20010年25日号

川崎重工が神戸工場にガスエンジン発電設備を導入 発電効率48.5%
 川崎重工業は、世界最高水準の発電効率48.5%を誇る同社のグリーンガスエンジンを搭載した5千kWの自家発電設備を神戸工場に導入し発電運転を開始した。発電電力は全量を工場内で使用してエネルギーコストの削減を図るとともに、ユーザーへの提案に利用するモデルプラントとして運用していく。
 導入したガスエンジン発電設備は、発電出力5千kWで、使用するガスエンジンは12シリンダーのモデル。同社が開発した発電効率48.5%、排ガスNOX値200ppm以下(O2=0%換算)という高効率で経済性・環境性に優れた画期的なガスエンジン。
 同クラスのガスエンジンと比較しても燃料費が5%以上削減でき、国内のほぼ全地域で排ガス処理用の脱硝装置の装着も必要のないレベルとなっている。また、軽量・コンパクトであることや、電気着火方式を採用したことで、通常のガスエンジンでは必要な着火用オイルが不要となるなど多くの特長を備えている。
 川崎重工業では、再生可能エネルギーとの親和性が高いガスエンジン方式のコージェネレーションや自家発電システムなどのガスエンジン事業の積極的な展開を図っていく方針であり、神戸工場に設置するモデルプラントは系統連系して、連系運用の中でガスエンジン単機での発電効率のさらなる向上を図る取り組みも進めるとしている。


米国でのスマートグリッド共同実証へNEDOが31社を選定
 NEDOは10年度に米国で共同事業として実施することを予定している日米スマートグリッド実証事業の事前調査委託先として31社を選定した。
 再生可能エネルギーを大量導入した配電線網で蓄電池や蓄熱等の需要側機器を情報通信技術を活用して協調制御し、出力変動の影響を最小化できるマイクログリッドの実証事業を計画しているもので、米国のニューメキシコ州政府が州内5カ所で行う実証プロジェクトのうちの2カ所で共同プロジェクトとして参画する。昨年11月の日米首脳会談でもスマートグリッドについて日米共同で推進することが謳われていた。
 今回選定された31社の提案事業については、3月末までに事業化評価を行い、事業を実施するかどうか精査する。
 日本側の事業費は初年度は18億円、13年度末までの4年間の総事業費は30億円を予定しており、5カ所の実証プロジェクトの内、ロスアラモス群とアルバカーキ市のプロジェクトに参加する。ロスアラモスでは約2千kWの太陽光発電や1千kWの蓄電池を集中的に配備したマイクログリッドの実証と太陽光発電や蓄電池、蓄熱機器、IT家電などを設置したスマートハウスの実証を行う。アルバカーキ市では市内の商業地区に電力系統から切り離されても自立運転可能なビルシステムとして、ガスエンジンコージェネや蓄電池、燃料電池、蓄熱槽、太陽光発電などを導入して高い信頼性を有する供給体制を実証する。アルバカーキ市の実証は、清水建設、シャープ、明電舎の3社がサイトのとりまとめとして参画、富士電機システムズ、東京ガス、三菱重工がコージェネ、燃料電池、ガスエンジンシステムを提供する形で参画する。


10年度も太陽光買取料金は48円、サーチャージはゼロ円
 経済産業省は、太陽光発電の余剰電力買取制度で10年度に予定していた電気料金への上乗せを行わないことに決めた。昨年11月からの制度開始となり対象となる買取期間が2カ月間と短かったことで、「太陽光サーチャージ」として上乗せされる金額が計算上ゼロ円となったことから、10年度には上乗せ回収を行わず買取コストは次年度分に繰り越すことにした。
 また、10年度の買い取り価格も現行制度から変更せず、住宅用は48円、非住宅用は24円、燃料電池などを併設するダブル発電の場合はそれぞれ39円、20円での買い取り料金を継続する。
 併行して検討されている太陽光以外の再生可能エネルギーの全量買取制度の中でも、太陽光について余剰買取を継続するのか全量に切り替えるのかも検討テーマの一つになっており、11年度からの制度改定も視野に入っている。


太陽光発電は「環境施設」に 工場立地法基準見直しで
 工場立地法の見直しを行っている経済産業省の検討会が2月1日に第2回目の会合を開いた。検討会は、太陽光発電の工場への導入を後押しするため工場立地法の規制を見直し、緑地や環境施設などとして導入しやすくすることを目的に規制の見直しを行っている。
 国内の太陽光発電の導入は、これまで住宅用を中心に進められており、経済産業省によると約80%程度は住宅用として設置されている。太陽光発電の導入拡大に向けて導入補助金の復活や余剰電力の買取制度などを設けて一層の拡大が目指されているが、敷地に余裕がない工場の緑地の一部に緑地として管理することを条件に太陽光発電を設置することや、環境施設として屋上などへの設置を促すことで住宅用以外での規模の大きい太陽光発電の導入拡大の一助としたい考え。
 同日の会合では、緑地の減少に結びつくような規制緩和は行わない方向で、太陽光発電を運動場や文化施設などの環境施設として取り扱う方向で議論が進められた。今後の検討課題としては、緑地に設置する場合の条件や屋上設置の場合の敷地面積のカウント方法などがあげられている。2月23日に予定されている次回会合で報告書をとりまとめる。


その他の主な記事
・12月の電力需要は減少続く
・COP合意で25%削減を届け出
・スマートグリッド関連の国際標準化ロードマップを作成
・全量買取3月に複数の制度オプション
・スマートグリッド実証地区を募集
・東京ガス、村木、蟹沢の両氏が副社長に
・東京電力が火力発電の余剰熱を外販
・東京ガスが横浜市と太陽熱で共同実証
・東北電力管内のオール電化住宅が20万戸を突破
・太陽光事業に参入でユーラスエナジーが増資
・日産自動車が旅館組合と共同で充電インフラを整備
・NTTロジスコ、物流センターにソーラー
・低炭素社会の実現に向けた環境技術シンポ
・優秀省エネ機器を表彰
・地熱開発利用講演会3月に
・太陽エネ学会が太陽熱利用シンポを開催
・第52回バイオマスサロン
・チャレンジ25モデル地域公募
・省エネ大賞決まる  etc.

<インタビュー1>
・三浦工業執行役員 宮内大介氏
 = スマートエネルギー時代の企業の戦略 =
 中小企業のCO2排出削減事業を、大企業が技術・資金面で協力し、削減された排出量を国内クレジットとして取得する「国内クレジット制度」。銀行や商社、電力会社などが名を連ね、メーカーが直接行うケースは少ない。こうした中で小型貫流ボイラーのトップメーカーである三浦工業では積極的な取り組みを進め注目されている。メーカーとしてどういったメリットがあるのか。推進役の宮内大介・執行役員に話を聞いた。
<インタビュー2>
・WWFジャパン自然保護室 気候変動プログラムリーダー 山岸尚之氏
 = COP15の結果をどう考えるか =
 昨年12月にデンマークのコペンハーゲンで開催されたCOP15は、人々の期待をよそに具体的な削減目標を定めることもできぬまま合意文書を留意するだけという結果に終わった。今後のポスト京都の枠組み作りの中で、期待される日本の役割などについて聞いた。

シリーズ連載
・グリーン革命へのコンセプト・ノート
 =環境構造改革-- C「鳩山首相の施政方針演説」=
 竹内恒夫/名古屋大学大学院 環境学研究科教授
・<新>環境自動車と蓄電池開発 そのA
 =日本の産業・環境施策と電池技術=
 筒井 勇・株式会社矢野経済研究所 自動車&インダストリーテクノロジー事業部 研究員・法学博士



コラム
発電論評<再生可能エネ拡大と導入後の維持管理>
・プリズム<さらなる進化を続ける高効率給湯器>
・ちょっと一休<清元「心味の会」でトリ>
・青空<ツイッターて何?>


再生可能エネ拡大と導入後の維持管理【発電論評】

 低炭素社会を実現するために期待の大きい再生可能エネルギー。政府の新目標である25%削減の中でも次世代エネルギーとして大きな役割を占める。新たな経済発展に不可欠な成長エンジンとしても期待されている。果たして思惑通りにいくのかどうか、簡単な道のりではないと思われる。
 再生可能エネルギー拡大に向けては、新たな支援策の切り札として全量固定価格買取制度の創設が検討されている。
 発電コストが高額になる再生可能エネルギーの普及のために、効果的なインセンティブを与えることを目的に検討されているものであるが、再生可能エネルギー機器の拡大が直線的に国内産業の育成につながる訳ではないということに留意しておく必要がある。先日のプロジェクトチームの会合でも、先行するドイツでは増えたのは安価な輸入品で、国内産業の育成には効果が薄くなっているとして買い取り価格を引き下げたという報告もあった。太陽光発電は日本でも既に安価な輸入品が相当増えているという状況もある。
 次世代エネルギー技術として日本では特に期待度の高い燃料電池や太陽電池、蓄電池といった次世代電池技術にしても、製品開発で先行した日本であるが、現在どれほどの競争力が残されているのか懸念されるところだ。
 輸入品が悪いというわけではない。長期間にわたって使用されるエネルギー機器は、特に専門知識のない家庭などに導入される場合、導入後のしっかりとした維持管理体制を問う必要があるのではないかということだ。単に安価な製品が大量に市場に導入されるだけでは、後顧の憂いを残すことになりかねない。
 導入したエネルギー機器は適切にメンテナンスする必要がある。自家発は、メンテナンスも自己責任である。不具合が生じた場合のサービス体制についても考慮しておく必要があろう。
 そのためには、エネルギーサービスの活用をもっと真剣に考えてみるべきではないか。例えば家庭用の太陽光発電設備や燃料電池、蓄電システムなどのエネルギー機器をエネルギーサービス事業者がリースや運転代行をして、サービス事業化する。あるいは発電した電気や熱などをエネルギーとして販売できるようにする。余剰電力は系統を利用して他者へも販売できるようにする。そういう仕組みができれば、事業者が家庭や事業所の敷地内に機器を設置し運用できるようになりメンテナンスの問題も解消できる。
 再生可能エネルギーの大量導入を目指すのであれば、導入後のエネルギー機器の適正な運転や適正な維持管理の体制についても真剣に考えなければならない時期に来ているのではないか。