2008年925日号

大阪ガス、エコウィルが5万台突破
 大阪ガスは、家庭用コージェネレーションシステムの「エコウィル」の累計販売台数が5万台を突破したと発表した。
 エコウィルは小型のガスエンジンを使ったコージェネレーションシステムで、大阪ガスでは、都市ガス(天然ガス)を使って戸建て住宅に電気と給湯・床暖房などの熱供給を行うシステムを03年3月から販売しており、6年目の今年8月末で販売台数が5万台に達した。
 エコウィルは、発電効率22.5%、排熱効率63%と小出力のエネルギー供給システムとしてはエネルギー効率が極めて高いことが特長で、環境性、経済性、快適性がユーザーに高く評価され、販売台数が伸びている。
 大阪ガスによると、系統電力を購入し、熱は大阪ガスが供給するガスを燃料として給湯暖房機などから供給する従来型との比較では、年間の1次エネルギー消費量が約22%削減でき、エコウィル料金の契約を行えばランニングコストが約4万6千円安くなるという。また、CO2排出量も約32%削減できる。
 大阪ガスでは、エコウィルと太陽光発電を組み合わせたシステムを「W(ダブル)発電システム」として商品化しており、太陽光発電システムの出力の安定化や、よりCO2削減効果のエネルギー供給システムとして、既に1千件を超える設置実績がある。
 家庭用のコージェネレーションシステムについては、来年度から灯油やLPガス、都市ガスなど多様な燃料に対応できる固体高分子型燃料電池を搭載した「エネファーム」の本格販売も決まっており、エンジン式の「エコウィル」と燃料電池式の「エネファーム」という商品選択肢も増えることが期待されている。


木質バイオマス燃料の無償提供システムを開発 青森のシーバランス社
 シーバランス社(鹿内靖社長 本社・青森県むつ市)は、間伐材を活用したバイオマス燃料の「無償貸与・供給システム」を開発したと発表した。林地残材としてその利用が問題となっている間伐材に、バイオディーゼルの精製時に副産物として発生し廃棄処分される「廃グリセリン」を含ませて直接燃料化し、ボイラー燃料として工場などに無償貸与、化石燃料から燃料転換によって削減できるCO2削減分をクレジット化して対価として受け取り、クレジットを売却して、木質バイオマス燃料の製造コストを回収する。
 対価として受け取った、排出権は、10月から試行開始される国内排出権取引市場や環境省が推進する京都議定書に拠らない国内VER市場などで、カーボンオフセット用のクレジットとして流通・販売することを想定している。
 木質バイオマス燃料の無償提供を受ける企業側では、燃料転換による設備の交換が必要になるが、燃料転換に伴う化石燃料費の削減分で投資を回収することになる。
 シーバランス社は、ビジネスモデルとして自社で展開するほか、間伐材の活用用途の開発が必要な自治体などに提供して、森林整備の観点から問題が深刻化している間伐材の活用モデルとして普及させたい考え。


電力事業用メガソーラー14万kWを建設へ
 電気事業連合会は、2020年までに全国の約30地点で、約14万kWの太陽光発電設備を導入するという建設計画を明らかにした。
 福田ビジョンで示された太陽光発電の導入量を20年までに現状の10倍、30年には40倍に引き上げるという目標に、電力業界として積極時に応えていく方針に沿ったもので、まず、09年度までに既に建設計画が公表されている関西電力(2万8千kW)と九州電力(3千kW)の計画を含めて、合計4万kWの建設に着手するとともに、20年度までに電力10社の合計で約14万kWのメガソーラーを、自社の保有する発電所や変電所の空きスペースや遊休地など約30地点に順次導入していく。


国内排出量取引は4種類のクレジットを利用
 10月からの制度試行が決まっている国内排出権取引について、9月17日に開かれた地球温暖化問題に関する懇談会の政策手法分科会(座長・森嶌昭夫地球環境戦略研究機関特別研究顧問)に制度設計の原案が提示され議論された。
 提示された原案では、政府の目標達成計画の中で自主行動計画による産業用のエネルギー起源のCO2削減の促進に活用できることを主な目的として運用することを目指し、@個々の企業等(自主行動計画)の排出削減目標の超過達成分A環境省自主参加型排出量取引(JVETS)のクレジットB経済産業省が制度化を予定している国内CDM制度のクレジットC京都メカニズムによるCDM/JIクレジットの4種類の排出権を取引する市場として創設する。
 企業毎の自主参加とし、目標量の設定は自主行動計画の削減量を目安とした自主目標とすることを原則とし、原単位または排出量のどちらでも選択ができるようにする。環境省と経産省の制度に基づく参加者はそれぞれの制度内での削減目標や排出枠を使って取引に参加できる。
 また、制度には排出削減やクレジットを供給しない取引仲介者の参加も認めることとし、取引ルールの設定に当たっては「マネーゲーム」を排除するための工夫も施す。


その他の主な記事
・ナノ技術で躍進図るウイングターフ
・ECOMA開催、グリーンGEなどに注目・経団連が政策評価
・東電の夏期最大電力は6089万kWh
・チェコから排出権を購入へ
・6月のRPS認定設備は1万9千kW増加
・東京ガス水素ステーション、70MPaで実証
・アイスランドのEVインフラ整備に協力、三菱重工ら
・東京ガス木更津ラインが完成
・日本電産が東洋電機を買収
・LPガスコージェネ08年度2回目決まる
・エネルギー管理士研修受講者を募集
・BEMS導入支援で成果報告会
・東ガスと日冷学会がコージェネ技術で講習会
・GT、HPなどでJPIがセミナー
・DME機器の耐久性など、LPG研究成果発表会
・10月、11月にバイオマスタウンサロンを開催  etc.

シリーズ連載
・環環境・エネルギービジネスとSRI<第4回>
 =内外のSRIマネーの動向=
 寄稿:山本利明(社会的責任投資フォーラム運営委員)
・原油価格高騰の真相C
 =変貌するLNG市場リスク=
 寄稿:岩間剛一(和光大学経営学部教授)
・メーカーの今を探る
 =水素ビジネスへの参入を探る・辰巳菱機=

コラム
・発電論評<太陽光拡大と分散型システム>
・プリズム<原油価格下落で電気料金値上げ見直し>
・ちょっと一休<坂口電熱の奨学生と懇親会>
・青空<政治の季節である>


太陽光拡大と分散型システム【発電論評】

 電力業界が、太陽光発電を、発電所や変電所の遊休地などにメガソーラー発電所として2020年までに14万kWを建設するという計画を明らかにした。
 これまで、電力業界は自らが新エネルギー設備を導入することに対しては消極的で、家庭用の太陽光発電や発電事業者が建設した風力発電などから系統余力のある範囲で受け入れるというスタイルを貫いてきた。
 今回の、14万kWのメガソーラー発電所の建設計画は、それでも、福田ビジョンで想定される20年の導入目標の10倍目標と比べると1%にも満たないということになる。
 電力需要の頭打ちが続くという現状では、新規の発電設備の増強は、旧設備が余剰設備に変わるということを意味する訳で、そうした電力側の事情は理解できるにしても、10倍、40倍の導入目標が、目標通りに進展するのだとすると、その大半の太陽光発電設備または発電所の建設や運営は電力会社以外の事業者が担うことになり、その分の電力需要を電力会社側は失ってしまうということになる。
 さて、出力が不安定という太陽光などの新エネルギーの最大の欠点をカバーするために蓄電池併設型で出力を安定化させるということが現実化してきている。もう一つの出力安定化には自家発などの併設電源でカバーするという方法もある。ガスコージェネなどの小規模発電設備を併用することで、新エネ側の出力変動をカバーすることができる。
 家庭用の太陽光とガスコージェネや燃料電池を併設することでいつでも必要な電力や熱が供給できるシステムが可能となる。こうした家庭用の小規模なエネルギー設備の開発は急速に進んでおり、革新的な技術開発を待つまでもなく、現在販売されている設備機器の組み合わせで、電力の供給不安を招くことなく相当の省エネルギーや省CO2が簡単に行えることがわかっている。
 しかしながら、運用技術の開発がおくれているため、せっかくのシステム技術が生かされないままに埋もれてしまっている。
 そのためには、例えば、家庭用のエネルギーの利用効率の目標値を設定するというのも一つの方法だ。例えば80%以上といったエネルギー利用効率を目標として、その目標値を上回って運用した場合には、ランニングコストである燃料費の補助を事前、あるいは事後的に行うといった仕組みを導入すれば、省エネ投資が進みにくい小規模事業所や家庭などで、省エネや省CO2効果が飛躍的に高まることも可能になる。そうした輪の中に、電力会社も加わってエネルギーの高効率利用や新エネルギー利用の拡大に結びつけていくことを期待したい。