20010年105

ソニー、東京電力と共同でグリーン電力事業を行う新会社を設立
 ソニーは、東京電力と共同で、木質バイオマス発電事業などのグリーン電力事業を行う新会社「サステナブルグリーンパワー」を設立する。新会社は、ファーストエスコの100%子会社である白河ウッドパワーが福島県白河市に保有する木質バイオマスだけで発電する大信(たいしん)発電所(発電出力1万1500kW)の事業譲渡を受け、バイオマス発電によるグリーン電力の発電事業を行う。
 発電した電力は、ソニーの事業所に託送により電力供給し、「生グリーン電力」として利用される。
 事業譲渡するファーストエスコ側は、白河のほか、岩国(山口県)と日田(大分県)でも木質バイオマス発電事業を展開しているが、木質バイオマスチップの燃料費の高止まりやCO2削減価値の販売価格の低下などにより採算性が悪化していることで、事業の見直しを進めており、発電事業から燃料や価格リスクを排除した発電所の運営の請負やエンジニアリングなどの発電支援事業へと事業内容の転換を進めている。


NEDO、レアアースを使わないハイブリッド自動車用フェライト磁石モータを開発
 NEDOは北海道大学の研究グループと、ハイブリッド自動車や電気自動車用に使われている出力の大きい希土類(レアアース)磁石モータに代わって、同等の出力が実現できるフェライト磁石だけを使用する新構造のモータの開発に成功した。
 中国に資源が偏在することなどで安定調達が不安視される事態となっているレアアースを使わず、安価なフェライト磁石だけで構成されているため、近年激しさを増す次世代自動車開発分野で、資源の安定供給に不安なく日本の産業競争力を高めることが期待できる。
 試作したモータで実負荷試験を実施した結果、同サイズのモーターで従来のレアアースを使用したモーターと同等の高出力を発生できることが確認できた。今後、さらに試験を継続して、試作機の様々な運転条件におけるモータ特性の取得など、自動車用などの大出力モータとしての有効性をさらに検証していく。
 これまで、フェライト磁石は磁力が弱いために電気自動車やハイブリッド自動車用などに使用するには出力不足となるなどの問題があった。


再可エネ買取制度の議論を再開 経産省
 経済産業省は、総合資源エネルギー調査会の買取制度小委員会を再開し、再生可能エネルギーの電力買い取り制度の詳細設計の検討を開始した。
 9月29日に再開後第1回(第6回)の小委員会の会合を開いた。委員長には柏木孝夫東京工業大学統合研究院教授が就任、委員の大半も入れ替わっている。
 同日の委員会では、7月に経産省がまとめ、公表した「買取制度の大枠」について示し、それに基づいて今後の小委員会での検討課題について意見を聴いた。買い取り対象と全量買い取りの範囲、買い取り価格・期間と他の補助制度との関係整理、新設既設の取り扱いとRPS制度の取り扱い、費用負担や地域間調整と現行制度からの移行措置などを小委員会での検討課題をとして提案、今後4回程度の議論を通じて詳細設計案を12月中旬をメドに取りまとめる。


三井造船とダイハツディーゼル、ガスエンジンメンテナンス事業で合弁
 三井造船とダイハツディーゼルは、両社で設立した「MDエンジニアリング株式会社」がガスエンジンのメンテナンス事業を開始したと発表した。両社が共同で開発したガスエンジンのメンテナンス事業を行うことを目的に設立したもので、800kW〜8000kWの出力レンジで、発電効率42〜46%、総合効率77%(蒸気回収、温水回収含む)の高効率ガスエンジンがラインナップされている。

その他の主な記事
・東北電力が風力募集枠を大幅に拡大
・政府がグリーン産業補助育成で支援企業を募集
・ソニーが東京電力とバイオマスで合弁
・東京都が中小企業クレジットで第2回募集
・予算復活で政策コンテスト始まる
・ユーラスがカリフォルニアでメガソーラー事業
・関西電力の堺メガソーラーが一部運開
・三井物産が中国で二次電池事業に参入
・三洋電機の太陽電池新工場が完成
・住友金属鉱山が電池研究所を設置
・石炭とアルミナが超電導透明金属に 東北大と東工大
・長谷工が建設現場に太陽光と蓄電池を導入、夜間照明用に
・東京電力がスマートメーター実証へ
・東京電力がリ電池の評価試験場
・東芝がスマート事業を強化
・東芝がリチウム電池で新工場
・東芝が東北電力のメガソーラーを受注
・伊藤忠テクノが風力の出力予測システムを販売
・来年1月にGTセミナー
・11月に環境研究シンポ
・「見える化」評価・広報事業を募集
・省資源型・調和環境資源循環プロ委託先決まる
・超電導分野の技術戦略委託先募集
・廃棄処理施設の温暖化対策事業2次募集  etc.

<インタビュー>
・環境エネルギー政策の行方を聞く
(みんなの党 参議院議員 水野賢一氏)
 今年7月に行われた参議院議員選挙では与党が敗北。参議院で与野党の議席数が逆転した。そうした中、地球温暖化対策基本法案を始めとする環境エネルギー政策の行方は定まらないままだ。ねじれ国会で温暖化対策の行方について各党の議員に話を聞く。今回は、みんなの党参議院議員の水野賢一氏に話を聞いた。


シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革-- K エコ疲れの国に有効なエネルギー政策=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授
・「新成長戦略」と分散型エネルギー そのC
 =次世代自動車の位置づけ=
 筒井 勇・株式会社矢野経済研究所 自動車&インダストリーテクノロジー事業部 研究員・法学博士
・キーパーソン
 =エネルギー重視の産業政策に転換=
 経済産業大臣 大畠章宏さん



コラム
・発電論評<需要家が参画するバイオマス発電事業>
・プリズム<販促キャンペーンの疑問>
・ちょっと一休<中国のノーベル賞作家>
・青空< 尖閣問題は酒場の格好の話題だ>


需要家が参画するバイオマス発電事業【発電論評】

 ソニーが東京電力と共同でバイオマス発電事業に直接参画するというニュースが報じられている。発表された資料を読むと、決して発電事業に参画することが目的ではなく、本意はバイオマス起源のグリーン電力を直接調達するということにあるようだ。
 ソニーはグリーン電力の採用にこれまでも積極的な企業としても知られている。これまでグリーン電力の調達は、グリーン電力証書を購入する方法で行ってきた。これを今回は発電事業に参画して、グリーン電力を直接調達できるようにしたのだという。
 グリーン電力証書は、他人が発電し消費したグリーン電力と、自分が購入した通常の系統電力を交換する仕組みだと言い換えることもできる。発電所から直接電力供給を受けることができれば、証書という間接的な手段は必要なくなり、需要家は選択したグリーン電力を利用できる。選択されない電源は淘汰されることにもなり、再生可能エネルギーの普及を目指すには極めて有効な手段だと思える。
 一方で、バイオマス発電所を事業譲渡するファーストエスコ側の発電事業者としての苦しい事情も垣間見える。国内のバイオマス発電事業は燃料であるバイオマス資源の恒常的な不足という現状があり、燃料コストの高止まりに苦しんでいる。発電事業者から見れば、発電コストは上がるのにRPS法しかない国内の新エネ電力の流通制度は、買い手市場で価格は低く抑えられたままである。ファーストエスコでは、今回の事業譲渡を一つのモデルとして採算性の悪い発電事業から発電所の運営ノウハウを生かせるサポート事業のスタイルに転換していく方向を打ち出している。
 バイオマス発電事業は採算が取れないが、一方では、証書コストを負担して割高となってもグリーン電力を求めるソニーのような需要家も存在する。
 では、これまでなぜ、そんなグリーン電力を求める需要家に電力を直接届けることができなかったのかというと、それはもっぱら日本の電力ルールがそれを許さない仕組みだったからだといえる。発電した電気を系統に繋いで需用家まで届ける場合は自家用であろうが販売用であろうが託送料金を支払って有料で送電しなければならない。また、発電規模の小さいグリーン電力だけを流通させる電力事業者を育てる制度的な仕組みも整備されてこなかったということもある。
 現在、再生可能エネルギー買い取り制度の制度設計に向けた議論が開始されているが、単純に電力会社に買い取り義務を課すだけでなく買い取りを求めない、こうした自家発送電タイプの電力を優先的に流通させ、需要家が電源を直接選択できる仕組みも盛り込むことはできないものだろうか。