2012年1125

再可エネ設備認定 メガソーラーは100万kW超
 経済産業省は、10月末の再生可能エネルギー設備の認定設備が前月末に比べて77万7千kW増加して合計で255万7千kWになったと発表した。このうち86.5%は太陽光発電という状況で、太陽光発電は10月の1カ月間だけで73万3000kW増加し、累計認定設備量が221万3千kWになった。太陽光以外で10月に設備認定が行われたのは風力発電だけで、秋田県と愛知県で合計約4万4千kWの設備認定が行われた。
 太陽光発電の増加分73万3000kWのうち、約80%は住宅用以外の大規模型の太陽光発電によって占められており、さらに、そのうちの約半分はメガソーラーによって占められている。メガソーラーは10月だけで122件・27万5000kWが設備認定を取得、増加に一段と弾みがついている。累計のメガソーラーの認定設備は340件・100万8000Wと100万kWを超えてきている。メガソーラーの導入地区も全国的な広がりを見せており、メガソーラーの認定設備がないのは東京、神奈川、秋田、山形、福井、佐賀の6都県になった。メガソーラー以外の10kW以上の非住宅用設備の太陽光発電も累計で60万kWを超える認定量があり、認定件数も約1万3千件と、全国的に大量の太陽光発電が普及している様子がうかがえる。


三井物産とエネルギーアドバンス、ブラジルでエネルギーサービス事業
 三井物産とエネルギーアドバンスは、ブラジルで天然ガスコージェネレーションを用いたエネルギーサービス事業に参画する。両社が共同出資した投資子会社を通じてブラジルで最大のエネルギーサービス専業事業者であるエコジェン社を買収し、サッカーのワールドカップやオリンピックの自国開催を前に、インフラ整備が活発化するブラジルで事業拡大を目指す。
 買収したエコジェン社は、サンパウロやリオデジャネイロなどで、コージェネレーションシステムなど、主に天然ガスガス利用設備を活用したエネルギーサービスの専業事業者で、都心部を中心としてショッピングモールや商業ビル、ホテルなどで、顧客のエネルギー需要に応じた天然ガスコージェネレーションシステムの設計、同システムの長期レンタル・操業・保守管理サービスを提供している。


新日鉄住金エンジニアリングと鹿島、洋上風力の共同施工体制を検討
 新日鉄住金エンジニアリングと鹿島建設は、洋上風力発電施設の共同施工体制の構築を目指すことで合意した。洋上風力の適地検討から設計・施工までトータルなソリューションサービスを共同で提供することを目指す。洋上に大型の風車を建設する際に必要となる大型建設用作業船についても共同保有する方向で検討する。
 両社は、共同施行体制を構築することで、単なる建設工事の請負だけでなく洋上風力の最適な工法の技術提案を行うなど、開発の初期段階から事業者と協力する体制を整え、洋上風力の拡大に積極的に貢献していく。
 洋上風力は、陸上に比べて風車の大型化や大規模なウィンドファーム化が比較的に容易に行えることや、安定した風力が得られ、平均風速も高いことなど開発面での有意性も高いことからも注目されており、両社は当面、年間10万kW規模の施工量の確保を目標に事業拡大を目指していく。


エネルギー基本計画取りまとめの見通したたず
 エネルギー基本計画の取りまとめの見通しが立たなくなった。
 エネルギー基本計画については、昨年夏から現行計画の見直しに着手、総合資源エネルギー調査会に基本問題委員会を設置して、原子力発電の大幅な依存度低減を掲げて、新たなエネルギー基本計画の策定に向けた議論を開始した。
 委員会ではこれまでに30回を超える会合が開かれ、2030年に向けた電源構成や省エネ節電などについて4つの選択肢を取りまとめ、エネルギー・環境会議に報告。エネルギー・環境会議では、選択肢を絞り込み、2030年代に原子力発電ゼロを目指すという「革新的エネルギー・環境戦略」として取りまとめた。
 戦略は、原子力依存度低減の他、それに代わる火力発電の高度利用、天然ガス化と、再生可能エネルギーの可能な限りの拡大、省エネルギー、分散型電源への移行などを掲げて、エネルギー政策の大転換を目指すものとして示されたはずだったが、核燃料の再処理問題、放射性廃棄物の処理・最終処分問題などの具体的な解決策が示されないままとなっており、多くの疑問や批判がにさらされている。
 基本問題委員会でも、三村委員長が、原子力発電ゼロを目指すといっても具体策が示されないままでは、2030年に向けた電源構成を中心とするエネルギー基本計画の検討は困難であるとして、原子力発電の位置づけや比率について明らかにした上で、議論を再開することを事務局側に求めていたが、戦略以上の絞り込みは行われないままにに、委員会が開かれない状態が続いていた。
 委員会は、2カ月間の空白を経て11月14日に開催されたが、議論は深められず、次回以降に議論を持ち越す形となった。席上、枝野大臣からは、「もともと、この委員会は多様な委員構成としており、意見の絞り込みは期待していない。」「基本計画は、経済産業大臣が取りまとめるもので、その場合、委員会の意見は参考にする。」「基本計画を取りまとめる上で、異なる多様な意見を述べていただいくことが参考になるが、基本計画そのものへの影響はない」「基本計画は、戦略に整合した形で取りまとめることになる」などと述べ、基本問題委員会ではエネルギー基本計画案の取りまとめは行わないという姿勢を示した。
 基本計画委員会は、なお、次期エネルギー基本計画についての議論を進めることにはなると思われるが、衆議院が解散され、年内にも新政権が発足する見通しとなる中で、議論の仕切り直しは避けられない状況であり、議論の再開は年明けにずれ込み、その方向性についても新政権待ちということになりそうだ。


その他の主な記事
・太陽光発電第2四半期 国内向けが急拡大
・環境省、地中熱HPの設置状況を調査 来年度から支援
・グリーンイノベーションEXPO開く
・リアルコム、潮来市の道の駅メガソーラーに参画
・三菱地所、千葉県の住宅が行く開発地で1万kWのメガソーラー
・大林組、熊本のメガソーラーに着工 2万1500kW
・東京ガスと三浦工業、廃温水熱利用蒸気発生装置
・ソフトバンク モンゴルでも自然エネ発電
・村田製作所、中国と滋賀でメガソーラー
・丸紅 インドネシアで地熱発電
・東京ガス 楽省BEMSを開発
・日本コカコーラ、昼間電力95%削減の自販機を開発
・矢野経済研究所、定置用蓄電池の市場調査
・三菱重工、寒冷時も高効率のHPチラーを開発
・中部経産局、省エネ月間の特別講演会
・NEDO、太陽光発電の系統対策の検討の委託先を募集
・太陽光発電と洋上風力で連続セミナー 弊紙が共催
・環境省、温室効果ガス排出量の算定・報告・検証でシンポジウム
・スマートエナジーが土佐清水でメガソーラー  etc.





シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流(28)
 =中国でアラブの春が起こるリスク=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一)
・日本を変えるスマート革命(16)
 =「需要応答」をHEMSやBEMSへ加速的に進展させるエコポイント=
 (スマートプロジェクト代表 加藤敏春)
  →PDFで読めますこちらから
・インタビュー
 =エネルギー・カーボンリスク対策支援サービス=
 (アビーム・コンサルティング シニアマネージャー 社会基盤・サービス統括事業部 エネルギー担当 山本英夫氏)
カーボンリスクとは言葉通り、CO2の排出そのものによる事業リスクだ。野放図にCO2を排出すれば、環境問題に後ろ向きな企業だと評価され、持続可能ではない事業とされる。そして、投資の適格性が疑われるようになる。CO2排出削減は、一方で省エネなどエネルギーマネジメントとつながる。問題は、多くの事業所にとってCO2排出削減や、エネルギーマネジメントの方法が簡単ではないことだ。アビーム・コンサルティングは、この分野で事業者を支援するサービスを提供している。最近注目度が高まってきている省エネ・節電支援サービス事業で先行するアビーム・コンサルティングに今後の展望などについて伺った。




コラム
・発電論評<急増ぶりが目立つメガソーラー>
・青空<2012総選挙に想う>
・ちょっと一休<元ミャンマー大使の山口さん>
・一筆啓上<「バンカブル」になった太陽光発電>


急増ぶりが目立つメガソーラー【発電論評】

 固定価格買い取り制度によるメガソーラーの認定設備が100万kWを超えた。制度開始以来半年足らずでこの急増ぶりである。
 しかし、固定価格買い取り制度の開始以来、目に見える形で増え続けているのは太陽光発電だけであり、なかでもメガソーラーの突出ぶりが目立っている。
 他の再生可能エネルギーの開発が進まない中で、なぜ太陽光発電だけが急拡大を続けられるのか。現在の買い取り価格は、エネルギー種別ごとに、事業採算性を考慮して決められたものであり、そうだとすると、太陽光発電との差は、価格や事業採算性以外の原因に求められることになる。
 太陽光発電が他のエネルギーと異なっているのは、日当たりの良い土地があればとりあえず建設できること、燃料費が必要ないこと、騒音や臭いが発生しないこと、発電所の運転管理も簡単で、異業種からの参入が容易であること、建設する地域の自治体などの支援も受け易く、発電所の建設も短期間に行えることなどが考えられる。
 最近のメガソーラーの建設計画を見ると、着工から竣工まで半年もかからないという事例も多く見られる。太陽光パネルや工事費の低下もあり、事業採算性がさらに向上してきているといわれる。さらに、太陽光発電は故障の心配も極めて少なく、安定した収益が得られる事業だという理解も進み、事業資金の調達も容易になってきていることもあげられる。
 メガソーラーは、公有地や地方の工業団地の遊休地などを借地してメガソーラーを建設するというものが多い。公共施設の屋根、工場や倉庫の空きスペースや屋根、河川のスーパー堤防や塩田の跡地というものも現れている。また、事業の形態も、単独の事業者が行う事例よりも、複数の事業者が共同して発電事業会社を設立するというものが主流になってきている。自治体が参加するメガソーラーや、市民に出資を呼びかける市民参加型のものも現れてきている。市民が共同出資するという事業モデルは、自宅に太陽光発電が設置できない人でも太陽光発電に参加できる、という新たな事業モデルとして定着できる可能性があり、注目される。
 固定価格買い取り制度の導入によって、太陽光発電の拡大は確実なものとなった。次は、他の再生可能エネルギーをどのようにして拡大させるのかということになる。
 風力発電の場合は、洋上展開という目標が定まってきている。あとは、中小水力とバイオマスということになるが、バイオマスの場合は、地域分散型のコージェネレーションの燃料として普及させていくのが最も現実的であると考えられる。コージェネの普及拡大と一体となった普及モデルの検討などの早急な取り組みが望まれる。