2013.01.15


2013年115日号

太陽光発電1カ月で100万kW増加
 経済産業省が12月に発表した11月末の再生可能エネルギー設備の認定量が、前月末に比べて約109万万1千kW増加して合計で約364万8千kWになった。増加分の96.2%は太陽光発電で、太陽光発電は1カ月間だけで約104万9千kW増加し、メガソーラーなどの大規模太陽光発電の導入が一段と加速化している状況が明らかになった。累計の認定設備量も約326万2千kWと300万kWを突破。4月から11月までに既に導入済みの設備も住宅非住宅合計では100万kWを超えており、2011年度までの累計の導入量を加えると、太陽光発電設備の導入量は500万kWを超え、太陽光発電の大量導入時代を迎えたといえる状況となった。

東邦ガス、エネファームにSOFCの新タイプを追加 発電効率は46.5%
 東邦ガスは、家庭用燃料電池エネファームに新型のSOFCを追加して販売を開始した。新たに追加したのはアイシン精機製のSOFCで発電効率は国内最高の46.5%とさらに高効率となった。廃熱利用も含めた総合効率では90%の一次エネルギーが利用できる。
 東邦ガスが販売するSOFCはこれまでJX日鉱日石製の製品だけだったが、アイシン精機製が加わり、2機種のCOFCを併行販売する。PEFCも加えると、販売するエネファームは4機種になった。
 新発売するSOFCは、発電効率が高いことと共に、電力使用量の少ない軽負荷時でも発電効率が高く維持できるため、50W〜700Wまでの出力範囲で継続運転を行う仕様で24時間連続運転ができ、家庭内の電力消費量の約70%が賄える。また、COFCの作動温度は700度C程度であり、この高温の排熱を都市ガスから水素を取り出す改質用の熱源として使用できるため、PEFCでは必要な改質用の熱源が不要になるなど、経済的な運転が行える。
 東邦ガスのエネファームの販売実績は順調に伸びており、2012年は11月までの11ヶ月間で前年度を上回る1200台に達しており、2009年9月の販売開始白井の累計の販売台数は2600台を超えている。


栃木県、下水処理場で燃料電池によるバイオガス発電を計画
 栃木県は、燃料電池によるバイオガス発電を計画している。鬼怒川上流流域下水道県央浄化センターの処理工程で発生するバイオガスを有効利用し、固定価格買い取り制度による発電事業を行う計画で、発電設備には燃料電池システムを採用する。
 県央浄化センターでは、130万klのバイオガスが発生しており、年間約1億円の売電収入が見込める。燃料電池システムは、発電効率が高く、メンテナンスが容易で、有害な排ガスも生じず、騒音・振動もほとんどないことなどを評価して導入を決めた。
 毎年度約1億円の売電収入が見込まれ、維持管理費などの諸経費を差し引いた収益は約6400万円が見込まれる。総工費は約4億円。維持管理費などの諸経費を差し引いた収益は年間約6400万円が見込まれている。来年度着工し、2014年度末の運転開始を予定している。


日立、2MWの風力発電設備40基を受注
 日立製作所は、三重県津市に建設される青山高原ウインドファームから2000kWの風力発電設備40基を受注した。青山高原ウインドファームは20基・1万5000kWが稼働しているが、40基を増設して合計9万5000kWの国内最大のウインドファームとなる。日立は、造成工事から設計・製造・据付までを一括して受注した。2016年3月に18基、2017年3月に22基が順次運転を開始する予定。日立は、2012年7月に富士重工業から、国内の風況にあっているといわれるダウンウインド型の風力発電システムを製造する事業を買収し、これまでに約110基の受注実績を上げている。今後、さらに営業活動を強化して2015年度には風力発電システムの国内トップシェアを目指している。

その他の主な記事
・北海道の自家発補助2次募集 応募71件全件に補助
・北海道電力、風力連携拡大実証の案件決める
・東京都、八丈島の地熱発電を増強
・国民生活センターが注意を呼びかけ 太陽光パネルから落雪
・ソーラーフロンティアがメガソーラー事業に参入
・西部ガス エネシードメガソーラーの3カ所目が運開
・北陸電力 500kWの小水力が運開 水力は129カ所目
・ソーラーフロンティア、薄膜太陽電池で高効率パネル技術を開発
・新潟県、市町村と共同で屋根貸し型太陽光発電事業を推進
・東京都 屋根貸し型でセミナー&相談会
・2月6日にカーボンマーケット2013
・未来志向の超環境ビルでセミナー
・省エネ節電事例発表会   etc.

<インタビュー>
・発電設備業界の今を探る
(辰巳菱機(株)代表取締役 近藤豊嗣氏)
 東日本大震災と福島原発事故は常用・非常用を問わず、発電機業界にも大きなインパクトを与えた。改めて業界に問われたのは、災害時の対応や電力供給力不足に対して、どのような貢献ができるのか、ということだった。震災から2年が過ぎようとしている現在、インタビューを通じて、システムを提供する事業者の立場からポスト震災時代のビジネスを語っていただくことにする。今回は、負荷試験装置で発電機を支える辰巳菱機の近藤代表取締役に話をうかがった。



燃料電池新聞の主な記事
・2013年の燃料電池市場
・海外ニュース
 -米エール大学、金属ガラスを使うマイクロ燃料電池を開発
 -米Plug Power、Procter & Gambleの配送センターに240台の燃料電池を納入
 -仏McPhy Energy、風力水素のエネルギー貯蔵プロジェクトに参加
 -米UTC Power、韓国Samsung Everlandに7台の400kW級リン酸型燃料電池を販売
 -ノルウェーNEL Hydrogen、新しい高圧アルカリ形水素製造装置を開発
 -独Brandenburg空港でグリーン水素を利用する水素ステーションの起工式開催
 -米Vision Industries、Air Productsなどテキサス州の港に水素ステーションを建設
 -独SFC Energy、米空軍から100万ドルの資金を得て50Wポータブル燃料電池の生産開始
 -米Apple、Maidenのデータセンターに導入する燃料電池容量を1万kWに拡大
 -米FuelCell Energyの300kW-MCFSCコージェネをロンドン市の超高層ビルに導入
 -カナダHydrogenics、米CommScopeからバックアップ電源用スタックを受注
 -独、警察などの通信システム118サイトでバックアップ電源の実証試験
 -米ユーティリティDominion、15MWの燃料電池設備を導入、電力供給を開始
 -米GE、燃料電池ハイブリッドバスのコスト削減に有効なエネルギーマネージメントシステムを開発
 -米Bloom Energy、北米で最大級のカーボンニュートラルとなる商業ビルにSOFC燃料電池を設置
 -独Proton Motor Fuel Cell、独E.ONの変電所に5kW級バックアップ電源を納入
 -スイスHexisとEmpa、SOFC排熱の熱電素子による電気変換を共同開発
 -カナダHydrogenics、欧州の再生可能エネルギーの水素貯蔵プロジェクトに機器を供給
 -米United Technologies、子会社のUTC Powerの燃料電池部門を米ClearEdge Powerに売却
 -カナダHydrogenics、独E.ONに2MWのエネルギー貯蔵システム納入
 -米FuelCell Energy、米SOFC開発のVersa Power Systemを買収
 -独家庭用燃料電池フィールド実証プロジェクト、設置台数が300台に到達
 -独アウディ、合成メタンガス製造プラントを建設、将来はFCVの水素燃料を供給
 -伊Acta、印MVS Energy Solutionsに水電解装置を供給
 -米WATT Fuel Cell、ニューヨーク州NYSERDAから10万ドルの助成獲得
 -スウェーデンImpact Coating、PVDによるメタルセパレータコーティングを開発
 -英AFC Energy、AFCの燃料であるアンモニア開発で196万ユーロの助成を獲得
 -伊Acta、英AFC Energy「Alkammonia」プロジェクトに参加
・燃料電池フラッシュニュース
 -経済産業省、水素スタンドの技術基準を圧力82MPa対応に改正
 -東京ガス、2013年度にエネファームの新モデルを投入。集合住宅向けも投入を計画
 -ブラザー工業、ニッセイを子会社化、減速機の海外拡販、燃料電池の事業化加速
 -広島大、400℃以下の低温熱化学水分解技術で水素製造に成功
 -JX日鉱日石エネルギー、集合住宅向けの新しいエネルギーサービスを検討
 -ローム・アクアフェアリーの小型燃料電池、地震計用電源として2013年に実用化
 -日産自動車、2016年までにHEVを15車種投入
 -日産自動車、米国のリチウムイオン電池工場が稼働
 -中山製鋼所、アモルファス表面処理事業を分社化
 -経済産業省と文部科学省、再生可能エネルギーを活用した水素製造技術開発で予算要求
 -東洋炭素、フッ素ガスを用いた表面処理で燃料電池のカーボンセパレータに親水性を付与
 -国土技術政策総合研究所、地下配管で家庭用燃料電池に水素を供給する実験を実施
 -大阪ガスのエネファームの販売目標、2013年1月〜2014年3月までで1万台を計画
 -大和ハウス、省エネ効果の高い次世代の環境配慮型工場の受注開始
・燃料電池インフォメーション
■(社)電気化学会 電気化学セミナー 最先端電池技術−2013:1月23日(水)〜24日(木)10時〜18時 タワーホール船堀(東京都江戸川区)○概要//第1日・リチウムイオン電池=NEDOにおける蓄電技術開発/パナソニックが進めるリチウムイオン電池システムの開発/トヨタの環境技術開発と革新型蓄電池への期待と挑戦/リチウムイオン二次電池の市場動向/キャパシタの進歩と今後の可能性/太陽の恵みを電気に換えて〜色素増感太陽電池/正極材料の研究開発状況と展望/リチウムイオン電池負極材の動向と開発/電解液の開発動向と展望/リチウムイオン電池用電解質の現状と今後 //第2日・燃料電池と自動車の電動化=燃料電池に関する政府の取組/バイオ燃料電池の開発/PEFCカソード触媒層の白金有効活用への取り組み/グリーン水素社会への展望/大阪ガスにおける家庭用燃料電池システムの開発/スマートハウスにおける燃料電池の役割/電動化自動車用電池の市場動向/ホンダの燃料電池電気自動車開発の現状と今後に向けて/日産自動車における電動車両開発/三菱自動車における電気自動車と電池システムの開発 etc.


シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門(74)
 =京都議定書の終わり=
 大串卓矢/スマートエナジー代表取締役社長

・世界を読む(53)<今年のエネルギー問題の焦点>




コラム
・発電論評<再生可能エネ拡大はマイクログリッド型で>
・青空<景気回復に期待する>
・ちょっと一休<新年会であざみの歌を歌う>
・ちょっと一言<特養と地方都市ガス事業の共通点>


再生可能エネ拡大はマイクログリッド型で【発電論評】

 固定価格買い取り制度の導入によって、再生可能エネルギーが急拡大している。しかし、その中身を見ると、急拡大しているのは太陽光発電だけで、他の再生可能エネルギーはそうではないと分かる。
 太陽光発電は、発電所の建設が容易で、安定した収益が得られるリスクの少ない発電事業として異業種からの参入がブーム化する事態となっている。
 しかしながら、他の再生可能エネルギーについては、事業参入するには、まだまだハードルが高く、導入拡大には買い取り制度の他にもさらなる環境整備が必要となっているといえる。
 太陽光発電については事業を積極的に誘致するという自治体の取り組みが活発化しており、地域社会にも歓迎される発電所というイメージがメガソーラーブームに拍車をかけているということもできる。
 それに比べて他の再生可能エネルギーはどうか。太陽光と同様に自然エネルギーを利用する風力発電については、以前からの系統制約問題に加え騒音などの環境問題も発生し、立地が歓迎されない例も散見されるようになっている。地熱についても、自然公園での立地問題や、温泉資源との両立問題などがあり、開発に弾みがつかない一因となっている。
 再生可能エネルギーは地域との親和性が高いというのも一つの特徴なのだから、むしろこうした特徴をもっと活かして地域社会で受け入れられやすい事業モデルとして示すことが求められているのではないか。
 それにはマイクログリッド化するのが解りやすいし最も効果を発揮しやすいと思われる。 地域単位で、バイオマス資源や小水力資源、太陽光資源、風力資源などの地域の特長を生かした電源構成を行うマイクログリッドを構築して、地産地消した上で、余剰電力については売電して広域流通させる。こうした仕組みができれば、再生可能エネルギーを最大限に活用した上で売電収入を地域の活性化資金として活用でき、節電や省エネ活動とも結びつけられる。
 地産地消するエネルギー量が増えることで、系統電力の負担も大幅に減らすこともでき、系統側は再生可能エネルギーの調整役というやっかいな使命から解放されることになる。
 こうしたことを可能にするには、マイクログリッドを一つの地域単位の発電事業として捉え、コストに見合った売電が行えるような仕組みを整えることが何よりも重要なことになる。コージェネ電力などのマイクログリッドを校正するのに必要な電源も買い取り電源として加えることも効果的な一つの考え方だと思われる。再生可能エネルギーを単に量的に拡大するだけではなく、地域社会が積極的に取り組める形として考えてみたい。