20010年85日号

ガスコージェネは回復傾向に 09年度コージェネ導入状況
 天然ガス導入促進センター・エネルギー高度利用促進本部(旧・日本コージェネレーションセンター)は、09年度のコージェネレーションの導入状況をまとめた。
 09年度の単年度の導入実績(単年度増減)は、民生用と業務用を合わせ255件・1万2200kWで、前年度のほぼ10分の1に激減した。累計では、8444件・943万9800kWとなり前年度末に比べて設備容量では0.7%の微増となった。単年度の設置状況は、極めて低かった前年度をさらに下回り、特に産業用では累計で44件のマイナスとなるなど、厳しい状況が続いている。
 このうち、ガスコージェネの導入量は累計で5502件・456万2300kWで、前年度末に比べて30万1600kWの増加となり、前年度の減少から大幅な回復傾向を見せている。民生用は小容量設備を中心に8.0%増、産業用は6.8%増と堅調で、産業用は1年間で21万4500kW増加したという結果となった。


低炭素社会を目指すガス事業 コージェネ中心に高度利用へ
 経済産業省は、低炭素時代のガス事業のあり方について検討することを目的に新たに「低炭素社会におけるガス事業のあり方検討会」(座長・柏木孝夫東京工業大学統合研究院教授)を設置し、第1回の会合を7月28日に開催した。
 低炭素社会を目指すエネルギー政策として6月に取りまとめられたエネルギー基本計画では、化石燃料の中で、天然ガスについては今後も普及拡大する方針が明確に示されており、石油から天然ガスへのシフトが政策的に推進されることになっている。
 検討会では、今後の低炭素時代に必要なガス事業の方向性として@石油・石炭からの天然ガスへの燃料転換の促進A天然ガスのより低炭素利用を促進するためにコージェネレーションを利用促進Bバイオガスや太陽熱利用など再生可能エネルギーの利用拡大に向けた技術開発や支援措置など、3項目について主な検討課題として、具体的な方向性について議論する。今後のガス事業については、化石燃料の天然ガスシフトを進める中核となる事業体としてガスの供給事業から総合エネルギーサービス事業への転換を長期的な視点として検討する。
 また、天然ガスの高度利用システムの中核アイテムとして、改めてガスコージェネを位置づけ直し、システムの拡大について必要な技術開発や規制改革など導入拡大に向けた環境整備について検討を加える。
 具体的な検討課題としては、@コージェネの熱利用・面的利用の現状・ポテンシャルAコージェネの電気や熱について、海外での取り組み状況や熱量の計測方法B天然ガスコージェネの利用拡大へ必要な支援策や制度改正の3項目を挙げている。


再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の大枠を発表
 経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の大枠を決め発表した。3月に4つのオプション案を示した中から絞り込んだ。
 示された制度案は、現在の太陽光発電の余剰電力の買い取り制度を再生可能エネルギー全体に拡大し、全量買い取りを基本に実施する。現在実用化されている風力、太陽光、中小水力、地熱、バイオマスを対象に、発電事業用の太陽光は含めるが、住宅用については余剰電力制度を続ける。中小水力は上限を拡大して3万kWまでとする。
 買い取りの範囲については新設設備を基本に、価格は15円から20円の範囲で一律にする。また買い取り期間は15年〜20年。太陽光は10年とする。
 買い取り価格を一律とすることについては、「エネルギー間競争による発電コストの低減を促すため」と説明された。住宅用太陽光については「できるだけ多くの余剰電力を発生させる」ため設置者に省エネ努力を促せる仕組みだとして余剰電力購入制度を継続する。
 これによる買い取りコストは、制度開始後の10年目には対象設備が3200万kWから3500万kWとなり、年間4500億円から6千億円程度となると試算。電気料金に上乗せして回収されるコスト負担額は一般家庭で月額150円から200円、中規模工場で12万5千円から17万円、大規模工場で120万円から160万円程度になると試算した。導入量を電源別に見ると、太陽光が約3千万kW、風力は500万から750万kWに大幅に増える。
 詳細設計については、環境税や排出量取引制度などの他の経済的手法との総合的な検討の枠組みの中で、政府内で調整するとして先送りされた。


製品のサプライチェーン全体での排出量算定へ
 環境省は、原材料調達から流通・消費、廃棄までの製品のライフサイクル全体で温室効果ガスの排出量の算定方法を検討するため、「サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量算定方法検討会」(座長・森口祐一国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センター長)を設置、7月26日と30日に会合を開き、検討を開始した。
 検討会では、米国など海外での基準作りの進捗状況などを参考にして国内での算定方法を検討し、製品のサプライチェーン全体での温室効果ガスの削減が評価できるような仕組み作りが目指される。
 30日の会合では、素材、製品、流通の3つの分科会を設置して各分野ごとの算定方法を検討することにした。環境省は、国内排出量取引制度の中でも排出枠の算定に企業が製造する製品の使用段階での省エネ効果なども反映できる仕組みを目指すことを明らかにしており、検討会での検討結果はこうした枠組みの中で活用されることになる。


その他の主な記事
・次世代ネットワーク、再可エネの優先規定などで議論
・国内15%基本にロードマップ見直しへ
・温暖化対策などでタスクフォースを設置
・日揮とBASFが低コストのCO2回収技術を開発、実証へ
・NECグループが2次電池事業を拡大
・コスモ石油が太陽光で充電サービス
・パナソニックが電工と三洋を完全子会社化
・シャープが英国で太陽電池製造を倍増
・三洋電機がリチウムイオン電池で新工場
・丸紅と川重がトルコの排熱発電を受注
・シャープがイタリアで太陽光事業で合弁
・北海道電力がメガソーラー建設開始
・バイオマスタウン283地区に
・新エネベンチャー技術革新事業を採択
・NEDOが再生可能エネルギー技術白書を公開
・チェニジアで太陽熱発電の共同プロジェクト
・産総研が環境エネシンポ
・産総研が技術情報セミナー
・省エネ革新技術開発(第2次募集)
・次世代バイオマス利用開発決まる  etc.

<インタビュー・東工大AESセンターの新たな取り組み>
・オープンイノベーションで次世代型エネルギーインフラを切り開く
(東京工業大学教授/先進エネルギー国際研究センター長 柏木孝夫氏)
 東京工業大学で今年4月から本格的にスタートした「先進エネルギー国際研究センター」(AESセンター)の共同研究。東京電力、東京ガス、NTTグループ、JXグループ、そして三菱商事などいずれも日本を代表する企業が参加している。共同研究の背景には、どのようなビジョンがあるのか。次世代エネルギーインフラをテーマにした連続インタビューとして、まず、センター長の柏木教授に話を伺った。

<インタビュー・豪州クィーンランド州のスマートグリッド>
・日本の環境エネ技術への期待
(オーストラリア クィーンズランド州 ブリスベン市投資局クリーンエネルギー担当商務官 テレサ・ミーハン氏)
 オーストラリアのクィーンズランド州は、石炭貿易などで日本と極めて深い関係がある。そして現在は、非在来型天然ガスの開発やスマートシティーのプロジェクトの誘致などで注目されている。州都ブリスベン市では、エネルギー開発を進展するために、日本の進んだ環境エネルギー技術の導入に期待している。


シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革-- I 「低炭素社会づくり」が経済成長に=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授
・「新成長戦略」と分散型エネルギー そのA
 =次世代自動車の位置づけと分散エネルギー貢献への可能性=
 筒井 勇・株式会社矢野経済研究所 自動車&インダストリーテクノロジー事業部 研究員・法学博士



コラム
プリズム<温暖化対策強化には犠牲がつきもの>
・ちょっと一休<名物男の別府さんの激励会>
・青空<口蹄疫問題で見えたもの>