2013年115日号

7万kW級ガスエンジン発電所建設工事を受注
 川崎重工業は、日本テクノが新潟県上越市に建設を計画している「日本テクノ上越グリーンパワー(仮称)」プロジェクトの建設工事一式を受注した。
 発電所は7万kW規模のガスエンジン発電所で、川崎重工業の高効率ガスエンジンであるカワサキグリーンガスエンジン10台(発電出力7800kW×10台 エンジン単体の発電効率49.5%)からなる7万kW規模の発電所として建設が進められる。日本テクノ向けのガスエンジン発電所建設工事の受注は、2011年の「日本テクノ袖ケ浦グリーンパワー」に続く2件目となる。ガスエンジン発電所は、新潟県上越市に建設され、2015年春の運転開始を目指す計画。
 日本テクノは、省エネコンサルや保安サービスなどを行う独立系の電気サービス会社で、高圧電力需要家向けに電力の小売りを行うPPS事業も展開している。昨年には、PPS事業用の電源として千葉県袖ヶ浦市に国内初となるガスエンジン発電設備による11万kWの発電所「日本テクノ袖ヶ浦グリーンパワー」を建設しており、そこでも今回と同様に川崎重工業が発電所の建設工事一色を受注し、グリーンガスエンジンにが採用されている。


三菱重工と東京ガス、1000kW高効率ガスコージェネレーションシステムを開発
 三菱重工業と東京ガスは共同で、高効率の1千kW級ガスエンジンコージェネシステムを開発し販売を開始した。発電効率は42.3%、廃熱回収も含めた総合効率では78.5%と極めて高い熱効率を達成している。
 開発したガスエンジンコージェネシステムは、同型エンジンを使用した930kWの旧来品のガスエンジンコージェネをベースに、ガスエンジンをロングストローク化し、さらに1500回転/分から1千回転/分へと低回転化させることで、約70kWの発電出力の増出力化に成功した。さらに、エンジンの低回転化によって部品の摩耗度なども減少することにより、メンテナンス周期も約1.5倍に延長できることなど、運用時の経済性を大幅に向上させている。
 ガスエンジンコージェネは、東日本大震災以来、事業継続性の観点から事業所での電力自給力の確保の手段として導入意欲が高まっており、震災前には縮小していた市場も急速な回復を見せている。東京ガスと三菱重工業は、こうしたガスコージェネへの期待が高まる市場向けに、より経済性と信頼性の高い中規模のガスコージェネとして製品開発を行ったもので、両社は再開発地域の業務用の大規模商業施設や中小規模の工場などの産業用向けにコージェネ導入の動機付け機種として普及拡大を目指していく。


ホンダ、太陽光発電パネル事業から撤退
 ホンダは、太陽光発電のパネル製造事業から撤退すると発表した。ホンダの太陽電池事業は、子会社のホンダソルテック(本社・熊本県菊池郡 )が、独自開発した化合物系のCIGS薄膜太陽電池の製造販売を行ってきたが、市場シェアの大きいシリコン結晶型の太陽電池の市場価格が下落していることなどで急速に価格競争力を失い、今後も競争力の回復が見込めないことから、太陽電池の製造販売事業からの撤退を決めた。

大阪ガス、水素製造装置を開発
 大阪ガスは、燃料電池自動車の充填スタンドとなる水素ステーション向けに、従来の小型オンサイト水素発生装置「HYSERVEシリーズ」の大容量モデルを開発した。1時間当たり300立方mの水素が製造できる。12月1日より、大阪ガスエンジニアリングが、今後建設が予定されている水素ステーションなど向けに販売を開始する。また、グループ会社のリキッドガスは、この水素製造装置をユーザーの事業所内に設置して、製造した水素を供給するオンサイト型のサービスを展開する。
 開発した新製品は、従来型の水素製造能力100立方mタイプのものをを3台設置する場合と比べて、設置面積を約42%、設備コストを約50%削減できる。また、原料から水素を生み出す改質効率も、改質器の改良などにより従来の71%から世界トップレベルの79%に向上させている。


その他の主な記事
・基本政策分科会 長期技術開発テーマなどを検討
・東芝 川崎にスマコミ事業の新センターを開所
・NTTファシリ メガソーラーを建設を加速化
・JXとLIXILが家庭用エネで提携
・気象協会と静岡銀行がエネ環で提携
・大林組がスマエネシステムを実証
・キューデンエコソルが宮崎でメガソーラー
・廃校を地産地消型の太陽光発電所に
・北海道の新送電会社決まる
・新J−クレジット制度で初の認証
・IPCC報告書テーマにシンポ
・INCHEM2013が開幕
・オーパワーが東京電力とスマ目データで提携
・福島の再可エネ導入補助11件決まる
・NEPC 小水力2次募集
・新エネ財団 中小水力開発調査情報を募集
・大阪府は燃料電池セミナー
・東京都が屋根貸しセミナー
・神奈川県も屋根貸しセミナー
・再可エネ賦課金の減免受け付けを開始   etc.

<インタビュー>
・将来は農産物と電気の産地直送も視野
(生活協同組合パルシステム東京 執行役員 経営企画本部 本部長 戸井田直人氏)
 生活協同組合として、最初に新電力事業に参入したパルシステム東京。現在は、自身の事業所に再生可能エネルギーの電力を供給する、いわば需要家新電力としての事業に限られているが、いずれは再生可能エネルギーの地産地消も視野に入れているという。実現に向けて、課題や当面の目標、想いなどを、執行役員の戸井田氏に語ってもらった。





シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(47)日独自治体エネルギー戦略シンポジウム=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・2020年のエネルギー市場 その5
 =独のシュタットベルケに学ぶこと=
 松井英章/日本総合研究所 創発戦略センター






コラム
・発電論評<託送料金の公平な負担制度を>
・プリズム<電力自由化の弊害>
・青空<ジュリーが憂える日本の現状>
・ちょっと一休<東京オリンピックの記者会見で質問>




託送料金の公平な負担制度を【発電論評】

 電力の託送料金を認可制とする方針が打ち出された。現在取り組まれている電力システム改革で家庭用も含む小売りの敢然自由化への移行後に、現在の届け出制から国が電力会社からの申請に基づいて審査し、認可する制度に移行することが提案されている。
 現在の託送制度は、電力の小売り自由化が部分的に導入されることになった際に作られたもので、電力会社が送電部門のコストを会計分離して送電部門の経費を抽出し、1kWhあたりの託送料金を決めている。託送料金は、PPSなどの電力会社以外の電力事業者が送電網を利用する際に適用されるが、電力会社は自らに適用するわけではない。電力会社は、これまで通りに託送料金ではなく送電コストとして会計処理を行っている。自らのコスト削減努力の及ばない外部経費として負担する新規参入事業者にとっては公平な市場環境とは言い難い状態が続いている。
 届け出られている託送料金が果たして適正なものなのかどうかについて、外部から検証できる仕組みが無いことも批判の対象となっている。現在の制度では、届け出た約款に基づいて託送契約が結ばれることになっている。電力会社の送電コストとPPSなどの送電コストの負担が果たして公平な内容となっているのかどうかを比較できる材料やデータも公表されていないため、託送制度の透明化を求める声も上げられている。
 そこで、今回の認可制の採用という提案がされることになったと思われるが、託送料金の妥当性について国が直接関与できる仕組みとなるという意味では一歩前進だといえようが、これだけでは、抜本的な解決となるとはいえないだろう。あくまでも公平さを求めるのであれば、託送料金を電力会社も新規参入事業者も同じ条件で託送料金として支払う形にすることがもっともわかりやすいといえるのではないか。
 送電コストを回収するという現在の託送制度では、送電部門のコスト削減の動機付けとする機能は期待できないといえるが、送電料金を支払うという形にすることで託送制度や料金に対する市場圧力とする機能も期待できる。
 再生可能エネルギー電力の買い取り制度では、買い取り義務のある電力会社だけではなくPPSも含めた電力の小売り事業を営む事業者全体で買い取りコストを負担をする仕組みとなっている。託送料金についても同様の観点から全ての電力事業者が公平にコスト負担をするという意味で、負担の仕組みを「料金」に統一するということが最もわかりやすくて透明性の高い解決法だと思われる。制度改革の中で取り組んで欲しいテーマの一つである。