2014年65日号

ヤンマーエネルギーと日立、小規模分散型エネシステムで協業
 ヤンマーエネルギーシステムと日立製作所は、中小規模向けの分散型エネルギーシステム事業で協業し、ヤンマーの小型ガスエンジンコージェネシステム「マイクロコージェネ」などの分散型電源と、日立が新たに開発した連携制御装置「マイクログリッドコントロールシステム」を組み合わせた中小規模の発電システムをパッケージとして工場や病院などの公共施設、商業施設など向に販売する。
 システムは、小型コージェネと蓄電池や太陽光発電などの分散型エネルギーシステムと、日立が提供するマイクログリッドコントロールシステムによって構成され、系統電力とコージェネなどの自家用発電システムの運転を常に最適な状態に制御する。また、複数のマイクロコージェネや太陽光発電などの再生可能エネルギーと組み合わせることも可能で、出力の不安定な再生可能エネルギー電力の安定化も図れる。蓄電池システムを付加することで、電力の安定確保が効率的に行える。
 日立とヤンマーは、高効率のガスエンジンコージェネなどの分散型電源とマイクログリッドコントロールシステムを統合させることで、高効率で、節電、省CO2、BCPなどに対応できる小規模分散型のエネルギーのパッケージシステムとして、両社で協力して積極的に拡販していく。初年度の2014年度は毎月1件以上、2015年度には年間50件程度以上を販売目標として両社で取り組んでいく。


政策投資金融公庫、農山漁村への再可エネ融資126億円
 政策投資金融公庫は、農山漁村への再生可能エネルギーの導入を支援する関連融資の実績が2013年度には121件・126億円となったと発表した。
 農林漁業の経営改善や再生可能エネルギー資源の利活用を支援するもので、融資実績のうち79.3%は太陽光発電に対する融資だった。その他、間伐材などを利用した木質バイオマス発電が8.3%、家畜排泄物などを利用したその他バイオマス発電が5.8%、農業用水路などを利用する小水力発電が3.3%、地中熱と外気で熱交換し農業用ハウスで利用する地中熱利用3.3%など多様な融資先があった。
 融資先はエネルギーコストの高い施設型の農業施設が66.1%を占めており、再生可能エネルギーを導入する目的にはエネルギーコストの削減を目指すものが多いと分析している。特に、畜産施設では、屋根に太陽光パネルを設置することで畜舎内の遮熱効果が得られ、施設内の気温の上昇が抑制されることから夏場の乳牛の生乳生産量の低下を防ぐ副次効果を狙ったなどの事例も見られた。


東京都、再可エネ電力の供給量を20%に 検討会を立ち上げ
 東京都は、再生可能エネルギー電力を都全体の電力消費量の20%程度まで引き上げることを目標に、検討会を立ち上げて具体策を検討する。桝添知事が5月23日の記者会見で「東京都再生可能エネルギー拡大検討会」を設置して、具体的な拡大策について検討することを発表した。
 都内で使用する電力の20%を再生可能エネルギー起源の電力とすることを目標に、都内外での導入拡大に向けた具体的な取り組みや藻類バイオマスなどの技術開発を促進などを検討する。年内に検討結果をとりまとめ、年末にまとめる予定の「東京都長期ビジョン」に反映させる。


九州電力と東北電力、再生可能エネルギー開発を強化
 九州電力は、再生可能エネルギーによる発電事業会社を設立すると発表した。九州電力の再生可能エネルギー開発部門と子会社の西日本環境エネルギー、キューデン・エコソルの再生可能エネルギー事業を集約し、再生可能エネルギー全般の開発を行う事業会社として「九電みらいエナジー株式会社」を7月に設立する。新会社はキューデンエコソルを母体として、九州電力本体の再生可能エネルギー開発部門と西日本環境エネルギーの中小地熱開発とバイオマス関連事業を新会社に集約して再生可能エネルギー全般の延言開発を総合的に展開する体制を整える。
 また、東北電力も再生可能エネルギー発電事業の強化を図ることを目的に、子会社2社を統合する。統合するのは、東星興業と東北水力地熱の2社で、月をメドにグループ内に中核となる再生可能エネルギー発電事業会社として「東北自然エネルギー株式会社」(仮称)を設立する。設立する新会社をグループの再生可能エネルギー発電事業の中核と位置づけ、水力・地熱発電事業に加え、太陽光発電や風力発電事業についてもグループ内の事業を新会社に一元化する方向で再編を進め、多様な発電事業とノウハウを保有する再生可能エネルギーの専門事業会社として事業の拡大を目指していく。


その他の主な記事
・ガスシステム改革 保安義務を負うべき事業者について議論
・太陽光発電協会 小規模太陽光発電システムの保守点検マニュアルを作成
・経団連が政策提言 固定価格見直しと原発再稼働
・気象庁 日本周辺の大気中CO2が400ppm超え
・日本アジア 茨城の太陽光発電所が運開
・関電エネソル 2カ所目の風力発電所が運開
・川重 ゼロエミゴミ処理施設を中国で受注
・コマツ 電力使用量90%減の新組み立て工場
・富士電機 メガソーラー向け高効率パワコンを発売
・三菱電機 高精度の風況調査を低コストで
・ONEエネルギー 蓄電システムレンタルで有線サービス会社と提携
・エネットとNTTF 節電サービスに楽天チェックを採用
・積水ハウス 工場をスマート化 地域の防災拠点に
・LIXIL 3カ所目のメガソーラーが運開
・東邦ガス 2つの温水が使えるジェネリンクを開発
・丸紅、7カ所目の小水力発電所が運開
・第一実業 バイナリー発電をライセンス生産
・大成建設 稲わらから高効率にエタノールを製造
・7府省、バイオマス産業都市を募集
・小水力のモデル事業と事前調査を支援
・NEDO 浮体式洋上風力の実証研究を募集
・NEDO 地熱開発技術を募集
・地球温暖化防止展開く 幅広い環境ビジネスを紹介
・環境省 環境アセスデータベースを公開
・ご当地エネルギー協会が発足 各地の取り組みをネットワークに
・6月23日にバイオマスサロン   etc.

<インタビュー>
・自由化に向け電力市場への参入も視野
(K&Oエナジーグループ代表取締役 渡部 均 氏)
 
今年1月、国内産天然ガス開発をリードしてきた関東天然瓦斯開発株式会社と都市ガス会社である大多喜ガス株式会社が経営統合し、持ち株会社としてK&Oエナジーグループ株式会社を設立した。経営統合によって、グループ戦略が強化されることになる。これをもって、どのようにエネルギーシステム改革に挑むのか、K&Oエナジーグループの代表取締役社長であり、大多喜ガスの社長も兼ねる渡部均氏に、お話しをおうかがいした。




シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(52)エネルギー・レジリエント対策への数量的評価=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・2020年のエネルギー市場 その10(最終回)
 =エネルギー最高効率国家を目指して=
 井熊 均/日本総合研究所 創発戦略センター所長






コラム
・発電論評<分散型パッケージのその先の展開>
・プリズム<自由化視野に巨大連合の誕生か>
・青空<復活しつつある地方経済>
・ちょっと一休<アルハンブラ宮殿よりスペイン料理>




分散型パッケージのその先の展開【発電論評】

 ヤンマーエネルギーシステムと日立製作所が、マイクロガスコージェネを使った分散型エネルギーシステムで協業すると発表した。ヤンマーが提供するマイクロコージェネと日立が提供するマイクログリッドコントロールシステムを組み合わせて、事業所内の再生可能エネルギーシステムや自家発電設備、コージェネシステムなどの発電設備や負荷設備などを一括管理して、さらに系統電力との最適制御を行うことで、高効率で無駄のない、緊急災害時の電力の確保も可能な分散型のエネルギーシステムがパッケージとして提供される。まさに、進化した自家発電装置というよりも、電力自由化時代を見通した、新たな自家発電システムの一つの提案だといえる。
 これまでの自家発やコージェネは、基本的には系統電力とは縁を切り、事業所内だけで最適な運転条件を探ってきた。しかしながら、電力自由化市場では、自家発の枠を超えた発電の仕方が可能になる。例えば、余剰電力の売電や自己託送による利用、蓄電など余剰電力は出してはいけないものから積極的に余剰電力の提供が求められる時代になる。今回のヤンマーと日立の提案には、余剰電力の売電スキームは含まれていないが、こうした方向で、新たな事業スキームとして進化していくことを期待したい。
 一足先に再生可能エネルギーの世界では、小規模な住宅用の太陽光発電の余剰電力を買い取り、集約して販売するという事業スタイルも施行され始めている。自家発やコージェネの世界でも、こうした再生可能エネルギー電力と組み合わせた高効率で低炭素な電源として余剰電力を積極的に売電するということも自由化の進展と共に、広がることが大いに期待できる。
 電力自由化によって可能となった新電力(PPS)事業に参入する事業者は急増しているがその多くが事業の拡大には弾みがついていない。その最大の要因は調達できる電源が限られ、売りたくても売る電力が調達できないことが最大の要因だとされている。電力取引の市場価格はピーク時には1kWh当たりの単価が40円程度に跳ね上がることもあるといわれ、電力を調達したくても調達できないピーク時に、自家発の余剰電力を安定して調達したいという市場ニーズは確実にあると思われる。また、実際にもBCP対策として、あるいはピーク電力の削減を目的とした自家発の導入も増えてきていると言われている。
 高効率で低炭素、必要なときに必要なだけ発電できる、多様なエネルギー源から電気が作れる、災害時の停電対策等々、様々な特長を持った分散型エネルギーシステムのシステム提案が、電力自由化を契機に次々と行われることを期待する。