2009年925日号

袋ごと生ゴミをバイオガス化 大阪ガスが技術開発に成功
 大阪ガスは、生ゴミをゴミ袋ごとバイオガス化する技術を開発、年内にも自治体と協力して実証事業を開始する。
 ゴミ袋を石油由来の原料から植物由来の原料とし、ゴミ袋に入れたまま一般家庭などから排出される生ゴミを短時間に分解・発酵し、再生可能エネルギーとして回収できる。
 大阪ガスが持つ、80度C程度の高温で可溶化した生ゴミをバイオガス化できる「超高温可溶化技術」と組み合わせることで、バイオガス発生量が従来に比べて20%程度増加することが確認できた。
 従来の生ゴミのゴミ袋は石油由来の樹脂でできているためバイオガス化できず、生ゴミとゴミ袋を選別することが必要で、生ゴミのバイオガス化にはゴミ袋の処理が大きな障害になっていた。
 大阪ガスが開発したゴミ袋は、植物由来の原料を発酵させて得られる乳酸を重合させたポリ乳酸を主成分とするポリ袋で、短時間にバイオガスとして回収できる。乾燥重量の約10%程度を占めるゴミ袋をバイオガス化することで、エネルギー回収量も約10%程度増加させることができ、ゴミ袋の分別や破砕等の処理が不要になることにより、全国的にゴミ処理場でのバイオガス化プラントの採用が期待できることになる。
 大阪ガスでは、実用化に向けて実証試験の実施を検討しており、年内にも関西地区の自治体と協力する形で、生ゴミのバイオガス化の実証事業を始めることにしている。


三洋電機が高効率太陽電池を超薄型化
 三洋電機は、結晶シリコン系太陽電池である「HIT太陽電池」を超薄型化した研究レベルの太陽電池で、実用サイズの世界最高効率に迫る22.8%の変換効率が達成できたと発表した。
 100平方m以上の実用サイズの製品では23.0%の世界最高の変換効率を今年5月に達成していたが、セルの厚みを半分以下にしたセル厚98μmの太陽電池でも22.8%の変換効率が確認できた。発電層であるシリコンウェハを薄膜化した上で高効率の変換効率が維持できることで、太陽光発電システムのさらなる低コスト化に弾みがつくことが期待できる。
 シリコンウェハを薄膜化すると光吸収量が減少するなどにより変換効率が低下するが、三洋電機では、薄膜化しても高い開放電圧が維持できる高電圧接合技術や光閉じこめ効果の改善技術を開発し、高い発電効率が維持できるセルの開発に成功した。今後は、量産化に向けた技術開発を進める。


1基20万円で充電スタンドを販売へ パナソニック電工が開発
 パナソニック電工は、パブリックエリア向けの200Vコンセントで電気自動車に充電できる充電スタンドを開発した。10年夏からの販売開始する。
 電気自動車やプラグインハイブリッド自動車が増えると、出先での充電需要が増すことを念頭に、多くの場所で充電コンセントが利用できる環境整備に役立てるのが狙い。屋外設置が可能な自立型の充電スタンドで、設置後にも200Vと100Vのコンセントユニットの増設が出来る。電気自動車やプラグインハイブリッド自動車ユーザーの利便性を高める製品として、主に市役所や図書館などの公共施設や、企業の駐車場での設置を想定している。普通充電専用器で急速充電機能はない。
 希望小売価格は約20万円で、11年度には1万台の販売を目標にする。


電力入札資格に調整後排出係数を採用へ 環境配慮契約法基準で
 環境省は、環境配慮契約法に基づく電力事業者の入札参加条件となる裾切り基準に、CDMクレジットなどを電力の排出係数に反映させることにした。国や国の機関が電力購入契約の入札を行う場合の参加資格に適用する。
 9月17日に、見直しのWGを開催し、裾切り基準に使用する電力の排出係数を京都メカニズムに基づくクレジットを利用した「調整後の排出係数」で一本化することを決めた。入札に参加する電力事業者の排出係数には、温対法に基づくものが用いられることになっていて、これまでは電力会社ごとの電源構成を反映した「実排出係数」が用いられてきたが、温対法が改正され、実排出係数とともに調整後の排出係数も反映できることになったため、環境配慮契約法上の排出係数の見直しが行われたもの。
 WGでは、@これまでどおり実排出係数を使用するA調整後の排出係数を使用するB実排出係数と調整後の排出係数を両方使用する−という3案について検討した結果、「入札者の裾切り基準として使用するものであり、排出係数が入札結果を左右するものではない」という考え方で、調整後の排出係数に一本化することを決めた。
 環境省では、パブリックコメントなどの手続きを経て、年内にも基準を改正する。新基準は来年度の契約分から適用される。


その他の主な記事
・太陽光買取制度は11月から予定通り実行
・環境省、カーボンオフセットで2件を認証
・環境省、J−VERモデルに3種類を追加
・09年度オフセットモデル事業に8件を採択
・丸紅がタイからGTコージェネを受注
・カネカが欧州に太陽光の研究拠点
・新日石が創エネハウスを一般公開
・ネクスト社が40Wの太陽電池を販売へ
・矢野経済研が太陽電池の市場調査
・東京電力がバングラデシュの電源計画を受託
・九州でもNEDOシンポ
・NEDO関西が新・省エネシンポ
・11月19日にコージェネシンポ2009
・NEDOがBEMSで発表会
・NEDOが新エネ導入ビジョンで公募
・10月にスマグリなどでJPIがセミナー
・6月のRPS認定設備認定状況
・バイオマスなどテーマにLPGセンターが成果発表会  etc.

<インタビュー・この人に聞きたい>
・民主党 参議院議員 藤末健三 氏
 =期目標マイナス25%への道筋=
 日本の温室効果ガス削減の「中期目標」は、政権交代によって90年比−25%に変わった。しかしながら、どのような政策を通じて削減するのか、具体策が不明確なままに国民に対する痛みばかりがメディアで強調されている。民主党参議院議員の藤末氏に、環境と経済を両立させる25%削減に必要な、ロードマップを伴う産業政策の方向性などを聞いた。

シリーズ連載
・日本版グリーンニューディールを考えるA
 =コストを市場に転換できる地球温暖化対策事業=
 (井熊 均・日本総合研究所 創発戦略センター所長)
・カーボン・マネジメント入門Q
 「スマートグリッドと排出権(上)」
 (大串卓矢・スマートエナジー 代表取締役社長)


コラム
・発電論評<25%削減達成にネットワークの開放を>
・プリズム<環境と経済の両立の中での民主党色>
・ちょっと一休<REJAの20周年記念式典>
・青空<公共インフラの生命線>


25%削減達成にネットワークの開放を【発電論評】

 民主党新政権が始動。早々に、前政権が掲げたCO2削減の中期目標を覆し、90年比25%削減という方針を国際公約とした。
 困難を伴うことは確かだが、経済や産業が疲弊したり高コストの負担に耐えられるのかといった心配ばかりが飛び交っているのはどうなのか。まず、心配するよりもどうすれば達成できるのかを考えてみたい。
 初心に返って考えてみると、CO2排出量の90%以上は、エネルギー起源のもので、化石燃料の使用がその主な原因とされる。化石燃料を減らすには、使用量を減らすこと。そのためには、使わないで我慢するか、効率的に使い方を工夫するのかということになる。また、化石燃料以外のエネルギーを使うというのも一つの手段。
 前者はコージェネレーションなどの高効率技術で後者は再生可能エネルギーが現実的な解決手段になる。コージェネだけで20〜30%程度の効率化が図られるというのは常識だし、再生可能エネルギーを組み合わせることで、さらなる省CO2の上積みができる。
 コージェネや再生可能エネルギーは、既存の技術であるにもかかわらず、高コストだという理由で普及が遅れ、普及しないが故に周知されないというジレンマに陥っている。
 コストの他にも普及を後押しする制度が考えられていないということも大きな要因だが、まず、コージェネや再生可能エネルギーを使いやすくすることで、別の可能性が見えてくる。例えば、イニシャルコストを下げるため、リースやエネルギーサービスが利用できるようにするというのも一つ。サービス事業者が家庭の屋根を借りて太陽光発電し、発電した電力を売る。さらに、余剰電力を外部に売れるようにする。それだけで、太陽光電力の流通量が増えることは確実だ。そのためには、発電サービスが可能になるような事業法の改正を含めた制度整備が必要になる。また、ネットワークを自由に利用できるようにすることも重要になる。
 特に、現在の託送制度の見直しを考えたい。新政権は、高速道路の無料化を打ち出している。来年度から「社会的実験」として段階的に地方の高速道路から無料化を開始するという。社会インフラを有効利用して経済効果を上げることが目的だということだが、同じ考え方で電力ネットワークを社会インフラだと考えると、例えば、再生可能エネルギーの流通に必要なだけのネットワーク容量を国が買い上げて、再生可能エネルギーの託送を行う自家発やエネルギーサービス事業者などにネットワークを無料開放すると、再生可能エネルギーの流通が大胆にできる。
 中期目標をあっさりとひっくり返した新政権に、エネルギーの世界でも大胆な革新的視点を期待したい。