2010年825日号

09年度常用自家発導入量は27.0%減 ガスコージェネが不振
 日本内燃力発電設備協会がまとめた09年度の常用自家発電設備の国内導入状況調査によると、09年度の導入量は12万8341.2kWとなり、前年度に比べてさらに減少した。設備容量では27.0%の減少、導入施設数でも19.6%の減少で、常用自家発の市場は縮小傾向が止まらないまま推移している。電力会社の事業用設備や家庭用燃料電池などは調査の対象外。
 ガスエンジンの不振振りが目立っており、容量ベースではほぼ半減となっている。特に、ショッピングセンターなどの店舗類や工場などの大規模施設で半減以上となっていることが全体での大幅な減少につながっている。
 燃料費の高騰で、ディーゼル発電が市場性を失って数年たつが、09年度のディーゼル発電の導入量は8件・9580.0kWとなり、導入量が1万kWを下回った。
 ガスエンジンは、ディーゼルの後退後も、コージェネレーションとして一定の市場を確保してきたが、09年度の実績は356件・4万4126.2kWとガスコージェネ市場も減少。エネルギーの低炭素化が社会的な方向となる中で、天然ガスへの燃料転換が進められているが、そうした動きがガスコージェネの導入には結びついていないという状況が強く伺われる結果となっている。
 クラス別に見ると、前年度に比べて設置容量が増加しているのは100kW以下と300kW以下、1000kW以下の3クラスで、他は軒並み減少となっている。1000kW以下は病院と事務所ビルで増加.、特に病院での増加が大きい。300kW以下では工場等と病院で増加。ともにガスコージェネが増加。100kW以下では、旅館・ホテル、病院、福祉施設、工場等、事務所ビリなど多くの施設で増加が目立っている。特に病院や福祉施設、事務所ビルで大幅に増えている。


福岡空港などで太陽光オンサイト発電サービス キューデン・エコソル
 九州電力の子会社でオンサイト発電事業などを展開しているキューデン・エコソルは、福岡空港に207kWの太陽光発電設備を導入してオンサイト発電サービスを始めると発表した。太陽光発電の導入は、経済産業省の新エネルギー等導入加速化支援対策事業の補助を受ける。同時に、九州地区内で、宮崎県綾町の綾てるはドームの屋上に151kWの太陽光発電を導入するものと福岡県内の病院に100kWの太陽光発電を導入するオンサイト発電事業についても補助事業として認定を受けた。
 福岡空港の太陽光オンサイト発電事業は、CO2削減と省エネルギー対策を目的に福岡空港国際線ターミナルビルの屋根に207kWの太陽光発電システムを設置。キューデン・エコソルが太陽光発電設備を所有し、当該設備の設計・施工・保守管理といった一連の業務を担当、福岡空港ビルディングに発電した電力を提供するオンサイト発電サービスを行う。今後、具体的な設計、工事に着手し、年度内の竣工を目指す。


三菱重工が発電機内蔵型のハイブリッド過給機を開発
 三菱重工業は、船舶用のディーゼルエンジンの過給機に発電機を内蔵させたハイブリッド過給機を開発した。エンジンの排ガスエネルギーを過給機コンプレッサの駆動用に利用するだけでなく、発電にも利用することで船舶内の発電量を増加させ、航海中に必要なすべての電力を供給することも可能になる。排ガスを発電利用することで燃料消費量とCO2排出量の削減にも貢献できる。
 開発したハイブリッド過給器は、日本郵船、ユニバーサル造船、日立造船と協力して製品化した。2011年に就航するユニバーサル造船が日本郵船向けに建造する大型ばら積み運搬船に搭載して実証運転を行うことにしている。ハイブリッド過給器の最大発電出力は754kWで、発電機をモーターとして作動させて過給器の加速用に使えるメリットもある。


大和ハウスが「東京都クレジット創出業務」を開始
 大和ハウス工業は、東京都が進める排出量取引制度に参加し、東京都内で環境エネルギー商品を導入した企業の温室効果ガス削減量をクレジット化する「東京都クレジット創出業務」を開始すると発表した。
 第1弾として、大和ハウスの高効率反射板システムを導入した大成ロテック社の削減分を、共同で「都内中小クレジット」として申請を行った。クレジットが認定されれば、排出権取引市場(JCX)が運営する取引市場を通じて売却する。
 大和ハウスが大成ロテックに収めた反射板システムでは約46.5トンの削減量が得られ、そのうち22トン分をクレジット化申請した。
 大和ハウスでは、都内の官公庁や法人向けに環境エネルギー商品の販売を行うとともに、今後も積極的に販売した商品からの温室効果ガスの削減分をクレジット化し、市場に流通させる取り組みを活発化させることにしている。


その他の主な記事
・政策手法タスクフォース開く
・富士経済がHP市場を予測
・丸紅が排出権ビジネスでカーギルと提携
・日本ユニシスが充電サービスでエネゲートと提携
・熊本県南部に天然ガスを導入
・京セラが国内全工場に太陽光を導入
・NEDOが革新的省エネ技術の調査分析業務を公募
・新エネ財団が水力と新エネ人材育成で研修会
・スマートエナジーが養成講座
・国交省が省エネ改修とCO2先導プロで2次募集
・中国新エネ視察団を募集
・GT定期講演会、徳島で
・10年度第2回中小水力研修会
・9月のSSKセミナー
・9月のJPIセミナー  etc.




シリーズ連載
・<新> エネルギーと世界経済の潮流 @
 =太陽光発電で中国、韓国に負けない戦略=
 (和光大学経済経営学部教授 経済学科長 岩間剛一氏)
・カーボン・マネジメント入門(37)
 =温暖化対策国内制度と企業競争力=
 (大串卓矢・スマートエナジー代表取締役社長)




コラム
・発電論評<電気自動車の電気はグリーン電力に>
・ちょっと一休<暑さの中で悲報相次ぐ>
・青空<残暑が厳しい>
・霞ヶ関から<環境省の幹部人事>


電気自動車の電気はグリーン電力に【発電論評】

 低炭素エネルギー革命の象徴的なものとして電気自動車がある。電気自動車は電気で走る。蓄電した電気でモーターを駆動して走る。トローリーバスのように外部から給電するものもある。燃料電池車も電気を作りながら走る電気自動車だ。鉄道も早くから電車があたり前になっている。考えてみれば電気自動車の歴史は古い。内燃機関よりも歴史は古いのだ。
 モーターも蓄電池も新しい技術ではない。しかしより大容量の蓄電池の開発が進み、低炭素化の後押しを受けて電気自動車の時代が始まろうとしている。
 とにかく低炭素なのである。走行中にCO2を排出しないからである。ゼロエミッションなのである。
 しかし、同じ電気を使うのに、使用エネルギーの大半を電気に頼っているビルや住宅では、CO2排出量の増加が止まらないとして、省エネ/省CO2の更なる取り組み強化が求められている。ビルや住宅での省CO2はすなわち、節電ということになる。オール電化住宅などは、どうすればいいのだろう。
 昨今話題を集めたエコポイントなどもそれで、省エネ家電に買い換えることで、電気使用量を減らす取り組みを支援するというものだ。テレビなどの場合は、より大画面の機種に買い換えることが多いので結果的に省エネになっていないという批判もある。
 自動車に充電する電気も、日常使う電気も電力会社から購入する電気であれば同じものであるにもかかわらず、自動車に使うと低炭素だというのは理屈に合わないのではないか。
 電気自動車は、走行中にはCO2は排出しないが、使っている電気は石炭火力などの電気も混じってしまっているのでCO2を排出していることになる。
 ではどうすればよいのかというと、割と簡単に答えが見つかる。発電の過程でCO2を排出しない電気を選んで使用できるようになればいいのである。
 つまり、電源種別ごとに選択して電気を購入できるようになりさえすればいいのである。スーパーに買い物に行っても食肉は部位別に売ってくれる。米だって産地や品種、産年別に選んで購入できる。電気だって、電源設備ごとの発電量はリアルタイムで計測できるのだから、電源種別ごとに電力メニューを作る事はそんなに難しいことではない。
 あるいは、再生可能エネルギー専門の電力販売事業を認め、ネットワークの優先利用を認めるという制度改革があれば、北海道の風力発電を東京で使えるということも普通にできるようになる。
 制度的にも技術的にも、やる気になればすぐにでもできることである。新たな試みとして使いたい所に、使いたい電気を届けるという仕組みが考えられてもよいのではないか。