2008年725日号

07年度コージェネ導入量は4.8%増
 07年度のコージェネレーションの導入状況が相次いで発表された。日本コージェネレーションセンター(平田賢会長)と日本ガス協会(野村明雄会長)が、それぞれ、年度末時点での導入状況をまとめた。  コージェネセンターがまとめた、3月末のコージェネシステムの導入状況は、累計で922万7985kWで、前年度末に比べて4.8%増となった。原動機別の内訳は、ガスタービン(GT)が396万1437kW、ガスエンジン(GE)が221万7191kW、ディーゼルが304万9358kWで、累積容量は約3万kW程の減少となっており、燃料費の高騰により、ディーゼルからガスや系統電力への回帰の傾向が相変わらず続いている様子が窺える。  ガス協会がまとめた都市ガスコージェネの導入状況では、3月末の導入量は累計で431万1千kWで、前年度末に比べて30万8千kW増加、導入量の増加は70%以上が産業用で、工場などでの燃料転換が中心となっているが、まだまだ量的には導入量は少ない家庭用が件数では1万8666件増と急速に伸びているのが目立っている。

メガソーラーの導入計画を電力業界が年内に策定へ
 電気事業連合会の森詳介会長は、7月18日の定例記者会見で、低炭素社会の実現に向けた電力業界の取り組みの一環として、メガソーラー発電の導入規模や時期等について、年内にも具体的な計画をまとめ公表すると述べた。  太陽光発電については、福田ビジョンで示された「導入量を2020年までに現状の10倍、30年には40倍に引き上げる」という目標が示され話題となったが、この達成するためにも電力業界が率先してメガソーラー発電を導入し、電力業界として太陽光発電の導入拡大に積極的に取り組んでいくという方針を具体的に示した。これまでは家庭用や業務用などの自家用の太陽光発電を系統に受け入れてきたものを、今後は電力業界が自らの事業用電源として積極的に導入するという方針に切り替えるという姿勢を示したものとして注目される。

電力9社が託送料金の引き下げを届け出
 東京電力など8社は、9月1日からの電気料金の改定に伴って託送料金の引き下げを届け出た。  電気事業分科会が先頃まとめた答申内容に従って改訂を行うもので、託送料金の平均単価を、特高、高圧ともに引き下げるという内容。PPSの発電量と需要量が許容範囲に収まらないインバランス料金(負荷変動対応料金)についても3%を超える変動範囲外料金を引き下げるなど、算定方法を変更した。   届け出たのは、東京電力のほか、北海道電力、東北電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の7社。東京電力の場合、託送料金の平均単価は、特高が2.25円、高圧が4.24円となる。引き下げ率は特高が10.71%、高圧が9.21%。

ウクライナから排出枠を購入、グリーン投資スキームで
 政府は、京都議定書の目標達成に必要なCO2クレジットを取得するため、ウクライナ共和国と共同実施(JI)プロジェクトやグリーン投資スキーム(GIS)などで協力することで合意し、覚書に署名した。  京都議定書の目標達成計画の中で、国内で削減できない1.6%分についてはCDMやJIなどの京都メカニズムを活用して必要なCO2クレジットを確保することにしており、その一環としてウクライナからクレジットを購入することにした。民間のCDMクレジットではなく国家間で直接取引するのは昨年のハンガリーについて2カ国目。  GIS活用のスキームについては、京都議定書上の仕組みではないため、具体的なプロジェクトについては今後両国政府間の交渉を通じて順次決める。

環境モデル都市に帯広市など6都市を選定
 政府は、温室効果ガスの大幅な削減など低炭素社会の実現に向けて高い目標を掲げて先駆的な取組にチャレンジする環境モデル都市として6自治体を選定した。  モデル都市は、福田康夫首相が今年1月の施政方針演説の中で提唱していたもので、全国の自治体から応募のあった82件の中から、温室効果ガスの大幅削減や実現可能性など5項目の選定基準を満たした北海道帯広市、北海道下川町、横浜市、富山市、北九州市、熊本県水俣市の6自治体を選んだ。各自治体とも、温室効果ガス排出量を各基準年より50〜66%減らす目標を掲げ、再生可能エネルギーの拡大や、バイオ燃料の利用促進などを行い環境モデル都市を実現する。  政府は、財政的な支援や特区制度などを活用して支援するほか、今年度中に「低炭素都市推進協議会(仮称)」を創設し、低炭素社会のづくりを促進することも決めた。  また、東京都千代田区、長野県飯田市、愛知県豊田市、京都市、大阪府堺市、高知県梼原町、沖縄県宮古島市の7自治体を「環境モデル候補都市」とし、今後の取り組みで基準を満たせば、あらためて追加選定することを検討する。

その他の主な記事
・4月のRPS認定設備
・九州電力が中国でESCO
・丸紅、タイから38万kWのコージェネ受注
・横浜ゴムが自動車レースにグリーン電力
・三菱重工が中東からGT受注
・神戸製鋼が加古川の発電所を環境型に更新
・NECトーキン、新タンタルキャパシタ開発
・大同特殊鋼、愛知に新型太陽光の実証プラント建設
・神鋼が小型蒸気発電機で新機種
・大同特殊鋼の太陽光発電パネル
・神戸製鋼のスチームスター
・ウインプロとワンズが風力で提携
・山羊電機が高効率の無停電電源装置
・産総研がフレキシブル太陽電池の効率向上に成功
・PVシステム国際実証、富士電機Sに
・高効率エネ導入建築決定、BEMS2次と省エネ分析募集
・バイオマス先導技術決まる
・8月のJPIセミナー
・風力発電の高所精査と次世代(故障・事故調査)決まる
・LPガスコージェネ08年度決まる
・地域新エネ2次募集
・08年度太陽光FT(効率向上)決まる  etc.

<シリーズ企画>
・メーカーの今を探る─富士電機システムズ
りん酸形燃料電池(PAFC)開発では国内トップを走る富士電機システムズ。固体高分子型(PEFC)に注目が集まる中で、燃料電池の先駆市場を開拓してきたPAFCで、家庭用で市場形成を目指すPEFCとの相乗効果を狙って、産業用・業務用分野を対象に改めて販売強化を目指す。本格販売に向けた新製品開発と販売戦略について、エネルギー・放射線システム統括部の腰一昭・エネルギーシステム部長に聞いた。
・書評─「よくわかる最新バイオ燃料の基本と仕組み」井熊均・バイオエネルギーチーム 秀和システム
・キーパーソン─足立治郎「環境・持続社会」研究センター事務局長

シリーズ連載
・解説 カーボン・オフセットE<グリーン電力証書に追い風>
・原油価格高騰の真相A

コラム
・発電論評<統計データが語るコージェネ市場の変化>
・プリズム<目が離せない家庭用燃料電池の動向>
・ちょっと一休<「江戸仕草」の桐山さん>
・青空<人のためになること、してる?>


統計データが語るコージェネ市場の変化【発電論評】

 日本コージェネレーションセンターと日本ガス協会の統計が相次いで発表された。どちらも07年度の年度末時点で国内で稼働中の設備をコージェネレーションセンターでは、ディーゼル、ガスエンジン、ガスタービンの原動機ごとに、ガス協会の方は、都市ガスを燃料とする設備を対象にデータを集計している。
 今回の集計結果からは、国内のコージェネは900万kWを超え、着実に導入量が増えてはいるものの、燃料費の高騰問題を背景に、重油を燃料とするディーゼルコージェネはガス燃料への切り替えや系統電力への回帰などが引き続き見られ、稼働量そのものが減少していることが読み取れる。中には、設備はあっても運転停止中というものもある。
 一方で、ガスコージェネの導入実績は約430万kWに増え、着実に市場が拡大しているように見える。しかし、単年度の新規導入量をみると、前年度に比べて20%以上減少して約30万kWにとどまった。新規の導入量の増加の勢いにかげりが見られるということなのだが、これには、一部地域でのガス燃料の需給逼迫が続いていることや燃料価格も上昇していることなどの影響が考えられる。これまで、順調に稼働実績を伸ばしてきたガスコージェネ市場にも変革を迫る時代の波が押し寄せてきているといえるのではないか。
 注目されるのは、家庭用のガスコージェネが急激に伸びていることだ。まだまだボリューム的には大きな市場ではないが、それでも導入件数では前年度の5割り増しという猛スピードで市場が形成されてきている。
 家庭用のガスコージェネといえば従来のガスエンジンタイプに加えて、燃料電池もいよいよ本格導入の時期が目前に迫ってきている。4万時間の耐久性にも一応のめどが立ち、残る課題はコストだけという段階にきている。家庭のエネルギー消費の削減や低炭素エネルギーシステムとして今後の市場拡大に一層拍車がかかることを期待したい。
 温暖化の問題は、コージェネ市場にも確実に変革を迫っている。自動車も内燃機関から電気の時代に移り変わろうとしている。電気自動車に必要なアイテムはバッテリーと燃料電池だが、分散型電源の世界でもそれは重要なアイテムになる。
 再生可能エネルギーや石油・天然ガスなどから作り出された電気や熱は、必要に応じて消費され、余剰分は蓄熱や蓄電、あるいは水素に姿を変えて貯蔵され、再利用される。低炭素という共通の価値観のもとで高効率で無駄のない、新たな分散型システムの時代へ向けて変革の時代が始まろうとしている。コージェネの統計データもそれを語り始めているのではないか。