2009年1025日号

東ガスと大ガスがバイオガスの導管受け入れを開始へ
 東京ガスと大阪ガスは、10月19日、それぞれバイオガスの導管受け入れを開始すると発表した。
 東京ガスは、東京都大田区にある「スーパーエコタウン」内の食品リサイクル施設でメタン発酵処理される食品残渣から発生させたバイオガスを都市ガスと同等の成分、熱量に調整して都市ガス導管網に接続して供給する。大阪ガスは、神戸市の東灘下水処理場で下水汚泥から発生するバイオガスを精製し、熱量調整や不純物除去などを行い、都市ガスと同レベルまで高度処理したバイオガスをガス導管に接続して供給する。どちらも、都市ガス振興センターが窓口となって公募していた「バイオガス都市ガス導管注入実証事業」として、10月19日付で採択、発表された。10年間の事業期間で、期間終了後も事業継続する予定。
 東京ガスの実証事業は、市川環境エンジニアリングの子会社であるバイオエナジーが製造するバイオガスを東京ガスが導管に受け入れる。バイオガスは、都心のホテルやスーパー、コンビニ、レストランなどから排出される袋入りの食品残渣や、食品加工工場などから排出される廃棄食品110トンや廃棄飲料水20トンを発酵処理してバイオガスを製造する。都市ガス導管への受入量は都市ガス換算で年間約80万立方m。これによって年間役1830万トンのCO2削減量が期待できる。
 大阪ガスの計画は、神戸市の下水処理場で発生するバイオガスを導管に受け入れる。バイオガスは、神戸市と神鋼環境ソリューションが下水汚泥を発酵処理して製造した「神戸バイオガス」を都市ガスと同成分に調整し直接ガス導管に受け入れる。これまで、利用が限られてきた消化ガスを高度に処理して都市ガスとして利用できれば、発生するバイオガスが効率よく利用できる道が開ける。09年度中に必要な設備を整え10年度から実証事業に取り組む。利用されるバイオガス量は約80万立方mで約2千戸が1年間に使用する量に匹敵。CO2の削減効果は1200トンが見込まれる。


ロシアからGTコージェネを受注 川崎重工がAPEC会場向けで
 川崎重工業は、2012年にロシア・ウラジオストックのルースキー島で開催されるAPECサミットの会場で使用する電源設備として7千kW級のガスタービン発電設備を連続受注したと発表した。ロシアの極東電力から双日が主契約社となって受注したもので、APECサミット会場で使用する電力と熱需要向けにガスタービン発電設備及び温水ボイラで構成する総合効率約80%のコージェネレーションシステムとして建設される。
 サミットが開催されるルースキー島では11年秋までは天然ガスパイプラインが開通しないため、その間は軽油を燃料として、開通後は天然ガスを燃料として使用できる「デュアル燃料」型のガスタービンが採用された。
 今回受注したのは1号機と2号機で、1号機は今年11月に、2号機は10年5月の運転開始が予定されている。また、11年夏に稼働予定の3号機、4号機についても受注が内定している。さらに、今回の受注契約には3台の追加発注オプションも付いており、10年度予算による追加発注も予定されているという。
 搭載される7千kW級ガスタービン「M7A型」は川崎重工業の独自開発による「純国産ガスタービン」で、今年初めには累計生産台数が100台を超えたシリーズの中心機種。ロシアからの受注は今回が初めてとなるが、ロシアは世界最大の天然ガス生産国であり今後とも大きな飛躍が予想されるマーケットであることから、同社ではさらにロシア向けの市場開拓に注力していく。


環境アセス対象に風力も検討
 環境省は、環境影響評価制度の見直しを行っている専門委員会を開催、環境アセスの対象に風力発電を新たに加える方向で、議論を進めている。
 風力発電の立地については、現在1万kW程度以上の大規模な立地に対してはNEDOのガイドラインによってアセス等が実施されることになっているが、アセスが必ずしも充分に進められていない段階でも補助金等が交付されている例があることなどが問題視されている。条例によりアセスを求めている自治体も少数ながらあり、環境省では条例による規制がよいのか法によるアセス基準を準備するのか、今後の検討課題とする方向。アセス項目としては騒音、低周波、電波障害、地形及び地質、鳥類、鳥類以外の動物、植物、景観、人と自然とのふれあい活動の場、日照障害などが考えられている。
 風力発電については、環境省によると08年度末の国内の導入量は1517基で185万kWを超え、そのうち1千kW以上の大型機が90%以上を占めるなど大規模化か進んできており、騒音や低周波音などに対する苦情の発生件数が増加するなど立地上の課題が顕在化してきている。


自動車用蓄電池の再利用事業化を検討 日産と住友商事
 日産自動車と住友商事は、電気自動車用のリチウムイオン蓄電池の再利用を事業化することで合意し、共同で検討を開始すると発表した。
 電気自動車に搭載し使用済みとなった蓄電池で再生可能なものを有効利用する観点から、家庭や業務用の定置用の蓄電設備として再利用する。今後、電気自動車の普及に伴って大量の使用済みの蓄電池が発生することが予想されるため、回収した使用済み蓄電池を自動車用として再利用・再販売したり、定置用のエネルギー貯蔵システムとして再生品化・リサイクル使用する可能性について検討していく。
 電気自動車の普及に伴って再生蓄電池の需要増も期待できることや、使用後も70〜80%程度の残存容量があるものについてはエネルギー貯蔵用などの再販売用途が期待できると考えている。
 再生蓄電池の主な用途としては、住宅用や事業目的用の太陽光発電との組み合わせによるエネルギー貯蔵、バックアップ電源、無停電電源装置、電力グリッドの負荷平準化用アイテム、風力発電や太陽光発電の出力変動の平滑化などが考えられている。


その他の主な記事
・環境省がアセス対象に風力も検討
・上期国内工場立地件数が大幅減
・経産省が税制改正でヒアリングを実施
・産総研が太陽電池研究でコンソーシアムを設立
・11月に風力シンポを開催
・JR東日本が蓄電池走行車両を開発
・関西電力が不動産会社を取得オール電化を強化
・日立化成がリチウム電池を増産へ
・ブリジストンが太陽電池の保護シート膜を増産へ
・新日石が炭化水素ガス回収装置を中国で製造販売へ
・JVETS第5期参加者採択
・J−VER説明会第2弾を開催
・低炭素地域づくりで京都と福岡決まる
・日米スマートグリッド実証研究者を募集
・グリーンエネ拡大シンポ12月に
・地熱開発の調査重点地域の調査委託と地熱開発2次決まる
・住宅内交流・直流システム調査はJEITA
・09年2次省エネ革新技術開発決まる
・11月のJPIセミナー
・低炭素地域づくりで京都と福岡決まる  etc.



シリーズ連載
・日本版グリーンニューディールを考えるB
 = ポスト京都で産業構造を転換=
 (井熊 均・日本総合研究所 創発戦略センター所長)
・カーボン・マネジメント入門S
 「スマートグリッドと排出権(下)」
 (大串卓矢・スマートエナジー 代表取締役社長)
・新刊紹介:「ビジネスに役立つ!末吉竹二郎の地球温暖化講義」
 (末吉竹二郎著 東洋経済新報社)
・キーパーソン
 「低炭素社会をキーワードに日英の関係強化を図る」
 英国主席大臣兼ビジネス・イノベーション担当大臣ピーター・マンデルソンさん


コラム
・発電論評<分散型電源にもハイブリッド化の波>
・プリズム<25%削減について、各業界の反応は>
・ちょっと一休<康子19才 戦禍の日記>
・青空<国土交通省キャリア官僚>


分散型電源にもハイブリッド化の波【発電論評】

 今年開かれている東京モーターショーに行ってみた。例年に比べて華やかさはないものの、未来の車作りを目指す最新の自動車技術が紹介されていてそれなりに興味深かった。今回の提案の中心となっていた技術はハイブリッド自動車と電気自動車という印象を受けた。環境技術として次世代の低炭素社会に向けた具体的な提案というわけだ。
 ハイブリッド自動車は、文字通りエンジンと蓄電池を組み合わせてエネルギー効率のいい使い方をするというもので、最近のハイブリッド技術の進化はエンジン側よりも蓄電池側の技術開発の進展に拠るところが大きい。中でも特筆すべきは、リチウムイオン蓄電池の開発、実用化ということだろう。これによって、これまで「貯められない」といわれてきた電気が「貯めて使う」ことが可能になろうとしているのだ。
 最近、話題が集中している感のあるスマートグリッドにしても供給と需要の中間で電気を貯蔵できることがシステム実現へ向けた可能性を大いに高めることにつながっている。
 蓄電池の技術開発が加速化することで、電気の利用方法が飛躍的に拡大することが考えられる。
 その一つに、分散型電源としてのバッテリー利用の拡大が考えられる。現在、分散型電源設備の主流は発電機であり、ディーゼルエンジンやガスエンジン、ガスタービンなどを駆動源として発電する。最近は、これに風力発電や太陽光発電などの新エネルギー電源が加わってきている。これらのいずれもが、当然のことながら「電気は貯められない」ことを前提にシステム設計されている。
 ところが、蓄電池の高性能化はこうした分散型電源のハイブリッド化に道を開くことになる。自動車と同様に、安価な深夜電力や風力、太陽光発電などの電力を蓄電池に貯めておいて必要な時に出力、使用した分だけ自家発で発電し充電しながら使用する。こうすることで、余剰電力の発生を気にすることなく、発電した電力がすべて無駄なく使用できるようになる。また、同時同量を気にすることなく発電機の定格運転が可能になることも効率アップにつながる。
 さらに、それぞれを単独で使用する場合に比べて発電機や蓄電池も小容量のものでよくなること、個々の需要側の必要に合わせた組み合わせや機種選択の幅が広がることなどのメリットも期待できる。
 必要なことは蓄電池か発電機かの2者択一ではなくハイブリッド化してそれぞれの特徴を活かすシステムとすることである。そうすることで非常用、常用を問わず、より省エネルギーで省CO2、そして何よりも省コストの、次世代型の分散型電源システムとして新たな市場形成が考えられることになる。