2013年1125日号

再可エネ認定設備407万kWが稼働 認定済み設備は2361万kWに
 経済産業省は、7月末時点の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に基づく設備認定状況と、認定設備の運転状況をとりまとめ発表した。それによると、認定設備は、6月末に比べると約69万3千kW増加し、約2361万kWになった。また、運転を開始済みの設備は54万6千kW増えて408万6千kWになった。
 導入済み設備の内、391万6千kWは住宅用も含めた太陽光発電設備であり、太陽光発電は95.8%と、相変わらず大多数を占めている。
 累計の設備認定量は、太陽光発電が約2206万7千kW、風力発電が約81万1千kW(80件)、バイオマス発電が約64万5千kW(79件)、中小水力発電が約7万9千kW(71件)、地熱発電が約4500kW(7件)となっており、風力発電やバイオマス発電も設備認定の実績がそれなりに積み上がってきている。風力発電については、固定価格買い取り制度導入前の約3割に相当する81万kWの設備が1年間で認定されており、系統接続制約の緩和に向けた北海道での送電事業会社の設立や洋上風力の開発が本格化するなど導入拡大に向けた動きが拡大しつつあり、今後の拡大が期待されるところ。


再生可能エネルギー 関係各省の施策を検証
 総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会が11月18日に開いた第10回の会合で、再生可能エネルギーについて集中的に議論した。
 会合では、関係各省からの再生可能エネルギーに関する施策や取り組みについても説明を求め、外務省、文部科学省、、国土交通省、環境省、農林水産省の関係各省が、それぞれ取り組んでいる再生可能エネルギーの拡大に向けた方策などについて説明した。また、事務局である経済産業省からは、再生可能エネルギーについて今後の目指すべき方向などについて提案が行われた。
 エネルギー基本計画に盛り込むべき課題として、文部科学省からはリチウムイオン電池や太陽光発電の更なる高度化に向けたイノベーション技術や原子力の廃棄物技術の研究開発などが要望された。農林水産省からは、再生可能エネルギーの拡大に向けて、利益を地域に還元していくことで農山漁村の活性化を図る視点が必要だとし、導入促進のための支援措置や、農地転用などの規制緩和について現状が報告された。 国土交通省からは、社会インフラを活用した再生可能エネルギーの利活用を推進していくとして、洋上風力や海流発電などの海洋エネルギーの利用拡大や小水力発電、道路や、空港など公共のインフラ施設を利用した太陽光発電、下水道バイオマスの推進などが示された。
 環境省からは、省エネを超える「減エネ」への取り組みや、「再生可能エネルギーの野心的な導入目標」の設定、コージェネを活用する「自立・分散型の低炭素エネルギー社会」の構築、生活環境や自然環境に配慮したエネルギー政策などが求められた。  
 また、事務局の経産省からは再生可能エネルギーの導入量について試算が示され、2009年に策定した見通しに基づいて試算すると2020年には再生可能エネルギーによる電力を総発電電力量の13.5%にするという現行の目標を達成するためには、太陽光と風力、地熱、水力の再生可能エネルギー電源は8278万kWになるとの試算が示された。


2012年度温室効果ガスの排出量は90年度比6.3%増 環境省が速報値を発表
 環境省は、京都議定書大1約束期間の最終年度となる2012年度の温室効果ガスの排出量(速報値)は13億4100万tで、基準年度(90年度)比6.3%増となったと発表した。前年度の2011年度と比べると、2.5%増で、原発停止に伴う火力発電の増加が主な要因だと分析している。
 第1約束期間5年間の平均で基準年度比6%削減するという日本の削減義務は、2008年度から10年度までの過剰達成分や森林吸収量、京都メカニズムによるクレジットの償却などによって達成できる見通し。部門別に見ると、産業用部門と運輸部門は排出量が減少しているが、業務部門と家庭部門では大幅に増加している。業務部門の増加は事業所の床面積の増加や火力発電の増加による電力は異種係数の悪化が主な要因。家庭部門も所帯数の増加や電力は異種係数の増加を主な要因としてあげている。
 5年間の排出量は平均すると基準年度比1.4%増となるが、森林吸収量と京都メカニズム活用分を含めると5年間ので息んでは基準年比8.2%減となり削減義務が達成できる。
 今回発表されたのは、速報値であり、来年4月に報告される確定値によって最終的な目標達成が確定することになる。


ミサワホームもPPS事業に参入 太陽光発電の電力を販売
 ミサワホームは、昨年10月からグループ各社の国内拠点において太陽光発電設備の設置を進めているが、このほど、ミサワホーム沼田工場に建設を進めていた545kWの太陽光発電所が完成した。これにより、当初計画していた全4拠点でメガソーラーやミドルソーラーなどの太陽光発電設備が稼動することになった。4カ所合計の発電設備規模は3600kW。年間約360万kWの発電量が見込まれている。
 また、ミサワホームは、住宅業界で初めて特定規模電気事業者(PPS)の届出を行い、電力販売事業に参入することも発表した。第1号の電力販売事業として、来年4月から東京電力管内にある関東物流センターに設置した約1千kWの太陽光発電設備で発電した電力を、同じく東京電力管内にあるグループ各社の事業所に供給する。各事業所では、部分的に従来に比べて安価な電力が利用できることになり、送電対象となる事業所の電力コストが約5%削減できるという。現在ミサワホームでは、生産子会社のテクノエフアンドシー社を通じて、グループ企業以外にも太陽光発電設備の設置を広く提案しており、今後も引き続き太陽光発電の拡大に積極的に取り組んでいく考え。また、電力小売事業については、供給体制を早期に整え、サプライチェーン全体の電力コスト削減にも取り組んでいく。さらに、2016年に予定されている一般家庭向けの電力自由化の実施に向けて電力販売事業者としてのノウハウを蓄積し、スマートコミュニティのあり方についても検討していく。


その他の主な記事
・石原環境省がCOPで新目標を報告
・海洋資源開発来月に報告書
・IHI、バイオマス燃料用の藻の大量培養に成功
・三菱重工 海洋燃料電池システムを開発
・北海道電力 送電2社に出資
・ユーラス福島でも大規模メガソーラー
・JXが米国FS社のモジュールを販売
・オリックスと東芝が奥飛騨で地熱発電
・SBエナジーと三井物産が共同でメガソーラー
・スズキもメガソーラー事業に参入
・自然電力が和歌山でメガソーラー
・パナソニック 5kWのリチウムイオン蓄電システムを開発
・NEC複数の蓄電池を遠隔監視
・ソーラーフロンティア ハウス栽培と太陽光発電を両立
・PV施行技術者第3回試験
・スマコミでセミナー
・地方発カーボンオフセット2次決まる
・NEDO 太陽光発電の新たな設置先を開発 実証試験   etc.

<インタビュー>
・日本は風力新規開発のポテンシャルが高い最後の先進国
(日本風力発電協会 事務局長 花岡隆夫氏)
昨年7月の固定価格買取制度(FIT)施行以降、主に開発が進んだのは、メガソーラーをはじめとする太陽光発電がほとんどだった。風力発電の開発も期待されていたが、思ったほど開発は進んでいない。環境アセスメントの手続きなどに時間がかかっているというが、実際にはどうなのか。風力発電の開発の現状と今後の見通しについて、日本風力発電協会事務局長の花岡氏に話をおうかがいした。




シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(40)
 =シェール由来のLPGが日本のエネルギーを変える=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本の再生可能エネルギー事情 その7
 =再生エネルギー電力は本当に高いのか=
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也




コラム
・発電論評<新たな太陽光発電ソーラーシェアリング>
・青空<報道姿勢の劣化>
・ちょっと一休<鈴木宗男氏の話を聞く>
・一筆啓上<恣意的な汚染水対策>


新たな太陽光発電ソーラーシェアリング【発電論評】

 太陽光発電の勢いが止まらない。固定価格買い取り制度の導入以来、1年足らずで2千万kWにせまる建設計画が明らかにされた。今年度に入っても、月間50万kWから60万kWのペースで伸び続けている。昨年度の積み残し分も合わせると、2500万kWを超えることになりそうで、国内の太陽光発電市場の活性化は、海外からの投資も呼び込んでいる。中国やドイツなどの太陽光発電先進国からの市場参入も相次いでいるといわれる。
 こうした、太陽光発電について、最近の話題は「果たして来年度の調達価格」は再び引き下げられるのかということ。初年度の買い取り価格は、消費税込みで42円だった。2年目の今年度は1割引き下げられて37.8円になっている。市場急拡大のあおりを受けて、海外に比べて日本の太陽光発電の建設コストが高すぎるのではないかという批判的な見方も目にするようになった。しかし、2千万kWに迫るバックオーダーを抱えた市場では、資材や作業員の確保も含めて、コスト削減が難しい状況が続いているという見方もある。年明けにも再開される調達委員会の判断がどうなるのか注目されるところだ。
 一方では、固定価格買い取り制度の先を見据えた太陽光発電の用途の拡大に向けた取り組みも様々に顕在化してきている。
 特に最近になって目立ってきているのが、農業分野での太陽光発電の活用だ。これは今年3月に出されたソーラーシェアリング導入の規制緩和の影響が大きいようだ。
 ソーラーシェアリングとは、農業と太陽光発電の両立を目指す取り組みであり、農地に支柱を立てて中空に太陽光パネルをすだれ状に設置して農作業を行いながら太陽光発電もできるというもの。土地全面に太陽光パネルを敷き詰める場合と比べると、土地面積当たりの発電量は半分程度に少なくなるが、農業をやりながら発電もできるという新たな太陽光発電事業が、注目され始めている。1千平方mほどの農地なら50kW程度の太陽光発電の導入が可能だと言われる。また、ハウス栽培でも屋根の一部に太陽光パネルを設置してソーラーシェアリングを行う取り組みも始まっている。50kWの太陽光発電の年間の発電量は約5万kWh程度にはなり、現在の買い取り価格で売電すると年間の売電収入は200万円弱。約半分は導入コストの償却や運転管理費に消えるとしても、100万円程度の収入が期待でき、収益の大幅な改善が期待できることになる。
 この「発電もする農業」は日本の農業の形態を大きく変えるポテンシャルを秘めているといえ、地産地消型も含めた農業分野での活用を新たな分散型電源市場として考えてみる必要がありそうだ。