2009年85日号

RPS新義務量、14年度に134億kWhに
 RPS法に基づく義務量の見直しを検討している小委員会が、7月27日に開いた第10回の会合で14年度の利用義務を伴う新目標を134.3億kWhとすることを決めた。固定価格買取制度の対象となる太陽光発電分を除いたため、新目標は現行の義務量に比べて25.7億kWh低くなった。また、買取対象の太陽光分を加えた総量を利用義務のない目標量として173.2億kWhとすることにした。
 現行の利用義務量は、10年度以降122億kWhから14年度の160億kWhまで、毎年段階的に9.5億kWhずつ引き上げられることになっていた。固定価格買取制度の導入が決まり、太陽光発電を2020年に現状の20倍程度普及拡大させるという政府の新目標が決められたことから、その影響を受けるRPS法に基づく利用義務量についても見直しの必要が出ていた。
 新目標の設定にあたっては、固定価格買取制度によって拡大が図られる太陽光については、電力会社に利用義務を課すべきではないという考え方から利用義務量の枠外として、14年度に134.3億kWhという新義務量を算定した。新義務量の内訳は、風力が77億kWh、バイオマスが48億kWh、水力・地熱が9億kWhで、これらは従来の推計値をそのまま採用。これに買取制度の対象外となる事業用などの大規模太陽光分0.3億kWhを加えた134.3億kWhを新義務量とした。


新エネ、化石の高度利用義務で、小委が事業者の裾切り基準
 資源エネルギー庁は、8月3日に、総合資源エネルギー調査会総合部会の供給構造高度化小委員会(委員長・石谷久東京大学名誉教授)を開催し、電力事業者やガス事業者に非化石エネルギーの利用や化石燃料の高度利用を義務づける具体的な制度設計に向けた議論を開始した。
 規制対象となる事業者については、一般電気事業者、PPS、一般ガス事業者、ガス導管事業者、大口ガス事業者、石油製品の製造・供給事業者とし、規制対象とする燃料製品については、石油製品(ガソリン、灯油、重油、石油ガスなど)、可燃性天然ガス、コークスとすること。再生可能エネルギー源として、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスとすることなどが示された。
 電力事業者の裾切りは、1年間の供給電力量が5億kWh以上の一般電気事業者とPPSを特定エネルギー供給事業者として規制対象とする。PPSの約半数は対象を外れることになる。また、ガス事業者については、年間の天然ガス製品の供給量が900億MJ以上、石油事業者は、ガソリン供給量60万kL以上の事業者が特定エネルギー供給事業者となる。年間供給量でみた事業者のカバー率は、電気が約99%、ガスが約67%、石油が約98%。ガスのカバー率が低いのは、事業規模が小さい事業者が多いこと、また、利用対象となるバイオガスの供給量や地域が限定的であるなどの実態を考慮したとされた。
地域熱供給事業者やLPガス事業者は規制対象から外れる。
 ガス導管事業者や石油会社などの特定燃料製品供給事業者の裾切りは、ガス事業者が可燃性天然ガス量年間120万トン以上、原油量300万kL以上。


デンヨーがLPガス燃料の「非常用発電機」を発売
 デンヨーは、LPガスを燃料とする非常用ガスエンジン発電機「LEG−5500」の販売を開始した。自動始動盤、電源切替器、定期保守点検用運転タイマーなどすべてを内蔵した国内初のオールインワンタイプで、停電の検知から50秒で送電が可能。復電後は自動的に発電機が停止する。
 出力は5.5kW。単相機のほか3相機もラインナップし、モーターなど回転系の設備にも電力供給できるようにした。停電時でもLPガスの充填所で充填作業が可能となる。ガス充填所を始め災害避難所、公民館、病院など災害時の重要施設向けに販売する。価格は単相機が147万円(税込み)、3相機および3・単相同時出力機が168万円(同)。年間100台の販売目標。
 同社は、建設市場向け可搬型発電機では国内シェアの6割以上を占める。建機需要が落ち込む中、一昨年には非常用発電機製造・販売大手の西日本発電機(佐賀県唐津市)を子会社化するなど、非常用市場への参入を本格化させており、同市場向けでも今年度は、デンヨーブランドのみで倍増となる約200台の販売を目指す。


東京電力がエコキュートと太陽熱のハイブリッドシステムを共同開発
 東京電力はデンソーと矢崎総業の3社で、エコキュートとソーラーシステムを組み合わせた家庭用給湯システム「太陽熱集熱器対応型エコキュート」を共同開発したと発表した。
 深夜電力と外気熱を活用するエコキュートと太陽熱を利用するソーラーシステムを組み合わせることで、エコキュート単体だと3.1の年間給湯効率を5.0程度にまで高めることができる。ソーラーシステムを利用することで一般家庭で1年間に消費するエネルギーの約8割を再生可能エネルギーで賄えることになるという。システムは矢崎総業が来年2月から販売を開始する。
 今後は、集合住宅向けのシステム開発についても3社で検討することにしている。


その他の主な記事
・環境配慮契約方針、電力など見直しへ
・温室ガス排出係数など、環境省が見直しへ
・電力・ガス事業など裾切り基準示す 高度利用小委が初会合
・新エネ買取など 民主党のマニフェスト
・RPS供給電力、08年度は79億kWh
・プラントメンテ協会が技術訓練講座
・第3回バイオ燃料展開く
・川重が中国に汎用エンジン工場
・jパワーと中国電力が8年後にIGCCの実証試験
・ニッポンレンタカーが軽井沢にエコ営業所
・イオンなど5社がJ−CLPを設立
・ミニストップが廃食用油をバイオディーゼルに
・住友商事が米国で大規模風力事業に参入
・昭和電工がPEFC用の高性能セパレーターを開発
・東京電力ら3社がエコキュートと太陽熱の複合システムを開発
・豊田通商がエリーパワーに資本参加
・デンヨーがLPG燃料の非常用発電機を発売
・農水省が農漁村の太陽光導入を補助
・09年度省エネ大賞の募集始まる
・有機資源協が8月と9月にバイオマスサロン
・国内バイオマス視察、北海道で
・温暖化防止活動大臣表彰の募集開始
・電力会社向け中小水力補助の募集開始
・カーボン・オフセット初の認証3案件決まる  etc.

<企画・特集>
・ゼロ・エミッション住宅を実現するエネファーム
 次世代エネルギーシステムの先駆けとして家庭用燃料電池システム「エネファーム」の販売が始まった。「エネルギーを使う家から創る家へ」というキャッチコピーで、太陽光発電などと組み合わせて、一般家庭でも低炭素エネルギーが自ら選択できる道が切り開かれることになる。さまざまな省エネ・新エネ・環境技術を組み合わせることで、快適な生活を実現しながらも、CO2の削減量が排出量を上回る「ゼロ・エミッション住宅」。エネファームの普及にかけるガス会社、石油会社、住宅メーカー各社のプロモーション戦略と、普及を後押しする資源エネルギー庁の戦略をインタビューした。

シリーズ連載
・公共施設の新エネ・省エネモデルプラン
 高仲日出男/市町村情報ネットワークセンター事務局長
 =第5回 ヒートポンプシステム=

・カーボン・マネジメント入門M
 「自治体のCO2規制の幕開けに」
 大串卓矢/日本スマートエナジー代表取締役社長

・キーパーソン
 齋藤圭介/資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長

コラム
発電論評<ランニングコストが極小の自然エネルギーに注目>
・プリズム<CO事故防止には警報機の義務づけを>
・ちょっと一休<あまりに早い辻編集委員の死>
・青空<理想のぶつかり合いに期待>


ランニングコストが極小の自然エネルギーに注目【発電論評】

 風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーには低炭素社会を支える電源として期待が高まっているが、導入後は燃料費が不要でランニングコストが極小にできるということにもっと注目が集まっていいのではないか。
 再生可能エネルギーに分類されるものは、バイオマスを除いては燃料費がかからない。風力発電や太陽光発電はとりあえず設置してしまえば、基本的には無料で発電してくれる。風力や太陽光の他にも、水力も自然エネルギーだ。最近注目されているものには中小河川や農業用水などの未利用の水流エネルギーを、そのまま使って発電する中小水力発電の技術開発にも期待が高まっている。また日本近海には豊富な海流や潮流エネルギーも未利用なままに眠っている。さらに、最近の技術開発によってヒートポンプ技術を利用する「空気熱」利用システムの普及も急速だ。
 こうした、自然エネルギー利用設備は、ほとんどのものが技術開発の途上にあり導入コストの負担が大きい。それが発電コストを押し上げにつながり普及を妨げている最大の要因となっている。
 こうした中で、年内にも太陽光発電の固定価格買取制度が開始されようとしている。衆院選挙で政権交代があれば、太陽光以外の再生可能エネルギーも含めた全量買取制度も検討されるかもしれないという雲行きだ。
 いうまでもなく、固定価格買取制度は、太陽光発電の導入コストを売電によって回収しようというもので、現在進められている制度設計によると10年程度でコスト回収ができることになる。太陽光発電を設置すると10年経てば、無料の電気が使えるようになるということだ。太陽光発電の製品寿命は長いので、その後、かなりの期間、無料の電気が使えることになる。
 固定価格買取制度の対象は、産業用や業務用でも500kW以下程度の自家発なら対象となるので、10年経つと無料の電気が使える。そう考えるとメリットは大きいといえるのではないか。太陽光パネルは屋根材や壁面材としての機能も期待できるので、コストの一部をそれに振り向けることもできる。
 固定価格買取制度は太陽光の普及拡大に大きな力を与える制度だといえるが、さらにイニシャルコストの負担を下げるためには、リース方式なども、もっと推奨されてもいいのではないか。特に既築の建物などに導入するには、リースで購入し、売電料金でリース料が支払えるようになると、導入コストの負担無しで太陽光発電が設置できることになる。
 固定価格買取制度と組み合わせて、そんな新たなビジネスが広がる方向は目指せないものだろうか。