2009年325日号

コージェネセンターが合併、天然ガス導入促進センター高度利用促進本部に
 日本コージェネレーションセンター(平田賢会長)が、4月1日付で天然ガス導入促進センター(CPNG、野村明雄理事長)に合併、CPNG内に移管されることになった。
 CPNGの高度利用促進センターを高度利用推進本部に改組してコージェネレーションセンターを合併、コージェネセンターの機能・業務を引き継ぐとともに、今後ますます強化される地球温暖化対策の有効なシステムとしてコージェネレーションシステムの普及に向けた取組を強化する。
 コージェネレーションセンターは、85年に平田会長らによってコージェネシステムの調査研究と普及拡大を目的に創立。以来、研究会からセンターへと機能や組織の充実や拡大をはかりながらコージェネ普及の中核団体として、国内のコージェネ導入量を国際的にもトップレベルに引き上げるなど大きな役割を果たした。また、システムの高効率化や環境対策、高機能化などの技術開発面でも多くの功績を残してきた。
 CPNGでは、コージェネセンターを合併するエネルギー高度利用促進本部を中心に、コージェネシステムのさらなる普及と天然ガス利用技術の高度化に向けた取組を強化する。同本部は現在のコージェネセンター所在地に移り、4月から業務を開始する。本部内に、コージェネレーション普及促進センター(CGC)と広報部、業務部を置いた体制で、コージェネセンターの機能と業務は維持する。平田会長はCPNGの特別顧問に就任する。


水素製造時のCO2を半減 東京ガスが冷凍回収技術を開発
 東京ガスは、化石燃料からの水素製造で、世界最高水準である約80%の製造効率を保ちながら水素を製造する実証試験で、CO2の排出量を従来の半分に抑える技術開発に成功したと発表した。
 既存の都市ガスの導管網を活用してCO2排出量の少ない水素が製造できる実現性の高い技術として、将来の水素利用社会へ向け準備を進める。
 燃料電池自動車向けの水素ステーション用の高効率水素製造装置を開発する実証試験で、水素分離型リフォーマーを使用して発生するCO2を分離回収した。CO2の分離回収に伴うエネルギー損失は約3%程度にとどまり、水素製造効率を80%程度に維持したまま、水素が製造できることを確認した。
 CO2の分離回収は、改質器から排出される水素製造後の残りのガス(改質オフガス)中の高濃度のCO2を70気圧まで圧縮し、マイナス20度Cに冷却してCO2を液化。その他のガスと分離して回収する。メタンと水素の混合ガスである分離した残りのガスは、リフォーマーの燃料としてリサイクル使用する。
 使用している水素分離型リフォーマーは、東京ガスと三菱重工業がNEDOの委託事業として共同開発したもので、都市ガスと水蒸気の化学反応によって水素とCO2を作り、水素透過膜で高効率に水素だけを取り出すことができる。化石燃料からの水素製造方法では世界最高水準の80%以上の高効率で水素の抽出が可能。改質反応と水素分離が1段階のプロセスで同時に行えるため改質器の構造がシンプルでコンパクトにできるなどの特長がある。水素抽出後の70〜90%程度がCO2であり、CO2の回収が容易にできる。
 東京ガスでは、大幅なCO2削減を実現しながらオンサイトでの水素製造を可能にする技術として、水素ステーションを核とした「ローカル水素ネットワーク」の展開を視野に、燃料電池自動車への燃料供給や、周辺エリアでの家庭、オフィス、工場等へ導管による水素供給を行うことを想定し、コージェネシステムによるエネルギーの面的・ネットワーク的利用の実現に向けて開発をさらに進めていく。


太陽光産業育成へ経産省が報告書
 経済産業省は太陽光発電の関連産業の競争力を強化して、今後の主要産業として育成することを目的にした研究会での検討結果を報告書として取りまとめた。
 供給サイド、需要サイド、制度環境の整備の3方面での取り組みを実施することで、量産効果と技術革新により数年後の短期間にシステムコストを現状の半分程度に削減するなどで日本メーカーの国際競争力を維持・向上させ、2020年には世界シェアを30%以上にまで高めることを目指す。太陽光の関連産業を国内で拡大することによって経済効果を最大で約10兆円、雇用規模は最大約11万人が期待できるとしている。
 供給サイドの必要となる取り組みとして整理されたのは、太陽光システムのコストを半減させ、系統電力と同等程度の価格の実現を目指す。さらに薄膜太陽電池などの第2世代のシステムで2020年までに1kWhあたり14円程度、30年には7円、30年以降の次々世代システムでは発電効率40%以上を目指す。
 また、産業化の観点から、コストの安い汎用製品の海外展開と新型の国内立地など製品の棲み分けや、性能・安全評価などの国際的な整合や基準化、コスト低減のためには、原材料の調達や周辺機器の低コスト化、物流・販売・施工段階のコスト低減の取り組みを一体化して行う必要があることなどを課題としてあげている。


大阪ガスが中期経営計画で電力事業の強化目指す
 大阪ガスは3月13日、2020年を見据えた長期経営ビジョンと、それを実現するための13年度までの5カ年の中期経営計画「フィールド・オブ・ドリームス2020」を発表した。
 「国内エネルギーサービス事業」「海外エネルギーバリューチェーン事業」「環境・非エネルギー事業」の3つの事業領域を柱に、グローバルなエネルギー・環境企業グループへの発展を目指す。新規分野や海外を中心に20年度までに1兆5千億円を投資し08年度、1兆3350億円(見込み)の連結売上高を20年度には2兆円にまで拡大する。
 主力の国内エネルギーサービス事業では、ユーティリティーサービスやエナジーバンクによるエネルギーファイナンスといった高付加価値の提供と、西日本各地域のエネルギー事業者との連携による広域展開を進める。このため、14年度開通に向け「姫路〜岡山ライン」(約85km)の導管建設に着工する。
 13年度頃には近畿圏のガス事業の利益と、それ以外の事業の利益を同等規模にすることを目指し、電力事業をガス事業に次ぐ収益事業と位置付けた。発電能力は、国内では09年度から泉北天然ガス発電所110万kWが加わり170万kW、海外124万kWだが、これを20年度には全体で1.5倍の450kW規模にまで拡大する。
 また、都心部での複合地域冷暖房システムや団地再生に対応したエルギーのネットワーク化技術、家庭用でも「コージェネ+太陽光発電+蓄電池」といったエネルギー供給システムの技術開発に取り組む。


その他の主な記事
・料金制度小委で新エネコストの回収方法を議論
・中環審部会が時期温暖化対策を中間整理
・太陽光アクションプランをフォローアップ
・ウクライナから3千万トンの排出枠を購入
・J−VERで環境省が事業報告会
・ジェットエンジン用耐熱合金の製造技術を開発
・パナソニックがCO2ゼロ生活を提案
・日本風力が蓄電池併設を米国に技術支援
・富士電機が太陽光事業を強化
・京都大学で低コストの太陽電池用シリコン製造法を開発
・太陽光発電の情報サイト開設
・三菱重工がJ形ガスタービン
・エネ管理支援サービスは拡大傾向の調査結果
・三洋電機が電気を通すプラスチックで新製法を開発
・電中研が事業計画を公表
・CCS調査が東京大学と共同研究
・一般家庭に直流で(次世代高効率エネ利用住宅)
・エナジーグリーンが印刷用紙にG電力
・HOSPEX JAPAN2009の出展者募集
・NEDOが地熱発電募集
・エネ管理特別研修、省エネセンターが6月に開催
・NEDOが使用合理化支援の募集開始
・IGESが排出量取引の方向性でシンポ
・CFGが温暖化ガス削減支援
・4月のJPIセミナー  etc.

<インタビュー・この人に聞きたい>
・森島昭夫・日本気候政策センター理事長/地球環境戦略研究機関特別研究顧問
 =米国の環境エネルギー政策と中期目標=
 オバマ大統領によって大きく変化した米国の環境エネルギー政策を中心に、元中央環境審議会の会長として日本の環境政策への関わりが深い森島昭夫日本気候政策センター理事長にインタビューした。米国は、今後どのように変わっていくのか、一方、日本は、「中期目標を設定する以前に、脱化石燃料へ向けての産業政策や社会像のビジョンが必要」と指摘する。

シリーズ連載
・カーボン・マネジメント入門I
 「注目度高まる太陽光発電の魅力」
 大串卓矢・日本スマートエナジー代表取締役社長
・エネルギーと世界経済の潮流D
 =技術革新が不可欠な再生可能エネルギー=
 寄稿:岩間剛一和光大学経済経営学部教授


コラム
・発電論評<新エネコストと料金制度の考え方>
・プリズム<系統電力の低炭素化に高効率のGT>
・ちょっと一休<日比谷高校のラグビー部の仲間たち>
・青空<黄砂が飛来する季節が来た>


新エネコストと料金制度の考え方【発電論評】

 太陽光発電の固定価格買い取り制度の導入で、購入費用をどのようにコストに振り分け料金に転嫁していくのか、検討作業が始まっている。「広く国民全体で負担する」という方針のもと、示された行政側の原案では託送料金への転嫁など従来と同じ仕組みで回収することが提案された。
 これには異論が相次いでいる。「太陽光のコストだというが、太陽光を持てるのは戸建て住宅を所有者に限られ、戸建て住宅に住めない者が負担するというのは公平性に欠ける」。「負担が必要なコストは導入する新制度での上乗せ分なのか。それとも、余剰電力買い取り料金、あるいは、電力会社の平均発電コストを差し引いた分なのか。50円全部とするのは矛盾がある」。「太陽光などの環境価値を利用できないPPSの需要家にも託送料金などで負担を求めるのなら環境価値も移管するべき」。等々、様々な疑問や課題が指摘されていて今後の検討課題となった。いずれの指摘も、制度に含有されるコスト問題の本質に迫るものばかりといえるが、なかでも、コストの算定方法や環境価値の算定などは重要な指摘だといえる。
 そもそも、新エネの導入によって必要が無くなる電源もあり、その削減分を差し引いた上でコスト算定を行うべきだというのは正論だといえる。
 では何を差し引くのか。太陽光によって発電量が減る電源を特定すればよいのだが、従来の電力会社の説明では、供給電力は原子力や水力、火力などの電源を複合的に運転しているため、電源を特定することは難しいというものであった。となれば、排出係数の算定と同様に全電源平均の発電コストということになる。また一方で、コージェネレーションなどの余剰電力の買い取り制度もあり、この場合は、火力の焚き減らし分の燃料費相当分ということで料金が決まっている。また、現在自主制度として運用されていている太陽光の24円程度の買い取り価格を差し引いた分という考え方にも説得力がある。いずれにしても、既にコスト化され反映済みのものは上乗せ分として認めないということである。
 もう一つの重要な論点は環境価値の移管の顕在化ということだ。現在、電力会社が購入しているRPS価値や電力には環境価値が考慮されていないため、電力会社はグリーン電力証書を無償譲渡されているといってもいい状況。RPS電力によって排出係数が削減できていることを考えれば、CDMクレジットなどの購入コストが削減できていることになる。その分をコスト削減分として計上するか、あるいはRPS電力提供者に還元するのかなど、議論の余地がある。
 有効な買い取り制度として機能させていくために、腰を据えた議論が期待される。