2013年125

再発送電分離は法的分離の方向 専門委が来月報告書
 電力制度改革の議論が再開された。新政権下で初めてとなる電力システム改革専門委員会が1月21日に開催され、積み残しとなっていた発送電分離の方式などについて議論した。昨年7月に基本方針をまとめ、機能分離か法的分離化の詰めの議論を重ねてきたが、法的分離方式で今後の詳細制度設計を進めることで意見が集約された。2月にこれまでの意見を集約して取りまとめを行う。
 法的分離は、各電力会社の送電部門を分社化して独立した送配電会社として広域系統運用機関の下で系統運用に当たる。実質的には電力会社がこれまで担ってきた系統運用業務を引き継ぐことになるが、分社化して系統情報や経営情報を透明化することで、より公平な運用が実現できると説明されている。
 システム改革については、やれるものは先行して実施するという方針も示されており、反対の少ない電力取引市場の活性化や電源の多様化などの取り組みについては既に実施済みのものもある。
 同日の会合でも、部分供給制度や、系統情報の公開について指針がまとめられ既に実施されていることなども報告された。


再可エネの買い取り価格見直し 太陽光は値下げの方向
 2年目を迎える2013年度の買い取り価格を検討するための調達価格等算定委員会(委員長・植田和弘京都大学大学院教授)が1月21日に開催され、見直しに向けた議論が開始された。固定価格買い取り制度では、それぞれのエネルギーごとの最新のコスト情報などを踏まえて買い取り価格を毎年度見直すことにしている。
 昨年度は、初年度ということもあり、正確なコストデータの取得が困難であるとして、既設の事業者からのヒアリングを中心にコストデータを整理して現在の買い取り価格が決められた経緯がある。
 委員会では、初年度の制度の実施状況について事務局の経産省からの報告を受け、太陽光発電については太陽電池パネルの価格低下など設置コストの低下が見られることから2年目の買い取り価格を見直す方向で検討することにした。太陽光以外の風力やバイオマスについては、初年度の導入量が全くなかったり極めて少量であったことなどを考慮して見直さないことも確認した。


2012年の風力導入量は7.8万kW
 日本風力発電協会は、2012年末の国内風力発電の導入量が累計で261万kWになったと発表した。2012年1年間の導入量は7.8万kWで、10万kWを下回った。年央には固定価格買い取り制度もスタートし、風力発電導入拡大に向けたムードは高まりつつあるが、依然として改善されない系統連系制約や固定価格買い取り制度の導入と引き替えに導入補助制度が打ち切られたことなどによる導入量の停滞傾向から回復できない状況が続いている。
 電力管内別の導入量を見ると、東北電力管内が59万4000kWで最も多く、以下、九州電力の43万1000kW、東京電力の37万7000kW、中国電力の30万1000kWと続く。風況はよいが系統調整力の弱い北海道は28万8千kWで5番目となっている。


パナソニックが総合効率95%の新型エネファーム 東京ガスなど3社が販売
 パナソニックは、家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品を開発した。東京ガス、東邦ガス、西部ガスからそれぞれ販売される。このうち東京ガスのエネファームは、パナソニックとの共同開発品として発売されるもので、東京ガスの子会社のガスターから貯湯ユニットとバックアップ熱源機を調達して組み合わせたシステムとして4月1日から発売される。東京ガスが販売する新製品は、部品点数の削減などにより現行品よりも約76万円の低価格化し、199万5000円(税込、設置工事費別、標準タイプのバックアップ熱源機の場合)と初めて国内販売のエネファームで200万円を下回る価格で販売される。総合効率は世界最高となる95.0%(LHV)と超高効率で、1次エネルギーをほとんど無駄なく利用できる。

その他の主な記事
・ヤンマーが持ち株会社に
・SBグループ 徳島のメガソーラーが運開
・積水ハウス工業 自社工場に太陽光発電
・オリコングループも太陽光発電事業に参入
・関西電力が京都にメガソーラー
・龍谷大学が地域貢献型メガソーラー
・昭和シェルとコスモ石油が太陽光発電事業で合弁
・シャープ住宅用蓄電システムを発売
・環境省 カーボンマーケットEXPO 2月6日に
・新エネ大賞決まる
・二国間クレジットなどでSSKセミナー
・地域冷暖房で国際交流会
・エネ庁が2月に省エネシンポ
・コージェネセンター スマコミで第2弾セミナー
・1月30日からENEX2013
・日本電機工業会が新エネ講演会   etc.

<インタビュー>
・温暖化国際交渉の行方を考える
(FoEジャパン顧問 小野寺ゆうり氏)
 昨年末にカタールのドーハで開催されたCOP18は、京都議定書の第2約束期間を2020年までとすることや、2020年以降の新たな枠組みに向けた作業部会(ダーバンプラットフォーム=ADP)の計画などを採択し、閉幕した。日本から見て、どのような会議だったのか。成果をわかりにくくしている背景には、温暖化の国際交渉で日本の存在感が急速に低下したということもあるだろう。1997年のCOP3京都会議以降の国際交渉の現場で海外を中心に活動し、今回は政府代表団のメンバーとして参加した小野寺氏に、今後の地球温暖化国際交渉に関する方向と日本の役割などについて話をうかがった。





シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(30)
 =期待を抱かせる地熱発電事業=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)

・日本を変えるスマート革命(18)
 =通信・放送の大変革とスマートグリッド=
 (スマートプロジェクト代表 加藤敏春)
  →PDFで読めますこちらから

・キーパーソン
 =原発再稼働推進だが、規制委員会の独立性を重視する=
 (環境大臣 石原伸晃氏)

・新刊紹介
 『日本全国原発危険度ランキング』
 原発ゼロの会編 合同出版 600円(税別)




コラム
・発電論評<再生可能エネルギーの価格以外の促進策>
・青空<羽田空港の機能マヒ>
・ちょっと一休<相次ぐ知人の死>
・一筆啓上<それでもリスクを取れ>


再生可能エネルギーの価格以外の促進策【発電論評】

 固定価格買い取り制度の買い取り価格の見直しが始まった。
 来年度の価格算定のために1月21日に開かれた委員会では初年度の実績などが報告され、導入量は100万kWを超えるなど順調だが、そのほとんどが太陽光発電であるということが報告された。委員会では、太陽光発電については買い取り価格を引き下げる方向で今後検討を進めることが確認された。
 昨年7月から開始された固定価格買い取り制度は、11月までに144.3万kWが運転を開始し、そのうち約95%が太陽光発電。運転開始には至っていないものも含め設備認定を受けたものは364.8万kWで、このうち約89%が太陽光発電が占めている。太陽光以外では、風力の設備認定量が34.3万kWある程度で、太陽光発電に特化した拡大ぶりについては、「特段の規制がなく、環境アセスメントが不要で、運転開始まで時間のかからない」からと報告された。逆にいえば、他の発電手段がふるわないのは、「様々の規制があり、環境アセスメントも必要で、計画から運転開始までに時間がかかる」ということになるといえる。
 また、自治体などの積極的なメガソーラーの誘致も見られるようになっており、貸し出す土地や屋根と土地や屋根を借りて発電事業を行う事業者とのビジネスマッチングを行う自治体も拡大していることも、メガソーラーの拡大を後押ししているといえる。こうした、メガソーラーブームの中で、土地の賃料の上昇も見られるようになってきており、現状の買い取りコストの算定では土地の賃料を平方b当たり150円と置いているものが500円を超える例も見られるという。
 しかしながら、太陽光発電の導入コストは、低落傾向が続いており、制度開始前に比べて約10%程度の低落が見られるという。経産省では、こうした太陽光発電のコスト低落を受けて、来年度の買い取り価格を引き下げる方向で検討することを委員会に提案した。土地の賃料の上昇などの要因については、多くの実施例が自社保有地などを利用しており、コストに反映する状況には至っていないとして今回は考慮しない方向だ。太陽光以外の再生可能エネルギーについては、導入量も少ないため今回の見直しからは除外される。
 価格で導入量をコントロールできるのは太陽光発電だけだとするなら、他の再生可能エネルギーについては、価格以外の新たな促進策を考慮する必要があるといえるのではないか。風力発電の場合は、固定価格買い取り制度の導入が決まった段階でそれまでの補助制度が打ち切られた結果、導入量が極端に減ったという事実もある。
 複合的な視点での再生可能エネルギーの拡大策が求められている。