2013年125日号

ガスシステム改革に大手3社は前向き
 電力システム改革に続いてガス事業の自由化範囲の拡大などについて検討している総合資源エネルギー調査会のガスシステム改革検討小委員会が第2回の会合を開き、都市ガス大手3社からヒアリングを行った。ヒアリングは、ガス事業制度の改革について、事業者の考えを聞くもので、小売りの自由化範囲の拡大、特に全面自由化についての見解や事業展開について、また、ガス導管などのインフラ整備や託送などのアクセス整備、システム改革についての要望などについて3社の考え方を聞いた。自由化の拡大については3社とも前向きな姿勢を示し、先行して進められている電力の全面自由化の実施などを前提として、ガスを電力に変えてエネルギーサービスを行う総合エネルギー事業を指向することが共通して示された。
 全面自由化については、新規参入者が増えることにより市場自体が活性化することが期待できることや、新たなビジネスモデルの提案など市場の複合的な拡大も期待できるなどの見解が示され、電力システム改革と併せて進めることで、電力サービスと一体となったコージェネレーションや燃料電池などの分散型電源の拡大や、再生可能エネルギーとの複合化などのガス事業にとどまらないエネルギーサービス事業への展開が期待できるとの考えが示された。
 コージェネレーションの普及に向けた課題として、コージェネが稼働することによる置き換え電源との比較が容易にできるような電力排出係数の適正な位置づけや、余剰電力の買い取り制度などの要望も行われた。


経産省が自己託送で指針
 経済産業省は、自己託送規定など改正電事法に基づいて必要となる自己託送規定について省令の改正案を取りまとめた。改正案は、自己託送の制度化に必要な環境整備を行う内容で、電力会社が託送供給約款に盛り込む内容について具体的に示した指針案も合わせて示されている。
 指針案は、@自己託送が認められる範囲A自己託送と特定供給との関係についての考え方が示されており、自己託送が認められるのは自家発電設備の余剰電力を自社のグループ企業や事業所などの「密接な関係」を有するものと、「密接な関係」のある特定規模需要とされ、自家消費以外の需要についても特定供給の許可を取得することで送電が認められる。また、「密接な関係」については、「生産工程における関係、資本関係、人的関係等を有する者」と資本関係がなくても「取引等により一の企業に準ずる関係を有し、かつ、その関係が長期にわたり継続することが見込まれる者」とされた。
 自己託送が制度化されたことで、電力会社は来年1月6日までに、託送供給約款に託送料金などの規定を盛り込んで、届け出ることになる。


太陽光発電協会、第2四半期のモジュール国内出荷量は3.7倍
 太陽光発電協会は、平成25年度第2四半期(7月−9月)の太陽電池セル・モジュールの出荷統計をまとめ発表した。
 それによると、固定価格買い取り制度により、さらに拡大を続けている国内向けのモジュール出荷量は前年度に比べ約3.3倍増の207万4637kWで、前期とほぼ同様の伸びを見せており、国内市場は引き続き増加の勢いを継続している。
 輸出を含めたモジュルールの総出荷量(日本企業の国内生産と海外生産による国内出荷と国内生産分の輸出、海外メーカーからの輸入量の合計)は、211万2384kWで前年同期に比べてほぼ3倍となっている。輸出は3万7747kWで前年同期比59.6%減、輸出の構成比は1.8%程度にまで落ち込んでおり、好調な国内市場に支えられた国内メーカーはほぼ国内市場向けに特化してフル生産を行っている様子が窺える。


経産省、表層型メタンハイドレートの広い分布を確認
 経済産業省は、今年度から実施している表層型のメタンハイドレートの資源調査結果を発表した。調査を行った日本海側の上越沖と能登半島西方沖の2地点において、可能性がある構造が225カ所存在し、表層型メタンハイドレートが広く存在していることが初めて明らかになった。
 調査は、上越沖約8260平方km、能登半島西方沖約5950平方kmの範囲で、調査船の船底から音波を発信する地質調査を行った結果、直径約200m〜約500m程度、大きいものでは約900m程度の可能性のある地質構造が225カ所確認できた。
 調査は来年度以降も続けられ、3年間で日本近海の表層型の資源量の把握が行われる。


その他の主な記事
・スマメ検討委 Bルートも対応
・自然エネ財団が分散型エネ拡大を提言
・9都県市が事業用太陽光で要望
・経団連など環境税の用途拡大に反対
・エネ庁 東北地方でも送電網強化
・COP19が閉幕
・東工大らがシンポ
・九州電力 大分で地熱発電 子会社が発電事業
・古川電工 無接触電送システムを開発 充電システムに
・JFEグループ 大田市のメガソーラーを完成
・KDDI 初のメガソーラーが運開
・東電と中部電力の発電事業会社が発足
・関西戦力 けいはんな太陽光発電所
・JX 霞ヶ浦太陽光が運開
・古川機械金属 足尾銅山でメガソーラー
・ソフトバンク 福岡でSOFCを導入
・東芝 東北電力に実証用の大規模蓄電システム
・日立が5MWの大型風車を実証
・楽天 新たな電力調達サービス
・日本アジア メガソーラーを証券化
・中国 航天機電が日本支社を開設
・大阪でカーボンカンファレンス
・JEMAが新エネ講演会
・2020年のエネルギー市場
・農水省 バイオマス産業都市 2次募集
・NEDO 風力発電高度実用化研究開発
・温暖化対策大臣表彰の受賞者決まる
・新エネ財団 小水力を延長募集   etc.

<インタビュー>
・住宅業界を巻き込み、エネファームのさらなる普及目指す
(エネファームパートナーズ事務局 今泉拓也 氏)
 家庭用燃料電池エネファームは、エネルギーの効率的な利用を可能にする。発売以来、少しずつ市場に浸透してきたが、本格的な普及はこれからだ。一般家庭を単に電力を需要するだけの場から、熱も電気も作り出す総エネルギーの場へと変える画期的な発電システムである。太陽光発電とのW発電も普及も課題で、政府は導入目標として、2030年には530万台を掲げている。この目標に向けて、エネルギー業界、機器メーカー、そして住宅関連業界で今年5月に設立したのが、エネファームパートナーズだ。


<特集>
・大阪御堂筋・船場の復権
(第20回 都市環境エネルギーシンポジウム)
 10月29日、大阪市の中央公会堂で、第20回都市環境エネルギーシンポジウムが開催された。主催は一般社団法人都市環境エネルギー協会(尾島俊雄代表理事)とNPO法人アジア都市環境学会。エネルギーの面的利用の普及を目的に都市環境エネルギー協会が毎年この時期に開催しているシンポジウムで、この日のテーマは「大阪御堂筋・船場の復権」。御堂筋は大阪の南北を結ぶ幹線道路だが、ビジネスゾーンとはなっていても、魅力という点では課題がある。一方、御堂筋の北に位置する船場はかつては商業の中心だったが、現在は他の地域にその地位をゆずっている。この御堂筋と船場をテーマに、エナルギーと環境、防災を考えたまちづくりについて講演とパネルディスカッションで議論された。





シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(48)日本の無策な新目標とドイツのマイナス95%=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・2020年のエネルギー市場 その6
 =需要化志向のエネルギー市場=
 井熊 均/日本総合研究所 創発戦略センター所長






コラム
・発電論評<買い取り終了後の再可エネ設備の活用を>
・プリズム<たかがクルマ、されどクルマ>
・青空<早期退職のその後>
・ちょっと一休<懐かしい卯波で懇談>




買い取り終了後の再可エネ設備の活用を【発電論評】

 再生可能エネルギーはかつては新エネルギーと呼ばれた。最近では、自然エネルギーという括りもあり、こちらは、風力や太陽光、地熱や海洋エネルギーなどが入る。あまりこだわる必要はないと思われるが、再生可能エネルギーで自然エネルギーに含まれていないのは、バイオマスということになるのだろうか。水力の立場は微妙である。水力発電は古くから行われており、大規模な開発を伴うダム式の発電所は再生可能エネルギーには含めてもらえない。再生可能エネルギーとして扱われるのは小規模なものだけである。
 新エネルギーと再生可能エネルギーとの重ならない部分はコージェネレーションや燃料電池、水素などが考えられる。
 共通するのは再生可能エネルギーも、自然エネルギーも、新エネルギーも低炭素電源であるということだ。再生可能エネルギーや自然エネルギーは、そもそもCOとは縁がない。バイオマスは唯一例外だが、これと区別するために、自然エネルギーという括りが生み出されたのだと思われる。燃料電池は発電の過程ではCOは排出しないが、燃料に含まれている場合がある。コージェネレーションも同様だ。ついでだが、電気自動車も同様だ。
 水素は電気と似ている。どちらも、1次エネルギーを転換して人為的に創られる2次エネルギーだ。エネルギー源に何を使うかで、低炭素度が異なってくる。しかし、水素も電気も、消費される段階では自然エネルギーと同様にCOが直接排出されることはない。
 もう一つの共通点は国内で自給できるエネルギーだということだ。未来永劫途絶えることなく自給可能で、しかも利用するエネルギーはだれもが自由に無料で手に入れることができる。昨今の化石燃料価格の高騰とは無縁な存在であり、またエネルギー自給率を高めることで化石燃料の使用量を削減でき、ひいては燃料の調達価格にも影響を与えられる。
 これらの新エネルギーの唯一と行ってもいい弱みは、設備コストが高いということ。利用する「燃料」は無料でも、電気への転換コストが高額になってしまうということだ。しかし、これも考えようで、現在は15年から20年程度使用することを前提にコスト計算されているものを、2倍の30年から40年使うことを前提に利用の仕組みを変えるだけで、大幅なコストの低減を図ることができる。太陽電池のモジュールは固定価格買い取り期間が終了しても発電能力はそれほど低下しないといわれている。
 固定価格買い取り制度は始まったばかりだが、住宅用の買い取り期間は10年である。そろそろ、コスト回収の終わった再生可能電源の再活用の仕組みづくりが始まってもいいのではないか。