2013年85日号

2012年度のコージェネ導入量は38万kW
 コージェネレーション・エネルギー高度利用センターは、2012年度のコージェネレーションシステムの導入実績をまとめた。
 それによると、2012年度の導入量は37万9千kWで、前年度導入量の約3.5倍と大幅に増加した。設置台数も938台で、こちらも前年度に比べ約2倍増と、設置台数、容量共に前年度に比べて大幅に増加し、単年度の導入量は、導入量が多かったリーマンショック前の水準に近づいている。原子力発電の大量停止などによる電力供給不安を背景に、電力自給力の確保を目的に自家発電設備の導入が増えており、震災直後の11年度に導入を計画したものが、12年度に入って工事を終え、稼働が本格化し始めたことで、導入量の大幅な増加となって現れたと考えられる。
 導入施設を工場などの産業用とビルなどの業務用(民生用)に分けてみると、民生用の導入量が5万kW・718台だったのに対して、産業用は32.9万kW・220台と、導入容量では、産業用が圧倒的に多い。コージェネの導入量は、これまでも約80%が産業用で占められているが、12年度は、さらにその傾向が強まって、電源確保の観点から産業用を中心に導入が行われた傾向が強く出ている。
 また、撤去・削減分を差し引いた12年度の累計設置容量は、985万2千kWとなり、コージェネ導入量1千万kWに近づいてきた。累積導入量は12年度に22万7千kWの増加となった。


ガス協会、2012年度ガスコージェネ導入量は28万4千kW
 日本ガス協会は、ガスコージェネの導入量が2012年度に28.4万kW(6.3%)増加して、年度末の導入量は累計で481.9万kWになったと発表した。設置件数は15万6558件となり、11年度末に比べて2万5278件(19.3%)増加した。
 東日本大震災後の電力供給不安から、電力自給力の確保を目的にした導入が進んだものと見られ、産業用は21.6万kWが単年度で増加した。12年度単年度増加分の76.4%を占めた。産業用の設置先は91件増えて、947件になった。業務用も317件増えて、5709件になった。
 ガスエンジンコージェネのエコウィルと家庭用燃料電池システム「エネファーム」の導入量をまとめた家庭用は、2012年度1年間に2.2万kW増加して、累計導入量は14万5千kWになった。件数では、2万4880件増加して14万9909件になった。
 ガス協会の統計は、単年度の導入量から既設設備の撤去分を差し引いた単年度の増加量を集計している。


昭和機器工業、水没しても燃料供給が継続できる燃料ポンプシステムを発売
 各種液面計など燃料関連の計測機器などを製造販売している 昭和機器工業(本社・福岡市)は、洪水などで冠水しても燃料タンクから安全・確実に燃料が汲み出せる「冠水対策型のポンプ装置」を開発した。
 近年、集中豪雨などによる洪水被害等が頻発しているが、東日本大震災による大津波では、燃料汲み出し用の油ポンプが冠水してモーターが故障し、非常用の自家発電設備に燃料を供給できず長時間稼働できなかった事例があり、洪水などの水害を考慮した対策が求められるようになっている。
 自家発電設備の燃料タンクなどは地下に設置されているケースが大半だが、その場合、燃料ポンプは、地表面に近いレベルに設置される例が多く冠水してしまう恐れが強い。これまでは特殊なケースを除き冠水対策が施されている例はないが、ユーザーからの要望もあり、水没してもポンプ機能が失われず稼働できる「冠水対策ポンプボックス」を開発、その中にポンプ設備を納めた「冠水対応型のポンプ設備」として商品化した。
 開発した対策型ポンプは、金属製のカバーを被せ、底面は水の浮力を受け上下するフロート付きの底板とすることで、底面から浸水する水流をコントロール。装置全体が完全に水没しても、内部に閉じ込められた空気が水面の上昇を抑える働きをして、ポンプ・モーター部は水没しないという構造を実現した。海上技術安全研究所に依頼して行った試験では、想定される最大クラスの津波である34.6mの水深でもポンプ・モーター部は水没せず機能が維持できることが確認できた。ボックス内で圧縮された空気が水の浸入を拒むという極めてシンプルな構造のものであるだけに、逆に装置の信頼度は高いのだといえる。
 昭和機器工業では、既設のポンプ設備も含めて、当面は発電設備用を中心に営業活動を開始する。


神戸製鋼、高効率・小型バイナリー発電システムの新機種を販売
 神戸製鋼は、工場排熱や地熱等を利用して発電する、高効率・小型バイナリー発電システム「マイクロバイナリー」シリーズの新機種を開発した。8月から販売を開始する。発電最大出力は125kW。
110〜130度C程度の低温・低圧の余剰蒸気を利用して発電するバイナリー発電装置で、独自技術であるスクリュータービンの採用などによって工場などの低温排熱を熱源に、高効率の発電を可能にした。また、同社の冷凍機・ヒートポンプなどで培ってきた量産技術を活用することで開発コストを抑え、さらに部品の共通化を図ることなどでコストの低減を図った。これによって本体ユニット価格3800万円という低価格も実現している。
 神戸製鋼では、固定価格買い取り制度の導入によって注目度が高まってきている温泉や地熱などの再生可能エネルギーを活用した再生可能エネルギー発電に加えて、工場などの低温の排温水・排蒸気を活用した発電などの幅広い用途での需要を更に開拓していく。


その他の主な記事
・北海道と東北の大型蓄電池実証試験が開始へ
・三菱重工 事業体制を4つのドメインに再編
・中部電力 シーエナジーを完全子会社化
・再可エネ世界フェア開幕 海外からも高い関心
・都市環境エネルギー協会が成果発表会
・JFEエンジ 三重でメガソーラー事業
・環境省 業務CO2大量削減 参加者を発表
・環境省 CO2削減実証事業を採択
・エネシード 国内4カ所目のメガソーラー
・太陽誘電  群馬の研究所跡地で太陽光発電
・日清紡 徳島工場にメガソーラー
・北海道と秋田の地熱開発 試掘調査
・NTTF 吉野ヶ里のメガソーラーが運開
・オリックス 西濃運輸の18カ所で太陽光発電事業
・神戸製鋼 低温蒸気のバイナリー発電システムを発売
・カネカ 薄膜3層太陽電池で新商品
・ユーラス 北海道で2カ所目のメガソーラー
・環境省 地域循環圏モデル
・NEDO 新エネ成果報告会
・中国経産局 マイクロ水力セミナー
・石油連盟 関東北信越で石油セミナー
・国交省 まち・住まい・交通の創蓄省エネモデル都市を募集
・次世代エネルギーパークの計画を募集
・環境省 地域で進める地熱開発を支援
・省エネセンター エネ診断プロを養成
・LPG振興センター 成果発表会   etc.

<インタビュー>
・新エネ政策の安定運用で更なる拡大を
(資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部長 木村洋一氏)
 資源エネルギー庁省エネ・新エネ部長に就任したのは、1年ぶりにエネ庁復帰となる木村氏だった。2010年から2年間、省エネ・新エネ部政策課長として、固定価格買取制度(FIT)や省エネ法の改正などにかかわってきた。今度は部長として、一連の成果を出すポジションにきたということになる。就任にあたっての抱負などを語ってもらった。





シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(44)国では目が届かない「熱」政策=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・2020年のエネルギー市場 その2
 =改革の本質は、自由で公平な市場競争=
 井熊 均/日本総合研究所 執行役員 創発戦略センター所長





コラム
・発電論評<自家発やコージェネの新たなビジネス形態>
・プリズム<ソフトバンクのエネルギー戦略>
・青空<不動産市況は活況のようだが>
・ちょっと一休<「ライムライト」の同窓会>


自家発やコージェネの新たなビジネス形態【発電論評】

 この夏も、原子力発電の再稼働は間に合わず、原子力発電のほとんどない夏の電力ピークを迎えている。各地の需給状況を見ても、特に電力不足による計画停電などの見通しはない。震災から3回目の夏を迎え、原発が無くても電力不足に陥ることはなくなっている。その要因は、節電や省エネが大幅に進んだということにつきようが、その内容には様々なものがある。
 無駄を省いたり、エネルギー効率の高い、いわゆる省エネ設備を導入して電力の需要量そのものを抑制するのが通常の省エネや節電だが、それによって電力使用量が減ったと見るのは早計だ。系統電力の抑制=ネガワットの方法には、自家発電力を活用するという方法もあるからである。
 系統電力のピーク抑制の要請もあり、自家発電設備の再整備やコージェネシステムを導入する動きも活発化している。昨年度のコージェネや自家発の導入実績が相次いで発表されているが、震災前には、燃料費の高騰により、全くといっていいほど新規の導入が進まなくなっていたコージェネの導入量が、急激に回復してきている。市場喪失の最大要因であった燃料費は高騰したままであることを考えると、ブーム再来と考えるのは早すぎると思われるが、今般の自家発やコージェネの拡大は、系統電力に頼りがちだったこれまでの電力を自家発によって保険するという新たな市場が生まれつつあると見ることはできる。 原発が再稼動し、電力の供給不安が一応解消された後も、こうしたバックアップ電源の市場形成が果たしてどこまで続くのか、今回の電力システム改革の中では、再生可能エネルギー電源も含めて、効率の悪い旧式の火力発電の代替電源として自家発やコージェネなどの分散型電源の役割も問われることになる。
 こうしたことを総体的に考えてみると、自家発電設備を使った新たなビジネスモデルが生まれつつあるのだと見ることもできよう。従来型のオンサイト発電をエネルギーサービスの原型と見るならば、屋根借り型の太陽光発電などはその延長にある。それをオンサイトで消費するのではなく発電事業として系統展開しているわけだが、オンサイト型の発電と販売事業とすることも可能だ。また、自家発電設備の分散型電源化も想定内である。自家発の余剰電力を単に売電するだけに止まらず、遠隔地の自社や関連施設に送電する自己託送、また、複数の自家発余剰電力をアグリゲーとして売電する事業者の出現も想定されている。こうした新たなビジネス形態を可能にすることが今般の電力システム改革の目的の一つのはずだが、電力システム改革の詳細設計の議論でも、そうした分散型拡大の視点が忘れられることなく議論されることを期待したい。