2014年42555日合併号(次号の発行日は5月15日付です)

太陽光発電認定量は3000万kW超に 1月末の再可エネ認定
 経済産業省は、1月末現在の再生可能エネルギーの設備認定状況と導入量(設備稼働状況)を発表した。導入量は前月末よりも56万9千kW増え761万3千kWとなった。認定量は1カ月で291万2千kW増え3322万3千kWとなった。年度末を控えて、導入量、認定量共に高水準の増加傾向が加速している。
 導入量、認定量共に90%以上を占める太陽光発電の導入量は56万9千kW増え741万4千kWになった。認定量は280万3千kW増えて3114万4千kWとなり、太陽光発電単独の認定量が3千万kWを超えた。1月の増加量は全て太陽光発電だった。
 太陽光発電以外の認定量は、風力発電が1万1千kW増えて96万7千kWに、バイオマス発電は13万kW増えて84万6千kWに、中小水力は1千kW増えて25万3千kWになった。認定量に占める太陽光発電のシェアは、93.7%、導入量では97.4%となり、固定価格買取制度は太陽光発電だけの制度だといえるような状況が続いている。
 設備の認定量に対する稼働率(運転開始率)は、太陽光発電のうち住宅用が88.7%と飛び抜けて高く、10kW以上の非住宅用は18.55%にとどまっている。太陽光発電以外も見ると、風力発電野稼働率は7.6%、バイオマス発電が14.0%、中小水力が2.0%、認定量が最小の地熱発電は7.7%しかなく、5種類の再生可能エネルギー電源のなかでは太陽光発電の運転開始率が最も高い。太陽光発電に関しては、認定取得後6カ月を経たものは取り消されるという運用が行われることになったが、取得後に着工が遅れるのは他の設備でも同様というのが現状のようだ。


京都議定書削減目標を達成 2012年度排出量が確定
 環境省は、2012年度の温室効果ガス排出量の確定値を発表した。総排出量は、CO2換算で13億4300万tで、基準年(90年)比6.5%増となった。東日本大震災の影響による火力発電への依存度の増加などにより化石燃料使用量が急増した結果排出量の増加を防げなかった。2012年度は、京都議定書の第1約束期間の最終年度に当たっており、5年間の平均では、12億7800万tとなり基準年を1.4%上回ったが、森林吸収量と京都メカニズムクレジットによる削減分を反映させることで削減義務量の基準年比マイナス6%を下回る8.4%を達成している。

日本GE、木質バイオマスガス化発電を日本市場で展開
 日本GEは、傘下のイエンバッハ・ガスエンジンを搭載した木質バイオマスガス化発電装置の日本国内での販売強化を目指して社内に木質バイオマスガス化発電を推進するプロジェクトチームを発足させた。
 固定価格買取制度の導入によって木質バイオマス発電事業への関心も高まっているが、燃料となる木材などのバイオマスの確保が難しく普及に弾みがつかない状況が続いている。日本GEでは、欧州で木質バイオマスガス化発電の豊富な実績があるイエンバッハのガスエンジンを搭載したガス化発電を日本国内に持ち込むことで、小規模な木質バイオマスガス化発電事業が可能になるとして、地域の地産地消型のバイオマスガス化発電を積極的に提案していくことにした。
 日本GEでは、固定価格買取制度による未利用木材を燃料とするバイオマス発電の買取単価は32円であり、年間1〜2万tの未利用木材が利用できれば1千kW〜2千kW規模のガス化発電が可能で、十分な事業性が確保できるとしている。


パナソニック、100度C以下の低温排熱で発電 熱発電チューブを開発
 パナソニックは、温水の低温余剰排熱を活用して発電する熱発電チューブを開発した。200時間を超える発電試験を実施し、96度C程度の温水排熱から最大246Wの発電を行うことができた。
 NEDOのプロジェクトとして3年間取り組んだ成果で、設置面積当たりで換算すると太陽光発電の約4倍に匹敵する発電性能があることが確認できたことになる。これまで発電用熱源として活用することが困難だった100度C以下の低温未利用熱による発電が熱発電チューブを利用することで可能であることが検証できた。
 今回の研究開発では、従来主流であった平板型の素子構造ではなく、チューブ型に加工した熱電変換素子を採用し、お湯や蒸気、排ガスなどの小さな熱からでも発電できるようにしたことが特徴で、熱発電チューブを組み込んだ発電装置を京都市のゴミ処理施設の配管に組み込む、処理場の余剰排熱によって発電試験を行った。その結果、0.3立方m程度の大きさの熱発電ユニット3本(熱発電チューブ30本)を使って最大246Wの発電を行うことができた。体積当たりの発電量は820W/立方mとなり、設計値を10%以上上回る結果が得られた。発電装置は、その後も200時間以上にわたって発電を続けていて、低温排熱を使った熱発電装置の実用化が大いに期待できる。
 パナソニックでは、今回の処理場での発電試験を継続するとともに、熱発電チューブの量産化に向けた技術開発を開始することにしている。


その他の主な記事
・日本海で表層型メタハイ調査を開始
・2012年のエネルギー消費は1.3%減
・IPCC第3部会が報告書 
・産総研 有機太陽電池の発電効率は分子混合に
・新エネ財団が6分野で今年も提言
・ソニー 大規模蓄電システムで合弁
・JRE 酒田市のウインドファームを買収
・四電工 サンシャインパーク安芸が完成
・東急不動産 大規模太陽光発電に参入
・昭和シェル 新潟に第2メガソーラー
・三菱重工 リチウムイオン製造から撤退 システム販売は継続
・アストマックス 分譲型太陽光発電所を計画
・矢崎とホンダがLPガス発電機
・水素スタンドの基準を改正
・NEDO 水素ステーション安全研究の委託先を募集
・スマートコミュニティ構想を支援 NEPC
・国環研が公開シンポジウム
・産総研 米国研究所と再可エネ研究で提携
・世田谷区が燃料電池でシンポ   etc.

<インタビュー>
・エネルギーにとどまらない新たな付加価値を創造
(エネルギーアドバンス 代表取締役社長 圓角健一氏)
東日本大震災から3年が経過した。この間に分散型エネルギーへの期待は大きく変わったのではないだろうか。例えば、BCP(事業継続計画)への対応だ。節電や省エネへの要請も強い。一方、都市のスマート化、さらに2020年の東京オリンピックに向けたインフラ整備も見えてきている。 こうした新たな経営環境に、エネルギーアドバンスはどのように挑むのか、就任2年目の圓角社長におうかがいした。




シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(44)
 =中国経済の減速は石炭市況に大きな打撃=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本の再生可能エネルギー事情 その12
 =エネルギーを住民の手に=
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也




コラム
・発電論評<太陽光発電を抑制することなく>
・青空<外国人労働者の受け入れ枠が拡大される>
・ちょっと一休<復帰した木村さんの朗読会>
・一筆啓上<インフラ輸出で意識改革を>


太陽光発電を抑制することなく【発電論評】

 太陽光発電の設備認定量が3千万kWを超えたことが発表された。1月末現在の固定価格買取制度に基づくものだ。日本の太陽光発電は1kW当たりで年間1千kWh発電できるというのが目安となっているので、3千万kWが全て建設されれば、年間300億kWhの発電量が得られることになる。現在の日本の電力の年間需要量のほぼ3%程度になるのだろうか。
 固定価格買取制度は導入後、まだ2年に満たない中で、3千万kWの発電所の建設が計画されているというのはやはり特筆すべきものがあるとは思うのだが、発電量は需要量の3%程度だと知ると、まだまだ導入の余地はあると思うのだ。
 固定価格買取制度では、太陽光発電の認定量や導入量が突出している。何しろ90%以上が太陽光発電で占められているのだ。太陽光発電の急拡大ぶりは、もちろん固定価格買取制度によるものだ。固定価格買取制度以前のRPS時代までは、太陽光発電というと住宅の屋根に乗っているものがほとんどだった。ところが固定価格買取制度によって状況は一変し、メガソーラーなどの大規模太陽光発電が主流になってきた。いまでは、建て売り住宅方式で発電所の建設までを行って販売するという事業も普通になってきている。もちろん、購入した発電所の運営や維持管理もも代行依託できるので、購入者は発電事業者としての専門知識がなくても低リスクで発電所の運営が行えるというのがポイントだ。最近では、大規模な発電所を50kW未満の小規模発電所に区分けして販売するものも見られている。まるで、住宅団地の開発と同じ手法である。こうした手法を用いることで、資金の少ない投資家にも、安定した投資先として提案できる。結果的に太陽光発電の拡大が進むことになり歓迎されるべきなのだと思う。事業性が担保されると、新たな投資が生まれ、さらに新たな手法が開発されるという「好循環」を目の当たりにしている思いがする。
 こうした中で、今年度から太陽光発電の買い取り価格が引き下げられたが、建設コストはそれほどは下がっていないので、突出している太陽光発電を少し抑制するとみるのが妥当だろう。固定価格買取制度は、当初3年間は再生可能エネルギーの導入を最大限加速化させるということで始められた。新しいエネルギー基本計画でも、2013年度から3年間、最大限導入を図るという考えが改めて示されている。
 突出して導入拡大が進む太陽光発電を抑制するのではなく、拡大に弾みがつかない風力やバイオマス、小水力、地熱といった他のエネルギーに対してどのような拡大策を講じるのか、問われているのはそういうことなのではないか。