2013年525日号

太陽光の設備認定量 1000万kW突破
 経済産業省資源エネルギー庁は、2月の再生可能エネルギー発電設備の導入状況と設備認定量を取りまとめ、発表した。それによると、認定設備量は1月末に比べ569万1千kW増の1305万9千kWとなり、一気に1千万kWの大台を超えた。メガソーラなど非住宅用の太陽光発電だけでも1101万2千kWと1千万kWを超え、急増ぶりに拍車がかかっている。住宅用の太陽光発電の設備認定量は124万6千kWであり、ほぼ10倍近い勢いで拡大している。住宅用太陽光発電は2月に28万8千kW設備認定量が増えた。
 太陽光発電以外の設備については、風力発電が5万2千kW増加し、62万2千kWになった。バイオマス発電も6万3千kW増加し14万7千kWに、中小水力、地熱とも認定量はまだ少ないものの認定量が増加し、太陽光と風力以外の再生可能エネルギーについても、固定価格買取制度化でようやく新規導入の動きが顕在化してきた。
 系統接続容量に黄色の信号が灯っているといわれる北海道地区では太陽光発電の設備認定量が100万kWを超え更に増加のスピードが加速している。北海道ではメガソーラーだけで2月1カ月間の設備認定量が21万kW余り増加して累計で約96万8千kWと100万kWに近づいており、北海道への集中が数字的にも裏付けられている。


コージェネ活用した防災拠点 イオンと大阪ガスが大阪ドームシティに
 大阪ガスとイオンは、全国初の防災対応型のスマートショッピングモールを大阪市にオープンさせる。京セラ大阪ドームの隣接地に5月31日にオープンを予定している「イオンモール大阪ドームシティ」で、地域の防災拠点としての役割を担う「防災」と、環境をまもる「エコ」の機能を備えたエネルギーシステムを協働で構築する。ガスコージェネによる自立型の電力供給や非常時の電源確保、排熱の有効利用による省エネなどを通じて、地域の防災拠点としての役割を担うとともに、従来型店舗比で約40%のCO2削減を実現する。
 イオンモールには建物の屋上に815kW×2台の非常時にも防災用電源として機能できる常用・防災兼用型のガスコージェネを設置して、通常時はモール全体で必要な電力の約1/3をまかない、停電時には店舗内の防災用コンセントや防災センター、食品売り場などの重要設備に電力を供給して地域の防災拠点としての機能を備える。イオンは大阪府と災害時の物資供給や防災活動への協力協定を締結しており、衣食住を扱う商業施設として有事の際の防災拠点となる施設運営を行う。
 コージェネの排熱は、モール内で使い切れなかった余剰分は、隣接する大阪ガスの地域冷暖房プラントに融通し、地域冷暖房のエネルギーとして活用する。これによって、エネルギーの総合効率を約70%にまで高めることができる。また、太陽光発電と発電機能付きGHPを組み合わせた「ソーラーリンクエクセル」を国内商業施設では初めて導入して、雨天や曇天時に太陽光発電を保管して安定した電力供給が行えるようにした。
 イオンモールが建設された大阪ドームシティは、周辺に災害拠点病院や消防局、交通局などの行政機関があり、災害時には防災拠点として機能が求められている。


JST、固体酸化物形燃料電池を低温で動かす新たな仕組みを発見
 JSTの研究グループは、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を低温でも動作できる仕組みを解明した。電解質に水素イオン酸化物を使用することで作動温度を350度にまで下げることができた。
 SOFCは、燃料電池の中では、PEFCやPAFCなどに比べて発電効率が高く、触媒に高額な白金などの貴金属が芙蓉であることで製造コストが抑えられるなどの特長があり、次世代型の燃料電池システムとしてその実用化が急がれている。現状は動作温度が700〜1千度Cと高温であり、大型発電設備や家庭用などの限られた用途のものの製品化に止まっている。これをノートパソコンや携帯電話向けなどの用途で利用するには、450度以下の動作温度に下げることが必要だとされているが、JSTの研究者は、従来の酸素イオンが伝達する酸化物に代えて、低温でも高効率に輸送できる水素イオン酸化物を用いることで動作温度を下げる研究に取り組み、水素イオン酸化物に添加する添加物にイットリウムを添加すると、水素イオンが伝わりやすくなることを発見した。


佐賀県沖で海流と浮体式風力のハイブリッド発電
 三井海洋開発と佐賀県は、潮流発電と浮体式の風力発電を同時に行うハイブリッド発電の実証試験を佐賀県沖の海域で実施すると発表した。三井海洋開発が開発した「浮体式潮流・風力ハイブリッド発電」を使って佐賀県沖の海域で実施されるもので、浮体式風力と海流によるハイブリッド発電は世界初の取り組みとなる。
 縦長で円筒型に回転するダリウス型の風車と潮流の方向が変わっても同じ回転方向が保てるサポニウス型水車を合体させたハイブリッド発電装置で、洋上でも安定した発電が行える。洋上風力は通常は潮流の弱い海域に設置されるが、この装置は島と島の間の潮流が早い場所に設置しても発電ができる。現在、離島の電力供給はディーゼル発電によって行われているが、離島周辺に設置すれば離島用の電源として供給力の強化や発電コストの低減に寄与できる可能性がある。実証試験はNEDOのプロジェクトの一環。今秋から約1年間実証運転を行い、発電状況などを検証する。


その他の主な記事
・電力システム改革など議論 総合部会
・九州電力も節電アグリゲーターを募集
・メタハイ開発の促進など 日本海連合が要望
・神奈川県 県営ソーラーパークが完成 電力は新電力に売電
・熊本でベンチャー型のメガソーラー 自然電力
・米アクセスエナジー 低温未利用バイナリー発電で日本進出
・神奈川県のメガソーラーパークが完成
・JFEエンジなど岩手で7千kW級の地熱開発
・米国のシェールガス 輸出許可
・昭和電工の子会社 リ電池の包材製造を増強
・パナソニック 屋根に穴を開けない太陽光発電
・ミサワホーム 新潟でスマートハウスの実証事業
・センコー ONEエネルギーから蓄電池の物流を受託
・島津製作所 エンジンの燃焼状態を見える化 耐久性光プローブ
・九州電力 地熱センターを設置
・丸紅 木曽岬で4万9千kWのメガソーラー
・ネクストエナジー 独SMA社のパワコンを国内で販売強化
・自然エネルギー財団 ドイツ北欧の再可エネ事情
・燃料電池車用水素供給設備の補助事業
・福島で市民共同発電所 出資者を募集
・環境省 大規模CO2削減実証事業
・環境省 ASSET事業募集
・経産省 EV・PHVシンポ
・NEDO バイオマス実用化開発を募集
・省エネ大賞の募集を開始
・小水力発電依託先 新エネ促進協
・ゼロエネ住宅を補助 国交省
・エネサービスの変革など SSKセミナー   etc.

<インタビュー>
・スマート化がさらに進化した、日本電設工業展
(日本電設工業協会 調査・技術課 参事 高張健太郎 氏)
 5月29日から31日、東京ビッグサイトで「第61回電設工業展」が開催される。電気設備に関する機器・資材・工具と施工技術に関する日本最大級の総合展示会だ。今回のテーマは「電設技術で築くスマートライフ」である。電気設備業界の「創エネ・蓄エネ・省エネ」が一堂に会するものとなる。2年ぶりに東京で開催される同展示会の見どころを主催者である日本電設工業会に紹介してもらった。





シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(34)
 =モノづくり魂で自信を取り戻せ! =
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・ <新連載>日本の再生可能エネルギー事情 その1
 =再生エネの鍵を握るファイナンス=
 日本再生可能エネルギー総合研究所代表 北村和也





コラム
・発電論評<コージェネレーションで可能になること>
・青空<「1940年体制」への憧れ>
・ちょっと一休<気宇壮大な山本さんの出版記念>
・一筆啓上<トルコ原発の難しさ>


コージェネレーションで可能になること【発電論評】

 前回は、コージェネの効用として、エネルギー効率が高いことを書いた。熱と電気を同時に同じ燃料で生み出せるので、燃料のエネルギーを無駄なく使い尽くすことができ、熱と電気をそれぞれ別に作ることを思えば、一次エネルギーの使用量が減らせるということを書いた。火力発電や原子力発電のように大量の排熱を海に捨てて周辺の環境に影響を与えることも少ない。
 効率よくエネルギーを使い尽くすことで、結果的にCO2排出量も減らせるということも書いた。さらに、起動停止も迅速に行え、負荷追従性の高い運転が行えるため、この面でも効率のいい発電ができることも書いた。非常用のディーゼルなどは起動ボタンを押せば10秒以内に定格運転が行えるというのは30年以上前から普通の技術として常識化している。30分同時同量などどこの世界の話なんだと思う。燃料電池もゼロからの起動時間は長いが、負荷追従性は極めて高い。秒速で負荷追従運転が行えるため、必要なときに必要なだけ発電できるという意味で、無駄な燃料を使わないで済む。軽負荷時でもそれほど運転効率が落ちることはないという意味でも効率的な運転ができる。一台の発電機で負荷の全てを賄うのではなくて、必要な容量を複数の発電機で受け持つようにすれば、台数制御によってほとんどデマンドカーブに沿った形での電力供給が行える。これも、起動停止が容易に行えるという機動性の良さがあってこそ可能になる分散型電源の特質だといえる。
 こうした負荷追従性の良さは、出力変動の激しい風力発電や太陽光発電の調整電源としても最適だ。無停電電源装置のように蓄電池と発電機を併用すれば適正な規模の調整用の電源装置として使用できる。なにも大規模な蓄電池を用意しなくても、発電機と組み合わせることで小型の蓄電池で間に合わせることができる。また、系統側で大規模な調整用の火力発電などを手当てする必要もなくなる。結果的に連系する再生可能エネルギーを増やせることになる。
 再生可能エネルギーの調整電源として自家発やコージェネを活用し、最低限の蓄電池を併用することで、極めて高効率のマイクログリッドができあがる。地域単位で、公共施設や防災拠点などにコージェネや蓄電池を配備して熱や電気を相互融通すれば、災害時のエネルギー確保にも大きな力となる。そろそろ、電気は遠くの発電所で作られたものを系統で運んできてみんなで分け合って使うという常識から離れてみる必要があるのではないか。今般の電力システム改革においても、無駄なくエネルギーを効率よく利用する。それを実現するために何が必要なのかという視点で考え方を整理する必要があるのではないか。