2013年65日号

太陽光発電協会、2012年度の太陽電池の国内出荷量は381万kW
 太陽光発電協会は、2012年度第4四半期と2012年度の太陽電池セル・モジュールの出荷状況を発表した。固定価格買い取り制度により急拡大している国内向けの出荷量は、2012年度は前年度に比べ171.3%増の約381万kWとなった。輸入品も急拡大しており、海外生産品は495.2%増の152万8000kWとなり、国内生産品を遙かに上回る伸びを見せている。
 用途別に見ると、住宅用の出荷量は186万8949kWで55.0%増と好調だった。住宅用を上回る伸びを見せているのがメガソーラーなどの非住宅用で、非住宅用は全体で約10倍の伸びとなる193万7671kWと初めて住宅用を上回った。そのうち37.4%に当たる72万4211kWが発電事業用として出荷されている。また、55.3%に当たる107万2384kWが工場や事務所などの民間施設に導入され、非住宅用の90%以上をこの2つが占める結果となっている。非住宅用の中では公共施設での設置は進んでいない。庁舎や病院、学校などの公共施設への設置は国の関係施設では前年度比24.8%減の2560kW、地方自治体分が9.8%増の2万1865kWと市場の伸びから取り残されている。国や地方は固定価格買い取り制度や補助制度を充実させると共に、公有地や公共施設の屋根などを貸し出す形の太陽光発電の普及や、民間事業のマッチングサポートの支援制度を拡充させるなど、民間優先の普及策を取っていることがその要因だと思われる。
 輸入品のシェアは40.1%と前年度のシェアをほぼ倍増させている。輸入品には国内メーカーによる海外生産品も含まれており、海外メーカーによる輸入量(主要国内企業の海外生産分約57万5000kWを除いた分)は約86万9000kWで、国内出荷量に対するシェアは22.8%となっている。
 一方、輸出は、56万1833kWで前年度に比べ56.2%減とさらに半減しており、国産の太陽電池は海外市場を急速に失いつつある傾向に歯止めがかかっていない。


川崎重工、稲わらから低コストでバイオエタノール 製造技術を確立
 川崎重工は、稲わらから低コストでバイオエタノールを製造する技術を確立した。稲わらを糖化するのに硫酸や酵素を使用する従来技術に代えて、独自に開発した熱水だけを使う「熱水式バイオエタノール製造技術」を採用して、低コストで環境負荷の少ない製造技術を確立した。熱水の条件を変更することによって、稲わら以外のソフトセルロースの糖化処理にも適用できる。農林水産省が公募した「ソフトセルロース利活用プロジェクト」として、2008年度から12年度の5年間、秋田県の全面的な支援のもとで技術開発に取り組んだ。
 開発した技術で製造するバイオエタノールは、非食用のセルロース系バイオマスから低コストで製造できるのが特長。川崎重工業では、稲わらの前処理、糖化、発酵、蒸留および無水化まで一貫した実証プラントを連続稼動させ、JISに適合したバイオエタノールを安定して製造できることを確認し、商業規模で1Lあたり40円の製造コストを実現する製造技術として確立できた。


沖縄県、離島の全エネルギーを再生可能エネへ 提案を募集
 沖縄県は、小規模な離島の消費電力のすべてを再生可能エネルギーで供給することを目指しているが、このほどモデル事業を実施することとし、具体的な実施に向けての企画提案の募集を始めた。
 沖縄県は、エネルギーの99.8%を石炭や石油などの化石燃料に依存している。そのため、石油依存度の低減とエネルギー源の多様化、エネルギー自給率向上等を図るため、平成22年度に「沖縄県エネルギービジョン」を策定し、新エネルギーの導入拡大に向けた取り組みを行っている。沖縄県は、現在、ビジョンの改訂を検討中で、その中で、小規模な離島で消費電力のすべてを再生可能エネルギーで供給するモデル事業を実施し、その結果を踏まえて中規模の離島や特定の街区や商業施設に展開していく手法を取り入れることにしている。沖縄県では、その実施に向けて、小規模な離島に再生可能エネルギーによるマイクログリッドのモデル事業を導入することにして、そのモデル事業の企画提案を現在募集している。


相次ぐ風車事故 経産省が技術基準見直しへ
 経済産業省は、強風などの影響で大型風力発電の破断事故などが相次いでいることを受けて、5月31日に開いた産業構造審議会の風力発電設備構造強度WGの第4回の会合で、3月12日の太鼓山風力発電所事故(京都府伊根町)と4月7日のウインドパーク笠取発電所の2つの風量発電事故について、事故の状況などを紹介し再発防止に向けて対策などを話し合った。
 太鼓山風力(の事故は、750kW×6基の風車のうち3号機の発電機とナセル、ブレードがタワートップと風車接続部の溶接部付近でほぼ水平に破断し落下事故を起こしたもので、当日の風況データからは特段の風況の乱れや突風などは考えられないところから、事故原因は金属疲労によるものと推測されている。また、事故を起こすには至らなかった4号機でも金属疲労による亀裂が見られている。
 一方ウインドパーク笠取の事故は、2000kW×19基の風車のうちの19号機が低気圧による暴風雨の中で、ブレーキの故障によりロータが過回転しブレードとナセル、発電機が破損し落下事故を起こしたもので、ブレーキの部材に耐摩耗性の低い部材が使用されていたことが原因と推定されている。
 経産省では、太鼓山風力は平成13年、ウインドパーク笠取は平成22年に事業開始した施設であり、運用年数が和解にも拘わらず重大事故を起こしているという観点から、事故を踏まえた再発防止策として、風圧加重に対する技術基準の見直しや技術基準適合性評価の審査マニュアルの見直し、また、設置後の保安点検ルールの見直しなどを進めていくことにする。


環境省 風力発電の騒音基準 35dBを提案へ
 環境省は、環境アセスの対象となった風力発電の騒音問題について、評価基準案の策定を目的にした検討会を立ち上げた。
 検討会は、第一回会合を5月27日に開き、昨年実施した風力発電の騒音や低周波音に関する調査報告書を基に、風力発電の騒音基準の策定を視野に検討を進めることにした。
 風力発電の騒音問題は、古くて新しい問題だが、検討会では、環境基準の見直しは念頭になく、検討する騒音基準についてもどのような取り扱いにするのかは明らかにしていない。
 調査報告書では、風力発電が立地する静穏な地域での規制値として35dBを一つの目安として検討することが提案された。検討会では、環境基準を満たせば良いというものではないという意見も聞かれ、騒音被害を予防する観点から事業者が守るべき基準として示されることになりそう。
 検討会は、風力発電事業者と自治体からのヒアリングなどを行い、10月頃を目処に報告書を取りまとめる。


その他の主な記事
・東京都 節電対策で自家発導入を支援 
・電設工業展とスマコミ2013 2つの展示会に高い関心
・横浜市 東京ガスと下水汚泥ガス有効活用を共同研究
・東工大Aesが3周年記念シンポ
・東京都 屋根ぢから推奨プランを発表
・三菱重工 中小型ガスタービン市場に参入
・エコパワー 会津若松ウィンドパークを着工
・丸紅 国内7カ所目の小水力発電事業 茅野市に建設
・結晶シリコン太陽電池の劣化抑制に成功
・鹿島 技術研究所の建物でCO2を60%以上削減
・新日鉄住金エンジ 地熱事業を強化
・積水ハウス 名取市でスマートハウス40棟を販売
・川崎重工業 3MWの超電導モーター
・大和ハウス 福岡でメガソーラー事業 リース方式で
・島根県 県有地で3件目のメガソーラー
・日立AP ジェネリンクに高効率の新機種
・JOGMEC 今治市にLPGの知花中流施設 岩盤を利用
・埼玉県 大規模事業所のCO2削減が21.5%に
・新エネ促進協 再可エネ熱利用2つの補助募集
・環境省 2国間クレジットの調査案件を募集
・環境省 2国間クレジット事業を募集
・PV施工技術者 第2回試験8月に
・新エネ財団 中小水力実務研修 受講者を募集
・東京都 省エネに取り組む中小ビルを募集
・環境省 温泉発電の補助募集を開始
・国交省 省エネ改修を募集   etc.

<インタビュー>
・エネルギー政策と成長戦略を聞く
(自民党 資源・エネルギー戦略調査会会長 衆議院議員 山本拓 氏)
 エネルギー政策において、原発は重要な課題ではあるが、これは再生可能エネルギーや分散型エネルギーシステムの推進と矛盾する話ではない。むしろ、相互に補うものではないか、という考え方もある。こうした点を念頭におきながら、福井県が地元の衆議院議員である山本拓氏にエネルギーと成長戦略について、話をうかがった。





シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(42)蘇る「構造変革型」=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授

・ 電力全面自由化時代(その12)
 =電力システム改革は民主化のロードマップ=
 山田 光/スプリント・キャピタル・ジャパン代表





コラム
・発電論評<自家発電設備は運転しなければ意味がない>
・プリズム<「スマート」は一時のブームで終わるのか>
・青空<暑い夏がやってくる>
・ちょっと一休<山本さんとゴールデン街で飲む>


自家発電設備は運転しなければ意味がない【発電論評】

 東日本大震災以来の電力供給不安で、系統電力への信頼は揺らいだままである。電力ピーク時に大規模な停電も経験して、最近ではネガワットなる言葉もすっかり定着している。BEMSアグリゲーターなる職種も誕生した。電力ピーク時に系統電力の使用を省エネや節電によって抑制することで、電力会社から報酬を受け取るというサービスだ。節電に協力する電力ユーザーにも経済的メリットが還元される。使った分の料金が安くなったり、無料化されるというのはわかりやすいが、商品を購入しなかった分がお金で返されるというのは決してわかりやすくはない。
 思えば、以前から、電力会社は省エネキャンペーンをやってきた。電気を無駄なく使いましょうというあれである。自らが販売する商品を、できるだけ使うなというのだから、おかしな話だと前々から思ってきたが、そのエスカレート版がネガワット取り引きということか。そう考えただけで、電力市場のいびつさというものがよく分かる。
 これまでは、電力会社に電力の供給義務を課し、停電させないことがこの国の電力政策の基本だったため、大規模な停電というのは現実に起こってみるまでは考えてみたこともなかったというのが本音だろう。ところが、東日本大震災によって想定外の事態が起きた。起きてしまってからは、なぜ非常時の備えがなかったのかということに反省が集まった。しかしながら、その反省は次の備えに結びついているのかどうか、はなはだ心許ない。
 震災後の電力供給力対策の一つとして、自家発電設備の導入支援を目的とした補助制度が始まっている。国の補助制度に続いて一部自治体にも広がりつつあるが、その中身をみると、どのような発電設備を整備しようとしているのかが余り明確ではないように見える。自家発の導入補助を行っても、その発電設備が夏や冬の電力ピーク時に運転されなければ意味がないが、補助した自家発の運転状況などの事後調査をしたということはあまり聞かない。一方、導入した側にしても、単に設置して停電に備えるだけなら、現在大量に停止している原子力発電所と同様に、維持管理費だけが無駄にかかるということになってしまう。つまり、整備された発電機が有効に活用されるという仕組みや工夫が今ひとつ不十分なのではないかと思うのだ。
 分散型の電源を大量に確保して、災害に強い電力供給力を確保するという考え方は正しい。問題は、その目的に合致する設備を有効に、着実に整備していくという実効性に疑問があるということである。せっかくの補助制度である。目的通りに有効に活用される、それを「見える化」する仕組み作りを求めたい。