2014年85日号

コージェネ累積導入量が1千万kWを突破
 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(コージェネ財団)は、2013年度末のコージェネレーションシステムの導入実績をまとめた。民生用・産業用のコージェネレーション(全燃料、家庭用を除く)の導入状況(新設)は、設置容量が36万5千kW、設置台数は931台で、設置容量・台数ともほぼ前年度と同水準を維持している。累積の導入量は1004万6千kWとなり、初めて1千万kWの大台を超えた。累積導入量の内訳を見ると増加しているのはガスエンジンだけで、12年度末に比べてガスエンジンは12万4千kW・826台の増加が見られたが、ガスタービンは3万7千kW・20台、ディーゼルは6万3千kW・116台が減少している。ガスタービン、ディーゼルのシステムは減少しており、石油系燃料からガス燃料への切替が進んでいる。
 ビルなどに導入される民生用(業務用)は新設が4万3千kW・747台で、工場などに導入される産業用が32万2千kW・184台。13年度は合計36万5千kWのコージェネシステムが新設導入された。導入量の88%は産業用が占めている。
 導入済み(累積)のコージェネシステムの燃料別の内訳は、天然ガス(都市ガス)が539万8千kW・9688台、石油が315万1千kW・4170台、LPGが43万kW・701台、その他(オフガスなど)が106万7千kW・568台となっている。
 原動機別の内訳では、ガスエンジンが274万2千kW・9737台、ガスタービンが421万7千kW・1278台、ディーゼルが276万9千kW・4千台、その他が31万8千kW・112台。


電力システム改革、2016年4月1日から全面自由化
 経済産業省は、電力システム改革小委員会制度設計WG(第7回)を開催し、小売り全面自由化までのスケジュールを改めて示した。示されたスケジュールによると、制度設計の詳細の議論を2014年内に終え、2015年前半には制度移行に必要な政省令類を準備、全面自由化施行9カ月前の2015年7月からは小売り電気事業者のライセンス登録の受け付けや託送料金の申請受け付けなどを開始、2016年1月からは自由化後に小売り事業者の切替を希望する需要家の受け付けを開始するなどの事前手続きを開始、4月1日から小売り全面自由化に移行する。
 自由化後の発電事業については、1万kW以上の発電設備を系統に連系して送電する事業者とし、国に届け出ること。発電事業者は、必ずしも自らが発電所を所有する必要はなく、子会社が所有する発電設備を親会社が運用する場合も親会社が発電事業者となることができる。発電量の全てを自家消費する場合や自営線を使った特定供給、自己託送などについては発電事業には該当しない。発電事業者は、経産大臣による供給命令や、供給計画の届け出、送配電事業者との供給契約に基づく供給義務、広域的運営機関への加入義務などが課されることなどもあらためて確認された。
 また、系統連系している1千kW以上の自家発電設備については、「特定自家用電気工作物(特定自家発)」として、国への届け出を求め、地震災害時などの非常時には経産大臣が電力の供給勧告を行えるようにする。


電力小売り自由化部門、8社が赤字 経産省が発表
 経済産業省は、一般電力事業者10社からの報告に基づいて、各社の平成25年度の部門別の収支状況を公表、自由化部門では北陸電力と沖縄電力を除く8社が赤字だったと発表した。赤字幅が最も大きいのは九州電力の1260億円で、関西電力の998億円、北海道電力の616億円と順に赤字幅が大きい。規制部門でも、北海道電力、中部電力、九州電力、関西電力、中国電力の5社が赤字となっている。
【各社の部門別終始結果】(@規制部門A自由化部門Bその他(附帯・事業外C合計 単位億円 ▲は赤字)
◇北海道電力@▲404A▲616B379C▲642◇東北電力@255A▲14B119C360◇東京電力@1205A▲197B2981C3989◇中部電力@▲201A▲579B108C▲672◇北陸電力@1A9B4C16◇関西電力@▲102A▲998B170C▲930◇中国電力@▲34A▲149B▲4C▲188◇四国電力@36A▲151B395C280◇九州電力@▲175A▲1260B525C▲909◇沖縄電力@31A2B4C39◆10社の合計@611A▲3955B4685C1341


東燃ゼネラル石油、電力の小売事業に参入
 東燃ゼネラル石油は、電力の小売全面自由化のタイミングに合わせて電力小売り事業に参入することを決め、このほど新電力(PPS)事業の届け出を行った。
 東燃ゼネラル石油では、電力の販売に関しては、これまでは工場の自家発電設備の余剰電力をPPS向けに販売していたが、全面自由化により市場の活性化が予想されている電力事業を成長産業として位置づけ、需要家に直接電力を販売する小売り事業に参入することにした。
 8月1日付で社内に電力事業部を新設して、事業開始に向けた本格的準備を開始した。2016年4月に予定されている電力の小売り全面自由化に合わせて、競争力のある電源の開発を含めた発電事業の拡大と小売事業を組み合わせ、さらなる事業展開に向けた準備を進める。


その他の主な記事
・電力会社5社が赤字
・太陽光発電の系統接続問題が顕在化
・ガスシステム改革 事業は小売りと導管事業に
・昭和シェル 楠メガソーラーが竣工
・ケンコーポ 東電管内で7万kWの太陽光発電事業を計画
・ソーラーフロンティア 平泉町とメガソーラー事業で協力
・自然電力 秋田で2カ所目のメガソーラー事業
・森トラストもメガソーラー事業 2カ所で着工
・南島原市にメガソーラー
・アストマックス 建設中のメガソーラーを売却
・アコーディアゴルフ 練習場閉鎖してメガソーラー
・NTTF 2カ所で新たなメガソーラーの建設計画
・エネルギア 福山市でメガソーラーが竣工
・東北電力グループ会社が15カ所目の小水力発電
・東京ガス 豊洲にスマートエネルギーネットワーク
・帝国データバンク 太陽光販売施工会社の経営実態調査
・PV展、再可エネ世界展など開く
・次世代電力網実証事業決まる
・温泉発電の補助事業者を募集
・カーボンオフセット大賞も募集中
・大阪府 新エネ産業連続講座   etc.

<インタビュー>
・電力・ガスシステム改革をやり抜く覚悟
(経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部長 多田明弘 氏)
 
先の通常国会で電気事業法改正案などが成立し、2016年4月から電力小売り全面自由化に移行する。また、これを含む3段階での電力システム改革では、来年の通常国会で発送電分離などを行うための電気事業法再改正などが予定されている。一方でガスシステム改革の議論も進んでいる。本格化する電力/ガスシステム改革について、どのような考えで残された課題に取り組むのか、7月に電力・ガス事業部長に就任した多田明弘氏にあらためて伺った。




シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(54)持続可能な政策づくりプログラム=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・<新連載>エネルギー市場のサステナブルな世界(その2)
 =中国原発の非常用発電機市場を王手をかけた英国=
 日本サスティナブル・エナジー株式会社 大野嘉久






コラム
・発電論評<再生可能エネルギーの大量導入に備える>
・プリズム<「原発不況」の予兆>
・青空<夏至は過ぎたのに、これから夏本番>
・ちょっと一休<おつな寿司セミナーが幕>




再生可能エネルギーの大量導入に備える【発電論評】

 再生可能エネルギーの接続問題がまた顕在化している。再生可能エネルギーの接続問題といえば、これまでは風力発電に対するものだったが、最近のメガソーラーの急増振りに、全国でまだ局所的ではあるが、接続できないか、高額の接続費用が示された結果建設をあきらめるという事例も増えてきているといわれる。
 コージェネにしても再生可能エネルギーにしても、系統を利用する電源としては「新参者」だ。これまでもこれからも、電力ネットワークを利用するのは「電力販売を目的とする系統用電源」であり、これらのものは、発電した電力は全量を系統に流し込み、系統全体の中でコントロールするという、戦後70年、電気事業法によって作られてきた、いわば「旧体制」のなかで運用されようとしていることに、誤りというよりも限界が示されているのではないかと思われる。
 再生可能エネルギーにしてもコージェネにしても、そもそもが中小分散型の電源を、まとめて大きな電源として一体運用した上で、また小口に分割して使うという、広域ネットワークの考え方そのものがもはや古くなっているのではないか。野菜を作った農家が、収穫物は全量を卸売りし、自分が食べるものは近所のスーパーで購入するという図式を思い描いたときの違和感に似ている。
 立地しやすい地方の沿岸部などに大規模な発電所を作り、消費地まで送電して、分け合って使うという既存の電力ネットワークに、そもそも需要地近接型の分散型電源を接続して多数の電源を複雑にコントロールするということが、ネットワーク運用を無駄に非効率にしてしまっているのではないか。
 小規模な不安定な電源でも、ネットワークが吸収してくれることを前提にしている現在のネットワーク運用の問題が顕在化し始めている今、対症療法的な系統強化策ではない、抜本的な対策が速やかに必要になっているといえる。
 出力の安定化をいかにコストをかけずに実現するのか。系統接続が困難な風力や太陽光でも、発電側で蓄電池併設などにより出力の安定化を図れば接続できることを考えれば、これを少し広げて、地域で小規模な地産地消型のマイクログリッドを構築することはどうか。コージェネやバイオマス、温泉発電などによる中小規模の電源を調整電源として導入し、広域ネットワークと電力を相互融通する形を作れば、再生可能エネルギー電力の高度利用と、既存の電力広域ネットワークへの負担の軽減という一石二鳥的な結果も期待できる。地産地消型のマイクログリッドの効率運用モデルにどれほどの効果が期待できるのか、具体的なモデルで検証してみるのも必要なのではないか。