2009年1125日号

ダブル発電の買取差額を補填 東京ガスは10円、大阪ガスは9円
 東京ガスと大阪ガスはダブル発電からの余剰電力買い取り料金の上乗せキャンペーンを始めた。11月から開始された太陽光発電からの余剰電力買取制度で家庭用のものは電力料金のほぼ2倍の1kWhあたり48円で電力会社に買い取られることになったが、エネファームなど他の自家発電設備を併設した場合には買取価格が39円に引き下げられる。東京ガスと大阪ガスはこの差額を負担することで余剰電力の買取料金の減額分を補填しダブル発電の普及に弾みを付けることにした。
 3月末までをキャンペーン期間として東京ガスは10円、大阪ガスは9円を10年間にわたって補填する。
 東京ガスのキャンペーンプランは、ダブル発電の余剰電力として売電される1kWhについて10円を「エコキャッシュ」として1年分をまとめて支払う。対象となるのは10kW未満の太陽光発電と東京ガスブランドのエネファーム、エコウィルを導入しているダブル発電ユーザー。
 大阪ガスのキャンペーンは、プレミアムポイントとして1ポイント1円の「プレミアムポイント」を1kWhの買電量につき9ポイント適用、1年分のポイントを翌年度に現金と交換するという仕組み。対象となるのは10kW未満の太陽光発電とエネファームやエコウィルなどの併設される自家発が700W以上5kW以下のユーザー。太陽光発電の余剰電力買取価格は毎年減額変更される仕組みとなっていることから3月末までを第1期としたキャンペーンとして実施する。4月以降の第2期については未定。


東京都がエコキュートとエコジョーズの認定制度を開始
 東京都環境局は、家庭用の高効率給湯器としてエコキュートとエコジョーズを対象とした認定制度を開始する。家庭用のエネルギー消費量の約3分の1を占めるといわれる給湯需要について「消費者が省エネ型の機器を選択して購入することができる」ことを目的に認定制度を設けることにした。
 電気式のエコキュートについては年間給湯効率(APF)が3.1以上(特殊な機器は2.7以上)であること、ガス給湯器のエコジョーズ(定格出力)58kW未満)の場合は給湯部分の熱効率が95%以上であることなどを認定基準とした。
 認定品については認定証票を貼付して消費者が購入する場合にわかりやすくするほか、ホームページ上でも認定機器名を公表するなど情報提供を行って、高効率機種の普及を図っていく。
 第1弾の認定申請の受付は11月30日まで行っている。12月以降の申請受付についてはホームページ上で発表する。11月に申請を受け付けた機種については1月上旬に認定機種が公表される。


太陽電池の出荷量が急増、過去最高に 7〜9月、国内は2.6倍に
 太陽光発電協会は09年度第2四半期(7月-9月)の太陽電池・モジュールの出荷量が前年同期比31%増の39万7545kW(発電能力ベース)となり、3四半期ぶりに過去最高を更新したと発表した。余剰電力買取制度の実施が決まるなど支援制度の拡充が進められ、国内向けが2.6倍に急増、景気低迷で減少していた輸出も前年同期比3.5%増とリーマン・ショック前の水準に回復した。
 国内向けの総出荷量は13万6684kW。そのうち住宅用が2.7倍の12万8861kW。公共施設や産業・業務用が44.7%増の6596kW、民生・電力応用商品も5倍の1227kWとそれぞれが大幅に増加した。今月から始まった余剰電力買取制度で制度開始以前の既設設備についても対象とすることが決まったことで、制度開始前の新規需要の拡大につながっている。
 総出荷の約3分の2を占める輸出は前年同期比3.5%増の26万861kWで、米国向けが47.9%増の7万1942kWと好調。欧州向けは0.1%減の17万562kWとほぼ前年並みに回復した。その他地域は43.6%減の1万8357kWと伸び悩んでいる。


コージェネシンポ開く スマートグリッドの可能性を探る
 天然ガス導入促進センター・エネルギー高度利用促進本部(旧・日本コージェネレーションセンター)主催の「コージェネレーションシンポジウム2009」が11月19日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開かれた。
 25回目となる同シンポは、新組織となって初めての開催。冒頭のあいさつで幹事会代表の村木茂氏は「低炭素社会に貢献するため、従来以上にコージェネを軸としたエネルギーの高度利用を推進していきたい」とし、さらなる低炭素化に向け、分散型と集中型を連携させたスマートエネルギーネットワークが重要な役割を占めると述べ、コージェネに新たな役割が加わると期待を込めた。。
 シンポジウムではコージェネ関連技術の開発動向の紹介が7講演行われ、クラストップレベルの発電効率41.8%を達成したヤンマーエネルギーシステム製の700kWガスエンジンコージェネシステムや、三菱重工業製の高効率メタン焚きガスエンジンの紹介などが、参加者の関心を集めていた。
 また、「低炭素社会の実現に向けたエネルギーシステム」をテーマに、柏木孝夫・東京工業大学統合研究院教授をコーディネーターとして、村木代表のほか衣斐正宏・川崎重工業執行役員、宮崎裕雄・清水建設執行役員、福地学・野村総合研究所上席コンサルタントをパネラーに迎え、議論が交わされた。


その他の主な記事
・次世代エネ協議会が初会合
・10月の電力需要は6.3%減
・本紙が第2回スマートグリッドセミナー
・NECが振動力発電でリモコンを操作
・京葉ガスもエネファーム販売へ
・東邦ガスが東芝製エネファームも販売
・関西電力がタイで熱電併給事業を拡大
・矢野経済が太陽光市場をレポート
・三菱重工高効率ガスヒートポンプを発売
・ネクスト社がG電力取引手数料を無料化
・三洋電機がリ電池で大容量システム
・三洋電機が太陽電池の製造能力を拡大
・昭和電工が次世代リ電池用電解液事業に参入
・2010電設工業展、開催概要決まる
・NEDO、バイオマス調査で公募
・環境省、小型燃焼機器で新ガイドラインを公表
・新エネビジネスなどで12月のJPIセミナー
・NEDO、技術戦略マップで調査事業者募集
・コベネフィットCDM採択事業にスマートエナジー
・NEDO、JI可能性調査で3件採択  etc.

<インタビュー・この人に聞きたい>
・民主党 衆議院議員 福島伸享 氏
 = 25%削減に向けたエネルギー・産業政策=
 温室効果ガスの大幅削減に向けて、分散型エネルギーや再生可能エネルギー、スマートグリッドの導入などの期待が高まる。大規模集中型から分散型へのシステム転換に備えて、エネルギー供給に関する制度を作り替えていくこと、それは、資源エネルギー庁でも10年前から議論してきたことだと福島氏は話す。当時、福島市は経済産業省職員で、エネルギー政策の転換のためには、政治主導による決断が必要だと感じ国会議員を目指したのだという。
・民主党 衆議院議員 阪口直人 氏
 = 25%削減に向けたエネルギー・産業政策=
 現在、世界各国がポスト京都の合意に向けて国際交渉を展開している。12月のCOP15の議論の行方は未だ不透明だが、その後もずっと交渉が続いていくことだけは確実な情勢だ。温暖化問題の国際交渉では、途上国問題(資金・技術移転、適応など)がより重要視され始めている。途上国でのボランティア活動に豊富な経験を持つ阪口直人・衆議院議員に、途上国問題をどう解決すべきか話してもらった。



シリーズ連載
・日本版グリーンニューディールを考えるC
 =エコカーでは力不足の温暖化対策=
 (石田直美・日本総合研究所 創発戦略センター主任研究員)
・新刊紹介:「炎の産業「都市ガス」」
 (山口正康著 エネルギーフォーラム)



コラム
・発電論評<低炭素型に不可欠なコージェネレーション>
・ちょっと一休<自民党の町村、加藤議員の会>
・青空<第2の人生設計>
・霞ヶ関から<政権交代後、元気になった経産官僚>


低炭素型に不可欠なコージェネレーション【発電論評】

 一次エネルギーをいかに無駄なく利用し尽くすかということでは、コージェネレーション技術を忘れる訳にはいかない。燃料を燃やした熱の高い温度帯で発電し低い温度帯の熱は熱利用するという有名な「平田理論」は日本にコージェネレーションの考え方を普及させた。コージェネレーションは1次エネルギーの80%程度以上を電気と熱で2次エネルギーとして利用できる。最近話題の家庭用燃料電池エネファームのカタログなどを見ると電気と熱で総合効率90%以上との記載が当然のようにあり、その効率の良さに驚いてしまうほどだ。
 低炭素社会へ向かうエネルギー技術として原子力発電の拡大と再生可能エネルギーの拡大が2本柱として展開されている。原子力の場合は稼働率の向上が大きな課題とされており、再生可能エネルギーは固定価格買取制度など強力な政策のバックアップが用意されようとしている。
 しかしながら、忘れてはならないのは原子力と再生可能エネルギーだけでは低炭素社会を支えきるエネルギー源としては足りそうもないということだ。そのためには、化石燃料もこれまで以上に効率よく使用することが必要になるが、それにはコージェネレーション技術を活用することがもっとも現実的で高い効果が期待できる解決策になると思われる。
 コージェネレーション技術は、化石燃料を高効率に利用することで結果的に化石燃料の使用量が抑制できるだけでなく、再生可能エネルギーであるバイオマス燃料の高度利用を可能にする。また、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの負荷調整機能や補完電源としての役割も担える。地域の低炭素なエネルギー供給システムとして今後展開されることになるであろうマイクログリッドやスマートグリッドの中核システムとしての役割を担うこともできる。コージェネレーションシステムを中心におくことで再生可能エネルギー資源を最大限活用しながら、さらに化石燃料の高効率利用を図り、より低炭素なエネルギーシステムの広がりが期待できるということだ。従来の施設単独の自家発電用としての利用から面的な広がりを持たせることで、コージェネレーションの高効率利用機器という本来持つ機能が改めて見直され新たな用途が広がることになる。
 低炭素社会に向けた取り組みとして環境税の導入議論が本格的に始まろうとしている。繰り返しになるが、高額の税で需要抑制を図るのではなく、利用効率を高めることで需要量を抑制するという考え方も忘れてはならない。乱暴にいってしまえば、エネルギー利用には熱や電力の利用効率を基準化してコージェネ化を義務づけるという考えがでてきてもいいのではないか。