2014年525日号

再可エネ認定量が4千万kWを突破
 経済産業省は、平成26年2月末の再生可能エネルギーの設備認定状況と導入状況をまとめた。2月末現在の設備認定量は4120.5万kWとなり、4千万kWを突破した。また、導入済み設備は815万kWとなった。1月末の設備認定量は3322.3万kWだったので、1カ月で新たに798.4万kWが認定を取得したことになる。
 2月に増加した認定量は、住宅用太陽光発電が15.9万kW、非住宅用が774.2万kW、風力発電が4.5万kW、中小水力発電が0.8万kW、バイオマス発電が2.8万kWで、2月の認定増加量の99%は太陽光発電だった。地熱の新たな認定取得はなかった。
 導入済み設備815万kWのうち794.9万kWは太陽光発電が占めており、太陽光のシェアは97.5%とさらに上がった。
 太陽光発電のうち、住宅用(10kW未満)と非住宅用(10kW以上)の割合は、導入済み設備では、72.4%が非住宅用で、非住宅用がほぼ4分の3を占める。この傾向は認定設備ではもっと顕著にあらわれており、認定済み太陽光設備の93.5%は非住宅用によって占められている。メガソーラーの認定量は1969万1261kWで、太陽光発電全体の50.4%と過半数を超えている。メガソーラーの平均容量は4031.8kWとさらに大規模化が進行している。


三井造船、国内最大規模のバイオガス発電事業を開始
 三井造船は北海道別海町と共同で、国内最大規模となるバイオガス発電事業を開始すると発表した。酪農家から供給される畜産排泄物をメタン発酵させ燃料とする。
 発電設備は600kW×3台のガスエンジン発電設備で、年間約960万kWhを発電し、固定価格買い取り制度によって全量を売電する。また、発酵過程で発生する消化液などの副産物は農業用肥料や敷料などとして周辺農家に販売する。家畜排泄物を利用するガス発電施設としては国内最大規模となる。
 原料となる家畜排泄物は、プラント建設予定地から半径約10km以内の酪農家から1日当たり、乳牛4500頭分に相当する排せつ物280tと、産業廃棄物(食品系及び水産系)5tを収集する予定。
 発電事業は、三井造船と別海町が共同で特別目的会社を設立して発電所の建設から発電事業までを実施する。特別目的会社には三井造船が70%別海町が30%を出資する。
 三井造船グループは、これまでに国内では10カ所のバイオガスプラントの施工実績があり、また、海外ではデンマークで今回と同規模のバイオガスプラントを1992年に建設するなど、国内外でバイオガス発電に積極的に取り組んできている。


世界最大級・アジア初!水素グリッドエアポートの実現
 新関西国際空港会社はトヨタ自動車、豊田自動織機、岩谷産業と共同で、関空での「水素グリッドプロジェクト」を開始すると発表した。空港で使用するフォークリフトを燃料電池フォークリフトに転換するなどして水素エネルギーの使用環境を整えていく。また、水素を使ってメガワット級の電力を発電する燃料電池システムを第2ターミナル付近に整備して、今後の本格的な燃料電池自動車の普及を視野に本格的な水素ステーションの整備も進める。早ければ2015年度以降に実証実験を開始する計画。
 当面、小規模な水素供給設備を整備して、クリーンな作業環境が必要な医薬品専用倉庫や貨物施設などで燃料電池フォークリフト2台の実証試験を行う。また、2016年度までに液体水素貯蔵施設や高圧水素配管、貨物施設内に水素供給設備を整備し、燃料電池フォークリフトの本格的な導入を順次開始し、現在使用している約400台ほどのフォークリフトを2020年には約半数を燃料電池フォークリフトに転換していく。
 実証事業は環境省と経産省の水素インフラ整備に対する支援を受けるほか特区制度も活用して水素エネルギー活用モデルの構築を目指していく。


エナリス、大阪いずみ市民生協と協業 再生可能エネ電力を部分供給
 エナリスは、大阪いずみ市民生活協同組合と協業して、再生可能エネルギー電力の部分供給事業を開始する。生協側が発電した再生可能エネルギー電力をエナリスがPPSとしてプレミアム価格で買い取り、部分供給スキームを使って生協の各店舗に電力を供給する。いずみ生協は、PPS事業への参入を検討しており、今回の協業による需給データを需給マネジメントや事業収支マネジメントに活用する。

その他の主な記事
・社会システム実証の成果を報告
・キューデンエコソル 宗像市のメガソーラーが運開
・日本アジアグループ 北海道にメガソーラー
・四電工 四国外で初のメガソーラー事業
・新東京グループ 太陽光発電を建設して売却
・パナソニック 高出力の太陽光パネルを開発
・ミサワホーム 新たに3工場で太陽光発電事業
・JX日鉱日石 松山と高松でもメガソーラー
・埼玉にスマートハウス 実用化に向け実証試験
・東京ケーブルネット 集合住宅向け電力供給サービスを開始
・ミサワホーム 太陽光電力をプレミアム価格で買取
・明電舎 中小水力発電事業で提携
・東京都 中小ビル省エネ対策
・大和ハウス 東大に学術研究館を寄贈
・中堅企業研究会が発足
・富士通ファーラム開く
・バイオマス白書販売
・常用自家発の導入補助 募集開始
・東ガスのチャレンジビジョンなどで SSKセミナー
・洋上風力や未稼働太陽光などで JPIセミナー
・環境省 自立分散型低炭素エネ社会
・東京都が 再可エネ拡大で2つのファンド   etc.

<インタビュー>
・省エネ・節電から新電力まで
(日本テクノ株式会社 広報室室長 中山大志郎氏)
日本テクノは、事業所の電気設備の保安監視から、省エネ・節電の支援、さらに電力小売り(新電力)まで事業内容を拡大し、業績を伸ばしている。電力システム改革は電力小売りだけではなく、総合エネルギーサービスが期待されており、こうした点で、一般の電力会社も日本テクノに注目しているという。あらためて、同社の事業の状況とこれからの展開について、話をおうかがいした。




シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(45)
 =経済学とエネルギーの効率と平等=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本の再生可能エネルギー事情 その13
 =ドイツの再生エネ普及策は成功している=
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也




コラム
・発電論評<自由化で拡大する再可エネ電力の販売>
・青空<生来のへそ曲がり故>
・ちょっと一休<サグラダ・ファミリアに感激>
・一筆啓上<企業倫理の再考を>


自由化で拡大する再生可能エネルギー電力の販売【発電論評】

 東京電力が供給エリアを越えた全国規模での電力の小売り事業を始めると発表した。
 電力の小売り全面自由化を2年後に控えて、市場競争が本格化することにつながっていくことになるのかどうか注目される。2016年の小売り全面自由化を主な内容とする電気事業法改正案も国会で審議中で、先頃衆議院を通過した。6月にも成立する見通しだという。
 電力の小売り自由化は、現在でも高圧以上の契約では制度化されてはいるのだが、電力会社の供給エリアを越える電力販売はほとんど行われず「規制なき独占」といわれ続けてきた。しかしながら、東日本大震災を契機とする電力の供給不安が顕在化する中で、国は全面自由化への舵を切り、発送電分離までを視野に入れた電力システム改革のロードマップが示され、それに従ってシステム改革の手順が粛々と実行されている。こうした中で、「規制なき独占」の壁がようやく少しずつ崩れ始めているのだといえようか。
 電力会社の供給エリアを超える小売市場への参入は、中部電力や関西電力が既に首都圏市場への参入を表明している。今般の東京電力のPPS参入は、電力事業者間の本格的な相互参入に結びつくのかどうかに注目が集まることになる。
 一方では、PPS事業への参入も急増しているいるという。PPSの登録はすでに200社を超えている。これまで異業種からの電力小売市場への参入は困難だと考えられてきた。電力の小売りを実施したくても販売用の電力の調達が困難だったからだ。電力会社以外の電源といえば、電力会社向けの卸売り用電源か工場などの自家発電設備やビルなどのコージェネレーション程度しかなく、いずれも余剰電力を持たないのが基本であるため、電気を売りたくても売る電源の調達ができないというのが参入の最大の障壁だとされてきた。電力システム改革により、電力取引市場の整備、市場を通じた電力取引の奨励、部分供給の容認などに取り組んだ成果だと考えられる。
 こうした中で注目されているのが固定価格買取制度による再生可能エネルギー電力だ。再生可能エネルギー電力が電力の小売り自由化と結びつくことで、これまでは同一品質同一価格が基本だった電力の商品形態が、再生可能エネルギー電力という特別な電気として販売するという新たな電力の販売形態を可能にしたのである。
 電力の自由化の進展はこれまでにはなかった新たな電源を求めているという図式が明らかなった一例といえる。自家発やコージェネにとっても、新たな電源を求める市場に対してどのような工夫や対策が必要なのか、電源としての価値作りの観点から各メーカーの対策が求められている。