2013.09.15


2013年915日号

電自由化までにスマートメーターを導入 家庭用以外は完了
 経済産業省は、スマートメーター検討会を再開し、電力の小売り自由化時には重要アイテムとなるスマートメーターの各電力会社管内での普及状況や情報データーの利用方法などについて検討を行う。再開後の検討会は、9月11日に初回の会合が開かれた。報告書をまとめた昨年2月以来1年半ぶりの開催。
 各電力会社のスマートメーター設置の取り組みも始まっているところから、検討会では進捗状況などの現状の検証や、スマートメーター設置の前倒しの可能性などについて、検討していく。
 1年ごとの進捗状況などの検証が求められていることや、今年6月に閣議決定した成長戦略でも、電力システム改革の一環としてスマートメーターの配備を加速化させることなどが盛り込まれていることなどから、メーターの配備を可能な限り前倒しする方向で、課題を抽出し、対策を検討していく。
 各電力会社が示した導入スケジュールによると、電力の小売り自由化が実施される2016年度には全ての電力会社で工場やビルなどの高圧部門以上では全需要家のスマートメータ化が完了しているが、低圧の家庭部門については、ようやくその頃から導入が本格化することになる。
 検討会では、各電力会社が取り組んでいるスマートメーターの仕様や調達配備などのスケジュールなどを確認するとともに、スマートメーターの配備計画の妥当性などについて検証し、電力システム改革の妨げとならないように、前倒しの時期や方法などの可能性についても検討していく。


規制改革会議、エネルギー・環境WGは休止
 政府の規制改革会議は、6月に第1次答申を取りまとめ、7月からは第2期の活動に入っているが、第2期の最優先事項は、「健康・医療」「雇用」「創業・IT等」「農業」「貿易・投資」の5項目とされ、第1期では規制改革の重点項目として取り上げられていた「エネルギー・環境」は外され、WGも開催されないことになっている。
 第1次の答申に盛り込まれている再生可能エネルギーに関する規制や次世代自動車については、重点フォローアップ事項として実現に向けたチェックが行われることになってはいるものの、その受け皿となるWGが開催されないため、新たな規制改革の要望などについては少なくとも1年間は、規制改革のスケジュールには乗りにくいこととなる。


オリックス、福岡でも大規模メガソーラー
 オリックスと九電工は、日本コークス工業が所有する福岡県大牟田市の土地を賃借し、最大出力1万1700kWのメガソーラーを建設する。
 発電所は、約17万1千平方mの土地に約4万8千枚の太陽光パネルを設置して2015年8月の運転開始を目指している。発電所の建設と運営は、オリックスと九電工が共同出資して設立する事業会社「Kクリーンエナジー」が行う。
 オリックスと九電工は、鹿児島県枕崎市に、空港跡地を活用した約8200kWのメガソーラーの建設に着手するなど、戦略的パートナーとして九州地区での事業拡大を目的にメガソーラー事業を推進しており、これまでに本件を含め10カ所のメガソーラーの開発を共同で進めている。
 オリックスは、固定価格買い取り制度によるメガソーラー事業を積極的に開発しており、今年7月までに、28カ所で合計14万3200kWのメガソーラーを開発中。また、企業や自治体などが所有する施設の屋根を借りる「屋根貸し型」の太陽光発電事業についても49カ所で合計2万7300kWの案件を開発中。さらに、3年間で30万kWのメガソーラー事業の開発と、屋根貸し型10万kWを目標に事業開発に取り組んでいる。


ユーラス、苫前WPで風車事故
 ユーラスエナジーグループは、苫前グリーンヒルウインドパーク(総出力2万kW)で、9月5日に風車のロータハブ(ブレード3枚含む)が落下する事故が発生したと発表した。同発電所における全ての風車の運転を停止し、当該機の事故原因を調査中だとしている。風車は、1千kWのシーメンス社製。
 苫前ウインドパークは、1999年に11月に運転を開始した風力発電所で、運転開始依頼14年目となるもので、1000kW×20基の風車が設置されている。事故を起こしたのはそのうちの11号機で、支柱の高さは約45m、ブレードの長さは約26m。


その他の主な記事
・基本政策分科会で再可エネについて議論
・経産省と環境省、地球温暖化で合同会合
・長崎県、海洋再可エネ実証に立候補
・熊本県 37件目のメガソーラー
・島根県 県有地の初めてのメガソーラーが運開
・業務SO2削減募集
・JOGMEC 地熱開発補助採択状況を中間報告
・オリックスレンテック 小型蓄電池の試験受託サービスも開始
・トマト銀行、玉野市のメガソーラーをファイナンス支援
・パナソニック 創蓄エネシステムの連携装置を発売
・パナソニック欧州でも家庭用燃料電池を発売
・西部ガス 長崎太陽光発電所の増設工事が完了
・日立造船 因島工場にメガソーラー
・森トラスト 福島のメガソーラーが竣工
・ユーラスエナジー 国内初のメガソーラーが運開
・東邦ガス、エネファームの販売台数が4千台に
・東芝 HEMSを発売
・マンション全戸にHEMSと蓄電池
・低炭素価値向上、2次募集
・ASSET事業2次、参加者決まる
・自治体の報告算定支援プロ 2次募集
・スマコミ実証は3次募集
・NEPC 再可エネ熱利用を2次募集
・九都県市 再可エネ活用セミナーを開催
・大阪府 屋根貸し太陽光開始 標準工法も採択
・環境省 CO2排出抑制対策 2次募集
・JOGMEC 地熱開発補助採択状況を中間報告   etc.

<インタビュー>
・2030年にはコージェネ3000万kW
(コージェネレーション・エネルギー高度利用センター 専務理事 石井敏康氏)
 熱と電気を効率よく活用するコージェネレーションシステムは、エネルギーの有効利用をはかるシステムであり、普及拡大が望まれている。とはいえ、技術的課題のみならず政策的な課題も多く残されており、まだまだ我が国の導入量は欧米に比較して少ない。このコージェネレーションの普及やこれを取り入れたスマートエネルギーネットワークの実現などを推進するのが、コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(以下、ACEJ)の役割である。今後、大胆に進められることになる電力システム改革の中でも、分散型エネルギーシステムの中心となるべきコージェネレーションシステムにかかる期待は大きいものがある。改めて、今後のコージェネシステムの普及策について、石井専務理事にお話を伺った。



燃料電池新聞の主な記事
・EV、PHVの世界の現状
・ソフトバンクとNTTドコモが携帯基地局のバックアップ電源に燃料電池
・パナソニックがSOFCの開発を再開
・海外ニュース
 -インドISROとTata Motors、燃料電池バスを開発
 -ICCT、貨物輸送に使う次世代トラックの予測を発表
 -米Parker Hannifin、自立型SOFC-CHPを開発
 -独BASF、高温電解質膜から撤退
 -独Elcore、ene.fieldプロジェクトで135台のマイクロCHPを2013年8月に設置
 -独OHEnergyなど米独協力で最大出力密度のプラチナフリーPEFCを開発
 -米PSI、プラチナ・パラジウム合金による3次元エアロゲル触媒を開発
 -独CleanEnergyPartnership、燃料電池車の走行距離が200万kmに到達
 -米Plug Power、輸送トラック用冷凍ユニットの実証試験を実施
 -米USHybrid、UTCが契約していた燃料電池バスプロジェクトを引き継ぐ
 -米Mercedes-BenzUS、部品倉庫に米Plug Powerの燃料電池フォークリフトを123台導入
 -米NeahPower、モバイル燃料電池「PowerPlay」のインターネット販売を2013年9月から開始
 -米Redox Power SystemsとMaryland 大学、コストとサイズが1/10のSOFCを開発
 -米Navigant Research、2012年の燃料電池出荷台数は2万8000台と発表
 -米BankofAmericaMerrill Lynch、BloomEnergyの電力供給サービスにリースプログラムを提供
 -米コネチカット州運輸局、インターチェンジの工事現場で燃料電池照明装置のフィールド試験を実施
・燃料電池フラッシュニュース
 -パナホーム、芦屋市に建設する83戸建てのマンション全戸にエネファームを設置
 -日産、トヨタ、ホンダ、三菱自、充電インフラ の共同推進に合意
 -デロイトトーマツ、FCVの世界市場を2025年で180万万台と予測
 -大阪ガス、家庭用コージェネの販売台数が累計10万台に到達
 -経済産業省、水素スタンド省令改正を正式発表、複合蓄圧器を認可
 -JX日鉱日石エネルギーなど、水素ステーション用複合蓄圧器を開発
 -愛知県、「あいち次世代自動車インフラ整備推進協議会」を設置、BEVとFCVのインフラ整備推進
 -川崎市、水素エネルギーの普及を目指す「川崎臨海部水素ネットワーク協議会」を設立
 -三菱自動車、「アウトランダーPHEV」の生産再開
 -熊本大学、安価で白金並みの高活性を有する燃料電池触媒を開発
 -大陽日酸、コストを半減したパッケージ型水素ステーションを発売
 -三菱重工業と日立製作所、火力事業統合の承継契約を締結
 -スズキ、シリーズハイブリッド搭載の「スイフトEVハイブリッド」の量産車開発凍結
 -パナソニック、東芝などが「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会」に参加
 -東大、燃料電池のカーボンアロイ触媒の電子状態をリアルタイムに観察       etc.


シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門(82)
 =ISO55000の制定=
 大串卓矢/スマートエナジー代表取締役社長

・<新連載>新展開を見せるスマート革命 その3
 =オバマ第2期政権のエネルギー環境政策 その3=
 スマート研究会
  →PDFで読めますこちらから





コラム
・発電論評<系統安定化のための調整用電源>
・青空<2020年東京五輪開催決定>
・ちょっと一休<古希過ぎて現役の仲間達>
・ちょっと一言<ホワイトラベル電力を考える>


系統安定化のための調整用電源【発電論評】

 原子力発電と再生可能エネルギー発電は意外なようだが、共通することが多くある。例えば、どちらも出力変動が苦手で、需要に応じた発電が行えないということがある。
 原子力発電の場合は、機能的にできないというよりも、制度的な運用面の問題であり、出力の上げ下げを行わない運用が行われている。そのため、電力の需要量にはお構いなく発電を続けることになり、電力需要量の少ない夜間などは発電量が需要量を上回ってしまい、電気を捨てなければならなくなる。その余った電気を貯めることはできないかと考えられたのが揚水発電というわけで、夜間に原発で余った電気で水をくみ上げて再び発電利用できるようにしている。
 こう考えると、原子力発電は、揚水発電と組み合わせることで初めて自立した発電しすてむなのだとわかる。需要に応じた発電ができなくて、調整用の他の電源を必要とするという意味で、原子力発電と再生可能エネルギーは似ている。
 再生可能エネルギーも、特に発電のための燃料を必要としない風力発電や太陽光発電は、風況や日照に左右され、勝手に発電してしまうため、需要に応じた発電ができない。そのため、発電をしないときのための調整用の電源を別に用意する必要がある。また、発電しすぎたときのための対策も必要となる。この調整用電源として、現在は電力会社の持つ大規模な火力発電所が使われているため、調整力や方法に限界があり、系統接続が拒絶されるという事態も起きている。需要に応じた発電ができない風力や太陽光発電ではあるが、年間を通してみると安定した発電量が期待できるという意味でも似ている。原子力はもちろんだが、風力や太陽光にしても、年間の気象状況はそれほど大きな変動はないので、毎年ほぼ一定の安定した発電量が得られている。
 再生可能エネルギーや原子力に共通する出力の補完問題は、短期的な出力変動に対応できる電源と組み合わせるいわゆるダブル発電を行うことで比較的容易に対応できると思われる。需要地に近いところに中小規模のガスコージェネや燃料電池、蓄電池などを設置しておき、電力需給の変化に応じて調整用電源として運用すれば、発電した電力を無駄なく、利用できる。また、余った電力の貯蔵方法としても、いつまでも大規模な揚水発電に頼るだけでなく、蓄電池を利用したり水素に変換してエネルギー貯蔵するとことも、現実的な手段として対応できるようになっている。
 進行中の電力システム改革は、電力の販売や流通の自由化と発想電分離を目的としたものであるが、こうした自由な発想で効率化や安定化に寄与する新たな取り組みも受け入れられるような視点も求められている。