることになると思われる。


再エネ導入量は1100万kWに 認定量の伸び鈍る
 経済産業省は、平成26年度6月末時点の固定価格買い取り制度に基づく設備認定状況と導入状況について発表した。それによると、設備認定数は合計で131万5806件・7178万3179kWとなり、前月末に比べて件数で約1万9千件、設備容量では約30万6千kW増加した。認定設備容量の増加は3月の年度末の駈け込み申請以降、2014年度に入って急減している。
 一方、設備の導入量は高水準の伸びを続けており、6月末時点での導入量(固定価格買い取り制度による新規認定設備)は1109万kWと前月末に比べて約66万kW増加している。
 導入量の内訳は、住宅用太陽光発電が約10万kW増の約240万kW、非住宅用の太陽光発電が56万kW増の848万kW。風力発電が約1万kW増の約11万kW。バイオマス発電が8万kWとなっている。
 固定価格買い取り制度開始以前に導入された設備も加えると住宅用太陽光発電が707万kW、非住宅用が874万kW。風力が264万kW、バイオマスが121万kWなどとなっており、合計で1990万kWと再可エネ発電設備の導入量はほぼ2千万kWに達し、そのうち、太陽光発電は約79%とさらに比率を高めている。
 また、前月から公表が始められた買い取り電力量をみると、6月までの3カ月間の発電量は、72億8842万3千kWhとなり、前年度1年分の40%に達している。電源種別ごとの発電量は住宅用太陽光が25.7%、非住宅用太陽光が44.1%、風力が13.7%、バイオマスが12.1%となっており、設備容量に比べてバイオマスの発電量が多い。 また、6月までの3カ月間の買い取り費用は2640億円で、昨年度1年分の45.6%に達している。


太陽光と風力のハイブリッド発電所が運開
 三井化学、三井物産、シーテック、東亞合成、東芝、東レ、三井造船の7社が、愛知県田原市に建設工事を進めていた国内最大規模の太陽光と風力発電によるハイブリッド型の発電所「たはらソーラー・ウインド発電所」が完成し、商業運転を開始した。5万kWのメガソーラーと6千kWのハイブリッド型の発電所で、年間約6750万kWhの発電量が見込まれている。
 太陽光と風力を併せ持つことで、天候の影響を受けにくい比較的安定した発電出力が得られる。また、4種類の太陽電池モジュール(単結晶シリコン1種、多結晶シリコン2種(メーカー2社)、化合物系1種)を使用し、遠隔監視システムによる各発電状況データの収集・分析を行うなど、実証実験の場としても活用される。
 発電所は、トランスバリュー信託を発電事業者として、中部電力と技術的な協力関係のもとで運営する。


その他の主な記事
・ガスシステム改革、自由化後も規制料金は残存
・省エネ小委 業務部門もベンチマーク
・瀬戸内市の塩田跡地に大規模メガソーラー
・京セラ、竹中工務店とメガソーラー事業
・大和ハウス 宮城工場のけがソーラーが完成
・愛知県田原市に国内最大規模のハイブリッド発電所
・エネルギア 新電力に参入
・JR東日本 秋田でメガソーラー
・自社メガソーラーが運開自然電力 
・JX日鉱日石、下松第2メガソーラーが運開
・大阪ガス 兵庫県小野市の水上太陽光が完成
・伊藤忠と王子グループが提携 電力販売事業で新会社
・JFEエンジニア 津事業所でバイオマス発電事業
・三井不動産 八戸に4カ所目のメガソーラーが完成
・国交省 下水汚泥燃料をJIS化
・青森の送電網整備 上北送電に事業認定
・電設工業展実施計画まとまる
・国交省CO2採択事業
・NEDOが太陽光戦略
・国立環境研究所が 低炭素社会セミナー
・NEDOが省エネ技術フォーラム
・地域主導の再可エネ研修会 環境省
・東電の系統安定化対策など、JPIセミナー   etc.

<インタビュー>
・エネルギー政策の将来を見通す難題に取り組む
(経済産業省 大臣官房審議官 エネルギー環境担当 吉野恭司氏)
 
今年、見直されたエネルギー基本計画だが、将来のエネルギーミックスについては数値が示されていない。原子力の将来像が描き切れていないことがその理由の一つだ。その一方で、来年3月には、気候変動枠組条約事務局に、2020年以降の日本の温室効果ガスの削減目標案を示すことになっている。限られた時間の中で、エネルギーの将来を示すという難題を担当している吉野審議官の会見をお伝えする。




シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(56)検証:エコブームの終焉=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・エネルギー市場のサステナブルな世界(その4)
 =非常用発電機がクリミア併合の武器に=
 日本サスティナブル・エナジー株式会社 大野嘉久






コラム
・発電論評<再エネ連系中断で変節する買取制度>
・プリズム<相次ぐ電力の越境供給の動き>
・青空<古き駅裏に郷愁を覚える>




再エネ連系中断で変節する買取制度【発電論評】

 再生可能エネルギーで発電した電力を全量買い取るという固定価格買い取り制度の存続が危機を迎えている。電力会社の再エネ電源の系統連系の申し込みが相次いで一時中断される事態になったためだ。中断を決めたのは、北海道、東北、四国、九州、沖縄の5つの電力会社。各社の説明によると、メガソーラーなどの大規模太陽光の想定を超える大量の申請が行われ、連系可能量を超える事態となっているという。設備認定されている再エネ電力が全て連系することになると、再エネ電源が電力消費量を上回ることもあると事態の深刻さを訴えている。
 電力会社が、連系を拒否をする場合には、調整電源の不足や送電線の容量不足があるが、今回のような供給電力が需要量を上回ってしまうという事態は、より深刻で制度の抜本的な見直しが余儀なくされることになった。
 経済産業省は、こうした事態を受け、専門家による作業部会を設置して、対策を講ずることにしたが、対策案としてあげられているのは再エネ側の出力抑制や送電網の整備、調整電源、蓄電池の整備など、いずれも新規性に欠けるものであり、画期的な再エネ連系の拡大策には結びつきそうもない。
 一律の全量買い取りが困難になった今、全量買い取りは見直しが必至の情勢であるが、見直しに当たっては、再エネを抑制するのではなく、改めてさらなる拡大を目指す方向製が求められるのはいうまでもない。現在の導入量を買い取り価格だけでコントロールするという仕組みは、結果的に太陽光発電だけが異常に突出するという事態を招いたという反省に立ち、価格の他に、導入の優先順位を決める評価基準を設けることが考えられる。
 例えば、太陽光発電の場合、現在は住宅用と非住宅用の2つの分類しかないが、これを導入する業種や用途ごとに買い取り価格を変えることを考えてみたい。地域や市民が中心となって導入する地産地消型のもので、発電電力の一定量を地域で消費して余剰電力を送電網に送るもの、また、農業と発電を両立するソーラーシェアリング、農業だけでなく工場や事業場の屋根や遊休地に自家消費型の再エネを導入し、一定量を自家消費した上で余剰電力を売電するものなどは価格で優遇することなどが考えられる。
 発電した電力を可能な限り地域内で消費し、余剰電力を送電網に乗せるという仕組みが普及すれば亜送電網の負担が大いに軽減でき、地域の産業振興にも大いに貢献できる。いずれにしても、大量の再エネ電源を全量系統に受け入れるという現行制度が限界を迎えてしまった今、系統の負担を減らしながら地域で再エネのさらなる拡大策を講じていくという方向に切り替える必要があると思われる。