2012年115日号

コージェネ推進で特定供給基準を緩和
 経済産業省は、コージェネなどの分散型電源奨励策の一環として、コンビナート内の各企業などに自家発電設備やコージェネシステムなどを利用して電力供給が行える特定供給の基準を緩和する。これまで、特定供給を行う場合は、供給先の需要を100%賄うことができる発電設備を保有することが必要だったが、50%以上の設備を保有すればよいことにし、不足分は電力会社などからの部分供給を受けることができるようする。
 特定供給は、親会社と子会社や、組合を組織してスマートコミュニティを形成する場合、また、コンビナートや工業団地内などに コージェネや自家発などの電源を用いて電力を供給する制度で、第3者への電力の販売を原則的に禁じている電気事業法の特例として認められている。
 これまで特定供給の許可用件として、供給を受ける全ての電力需要を賄えるだけの電源を保有することを求めていたが、コージェネなどの分散型電源の活用を促進して系統電力への依存度を下げる観点から供給対象設備の50%以上の需要を満たせる電源があれば特定供給の許可を行うこととする。


北海道の自家発導入補助に270件の応募 全件を補助
 資源エネルギー庁は、北海道地区で先行して実施した自家発電設備の導入補助事業に、270件・約17万kWの応募があり、全件を補助対象として採択したと発表した。今冬の電力需給が厳しいといわれる北海道で冬の電力ピークに間に合わせるため先行して募集した。予算は2011年度の補正予算の繰り越し分。
 自家発電設備の利用を拡大して系統電力のピーク電力の削減に寄与することや、自家発の余剰電力を売電し、ピーク電力の確保に役立てることなどを目的にした補助事業で、20kW以上の自家発電設備を新増設する場合、導入費用だけでなく電力会社の要請に基づいて運転する「ネガワット運転」に対しては燃料費についても補助される。補助率は大企業の場合が3分の1で、中小企業の場合は2分の1。
 採択された270件のそれぞれの設備規模などの詳細については明らかにされていないが、製紙工場や乳製品などの食品工場、水産加工場などの産業用の自家発電設備の他、牧場や観光施設、病院・医療施設、競技場、空港施設、スキー場、リゾートホテルなど幅広い業種の事業場から応募があった。


カワサキガスタービン1万台販売記念で謝恩会
 川崎重工業は、1976年に我が国初の純国産ガスタービン発電設備として第1号機を販売したが、35年後の昨年には販売台数が累計で1万台に達した。これを記念し、10月29日に、都内で謝恩会を開催した。
 主催者挨拶では、代表取締役社長の長谷川聰氏が、近年の状況として、震災時に電源確保に向けた設備の供給や修理・メンテナンスで大きく貢献したことや、海外への積極的な展開において、ロシアにも注力していることを紹介。また、今後の方向性としては、エネルギーソリューションに注力することなどを語った。また、来賓として挨拶に立った、東京工業大学特命教授の柏木孝夫氏は、「デマンドサイドにおいて、百花繚乱(の設備)をつくすのが、カワサキの価値」だとして、エールを送った。この日のイベントでは、書家の紫舟氏が「躍進」の文字を書くパフォーマンスを行い、花を添えた。
 川崎重工業は、純国産技術で独自に自社開発した産業用小型ガスタービンをいち早く実用化して非常用発電設備として市場に投入し、冷却水不要や小型軽量などの特長を生かしてデーターセンターなどの非常用電源や消防用の防災用電源として市場を切り開いてきた。また国内外で、常用の自家発電やコージェネレーションシステムとしての分散型電源としての市場開拓にも貢献し、ガスタービン単独で昨年生産1万台を達成した。
 現在、国内では、電力事業用設備の小型分散化の流れや、系統電力依存度低減の観点から自家発電設備を奨励する政策の推進もあり、川崎重工では、今後とも国内外で、電源設備としてのガスタービン発電設備の更なる拡大に注力していく。


NTTドコモ、燃料電池を基地局の非常用電源に導入など長期停電対策を発表
 NTTドコモは、災害時などの長期停電対策のため、基地局の非常電源として従来設備よりも軽量で省スペース化が実現できて長時間稼働できる燃料電池を導入することにした。来年3月から全国の基地局に順次導入していく。
 基地局の災害時の機能維持の取り組みとしては、災害が発生した場合などには消費電力を遠隔操作によって抑制し非常用電源を長持ちさせる対策も導入済みで、燃料電池化することによって非常用電源として40時間以上運用することが可能になり、長時間停電に対する対応力が格段に強化できる。
 従来は、非常用電源には鉛蓄電池設備を設置していたが、燃料電池を採用することにより、鉛蓄電池に比べ、重量が約14分の1、容積が約2分の1と軽量・小型化でき、設置スペースの低減も図れる。今年度中に関東甲信越の一部基地局への先行導入を開始し、2013年度から順次他地域の基地局への導入を本格的に展開していく。


その他の主な記事
・HEMSとBEMS普及支援で2つのセンターを開設
・緊急経済対策でエネファームの補助継続
・環境省、冬の節電は4.9%減 アンケート調査
・横浜でスマートコミュニティ展
・関電工再生可能エネ事業を本格展開
・北海道電力がメガソーラーを2カ所に建設
・大阪ガス日本風力開発から2つの風力を買収
・西部ガス長崎太陽光も運開
・王子製紙北海道でメガソーラー事業
・丸紅米国の大規模風力に資本参加
・ミサワホーム、国内4カ所で太陽光発電事業
・クボタ 小型ディーゼルの欧米の排ガス4次規制の認証を取得
・ネクストエナジーが太陽光発電のメンテナンスサービスを開始
・東芝リ電池の生産体制を柏崎工場に集約
・昭和シェル、太陽電池工場でメガソーラー事業
・東京都 屋根貸し太陽光の屋根を募集
・神奈川県 屋根貸し太陽光 学校の屋根を提供
・徳島県 復元困難耕作放棄地に太陽光
・大阪で省エネフェア
・NEDO 海外調査事業で成果報告会
・北九州で再エネ技術展
・新エネ財団、中小水力調査候補地点を募集
・都市環境協会が技術研修会
・日本電気工業会が新エネ講演会
・再可エネ熱利用 3次募集  etc.

<インタビュー>
・矢崎グループ新会社の環境ソリューションと戦略
(矢崎エナジーシステム取締役常務執行役員 環境システム事業部長 清水一雄 氏)
 今年6月21日、矢崎グループではエネルギーと環境に関連した事業を再編し、新会社として「矢崎エナジーシステム」をスタートさせた。これにより一般のユーザーにとって、矢崎グループの事業がどのように生活に関係するのか、分かりやすくした。同時に、矢崎グループのエネルギー・環境事業の今後の戦略についても考えやすくなった。「目指すべきビジョンは、エネルギーを柱とした新しいコミュニティービジネス」だという矢崎。新会社取締役常務執行役員の清水氏に、改めて新会社のエネルギー・環境関連事業について話をうかがった。


シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革(36)グリーン成長が全てではない=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授


・電力全面自由化時代(その6)
 =電力システム改革の先に=
 山田 光/スプリント・キャピタル・ジャパン代表


・キーパーソン
 =京都会議の事務方がポスト京都の合意に向けて手腕を発揮するか=
 環境省 地球環境局長 関 荘一郎 氏



コラム
・発電論評<コージェネ拡大には新たな顕彰制度>
・プリズム<エネファーム大量導入時代がすぐそこに>
・青空<事実は現場にあり!>
・ちょっと一休<「船弁慶」を鑑賞する>


コージェネ拡大には新たな顕彰制度【発電論評】

 コージェネレーションの技術的な歴史は十分に古い。日本でも1970年代には本格的にコージェネレーションの普及活動が活発化していた。しかし、電力事業の中ではコージェネ技術は採用されることはなく、もっぱら自家用の発電設備として熱需要の多い工場や空調の熱需要を当てにして大規模ビルなどで採用されていたが、昨今の燃料費の高騰によりコージェネの導入市場は見る影もなく縮小してしまっている。現在、国内には、ほぼ1千万kW程度のコージェネがあるが、導入量の拡大はほとんど見られなくなっている。
 コージェネにしろ、新エネにしろ、これまでの支援策というものは、おおよそ導入支援にとどまっていた。イニシャルコストを低減することで、導入しやすくするということなのだが、実はコージェネなどの発電設備は、導入してからのランニングコストが重要になる。ランニングコストとは発電コストのことで、イニシャルコストに加えて維持管理コスト、設備の運転コストなどを加味して発電コストが算定される。比較の対象は系統電力である。つまり、発電した電気と系統から受電して購入する電気とどちらが安いのかという比較で、安価な電力が発電できるのであれば導入を検討するということになる。
 この発電コストが系統電力より圧倒的に安く、イニシャルコストが少なくとも5から7年程度以内に回収できるという計算ができないと、導入されないということが一つの目安とされていた。この考え方は今でも通用するもので、現在ブーム化しつつある、メガソーラー事業でも、次々と発表される建設計画を見ると投資額の回収が7年程度となっていることからみても、この5年から7年以内というのは設備投資を喚起する一つの目安となるといえるのではないか。
 いずれにしても、コージェネの普及拡大には、系統電力並みの発電コストに近づけることができるのかということが知恵の出しどころになる。
 単独では経済的に成立しにくくなっているコージェネの普及を新たに目指すには、これまでとは違う方法を工夫する必要がある。コンビナートや特定街区、特定地域などで、再生可能エネルギーや蓄電池などと適切に組み合わせたマイクログリッドの構築がその一つの答えになるのではないか。そうした試みを活発化させるための手段として、エネルギー効率や発電コストを競わせる顕彰制度やコンテストなどが行われることも活用の動機付けになるのではないか。コージェネと再生可能エネルギーを地域の活性化につなげる。そんな新たな取り組みを顕彰し、支援する仕組みの検討を行ってみる必要があると思うのだがどうか。