2013年105日号

東ガスグループ、高効率小形で安価なガスコージェネを開発
 東京ガス子会社のエネルギーアドバンスは、400kW級の高効率で安価なガスエンジンコージェネシステムを開発し、販売を開始した。エンジンはクラス最高の効率の独MWM社製のガスエンジンを採用し発電機や排熱ボイラなども各メーカーと共同開発するなどして小型のガスコージェネとしては世界最高の総合効率85.3%を達成している。また、システムをパッケージ化することで導入費用や保守管理費用などのトータルコストを約20%程度削減できるなど、安価で手軽なコージェネシステムとして商品化した。
 採用したガスエンジンは独MWM社製の8気筒のエンジンでこのクラスでは世界最高の発電効率41.7%を実現している。このエンジンを使ってコージェネシステムとして発電出力391kW、蒸気出力(効率)295kg/h(21.9%)、温水回収量(効率)734MJ/h(21.7%)、総合効率85.3%の高効率を実現できた。希薄燃焼式のガスエンジンでNOX排出量も200ppm(O2 0%換算)と低NOXも実現している。ガスエンジンの選定に当たっては、世界のエンジンメーカーを調査し、小型ガスコージェネでは世界最高レベルの高効率ガスエンジンを採用し、メーカーから直接調達することで調達コストの削減し、導入コストの低減にも役立てた。
 ガスコージェネについては、東日本大震災以来、電力自給力の向上や、節電対策、ピーク電力対策、また、停電時の事業継続性の観点などから市場ニーズが急激に高まってきている。東京ガスでは、こうした市場ニーズに応えるために、従来のコージェネシステムがともすれば顧客の要望に基づいてシステムを個別に組み合わせていたものをエンジンや発電機も含めた標準品としてパッケージ化することでシステムの導入費用を抑えると共に、メンテナンスコストなどの運転管理コストも併せて低減することで、従来品に比べたトータルコストを2割削減し、安価で手軽なコージェネとして投資回収年数が3年程度削減できるようにした。


分散型の普及課題など議論 基本政策分科会で
 経済産業省は、10月2日に第6回の基本政策分科会を開催し、デマンドサイドのエネルギー政策について、省エネや、再生可能エネ、分散型、エネルギーマネジメントなど、個別にテーマを設けて議論した。
 分散型については、コージェネ、再生可能エネ・熱利用設備、エネファーム等の「創エネ」設備、蓄電池等の「蓄エネ」設備等で、更に、需要側の設備をスマートに結びつけて最適な運用を可能とするEMSを組み込むシステムに発展すると整理、分散型エネルギーシステムによる効果は、@エネルギー供給リスクの分散化Aエネルギーの有効利用や環境への配慮B地域経済の活性化などをあげ、そのうえで、現状については、燃料費の高騰によって普及は頭打ちで、国内のコージェネ導入量は、約985万kWとなっているが、震災後の補助制度の拡充によっても大幅な拡大には至っていないと分析。
 今後の普及に向けた課題としては@システム価格の低減A熱の有効利用による総合エネルギー効率の向上B制度的な環境整備の3点をあげ、技術開発の必要性や特定供給の電源比率の緩和などをあげている。これらの課題は、以前から指摘されていることばかりであり、問題点は把握されながら政策的な取り組みがほとんどなされてこなかったことが示されている。


2012年度最終エネ需要は1.2%減 エネ起源CO2は2.8%増
 資源エネルギー庁は、2012年度の最終エネルギー需給実績(速報)をまとめた。
 最終エネルギー消費は、東日本大震災による影協があった2011年度に比べ、電力需要が2.0%さらに減少した。石油も1.7%の減少となり、全体でも1.2%減となった。東日本大震災前の2010年度との比較では、電力が8.0%減、石油が4.1%減と大幅な減少となっているのに対して、都市ガスは1.7%増と、エネルギーシフトの継続が見られる。電力、石油の減少を受けて全体では4.2%の減少となっている。
 供給面から見ると、原子力が大幅に減じた影響から、石炭が4.4%増、天然ガスが3.5%増、石油が1.4%増と化石エネルギーで原子力を代替している様子が窺える。
 また、エネルギー起源のCO2排出量は、2011年度に比べて2.8%増。1990年度比では13.9%増と大幅に増加している。震災前の2010年度との比較でも7.4%増となっている。


ヤンマーエネルギー、停電時でもガスで空調・電気も使える自立型GHPを発売
 ヤンマーエネルギーシステムは、停電時にもガスで空調ができ、電力供給も可能な電源自立型GHP(20馬力)を開発し、発売を開始した。
 GHPは室外機のコンプレッサーをガスエンジンで駆動し、ヒートポンプ運転によって冷暖房を行うガス空調システムで、電力のピークカットや、節電に貢献できるシステム。ヤンマーでは、発売以来25年余りが経過し、累計販売台数も25万台を超えているロングセラー商品。
 今回開発した新製品は、室外機本体にバッテリーを内蔵したことで、これまではエンジンの起動時に必要だった外部電力を不要とし、系統電力がない停電時にも運転できるようにしたほか、内蔵している小形発電機による発電電力を空調以外の照明などにも供給できるようにして、災害時などの停電時のエネルギー自給力を向上させている。


富士フイルムHD、自家発電設備の活用でグループ内16拠点に電力融通を開始
 富士フイルムグループは、富士フイルムの富士宮工場の自家発電力をグループ会社の事業場16拠点に対して供給開始した。富士フイルムが特定規模電気事業者(PPS)となり、富士宮工場の自家発電電力を他のグループ事業場へ東京電力の送電網を介して送電する部分供給事業。ピーク電力の削減を主な目的として実施するもので、不足する電力は電力会社から購入する。
 富士フイルムグループは、これまでも安定した電力確保とCO2排出削減を目的に自家発電の増強や節電に関する活動を継続して行ってきている。2011年には、自家発電による発電量の増加を図ると共に、電気事業法の「共同使用制限スキーム」を用いた節電を確実に実施するため、東京電力管内の大口需要15拠点に使用電力の一元管理するシステムを導入、さらに、2012年には電力使用状況の一元管理を全国に拡大し、グループの大口電力需要拠点25カ所で実施している。今回、PPSの事業登録を行い、自家発電による電力を電力の小売り事業用として利用できるようにした。現在検討されている電力システム改革によって、自己託送の範囲が広がることや、発電や小売りの自由化が実現するため、自家発電力の相互融通など自家発電設備の利用や設置目的の拡大も期待できる。


その他の主な記事
・今冬の電力需給を検証 月内に見通し
・EVEX開く
・ビッグサイトでシーテック
・IPCCが第5次報告書 温暖化の影響が拡大
・JFEエンジ 岡山で7Mのメガソーラー
・シーテックが岐阜でメガソーラー
・北海道で10万kW超のメガソーラー
・三菱重工が風力でヴェスタスと合弁
・東芝 風力発電事業に参入
・矢野経済 国内太陽光市場を調査
・パナソニック 両面発電モジュールを出力アップ
・産総研が福島に再可エネ研究拠点を設置
・環境省が2つのセミナー
・13年度廃棄物2次公募
・Jクレジットで実践講座
・再可エネ熱高度利用システム決まる
・名古屋で地域エネ取り組みシンポ   etc.

<インタビュー>
・MEMSアグリゲータとスマートマンション
(株式会社長谷工アネシス スマートマンション事業部 事業企画部 事業企画課課長 野世溪卓也氏)
 スマートマンションと一括受電サービスは切っても切れない関係にある。電気料金を安くするだけではなく、エネルギーマネジメントシステムと連携することで、多様なサービスを可能にするからだ。マンション一括受電サービス市場でトップを狙う長谷工アネシスは、長谷工ならではのスマートマンションを通じて長谷工ならではのコミュニティを提供することを目指しているという。





シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(46)地域エネルギー事業の新展開 その2=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・2020年のエネルギー市場 その4
 =欧州に見る広域系統運用成功の秘訣=
 瀧口信一郎/日本総合研究所 創発戦略センター

・キーパーソン
 =脱原発を日本で訴える前NRC委員長=
 前米国原子力規制委員会(NRC)委員長 グレゴリー・ヤツコ氏





コラム
・発電論評<コージェネを使いやすくする>
・プリズム<需要家が求めるガスシステム改革に>
・青空<消費税率の引き上げが正式決定>
・ちょっと一休<久しぶりにあった康芳夫さん>




コージェネを使いやすくする【発電論評】

 日本のコージェネレーションの導入量は985万2千kW(コージェネレーション・エネルギー高度利用センター調べ 2012年度末実績)だ。2012年度こそ単年度の導入量は約38万kWと久しぶりに導入量が増えたが、それ以前の5年間は、導入量が伸びない頭打ちの時代が続いていた。原因はいくつか考えられる。
 まずあげられるのが、燃料費の高騰。日本の天然ガス(都市ガス)価格は石油連動型なので、原油価格の高騰がガス料金にも反映されてしまう。第3次オイルショックと言うべき原油価格の高騰によって、日本のコージェネレーションは新規の導入がほぼ止まってしまっていた。それが、東日本大震災以降の節電奨励策によって、系統依存度低減のため自家発電が奨励されたこともあり、一時的な回復を見せているのだ。しかし、この市場回復がいつまで続くのかということには多くが自信を持てないでいる。
 東日本大震災は原子力発電などの電力事業用発電所に大きな被害を与えた。燃料費の高騰は、その後の火力発電への依存度の高まりによって、電気料金の値上げの理由とされ、また、貿易赤字の最大の要因ともされている。こうした燃料費の高騰は当然コージェネシステムの運転コストの大幅な上昇にも繋がり、導入が進まないということになっている。
 それでは、最近の回復ぶりどう評価するのかということになるが、それは経済性よりもセキュリティーが優先された結果ということができようか。最近、コージェネは、かつての安価な電気と熱の供給手段としうものから、系統依存度の低減、停電時の電源確保などの電力自給力の確保を目的に導入されるケースが少なからず出てきているといわれる。つまり、事業継続性の観点から、災害時や緊急時でも必要最低限の電力は確保しておきたいという需要だ。こうした理由によるものは経済性よりも電力確保が目的なので、ある程度発電コストが高くても許容される。
 また、コージェネの導入には、発電所や熱供給に関する制度的な規制もかかる。それには、工事計画から始まり、主任技術者の選任、燃料の保管、運転管理まで乗り越えなければならない制度的な規制の数々が立ちふさがっている。もちろん、安全確保は最優先されなければならないが、既成の規制によらなければ安全が確保できないというわけではない。例えば、そうした法的な規制は設置者側に求めるのではなく、設備やシステムを供給するメーカーや事業者が契約によって代行できるようにするということも考えられる。コージェネの使い勝手を良くすることで、系統電力の依存度が下げられるのであれば、2重3重の効果が期待できると思うのだが。