2013.10.15


2013年1015日号

エネ庁、6月末の再可エネ発電設備の導入状況 366.6万kWに
 資源エネルギー庁は、2013年6月末時点の再生可能エネルギー発電設備の導入状況と認定を取りまとめ発表した。
 引き続き、太陽光発電設備の導入が順調に継続し、固定価格買い取り制度導入後の再生可能エネルギー発電設備の導入量は、累計で366.6万kW(うち太陽光発電設備が約9割)となった。設備認定量は2291万4千kWとなり、5月末と比べて、54.2kW増加した。認定量の伸びは駆け込み取得が見られた1月から3月に比べて、大幅に少なくなっている。
 運転を開始している366.6万kWのうち、51.8%の189.7万kWは4月以降の運転開始分であり、毎月約60万kW超のペースで運転開始設備が生まれている。認定設備が約2千万kWに積み上がっているメガソーラーなどの非住宅用の太陽光発電については6月末時点で運転開始に至ったのは141.6万kWで、まだ90%以上の設備が運転開始に至っていない。


エネ庁、自家消費型再可エネ設備の実態調査を実施
 資源エネルギー庁は、固定価格買い取り制度に偏りがちな再生可能エネルギー設備について、今後は、自家消費型の設備の普及も促して分散型電源として普及させることも重要だとして、普及に向けた可能性を探るための実態調査を実施することにした。
 東日本大震災以降、非常用電源としての再生可能エネルギーのニーズも高まっており、調査結果を自家消費型再生可能エネルギー発電設備の導入支援政策に結び付けていく。
 調査するのは、固定価格買い取り制度による売電事業を行わない「自家消費型再生可能エネルギー発電設備」とグリーン電力証書の普及動向」について行う。グリーン電力証書については、太陽光発電などに関心があっても自らは導入することが困難な事業者や個人に対して再生可能エネルギーを利用できる手段として有効な手段であることから調査の対象に加えた。
 調査は、企業等からのヒアリングや実地調査、文献調査などにより、@1千kW未満の自家消費型設備の実態調査とニーズの分析A1千kW未満の設備の地域別、業種別(施設の用途別)、エネルギー種類別の整理B1千kW以上の設備の実態調査とニーズの分析C自家消費型も含めた再生可能エネルギー電気量の算出(都道府県毎に導入量を整理)D売電ではなく自家消費型を導入するメリットや目的、自家消費型設備を導入する際のデメリット(金銭面、制度面、専門家の不足など)の分析E自家消費型設備導入の可能性のある業種や地域の調査F上記調査結果を踏まえた自家消費型普及に向けた提言、などを行う。


三菱重工、プロパン燃料の携帯発電機を開発 非常用電源やイベント向けに
 三菱重工業は、プロパンガスを燃料とする出力2.2kVAクラスの小型エンジン式ポータブル発電機を開発した。11月から本格的に販売を開始する。企業や自治体向けの非常用電源や、防災備品野外イベント向けのポータブル電源などとして販売していく。LPGは長期間保存しても劣化が少なく、10sボンベで最大出力2.2kVAまでの電気機器を約10時間使用できる。
 開発したエンジン発電機は、幅547×奥行き480×高さ618mmで、重さ56kg。駆動用のガスエンジンは、農業用などの各種汎用機械駆動源として幅広く活用されている三菱メイキガソリンエンジンGB180型を、ガス燃料仕様に改めて製品化した。
 使用するLPGボンベを小型から大型まで変更できるため、さらに長時間の連続運転にも対応できる。また、LPGボンベと付属の専用ホースを接続するだけで使用でき、専用のインバーター回路とフルカバー式防音構造を採用したことで、.情報通信機器にも使用可能な安定出力と静粛性を実現している。
 東日本大震災以降、企業のBCP対策として、情報機器などの非常用電源を確保することの重要性が強く指摘されるようになっており、ポータブル発電機はその手軽さから需要が急増しており、ガソリンに代わって、より安全な代替燃料が利用できる機種に対する需要も高まっていることから、業界に先駆けて製品化した。


日産自、系列販売店に低炭素電力を供給 PPS事業を拡大
 日産自動車は、新電力(PPS)として、神奈川日産自動車の66店舗への電力供給を開始する。バイオマスや太陽光由来のクリーンエネルギーなども調達して、供給する電力のCO2排出量とコストの削減を実現する。日産自動車は、今年4月からPPSとして、横浜市の本社ビルなど国内の4事業所に電力供給を行っている。
 日産系列の販売会社ではこれまで、店舗での省エネ対策として空調システムの高効率化や断熱フィルム、LED照明を採用するなどの取り組みを行ってきたが、系統電力の電力源構成の変化に伴ってCO2排出係数がたかまっていることに加えて、急速充電器の設置などにより店舗内での電力使用量も増加していることを踏まえて、電気料金を抑えながらクリーンで低炭素菜電力を調達する必要性が増していることに対応して、日産グループとして電力調達コストの低減と低炭素化に向けた取り組みを強化することにした。
 日産では、PPSとして、今年4月から調達した電力を横浜市のグローバル本社など国内4事業所に供給してきているが、今回、販売会社でのCO2排出量削減を目的に、第一段階として神奈川日産の66店舗への電力供給を開始した。供給する電力は約4500kWの計画で、供給先の販売会社側は、急速充電器に使用する電力コストも抑制することができる。また、関東圏内にある日産の販売会社6社では、電力の購入先を東京電力から他のPPSに切り替え、CO2排出量とコストの削減を目指すことにした。


その他の主な記事
・農水省 微細藻類バイオマスで国際シンポ
・経産省、省エネ法の達成状況を公表
・福島沖洋上風力実証で海中ケーブルを敷設
・JOGMEC ヘリコプターで地熱資源調査
・産総研がシンポジウム
・太陽熱と地中熱利用システム
・パナソニック 住宅用パワコン
・伊藤忠エネクスが大分にメガソーラー
・NTTF 鈴鹿にメガソーラー
・安川が100kW・200Vのポワコンを発売
・鹿島、建設現場のCO2排出量をコントロール
・Jパワー 河川維持水で小水力発電
・富士経済 太陽光発電の世界市場を調査
・宮古島でエネマネシステムを全島実証
・東北電力 メガソーラーの建設を延期
・大和ハウスなど 霧島の工場跡地にメガソーラー
・三井物産と京セラがSBソーラーに参加
・北海道ガスのメガソーラーが運開
・国際航業 和歌山にメガソーラー
・新日鉄住金 CO2回収設備を受注
・安川電機 フィンランド社と業務提携
・JFEエンジニアリング 昭和シェルからバイオマス発電プラントを受注
・広島ガス 太陽光発電所が運開
・環境省 アジアの低炭素化でシンポ
・NEDO、温暖化対策技術2次募集
・産総研がシンポジウム
・11月に太陽光発電シンポ
・第35回風力エネルギーシンポジウム   etc.

<インタビュー>
・オープン・スタンダードで社会を創る技術力を
(IEEEスタンダード・アソシエイション 事務局長 コンスタンティノス・カラハリオス氏)
 IEEE(アイ・トリプル・イー)は、日本では米国電気電子学会ともよばれている。この組織で、技術の標準規格化を担当しているのが、カラハリオス氏だ。今回、CEATECの開催に合わせて来日し、講演を行なった。テーマは、オープン・スタンダード、すなわち多くの人に開かれた標準規格ということだ。規格を内部で独占しないことで、幅広いイノベーションが実現できるという。インターネットの規格がそうであるように、スマートグリッドの規格もまたオープンであるべきだという。講演直後のカラハリオス氏にインタビューした。



燃料電池新聞の主な記事
・EV、PHVの世界の現状
・ソフトバンクとNTTドコモが携帯基地局のバックアップ電源に燃料電池
・パナソニックがSOFCの開発を再開
・海外ニュース
 -米H2 Fueling Services、カリフォルニア州でテレコム向けに水素配送サービスを開始
 -米Nuvera Fuel Cells、輸送トラック用冷凍ユニットの実証試験を開始
 -米IEP Technology、世界初の地熱燃料電池を開発
 -米DOE、国立燃料電池技術データセンターを設立
 -米オバマ大統領、スウェーデン王立工科大学で燃料電池を見学
 -蘭Delft工科大学の学生チーム、燃料電池レースカーを発表
 -英政府、超低公害車戦略「Driving the Future Today」を発表
 -中国寧波材料技術・エンジニアリング研究所、安価なSOFCを開発
 -中国政府、電気自動車向け補助金制度を2015年末まで継続
 -中国、燃料電池バス市場として有望
 -米Navigantresearch、電力供給サービスが定置用燃料電池拡大の鍵と分析
 -韓POSCO Energy、LPGのボイルオフガスを燃料とするMCFC発電を事業化
 -英Proton Power Systems、独SiemensにUPSシステムを納入
 -独Elcore、ドイツの一般家庭にマイクロCHPを初設置
 -英Proton Power、燃料電池ハイブリッドトラックを開発
 -米eBay、Bloom Energy社のSOFC発電装置(6MW)をデータセンターのベースロード電源に採用
 -加Ballard、中国Azureに燃料電池バス用スタックを供給する契約を締結
 -独Linde、500barの高圧水素ガスの貯蔵技術を開発
 -米GEI Global Energy、高温PEM燃料電池を使った100MW級発電所を計画
・燃料電池フラッシュニュース
 -大陽日酸、コストを半減したパッケージ型水素ステーションを発売
 -東大、燃料電池のカーボンアロイ触媒の電子状態をリアルタイムに観察
 -パナホーム、芦屋市に建設する83戸建てのマンション全戸にエネファームを設置
 -パナソニック、停電時に家庭用燃料電池が活用できる住宅用連携システムを開発
 -「国家戦略特区」構想で地方自治体が水素エネルギーを導入するプロジェクト案提出
 -理化学研究所、ラン藻の水素生産量を2倍以上増加させることに成功
 -丸紅、Solvayグループなどと熱電併給事業で合弁会社を設立
 -バイオコーク技研ら、水素吸蔵マグネシウムを使った事業を開始
 -西部ガス、「エネファーム」の累計販売台数が2千台を突破
 -三菱重工、燃料電池とマイクロガスタービンの複合発電システムで4千時間の連続運転を実証
 -豊田通商、仏エア・リキードと提携して水素スタンド事業に参入
 -住友精密、2014年度から業務用燃料電池を商品化       etc.


シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門(83)
 =社会人の資格取得の進め=
 大串卓矢/スマートエナジー代表取締役社長

・<新連載>新展開を見せるスマート革命 その4
 =シェールガス革命のインパクト=
 スマート研究会
  →PDFで読めますこちらから





コラム
・発電論評<電力自給力のあるマイクログリッドに>
・青空<新聞紙にはデジタルにはない良さがある>
・ちょっと一休<中韓留学生の発表会に驚く>
・ちょっと一言<新電力に参入する電力会社>


電力自給力のあるマイクログリッドに【発電論評】

 東日本大震災によって、日本でも大規模な停電を体験することになった。津波や震災によって、原子力発電や大規模火力発電がその機能を失って首都圏での電力供給力が不足する事態に陥った。ブロックごとに停電時間帯を決める計画停電が実施され、産業活動や市民生活に多大な影響があった。その後も、夏季や冬季の電力ピーク時期には全国的な節電が求められ、契約電力500kW以上の大口需要家には電力使用制限令が初めて発動されたりした。節電要請は、現在も続けられており、今冬も、特に電力不足が懸念されている、北海道を中心に節電の取り組みが求められるような情勢が続いている。
 節電対策は、文字通りの省エネによる節電と、系統電力の依存度を引き下げるための節電がある。後者は、電力の持久力を高めることで、系統電力の使用量を抑制する取り組みだ。手段は、主に自家発電に頼ることになる。
 停電対策としての自家発電設備の導入が増えている。日本での非常用電源といえば、これまでは、消防法や建築基準法によって導入が義務づけられているいわゆる防災用電源を指す用語だというのが常識だったが、最近では、停電に備えるという意味での本来の意味で使われるようになってきている。
 こうした、停電を回避する手段としての電力自給力の確保に、注目が集まっていることはよい兆候ではあるが、そうした自家発による電源確保の動きをもう少しだけ範囲を拡げて周辺地域も含めた取り組みに広げることはできないのだろうか。
 例えば、国の補助事業として、防災拠点となる施設へでの電力自給力を高めるために、再生可能エネルギーなどによる発電設備の導入が補助されている。こうした取り組みを、スマートコミュニティの実証事業などと組み合わせて、非常災害時にも地域内での一定程度の電力自給力を確保するものに進化させていくことも一つの手段になる。現在のスマート技術の実証開発では需要抑制が中心となっているが、地域内で再生可能エネルギーやコージェネレーションシステムによる一定の自給力を確保して、非常災害時には最低限の公共サービスや市民生活、企業活動が営めるだけの電力を、あらかじめ選定しておいた負荷設備に供給する地域のネットワークとなるマイクログリッドを構築しておけば、非常災害時の停電による社会的な混乱が相当程度回避できるのではないか。
 現在、進められている電力システム改革の中でも、単なる発送電分離に止まることなく、ネットワークのあり方についても、需要地に近い地域のネットワーク単位で一定の電力自給力を確保することで、供給安定力を担保するという考え方も充分に検討に値すると思うのだが、どうか。