2013年325

再可エネ設備認定500万kW超え 12月に太陽光は144万kW増
 資源エネルギー庁は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく発電設備の認定を行っているが、このほど昨年12月末現在の認定状況について発表した。また同時に、昨年4月から12月までに運転を開始した発電設備についても公表した。
 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度は昨年7月から開始された。制度開始後の7月から12月までに運転を開始した再生可能エネルギー発電設備の合計容量は、86.9万kW。そのうちの70.3%は住宅用太陽光で、23.7%は非住宅用の太陽光と実に94.0%が太陽光発電によって占められている。
 また、12月までに設備認定を受けた再生可能エネルギー電源は、523万6千kWと500万kWを超えた。認定済みの発電設備の内訳は、太陽光発電が470.4万kW。風力発電が45.6万kW、中小水力が0.3万kW、バイオマス発電が7.2万kW。地熱が0.1万kW。
 太陽光発電は認定設備の82.0%が非住宅用の大型設備で占められており、固定価格買い取り制度以前のRPS制度までは住宅用が主流だった太陽光発電が、固定価格買い取り制度によって発電事業用へと大きく転換した様子がはっきりと現れている。
 非住宅用の太陽光発電はメガソーラーを中心に大きく拡大しており、12月の1カ月だけで132.2万kWと、認定済みの電源全体の25%にあたる設備が認定されており、加速度的な普及状況にますます弾みがついてきている。
 また、風力発電の認定量も45万kWと12月だけで家庭用太陽光並みの11万3千kWが増加しており、風力発電も新制度下でようやく拡大に向けた動きが顕在化してきたといえそうだ。


風力安全審査の一本化や主任技術者の委託範囲の拡大など 分散型関連で規制緩和
 経済産業省は、3月19日に産業構造審議会の保安分科会・電力安全小委員会を開催し、風力発電や主任技術者の委託範囲の見直しなど電気設備に関連する規制緩和要望事項について対処方針案を説明し了承された。
 今回、規制緩和されることになったのは、@風力発電の構造強度の審査を電気事業法に一本化するA電気主任技術者の外部委託範囲の見直し・兼任の特例Bバンク逆潮流の制限の緩和について。
 このほかにも要望のあった、5万kW未満のガスタービンの取り替えの工事計画届けの不要化や地熱発電のボイラー・タービン主任技術者の選任範囲の見直し、小水力発電の電気主任技術者の選任範囲の見直しと工事計画届け出範囲の見直しについては、いずれも見送られた。
 ガスタービンについては、現在1万kW未満については同型機を取り替える場合には工事計画届けなどは不要とされているが、これを5万kWまで引き上げることが要望されていた。経産省では、1万kW以上5万kW未満のガスタービンについては取り替え後の事故率が1万kW未満よりもかなり高いという実績もあり緩和を見送りたいと委員会に提案し了承された。地熱発電の主任技術者の選任範囲については、要望の対象となっているフラッシュタイプの導入ニーズが確認できず、緩和を検討するためのデータがそろわないとして見送りとした。
 また、小水力発電についても、緩和を検討するにはデータ不足だとしていずれも、具体的な条件などは検討せず、見送ることにした。


エネルギー基本計画の議論再開 年末メドに取りまとめ
 経済産業省は、3月15日に総合資源エネルギー調査会の総合部会を開催し、新たなエネルギー基本計画の策定に向けた議論を再開した。
 新政権の下での初めての会合となったが、議論の場を基本計画委員会から総合部会に移しての再開議論となった。
 同日の会合では、原子力発電の取り扱いも含めて新たに議論をやり直すという方針が示され、年内を目処に新たなエネルギー基本計画案を取りまとめることにした。
 基本計画案の取りまとめには、原子力発電の新しい安全基準がまとまる7月以降でないと、原子力発電の将来見通しが立てにくいということもあり、本格的な議論は、参議院選挙が行われる夏以降になるのではないかと見通されている。
 同日の部会には今後の論点案も示され、最近のエネルギー需給を取り巻く環境変化を踏まえて、生産・調達段階、流通段階、消費段階、横断的な課題という、生産から消費までのエネルギーの流通に応じた各段階ごとの課題を抽出する形で議論が進めらることにした。
 生産・流通段階の論点としては、原子力の安全確保や核燃料サイクル、再生可能エネルギーの拡大、シェールガス、メタンハイドレートなど新たなエネルギー源の可能性などを。また、火力発電の高効率化や、多様な事業者の事業機会の拡大等について。流通段階では、電力システム改革やネットワークの強化など新たな形のエネルギー流通の姿を探りながら計画にまとめる。また、消費段階では、スマート化技術など新たな省エネ技術の普及拡大について検討される。


メタンハイドレート産出試験 予定を短縮して終了
 JOGMECが世界で初めて海底下のメタンハイドレート層から天然ガスの産出に成功した海洋産出試験が、当初の2週間の予定を切り上げて18日に打ち切られた。機器の不調と天候の悪化を原因として試験を打ち切った。
 産出試験は、12日から2週間連続して行う予定だったが、18日に減圧のため水をくみ上げるポンプが一時的に不調となり、坑内状況の異変が見られ、また現地の天候悪化もあり、予定を切り上げて生産試験を終了することにした。経産省とJOGMECでは、所期の目的は達成できたとしている。


その他の主な記事
・ガス協会とLPガス団体が共同宣言
・東京都 都保有ダムの電力売却先を新電力に
・富山県 農業用水で小水力発電
・神奈川県 小水力発電の実証試験を開始
・温対法改正案を閣議決定
・東京都 中小企業のCO排出状況を発表
・文科省 スーパーエコスクール
・カネカ 工場の電力持久力を向上 3万kWのガスコージェネを新規導入
・パナソニック 熱発電チューブを実証
・昭和電工 バイオマスを高効率に分解
・NTTファシリ 13年度もネガワット取り引き
・バンドー化学もメガソーラー
・オートバックスもメガソーラー
・三菱商事 イタリアで太陽光発電事業
・日本アジアグループ 北海道でメガソーtらーが運開
・廃棄物処理業者もメガソーラー
・日立が低コストの系統安定化技術を開発
・W創エネ、蓄エネのスマートハウス
・ユーラスエナジー 秋田で新たなウィンドファームを建設
・富士経済 燃料電池の市場調査
・JX日鉱日石 土浦で3カ所目のメガソーラー
・シーテック 豊橋のメガソーラーが竣工
・電力制御技術やLNGビジネス・SSKセミナー
・シェールガスの真実やスマコミ・JPIセミナー
・円高エネルギー制約対策募集開始   etc.

<インタビュー>
・メーカーの今を探る
(ヤンマーエネルギーシステム 代表取締役社長 玉田 稔氏)
 分散型エネルギーシステムには、規模や燃料などの多様性も求められる。こうした中にあって、小規模から中規模クラスのディーゼル/ガスエンジンの国産メーカーとして、高い評価を受けているのが、ヤンマーエネルギーシステムである。政府が目標とする2030年の電源構成においては、15%がコージェネレーションで占められる。この目標に向かって、メーカーとしてどのように対応していくのか。代表取締役社長の玉田氏に、震災後の状況から今後の展開、行政への要望などを語っていただいた。





シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(32)
 =市場放任主義の限界と=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本を変えるスマート革命(20)
 =政府のスマグリ戦略は根本的な見直しを=
 (スマートプロジェクト代表 加藤敏春)
  →PDFで読めますこちらから





コラム
・発電論評<自家発電設備で電力も売る時代に>
・青空<JPタワーのオープンに見る再開発>
・ちょっと一休<小学校の友とゴルフ>
・一筆啓上<シェールガスは救世主になるか>


自家発電設備で電力も売る時代に【発電論評】

 日本の電力供給体制が大きく変わろうとしている。
3段階で行われる今回の電力制度改革では、送電系統の公的な運用や小売りの全面自由化、電力会社からの送電部門の切り離しが順番に、連続して実施されることになっている。
 また、その一方では、固定価格買い取り制度によって再生可能エネルギー発電事業が奨励されており、太陽光発電に集中した事業参入が相次いでいる。これはまだ太陽光発電に限定的な動きに過ぎないが、発電することが限られた事業者だけに許された特別なことではなくなったという認識が広がっていくということに大きな意味があるのだといえる。
 制度の導入によって、目覚ましい勢いで拡大を続ける太陽光発電は、これまで電力は電力会社から購入するだけだった工場や事業所などを「消費者」の立場から「生産者」の立場に簡単に変えることができることが分かった。住宅用太陽光発電の場合は、生産手段を持たない消費者でも、電気を自らの手で作り出しそれを売ることができるということになり、それが発電事業への理解や親近感を増すことになると見ることもできる。
 発電が身近になることで、太陽光以外の発電手段に対しても理解が深まることが期待できる。住宅用太陽光の次は、電気を貯めて合理的に利用できる蓄エネや、燃料電池やコージェネシステムによる創エネへと進化していける技術や手段も次々と用意され、提案されている。単に物や材料を購入して貰うというこれまでのビジネスとは少し違って、料理のレシピまで提供することで肉や魚貝、野菜や果物の販促に結びつける。つまり、物や製品を購入することによって実現できる将来の姿までを示すことで納得して購入して頂くという、エネルギー機器販売の世界もそういう時代を迎えつつある。電力の世界では、単なる消費者の立場に甘んじるしかなかった一般事業者にとって、電力制度改革がもたらす変化は、簡単に発電事業者にもなれるという道が広がるということだ。それが太陽光発電から始まろうとしている。
 電力供給の安定確保の観点から非常用発電機に対する関心が高まってきているという。非常用を事業用に兼用し発展させることも今般の電力制度改革では結果的に奨励されることになる。自家発電しかできなかった工場の発電機も余剰電力が市場を通じて売れるようになる。あるいは新電力と相対取引で売電契約が結ぶこともできる。こうしたことが、発送電分離により「適正で公平な送電料金」が実現することで可能になる。発電設備を市場に提供するメーカーや販売事業者には、こうした新たな時代に備えて、発電設備利用した事業モデルの提案が求められる時代となっている。