2014.01.15


2014年115日号

再可エネ認定量は2600万kWに 導入量は585万kW
 経済産業省は、固定価格買い取り制度に基づく、再生可能エネルギーの最新の導入状況を発表した。10月末の導入量は585.2万kW、認定量は2621.1万kWになった。前回発表分の7月末時点に比べると、3カ月間で導入量は176.6万kW増加したことになる。
 電源別の導入量は、住宅用太陽光発電が183.9万kW、10kW以上の非住宅用が382.7万kWで、7月末に比べてそれぞれ31.8万kW、143.2万kW増加している。太陽光発電の導入量は再生可能エネルギー全体の96.8%を占めている。風力発電は、3カ月で0.4万kW増えて7万kWに、中小水力も0.2万kW増えて0.5万kWに、バイオマスも1.1万kW増えて8.5万kWになった。
 一方、設備認定量は3カ月で260.4万kW、月平均で86.8万kW増加して2621.1万kWと2500万kWを超えた。認定を取得したものの運転開始に至っていない未稼働設備は2035.9万kWで、認定済み設備の内86.2%が稼働できていないという状況が続いている。


2012年度燃料電池出荷量 エネファームが倍増
 日本電機工業会は、2012年度の燃料電池の出荷統計をとりまとめ発表した。日本国内向けに出荷された定置用の燃料電池システムについてメーカー14社にアンケート調査した。
 調査の対象としたのは、PEFC(固体高分子型)、SOFC(固体酸化物型)、PAFC(リン酸型)、MCFC(溶融炭酸塩型)の4種類の定置用燃料電池システム。12年度の出荷台数は、PEFCが2万2756台(1万6429.4kW)、SOFCが4025台・3066.8kW、PAFCが10台・1千kW、合計2万6791台・2万496.2kWとなった。MCFCの出荷はゼロだった。PEFCは全量が家庭用燃料電池エネファームで、SOFCも1台を除いてエネファームだった。エネファームは容量比で94%を占めている。エネファームの出荷量は、2011年度に前年度のほぼ2倍の1万kWを超えていたが、12年度はさらに倍増し、2万kWを超えた。日本の定置用燃料電池市場はほぼエネファームだけで占められているという状況が続いている。また、SOFCの出荷量も急増しており、本格的に都市ガス事業者などが販売を開始したことで4千台を超える出荷量が記録されている。燃料の種類ではCOFCは都市ガスよりもLPガス仕様のものの方が出荷量が多い。
 業務用は100kWのPAFCが10台で、SOFCが1台・250kWが実証機として出荷されている。


再可エネ買い取り価格を検証 調達価格委が再開
 平成26年度の再生可能エネルギーの買い取り価格を決める第12回調達価格等算定委員会(委員長・植田和弘京都大学大学院教授)が開かれ、これまでの再生可能エネルギーの導入状況や来年度の買い取り価格の見直しの方向などについて議論した。
 事務局の用意した資料では、昨年10月末までに固定価格買い取り制度の適用を受けて新規に運転を開始した設備は585.2万kWで、このうち96.8%にあたる566.4万kWが太陽光発電によって占められている。
 太陽光以外の再生可能エネルギーの導入量は、18.8万kWに止まっており、新制度による導入効果は全くといって上がっていないという状況が改めて確認された。
 委員会では、来年度の価格決定に当たっては、大量の未着工件数を抱えているメガソーラーなどの非住宅用の買い取り価格を引き下げるのかどうか、導入が進まない他の買い取り価格を据え置きとするのかどうかについて主に判断する。買い取り価格は、当初3年間は事業報酬にも配慮した優遇価格とするという方による枠組みがあり、それを前提として太陽光発電の買い取り価格が判断されることになる。また、洋上風力発電について、実用化に向けた実証試験や港湾などへの設置の環境整備も進んできているとして、着床式の洋上風力について、新たに買い取り価格を設けることにした。


三井造船、寒冷地仕様の非常用発電機を開発
 三井造船は、子会社の三井造船マシナリーサービスが寒冷地仕様の非常用発電設備を開発したと発表した。空冷ディーゼルエンジンを採用した5kVAの小型発電設備で、マイナス30度Cの猛烈な吹雪などの厳しい環境でも使用できる。北海道などの寒冷地向けに、鉄道信号電源、交通信号電源、防災・消防・携帯電話無線中継局等の非常用電源として販売する。
 寒冷地向けとして対策したのは、@非常用発電機を収めるキュービクル内部を断熱構造化Aキュービクルは、積雪対応の縦型デザインとし、吸気口を高所に配置Bキュービクルは、積雪の吹き込み防止のための精密シール構造Cキュービクル内をヒーター加温し、発電機が常時始動可能な状況を保持D始動用スターターは24Vの仕様(12V仕様機もあり)E不凍液の凍結防止のため、空冷ディーゼルを採用F塗装は、塩害および猛烈な吹雪による研磨対策のために重耐塩塗装を採用など。既に3台の受注実績がある。


その他の主な記事
・農山村再可エネ法が公布
・コージェネ大賞決まる
・2月にコージェネシンポ
・都市環境エネ協会が講座
・大阪ガス タイでエネルギーサービス事業・大林組 低コストの風況観測技術を実証
・三菱重工 韓国からコージェネ用GTCCを受注
・富士電機 トンガのマイクログリッドを受注
・丸紅 国内の電力小売り事業を拡大
・伊藤忠エネクス 日本風力開発から風力発電を買収
・楽天 屋根借り型太陽光発電事業に参入・三恵観光 メガソーラー事業に参入
・政投銀 むつ小川原メガソーラーにプロファイ
・東北銀行 稼働後のメガソーラーにALB融資
・日本アジア 福岡でもメガソーラー
・NTTF ぎふでもメガソーラー
・自然電力 秋田のスキー場跡地のメガソーラー建設を受注
・エナリス 大東建託に太陽光の遠隔監視装置
・山洋電気 太陽光発電の遠隔監視で新製品   etc.

<インタビュー>
・電力システム改革をビジネスチャンスに変えるサービス
(プライスウォーターハウスクーパース パートナー・電力システム改革支援室室長 狭間陽一氏)
 昨年の電気事業法改正によって、電力システム改革がスタートした。これから2018年(ないしは2020年)にかけて、電力小売り全面自由化や発送電分離が行われる予定だ。だが、こうした制度改正によって、我が国のエネルギー事業にどのようなビジネスチャンスがあるのか、明確につかんでいる企業は少ないだろう。こうした状況に対し、プライスウォーターハウスクーパース(以下、PWC)は、海外での電力自由化の経験を踏まえてそのノウハウや情報を提供し、日本のエネルギー企業を支援していく。同社の戦略を聞いた。

<年頭所感>
・経済産業大臣
・環境大臣
・石油連盟会長



燃料電池新聞の主な記事
・燃料電池の昨日、今日、明日−2014年の市場展望−
・ソフトバンク 福岡のビルで燃料電池エネサービスの実証機
・海外ニュース
 -WARMプロジェクト、欧州3地域で90台の小型FCVによる走行実証を開始
 -デンマークIRDなど、マイクロCHP向けに加圧式固体高分子水電解装置を開発
 -米ケロッグ社、ワッフル製造工場に米ブルームバーグの燃料電池を導入
 -独プロトンモーター、30kW級の新しい燃料電池スタック「PM400」を開発
 -英バクシーコマーシャル社、英ホテルチェーンのホワイトブレッドのマイクロCHPを設置
 -中国の寧波材料技術研究所、2kW級SOFCスタックを発表
 -独N2テリジェンス社の防火システムの燃料電池、4万時間の運転時間に到達
 -独マインツ市、再生可能エネルギーを電力貯蔵する世界最大の水電解装置をエナジーパーク マインツに設置
 -独リンデマテリアルハンドリング社、BMWのライプチヒ工場に燃料電池レッカー車等を納入
 -カナダバラード社、インドのセルラーと燃料電池と太陽電池のハイブリッド電源の実証開始
 -韓国蔚山、世界初の水素タウンの建設を目指す
 -米フューエルセルエナジー社、MCFC燃料電池の総発電量が20億kWhに到達
 -フランス郵便、燃料電池レンジエクステンダーEV配送車の走行試験を実施
 -米DOE、費用対効果の高い水素・燃料電池技術を商業化するために700万ドルを助成
・燃料電池フラッシュニュース
 -愛知製鋼、水素スタンド用ステンレス鋼を開発
 -中国工業、水素ステーション用300Lの複合容器蓄圧器開発をスタート
 -経済産業省、水素トレーラーの水素充填圧力を45MPaに引き上げるよう保安規制を緩和
 -エバニュー、スマートフォン充電器「マイエフシー パワーチャージャー」の販売開始
 -パナソニック、車載用燃料電池の評価装置を開発
 -大阪ガス、低価格エネファーム(PEFC)を2014年4月から販売開始
 -経済産業省、「水素社会」の実現に向けたロードマップ策定に着手
 -科学技術振興機構:燃料電池の性能向上には白金触媒近くの水分子がカギ       etc.
・燃料電池インフォメーション
■大阪科学技術センター 燃料電池・FCH部会 平成25年度公開シンポジウム「燃料電池とそれを取り巻く環境〜水素社会への最前線〜」:1月30日(木) 大阪科学技術センター ○プログラム/「エネルギーキャリアプロジェクトの概要とアンモニア利用の展望」(科学技術振興機構 秋鹿研一氏)/「シェールガス開発の動向について」(日本エネルギー経済研究所 地球環境ユニット 田中琢実氏)/「パナソニックにおける家庭用燃料電池の最新技術動向と普及拡大戦略」(パナソニック 加藤玄道氏)/「革新的な燃料電池による電力供給ビジネス」(ブルームエナジージャパン 三輪茂基氏)/総合質疑       etc.


シリーズ連載
・世界を読む 61
 =原子力新増設に進む英国の懸念=
 (本紙:本橋恵一)




コラム
・発電論評<「消費する都市」から「発電する都市」へ>
・青空<工事価格で主客逆転>
・ちょっと一休<里山資本主義で日本を変える>
・ちょっと一言<エネルギー基本計画の寿命>


「消費する都市」から「発電する都市」へ【発電論評】

 2014年が始まった。今年は、全面自由化に向けた電力システム改革の本格化し、分散型システムを取り巻く事業環境も大きな変革が迫られる年とななるのはまちがいないようだ。早速、今般の都知事選の争点にもエネルギー問題がクローズアップされている。エネルギー問題は国で議論すべきだという声もあるが、電力システム改革によって需要家が電源を選択できるようになるという観点から、都民の一人一人が、自ら使う電気を選択できるようにするという方向で議論が進められることを期待したい。
 ただ、よくある原子力か再生可能エネルギーかという2者択一の議論に陥ることは避けたい。そのような問題の立て方は、原子力側も、再生可能エネルギー側も迷惑なのではないか。原子力の代替は、化石燃料による火力発電が担っていることを考えれば、原子力依存度を低減するには、火力発電のさらなる効率化に議論の方向が向かなければ本質的な議論とはならないことは自明だ。
 火力発電の効率を上げる手段として、最も現実的なものは、コージェネレーション化することだ。化石燃料を燃やし、蒸気を作って発電機を回すという現在の火力発電の方式では、膨大な熱エネルギーが利用されないままに大気中や海に捨てている。この捨てている熱をエネルギーとして利用するのがコージェネレーションである。熱は大量に作り、電気のように広域利用するということには向いていないため、必要な分だけ、必要なときに作るという同時同量の原則が電力以上に求められるものである。
 このため、熱利用を前提とするコージェネレーションは、熱の利用が期待できる人口密集地の都市内の施設にオンサイト設置することが大前提となるわけで、周辺の施設も含めた、中小規模のマイクログリッド内で、熱も相互利用するという仕組み作りが重要になってくる。
 コージェネを火力発電の代替電源と位置づけ導入を拡大することは、結果的に火力発電の効率を上げ、化石燃料の使用量を削減することに結びつく。また、コージェネは、オンサイト型の電源であるので、これまでは電力を使うだけだった「消費する都市」を「発電する都市」に生まれ変わらせることができる。大都市内には、ガス導管網も整備されているので、ガスコージェネによる熱電併給型のマイクログリッドを構築すれば、電力消費地が発電する都市になる。
 需要家が、電源を選択できるようになるためには、需要家が選択できる電源メニューの選択が不可欠になる。全面自由化後のメニューの中に、こうしたコージェネ活用型のメニューが加えられるために、関係者の一層の努力と取り組みの強化を促したい。