2014.08.15


2014年815日号

三菱重工、2千kW級の高効率ガスエンジン開発 発電効率は44.7%
 三菱重工業は、2千kW級の高効率ガスエンジンで発電効率44.7%以上を達成した高効率ガスエンジンを開発した。ミラーサイクルと2段過給方式を採用し、クラス最高の発電効率を達成した。開発した高効率ガスエンジンを搭載した発電実証試験を今年9月から、エンジン製造拠点のある相模原地区の自家発電施設にプロトタイプ機を設置して開始し、分散型電源をはじめ、常用自家発電・コージェネレーション、各種災害に備えた非常・緊急対応電源などとして実用化を目指す。
 NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム事業」として取り組んだ。
 開発したガスエンジンは、2012年に自社開発した16気筒1500kW級ガスエンジンをベースに、高過給化することでエンジン出力を上げ、1500kWで40.3%だった発電効率を、同一排気量・同一エンジン回転数のまま発電出力を500kW上昇させ、発電効率を4.4ポイント向上させた。
 三菱重工業では、今回開発した16気筒モデルを皮切りに、750〜3千kWの出力範囲で6〜24気筒モデルを開発しシリーズ化させる。


再エネ認定7千万kWを突破 導入量は977万kW
 経済産業省は、平成26年4月末の再生可能エネルギー発電設備の導入状況と設備認定状況を発表した。導入量は3月末に比べて81.4万kW増加して約977万kWになった。設備認定量は約237万kW増加し7101万kWと7千万kWを超えた。認定量のうち96.4%に当たる6842万kWは太陽光発電が占めている。また、導入量977万kWのうち957万kWは太陽光発電が占めており、固定価格買い取り制度開始後に導入された98.0%が太陽光発電となっていて、太陽光以外では風力発電が11万kW、中小水力が1万kW、バイオマス発電が9万kWにとどまっている。
 設備認定の内訳は住宅用太陽光が280万kW、非住宅用が6562万kW、風力が107万kW、中小水力が30万kW、地熱が1万kW、バイオマスが121万kW。非住宅用の太陽光発電は買い取り価格が引き下げられたものの4月に258万kWが設備認定を受けた。
 経産省は4月分から発表内容を改め、これまでの認定量と導入量だけだったものを、固定価格買い取り制度開始以前の旧制度からの移行設備についても内訳が分かるようにした。移行分の内訳は、10kW未満の住宅用太陽光発電が467万kW、10kW以上の非住宅用太陽光発電が26万kW、風力発電が253万kW、中小水力が21万kW、バイオマス発電が113万kW、合計880万kWとなっている。


固定価格買い取り制度、買電量と買電額も発表
 4月分の再生可能エネルギー導入量の発表から、新たに固定価格買い取り制度による電力の買い取り量と買い取り金額も発表されるようになった。
 それによると、4月の買電量は22億9681万kWhで、買電額は804億円だった。制度開始以来の累計では、買電量は260億557万kWhで、買電額は8377億円となっている。
 電源別に見ると累計の買電量では、余剰電力を買い取る住宅用が77億4767万kWh(3445億円)、非住宅用太陽光が53億6640万kWh(2227億円)、風力が80億371万kWh(1712億円)、中小水力が11億6734万kWh(297億円)、地熱が724万kWh(3億円)、バイオマスが37億1321万kWh(694億円)となっており、住宅用太陽光発電の買電額が最も多かった。
 平成25年度の買電量は181億1855万kWhで、住宅用太陽光が37.1%、非住宅用が30.5%と太陽光発電の比率が増加している。


JFEエンジ、苫小牧にトリジェネ採用のスマートアグリ
 JFEエンジニアリングはグループ会社のJファーム苫小牧と共同で、北海道苫小牧市にガスエンジンによるトリジェネレーションシステムを採用したスマートアグリプラントを完成させ、野菜生産の実証事業を開始した。天然ガスをエネルギー源とするガスエンジン・トリジェネレーションシステム(電気・熱・CO2を併給)に、高度栽培制御システムを組み合わせて、トマトなどの野菜栽培に最適な環境を創出する先進的なもの。さらに、今年12月からは、プラントの敷地内にバイオマスボイラー設備を設置し、木質チップを燃料として熱とCO2を供給することで、天然ガスが供給されていない地域でも稼動できるスマートアグリプラントのモデル実証も開始する予定。
 苫小牧のプラントでは、230kWのガスエンジンコージェネレーションシステムで施設内に電気と熱を供給するほか、排ガス中のCO2を成長促進剤として供給するトリジェネレーションとして運用する。ガスコージェネで発電した電力は基本的には施設内で自家消費し、発電電力の50kWについては北海道電力に売電することにしている。
 JFEエンジニアリングでは、苫小牧市のプラントはスーパーアグリプラントの実証施設との位置づけで、天然ガスの供給が困難な地域では、バイオマス燃料を活用する形でのプラント運用も目指したい考え。苫小牧の施設でも、バイオマス燃料によるコージェネの実証試験にも取り組んでいく。


その他の主な記事
・26年4月末FIT認定設備都道府県別(認定設備と導入量)
・新エネ小委員会 欧州3カ国の視察報告など
・経産省、認定済み太陽光の実態調査を継続
・世界の風力発電の導入状況を紹介
・東京電力 高圧一括受電サービスに参入
・大和ハウス 住宅管理物件など対象に電力小売り事業に参入
・JAPEXもメガソーラー事業に参入
・千葉流山で屋根仮型のメガソーラー
・日本ガイシ、事故後初のNAS電池が運開
・NTTF 今治にもメガソーラー
・自然電力 秋田のスキー場跡地のメガソーラーが完成
・エクソル 福知山のメガソーラーが完成 自社電源用
・多摩川HD 横浜市にメガソーラーを建設
・コープネット 新たに3カ所で太陽光発電
・東京ガス エネファームに自立運転機能
・東芝など準水素型燃料電池システムを開発
・SOFC実用化実証は富士と日立造船に
・地熱開発6件を採択
・環境省、アセット事業を2次募集
・環境省、大規模削減地下街も募集
・経産省、IPCC第5次報告書でシンポ
・低炭素杯がエントリー募集
・ゴミ処分場でも太陽光発電
・14年度エコタウン募集   etc.

<インタビュー>
・災害に強いエネルギー会社へと進化する京葉ガス
 (京葉ガス 企画部長 舩木隆志氏)
 震災とエネルギーを考えるにあたって、京葉ガスの場合は、液状化によるガス導管被害の経験は避けて通れない。エネルギーの安定供給において、天然ガスの重要性が高まる一方で、災害に強いエネルギーシステムをどのように構築していくのかということも、エネルギー関連企業にとっては重要な問題である。京葉ガスは、この震災の経験をもとに、電力・ガス市場の自由化を控えて、あらためてお客さま満足度NO.1エネルギー事業者を目指している。



燃料電池新聞の主な記事
・「水素エネルギー白書」と「水素・燃料電池戦略ロードマップ」
・マントラエナジーのMRFC=電解質を必要としない燃料電池
・海外ニュース
 -カナダBallard、台湾M-Fieldにフォークリフト用燃料電池システムのIP等を供与
 -米Plug Power、空港貨物牽引車用燃料電池の実証試験を実施
 -豪Ceramic Fuel Cells、SOFCスタックの劣化率を70%以上改善
 -米DOE、燃料電池レンジエクステンダー式EVに関するRFIを募集
 -韓国POSCO Energy、MCFC燃料電池で日本市場に進出
 -米Plug Power、Ace Hardwareがオハイオ州に新設する物流センターにGenDriveを納入
 -英国Sussex警察、次世代警察車両としてFCVやEVのテスト走行を実施
 -独DLRなど、水素吸蔵合金を使った低圧水素タンクを開発
 -米Sandia国立研究所、ガソリンスタンド併設水素ステーションの安全性に関する報告書を発表
 -米Microsoft、データセンターの電力供給用として燃料電池の研究プロジェクトを開始
 -上海市、2015年までにEV、PHV、FCVを1万3千台普及させる目標を設定
 -英AFC Energy、韓国内でオンサイト発電サービスを手掛ける
 -伊Actaと蘭Dantherm Power、極地用の自己充電式バックアップ電源の共同開発で提携
 -独Linde Group、イオニックコンプレッサー方式の水素ステーションの量産開始
 -欧ene.field、マイクロCHPのサプライチェーンに関する報告書公開
 -米GEが開発している平板形SOFC
 -米DOE、米SwRIのリニアモーターによるレシプロ圧縮機開発で180万ドルを助成
 -ドイツ連邦経済・技術省、MCFC燃料電池の性能向上開発に490万ユーロを助成
 -韓国斗山グループ、韓国Fuel Cell Powerと米Clear Edge Powerを相次いで買収
 -米Acumentrics、NASCARに放送カメラなどの電源として4台の燃料電池発電機を提供
・燃料電池フラッシュニュース
 -豊田自動織機、オール金属製水素タンクを使い燃料電池フォークリフト実証を実施
 -静岡ガス、鈴与商事などJR東静岡駅周辺で水素タウン事業化調査を実施
 -日産カーレンタルソリューション、EVカーシェアマンション100棟を目指す
 -山梨県、2025年までに800台のFCV導入を目指す燃料電池自動車普及促進計画をまとめる
 -富士経済、水素関連市場を調査。2025年度5228億円と予測
 -JX日鉱日石エネルギー、水素ステーションの整備運営会社設立
 -京都大学、パラジウムの水素吸蔵量・吸蔵速度を2倍に向上
 -岩谷産業、日本初の商用水素ステーションを尼崎市に開設
 -大阪ガスと積水ハウス、「スマートエネルギーハウス」の居住実験でCO2排出ゼロを達成
 -加地テック、東邦ガスの「日進エコステーション」向けに圧縮機を受注
 -日本ガス協会、都市ガスコージェネの2013年度末累計設置容量を発表
 -愛知県、燃料電池車の普及促進で独自補助と5年間の自動車税免除を発表
 -トヨタ、FCVにニッケル水素電池を採用
 -菅官房長官、燃料電池車を全府省庁で公用車として導入するよう指示
・燃料電池インフォメーション
■燃料電池開発情報センター FCVフォーラムII「水素で走る車がやってくる〜2020年に向けた燃料電池自動車への期待〜」:9月19日(金) 東京都立産業技術研究センター(ゆりかもめ:テレコムセンター前) ○概要:第 I 部【招待講演】@トヨタ自動車(株)高橋剛氏A(株)本田技術研究所 守谷隆史氏B日産自動車(株)飯山明裕氏C東京都環境部 池田千代氏D水素ステーション等で使用する材料の制限について 高圧ガス保安協会 竹花立美氏E総合討論会/第II部【FCV試乗会】@運転及乗試乗会:FCV(トヨタ/ホンダ/日産)A有明水素ステーション見学:燃料電池バス→有明水素ステーションB東京都立産業技術研究センター施設見学会/第III部【展示会】       etc.





シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門(91)
 =キロワット20万円時代の太陽光発電=
 大串卓矢/スマートエナジー代表取締役社長


・世界を読む 68
 =米国の石炭火力は禁止となるのか?=
 (本紙:本橋恵一)




コラム
・発電論評<自由化後の新たな発電サービス>
・青空<建設職人の賃金アップやいかに>
・ちょっと一休<100歳のスイマーに敬服>
・ちょっと一言<進化するHEMSもガラパゴスに?>


自由化後の新たな発電サービス【発電論評】

 ガスエンジンの発電効率が更に上がり、2千キロワット級でも45%にせまる発電効率を達成したエンジンを開発したと三菱重工業が発表した。1500キロワット級のガスエンジンを2段過給のターボエンジンで2000キロワットに出力アップして発電効率を約1割上昇させた。燃料費の負担が大きい自家発やコージェネ導入社にとって効率が1割上がることはその分燃料費の負担が下げられるわけで、自家発やコージェネの用途拡大に確実につながることが期待できる。今後は、これを目標に各エンジンメーカーも開発にしのぎを削ることになる。さらに大型のガスエンジンの発電効率は50%に迫っている。こうした高効率のガスエンジンをコージェネ利用すると使用する燃料の持つエネルギーをほとんど無駄なく使い尽くすことが出来る。電力自由化によって、エネルギー産業は大きく生まれ変わろうとしている。そうした中で、自家発やコージェネの使われ方も大きな変化の兆しが見えてきている。高効率化するガスエンジンもこうした大きな変化の流れにある。
 コージェネはかつても今も、ほとんどの利用は原則的には自家発電設備としてある。ビルや工場などでコージェネを整備して、電気と熱を自家消費する。規制時代の電力事業制度では、コージェネからの系統への逆潮流には厳しい制限があり、事実上不可能だった。自由化になり、自家発ではなく事業用としての用途が広がるとガスコージェネの活用のされ方には大きな変化が生まれることが期待できる。
 発電機やコージェネを発電事業者が所有するオンサイト発電サービスを事業モデルとし、さらにスマート化したエネルギーサービスの出現が期待されている。自家発やコージェネ所有者が特別目的会社として発電サービス会社を設立して発電事業を行う形も容易に想像することが出来る。また、新電力事業者が事業用電源として設置して、熱と電気をオンサイト型のエネルギーサービスを展開しながら余剰電力を系統を通じて販売するということも容易にイメージできる。また、電力会社自らが、新たな発電事業としてオンサイト型事業に参入することも考えられる。東京電力が既設マンションに対する電力一括受電サービス事業に参入するというニュースもあった。
 電力会社がこうした姿勢をさらに強めていくと考えれば、特定の需要家に直接サービスが提供できるオンサイト型のエネルギーサービスは、自由化後のエネルギー供給サービスの新たな事業モデルとなることが期待できる。メーカーや発電事業者には高効率のガスエンジンと再生可能エネルギーを組み合わせたハイブリッドなオンサイト型のエネルギーシステムの開発が求められているといえる。