2014.03.15


2014年315日号

再可エネ買取価格 非住宅太陽光は32円 2年連続の引き下げ
 経済産業省は、再生可能エネルギーの買い取り料金の見直しについて検討している調達価格等算定委員会で、来年度の買取価格の見直しについて意見を集約し、太陽光発電については非住宅用を1kWh当たり36円(消費税別)から引き下げ、32円(同)とすることにした。住宅用も1円引き下げ、37円(同)にする。太陽光発電の買取価格は2年連続の引き下げとなる。非住宅用については、初年度の40円に比べて2年間で20%引き下げられることになる。住宅用の引き下げが小幅になるのは来年度から国の補助制度が廃止されることなどが考慮された。
 太陽光発電の導入コストについては、メガソーラーなどの大規模案件の建設計画が急増した影響で、建設コストが下げ止まっており、経産相の調査によってもむしろ値上がり傾向になることが解っている。それにもかかわらず、2年連続の引き下げとしたのは、太陽光パネルの発電効率の向上などで、発電量の基となる設備利用率がこれまで採用していた12%を上回る13%程度あることがデータとして得られたことを理由とした。
 太陽光発電以外では、風力発電について、洋上風力が別枠の買い取りが決まった。洋上風力は、普及が進んでいないため、導入コストの算定が難しいとしてこれまでは陸上風力と同枠の買取価格だった。新たに設けられたのは、沿岸部などに設置される着床式の風力で、陸上風力のほぼ5割増しの36円に設定された。大型の浮体式風力については、今回は買取価格の設定は行われなかった。
 また、中小水力発電で、老朽化した設備などを更新して固定価格買い取り制度による発電所とするケースについて、発電設備や水路間などを限定的に更新するものについても新たな買い取り枠が設けられ、規模に応じて3段階で買い取られることになった。その他の電源については、据え置き。


回避可能原価は2種類 火力平均と全電源平均+固定費
 回避可能原価の見直しを行っている経済産業省の買取制度運用WGが3月12日に開いた第3回の会合で、回避可能原価の新たな算定方法について大筋で合意した。
 新たな算定方法として採用されるのは、再生可能エネルギーの電源を、出力変動の大きい太陽光発電や風力発電と、小水力発電や地熱、バイオマス発電など比較的安定した出力の電源に分けて、太陽光などの変動性の高いものは火力平均を採用、地熱や小水力などの非変動制の電源は全電源平均の可変費と固定費を加えた2種類の回避可能原価が採用される方向で議論が集約された。次回のWGで正式に取りまとめられ、来年度の賦課金の算定に反映される。
 また、新方式は、今後新たにに買い入れる再生可能エネルギー電力の買い入れから適用され、現在の既契約分については遡及適用しないことも合意された。
 同日の委員会には、これまで2回のWGの議論を踏まえて、新たな提案として@火力平均の可変費A全電源平均可変費+全電源平均固定費(再可エネ電源の供給力相応)B初年度は火力平均可変費、2年度芽以降は全電源平均可変費+全電源平均固定費(同)C変動制の再生可能エネルギー電源(太陽光発電・風力発電・水力発電の非供給力相応分)については火力平均の可変費、その他の非変動制の再生可能エネルギー電源(バイオマス発電、地熱発電、太陽光発電、風力発電、水力発電の供給力相応分)については、全電源平均可変費+全電源平均固定費−という4案が示され、Cの2種類の回避可能原価を採用する案が採用されることでほぼ合意が得られた。


50kW以上は認定取得後6カ月で取り消し 太陽光発電の未着工問題
 3月12日の第3回買取制度運用WGでは、太陽光発電の認定済み設備の大量未着工問題による認定制度の見直しについても検討が行われ、認定取得後一定期間に着工できないものについては認定を取り消すことで合意された。
 WGでは、認定取消の具体的な方法について議論し、50kW以上の太陽光発電設備を対象に、設備認定の段階で、認定取得後6カ月を経過しても土地や設備が確保できていないものについては自動的に設備認定が失効することにして、電力会社の接続承認も取り消すことができるようにする。
 失効した案件は、再び設備認定の取得から手続きを始めなければならなくなり、買い取り価格も認定取得時の価格が適用されることになる。


省電舎、食品バイオガスでオンサイト発電サービス
 省エネやESCO事業などを展開している省電舎は、食品残渣をメタン発酵させるオンサイトバイオガス発電事業の事業スキームを構築し、静岡県の食品リサイクルの飼料化や肥料事業者のゲネシスとバイオガス発電プラントを導入する基本合意契約を締結した。
 省電舎が開発した事業スキームは、食品工場や店舗などの事業場から回収した食品残渣をメタン発酵させ、発生したバイオガスを燃料としてガスエンジン発電を行い、固定価格買取制度による売電事業を行うというもので、現地に食品残渣処理プラントと発電プラントを設置して発電事業を行うSPC(特別目的会社)を設立して食品残渣処理と発電事業を行う。省電舎の子会社でバイオガスプラントを活用したIPP事業などを行っているドライ・イー社がSPCからプラントの設計や建設工事、運転開始後の面ンテナンス業務などを受注して設備運営をサポートする。発電事業を行うSPCには省電舎やゲネシスのほか複数の企業が出資する見込み。
 ゲネシスと実施する今回のプラントは日量60tの処理能力のあるプラントと500kWのガスエンジン発電設備を導入する。2015年3月の発電開始を目指して計画が進められる。


その他の主な記事
・大阪ガス SOFCの新タイプを発売
・太陽光発電の運転開始率
・気候変動適応でシンポ
・ガスシステム改革、ヒアリング終え論点整理
・LED展開く
・大阪ガス SOFCの新タイプを発売
・キューデンエコソル 八代で太陽高温サイト発電サービス
・日本電業工作 太陽光発電の遠隔監視システムを開発
・サニックス 武雄市に太陽光パワコンの新工場
・三井化学 太陽光発電の診断コンサル事業に参入
・世田谷区のみうら太陽光発電所が運開
・オリックス、淡路メガソーラーが運開
・北電エコエナジー 本別太陽光が運転開始
・エナジーバンクジャパン 神戸市のダブル発電が全面運開
・EBJ 神戸バイオガスコージェネ
・NTTF 土浦のメガソーラーが運開 21カ所目
・出光興産 姫路のメガソーラーが運開
・分散型エネルギー次世代電力網構築実証事業
・ビッグデータに関するシンポジウム
・5月28日から電設工業展
・再生可能エネルギー世界フェア 7月27日から
・スマートエネシステム促進とスマコミ構築募集
・エネ政策とバイオマス−第72回バイオマスサロン   etc.

<インタビュー>
・分散型・再生可能エネのEPC事業で躍進図る
(富士電機 発電・社会インフラ事業本部 発電プラント事業部長 藤原正洋氏)
 原子力依存度が下がり、環境対策と災害対策として、分散型エネルギーや再生可能エネルギーへの期待が高まっている。こうした分野を担うのが、富士電機においては、発電・社会インフラ事業本部である。今回は、そのうちでも発電プラント事業の現在と今後の展開について、藤原氏に話を伺った。



燃料電池新聞の主な記事
・カナダの燃料電池メーカーの現状(バラードとハイドロジェニックス)
・海外ニュース
 -カナダHydrogenics、英国のふたつの水素ステーションプロジェクトに水電解装置を納入
 -米California大学、データセンターのサーバーに燃料電池を組み込んだ実証試験を実施
 -英AFC Energy、米Allied New Technologiesと副生水素による発電のFS調査を実施
 -米Ultra AMIの燃料電池、米Intelightの交通信号用バックアップ電源に採用
 -スウェーデンPowerCell、1〜5kW級燃料電池の開発に次ぐ〜25kW級の燃料電池を開発
 -英Intelligent Energyと印Ascend Telecom、インドの通信基地局向けのソリューション契約を締結
 -米Navigant Research、2030年の水素需要は35億kgに達すると予測
 -伊Actaと米ReliOn、水素製造装置を組み込んだバックアップ電源で提携
 -英Proton Power、アジア太平洋地域でのマリン分野の燃料電池応用製品のFS調査を実施
 -仏Areva, 仏電機大手Schneider Electricと提携、再生可能エネルギー貯蔵分野に進出
 -米Halla Visteon Climate Control、現代自動車のFCVにBOPを供給
 -カナダHydrogenics、デンマークのPower-to-Gasプロジェクト「BioCat」に参加
 -仏DCNS、「FILHyPyNE」プロジェクトに参加、燃料電池漁船の推進システムを開発
 -米Sandia国立研究所など、ホノルル港で船舶用燃料電池APUの実証試験を計画
 -米Plug Power、Walmartの配送センターに1500台以上の燃料電池フォークリフトを納入
 -韓国現代自動車、ジュネーブモーターショー2014で次世代FCV「Intrado」公開
 -タイWaste2Tricityなど、廃棄物ガス化発電プロジェクトを加速させる協定を締結
・燃料電池フラッシュニュース
 -東芝、白金積層触媒を開発
 -東京ガスとパナソニック、停電時でもエネファームが運転できる「発電継続用切替ユニット」を開発
 -川崎重工業、日本海事協会より液化水素運搬船用貨物格納設備の基本承認を取得
 -2013年度の「エネファーム」の出荷台数、3万台突破
 -ホンダ、北九州市でFCVから公共施設へ電力を供給する実証実験を開始
 -静岡県、水素ステーション整備へFCV普及促進協議会を設立
 -自民党、水素エネルギー推進委員会を発足
 -経済産業省、2013年度補正予算でエネファーム導入支援に200億円。一台当たり38万円を補助。
 -愛知県、地域別の水素ステーションの配置計画を公表。2025年までに100基を整備
 -沖縄のバイオ水素技術研究所、廃糖蜜からバイオ水素を製造する技術を開発
 -日本触媒、耐久性を10倍向上させたアニオン伝導層一体型亜鉛電極を開発
 -日鉄住金P&Eと米エアープロダクツ、水素ステーション事業で提携
 -豊田通商、米オージャと総代理店契約を締結
 -経済産業省、燃料電池フォークリフトの水素タンクに金属容器が使用できる特例措置を認可
 -東芝燃料電池システム、集合住宅向けと拡張自立運転機能付きエネファームを開発
 -神戸製鋼所、パッケージ型水素ステーションユニット「HyAC mini」を開発       etc.


シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門(87)
 =日本の風力発電事業の課題=
 大串卓矢/スマートエナジー代表取締役社長


・世界を読む 63
 =LPGの世界市場と日本の戦略=
 (本紙:本橋恵一)




コラム
・発電論評<買取制度で蘇るオンサイト発電>
・青空<SNS中毒?>
・ちょっと一休<UR都市再生機構と懇談会>
・ちょっと一言<デマンドサイドで考える自然エネの拡大>


買取制度で蘇るオンサイト発電【発電論評】

 オンサイト発電サービスという事業形態がよみがえってきた。電力システム改革の進展と再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度によって変化が見られるようになった。かつてのオンサイト発電サービスと異なるのは太陽光発電などの再生可能エネルギーを使うことだ。
 オンサイト発電サービスは、かつてはディーゼル発電だった。当時の安価な石油を使うことで系統電力に対して相当程度のコスト競争力があった。その後の石油価格の暴騰によってオンサイト発電サービスの事業形態は影を潜めていたが、それが今回の電力システム改革の波に乗り、姿を変えて蘇ろうとしている。
 コストの高い再生可能エネルギー電源を使ってオンサイト発電サービスが成立することになったのは、固定価格買い取り制度が導入され、再生可能エネルギー電力は火力発電並の仕入れ価格で調達できるという仕組みが利用できるようになったためである。
 太陽光発電を使うオンサイト発電サービスには、いくつかの形態があるが、まず、オンサイトで発電所の建設を請け負い、発電所の運転や維持管理までを行う発電サービスという形態がある。また、発電所もサービス事業者が保有したままで、電力を卸供給したり、設備を賃貸するという形態もある。そのほかにも、いくつかのバリエーションが見られるが、固定価格買い取り制度を利用することで事業が成立するということでは共通する。
 オンサイト発電サービスを受ける事業者にとっては、電力事業のノウハウが全くなくても発電事業者として事業運営が行えることや、発電所を建設するための初期投資が一切かからないというメリットがある。発電所の運営もサービス事業者に委ねる形で売電収入を得ることもできる。
 オンサイト発電サービスの形態は、電力の小売り自由化によりPPSの事業範囲が拡大しているため、発電した電力を直接販売するという事業形態も可能になっている。この場合も、固定価格買取制度を利用することで需要家には安価な電力を供給することが可能になる。また、オンサイト電源だけでなく系統電力も利用して発電サービスを行うというものもある。また、発電した電力は固定価格買取制度で売電し、系統電力を調達して需要家に売電サービスするというやり方もできるようになった。
 昔のオンサイト発電時代に比べると事業環境の整備が相当進み、系統も含めた様々な電源を組み合わせたサービスが工夫次第でできるようになった。発電設備メーカーも、こうした需要側の環境変化を敏感に感じ取って、オンサイト発電サービス用のシステム提案を考える時代がきたということではないか。