2012年225日号

川崎重工、発電効率40%超の高効率産業用GTを開発
 川崎重工は、自社開発のガスタービンの最大出力機種である3万kW級の高効率ガスタービン「L30A」を開発、3月から国内外向けに営業活動を開始する。
 L30Aは、産業用の3万kW級ガスタービンでは世界最高の発電効率となる40%以上を達成、さらに、同機を用いたコージェネレーションシステムでは総合効率83%以上、蒸気タービンとの組合せによるコンバインドサイクル発電プラントでは50%を超える発電効率を実現することができる高効率のガスタービンとして開発された。また、NOX排出量を世界最高レベルの15ppm(O2=15%)以下に抑えるなど、環境性能でもトップクラスの実用機で、川崎重工が長年培ってきた産業用中小型ガスタービンの開発技術と航空用ジェットエンジンの高度な要素技術を結集して開発された。
 L30Aの開発によって、自社開発のコージェネレーション用ガスタービンの製品ラインアップは500kW〜3万kWまでの幅広い出力レンジをカバーすることになり、特に国内市場で分散型発電システムとしての市場はほぼフルカバーされることになる。
 震災後、国内ではエネルギーのセキュリティ上の電力確保の観点から自家発電設備の整備に関する関心が急速に高まってきている。その中でもとりわけ、環境負荷の低減との両立の目的で天然ガスを燃料とする中小規模のガスコージェネレーションが注目されており、L30Aは、そうした市場ニーズに応える最上位機種となる。


太陽光発電、国内出荷量は31%増 輸入品のシェアが拡大
 太陽光発電協会は、4半期毎にとりまとめている太陽電池セル・モジュールの出荷統計を基に、2011年1年間の国内向けと国内メーカーの輸出量をまとめ発表した。
 国内向けの出荷量は国内生産分が103万3537kWで前年に比べ19.3%増、輸入品が26万2536kWで109.6%増。国内生産と輸入を合わせた国内出荷の総量は30.7%増の129万6073kWとなり、初めて1年間出荷量が100万kWを超えた。
 余剰電力の固定価格買取制度によって国内市場は特に住宅用を中心に拡大を続けており、住宅用のシェアは85.1%と国内市場では寡占状態が続いている。また、急拡大する国内市場向けに輸入品も急増しており、前年の2倍以上の容量が輸入販売され、シェアも20%を超えた。
 一方、輸出は前年のほぼ横ばいとなる146万2808kWとなり、国内向けよりもまだ出荷量は多いものの次第に伸びが止まってきている。特に7月以降の後半半年間では前年の実績を大きく下回ってきており、第3四半期だけでも13.5%減と急ブレーキがかかって来ている。


自然公園での地熱開発を一部緩和措置 環境省が年度内に通知
 環境省は、自然公園内での立地を基本的に認めてこなかった地熱発電について部分的に緩和する方向で今年度中にも通知を出すことにした。
 2月14日に、規制の見直しについて検討してきた地熱発電事業に係る自然環境影響検討会が基本的考え方を大枠でまとめ、特別保護地区や第1種特別地域など国立・国定公園の自然環境保全上重要な地域及び公園利用者に影響の大きい地域は避けるという前提条件で、普通地域等については、警官保護の一定の条件を満たすものについては地熱発電の立地を原則的に認めることや第2種地域や第3種特別区域でも区域外からの傾斜掘削による地熱開発を原則的に容認するという検討結果をまとめた。
 環境省では、この考え方を参考にして従来の自然公園での地熱開発を規制してきた運用通知を廃止して、年度内に新通知を明示する。しかしながら、地熱開発を促進する立場の経済産業省や開発事業者などは、開発を促進するには自然公園内での垂直掘削が不可欠でり、地熱の有効利用の拡大に実効性を持たせるにはなお一層の規制緩和が必要との考えを崩しておらず、規制改革会議などでさらなる規制緩和を求めていく考え。


IHI、超小型デスクトップGT発電機を試作
 IHIは、世界初のデスクトップサイズの超小型ガスタービン発電機の試作機を開発し、自立型の発電実証試験に成功したと発表した。
 ジェットエンジンやターボチャージャーなどの事業を通じて培った超高速回転機械技術を活かし、携行型の超小型ガスタービン発電機として開発を進めているもので、フォイル軸受で支えられた完全オイルフリーの超小型ガスタービンに、超高速発電機を組み込み、発電機内蔵ガスタービンとした。直径約8cm×長さ12cmと手のひらサイズで、設計上は定格40万rpm、最大400Wの発電能力を有している。
 IHIでは、個人向けの携行型発電機や充電器、ロボット用電源、また、車両が入れない地域での電源など様々な用途を期待して、今後実用化開発を行っていく。


その他の主な記事
・基本問題委員会が再生可能エネルギーなどで議論
・買取価格等委員会の新人事案を提示
・11月末のRPS設備の認定状況
・中環審部会が環境基本計画案取りまとめ
・グリーン電力証書で販売トラブル
・HVAC展が開催
・日立造船がタイでCO2をメタンに転換
・双日中国でバイオエタノール
・三井造船が工場向けGTを受注
・関西電力淡路の風力の運開を再延期
・関西電力が小水力、ダムの河川維持水で
・トヨタ車載蓄電池を低地用に再利用
・サークルKCO2ゼロ店舗を展開へ
・豊田通商、下水汚泥の資源化に参画
・三井造船が受注したGT発電プラント
・NEDO、省エネ革新技術募集開始
・環境省、3月5日にサスティナブル報告会
・3月16日にバイオマスサロン
・バイオマステクノフォーラムは3月28日
・NEFがアジアのバイオマスで報告会
・ガスインフラ整備などでJPIセミナー
・次世代スマートネットなどでSSKセミナー  etc.





シリーズ連載
・エネルギーと世界経済の潮流 R
 =日本のモノづくりのそこ力に信頼=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一氏)
・日本を変えるスマート革命 7
 =望ましい再生可能エネルギー政策=
 (スマートプロジェクト代表 加藤敏春)
  →PDFで読めますこちらから




コラム
・発電論評<スマート化時代にコージェネができること>
・青空<旧知のJR社員と一献交えたときのこと>
・ちょっと一休み<イスラエル国防相に感銘>
・一筆啓上<低迷する水インフラ輸出>


スマート化時代にコージェネができること【発電論評】

 コージェネレーションの再評価に向けての気運が高まっている。
 とりわけ、ガスコージェネをどのように普及させていくかが、今後のエネルギー需給を大きく左右することにもつながる。
 天然ガスの利用は、火力発電用の燃料とガス事業用に大別されるが、実は発電用燃料としての割合の方が多いというのは余り知られてはいない。しかし、大規模な火力発電は排熱を温排水として捨ててしまう。熱効率は40%程度しかないので燃料のポテンシャルの過半は熱として捨てられている。最近は排熱で再発電するコンバインド化が進められており、ガスタービンで発電し、排熱を蒸気回収してタービンを回す。これで50%を超える熱効率が得られるのだが、排熱を熱利用する総合熱効率は80%を超えるコージェネレーションと比べれば、見劣りがする。省エネの観点からも火力発電は可能な限りコージェネ化するという考え方が必要なのではないか。
 コージェネレーションは熱利用をしてこその価値があるわけで、そのためには、熱の需要がある工場や事業場などの需要側において、熱を使いながら発電するという仕組みが不可欠になる。一つの施設での熱の需要規模は、それほど大きなものは期待できなくても、周辺の施設が共同で熱や電力の相互利用を行えば、うまくいくケースもある。マイクログリッドの考え方である。工業団地や地域単位で電気と熱の相互利用し、再生可能エネルギーや蓄電池をコージェネと組み合わせれば、高効率で極めて低炭素なシステムが構築できる。
 特に中小規模のコージェネは、エンジン式のものであれ、ガスタービン式のものであれ、負荷追従機能は極めて高いので、再生可能エネルギー電源の出力調整用として組み合わせることが極めて効果的だと思える。
 再生可能エネルギーの出力調整を、電力系統に任せるための実証的な取り組みが本格化しているが、コージェネを組み込んだマイクログリッドというのはどこかに置き忘れられた感がある。再生可能エネルギーを最大限に生かすにはオンサイト型のコージェネとの組み合わせが一番の近道だと思えるわけで、例えば防災拠点となる公共施設にガスコージェネを置き、給湯や入浴もできる施設も整えて避難時にも健康や日常生活が行えるように配慮したモデル実証が考えられてもいい。
 住宅単独でも、太陽光発電とガスコージェネや燃料電池と組み合わせたダブル発電というガス事業者などの提案もある。こうした中小規模のコージェネレーションを主体にした高効率で低炭素なエネルギーシステムを地域単位で構築する。そのような視点で今後のスマート化時代の電力供給を考えてみる道もあるのではないか。