2008年225日号

中部電力が託送料金を引き下げ、高圧は10.51%
 中部電力は2月18日、4月1日からの託送供給約款変更を経済産業大臣に届け出た。特定規模電気事業者(PPS)が、ネットワークを利用した際に支払う送電サービス料金の平均単価は、特別高圧で1kW時当たり11.11%引き下げて2.00円、高圧は10.51%引き下げて4.00円とする。
 経営効率化の成果などを踏まえ、08年度の1年間を原価算定期間として託送関連のコストを算定した結果、特別高圧で平均0.25円、高圧で0.47円と、ともに10%以上の引き下げ幅になった。
 この結果、特別高圧の標準料金(いずれも税込み)は基本料金が1kW当たり336.00円、電力量料金が1kW時当たり1.26円。また時間帯別料金は基本料金が336.00円、電力量料金は昼間が1.39円、夜間が1.09円。
 一方、高圧の標準料金は基本料金が1kW当たり446.25円、電力量料金が1kW時当たり2.72円。時間帯別料金は基本料金が446.25円、電力量料金は昼間が3.06円、夜間が2.15円。
 負荷変動対応電力料金(インバランス料金)は、標準変動範囲の電力量料金が1kW時当たり10.67円。選択変動範囲は基本料金が1kW当たり834.75円、電力量料金は夏季昼間18.12円、その他季昼間13.94円、夜間12.34円。変動範囲超過の電力量料金は夏季昼間74.25円、その他季49.15円、夜間39.53円となる。


07年度新エネ大賞、昭和シェルの太陽電池やMHIの大型風車、新日石の燃料電池など9件が受賞
 新エネルギー財団(NEF)は07年度「新エネ大賞」を決め2月22日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催したグリーン電力導入促進のためのイベント「グリーンパワーキャンペーン」(2月21、22日)で表彰式を行った。
 経済産業大臣賞には昭和シェルソーラーのCIS太陽電池「ソラシス」が、また資源エネルギー庁長官賞には星野リゾートの「星のや軽井沢地熱利用システム」、シャープと気象キャスターネットワークの「地球温暖化と新エネルギーの小学校環境教育」の2件が選ばれるなど、新エネルギー財団会長賞と合わせ9件が賞に輝いた。
 大臣賞に輝いた太陽電池は、シリコンを原料とせず銅・インジウム・セレンを用いた長寿命、薄膜の太陽電池。また、会長賞で三菱重工業の「2.4MW風車」、新日本石油の灯油仕様1kW級家庭用燃料電池「エネオス エコボーイ」が選ばれた。
 会長賞にはこのほか▼滋賀銀行=「カーボンニュートラルローン未来よし」でCO2削減量に応じて琵琶湖の固有種ニゴロブナを3万匹放流▼霧島酒造=焼酎生産工場から排出される焼酎粕(バイオマス)の有効利用▼横浜市環境創造局=ハマウィング横浜市風力発電事業の5件が決まった。タオル製品の製造に使う電力をすべてグリーン電力でまかなう池内タオルの「風で織るタオル」が審査委員長特別賞を受賞した。


日本のCDMは中国に集中
 日本企業などが海外で進めるCDM(JI含)案件で、現在、日本政府承認済みのものは、アジア地区を中心に289件、削減量はCO2換算で1億トンを超えており、公表資料を基に集計してみると、CDM案件の4分の3は中国、インド、東南アジアなどのアジア地区に集中している。国別では、中国に41.2%に当たる119件のCDM案件が集中し、削減量の合計は6531.7万トンと、中国だけで、削減量の58.6%を占めている。中国で多いプロジェクトは水力発電で、119件の内の約半分の57件が水力発電によるもの。しかしながら削減量では11.9%とシェアは小さい。
 一方、JI案件は、ロシアや東欧諸国を中心に展開されている。JIの承認済み案件は15件有り、削減量は340.4万トンで、全体の3.0%程度となっている。


旭硝子が太陽電池用ガラスを増産へ、設備を増強
 旭硝子は太陽電池のシリコンをカバーする大陽電池用ガラスの製造設備を増強する。
 約130億円かけて、子会社の旭硝子特種玻璃(中国蘇州市)で、製造窯(生産能力700万平方m/年)とコーティングラインを新設するほか、愛知工場(愛知県武豊町)でもコーティングラインを増設(同600万平方m/年)する。
 結晶シリコンタイプが主流となる中、シリコン需給がひっ迫していることを背景に、太陽電池メーカー各社はガラスにシリコンを製膜する薄膜タイプの開発・事業化に乗り出している。
 製造設備を増強することでこうした需要増に対応し、07年度の大陽電池用ガラス事業の売上高120億円を、10年度に600億円まで拡大する。
 また従来の板ガラス市場に比べて、太陽電池用ガラスは市場の成長や技術革新のスピードが早く、競争も激しいことから、同社ガラスカンパニー(本社ベルギー)に日本・アジア、欧州、北米の各本部とは別に直轄のソーラー事業本部を設置し、世界市場に向けた開発製造・販売体制を確立する。


サタケがタイからバイオガス発電設備を受注
 機械メーカーのサタケ(広島県東広島市)は、バイオマスガス化発電設備をタイの発電会社など2社から受注した。05年に同国のスラナリ工科大学へバイオマスガス化発電設備を納入しており、この実績が評価された。
 バンコクから北西に車で約2時間半ほどの場所にある寺院ワット・プラバット・ナンプーが、エイズ患者救済の目的で設立したバイオマスガス化発電会社「A+パワー」から受注したのは、総発電容量1800kWタイプ。受注金額は約2億7千万円で、4月に着工し09年2月に完成する予定。発電電力のうち1500kW分を地方電力庁(PEA)に売電し、収益はエイズ患者の病院、薬代、学校、宿舎などの費用に充てる。
 また、タイ・ウレタンプラスチックからは2基を受注した。1基は生成されたバイオマスガス燃焼熱を利用して水蒸気を発生させ、合成樹脂などの生産に利用する。今年8月の完成予定。もう1基は、900kWの発電設備で自己消費のほかPEAへの売電を計画している。09年3月に完成する。受注金額は合計約1億2千万円。
 サタケは、02年にインド科学院とバイオマスガス化発電設備の技術提携を行い、日本を含めたアジア数カ国での独占販売契約を締結。原料調達に有利なアジア向けプラントとして、04年から社内と広島環境研究所で実証運転を行ってきた。


原弘産がシーテックから、風力発電19基を受注
 原弘産(下関市)は中部電力子会社のシーテックから、三重県津市と伊賀市の布引山地一帯に建設する「ウインドパーク笠取」向け風力発電機19基(2千kW×19)を正式受注したと発表した。受注金額は約70億円。10年2月に10基、11年2月に9基を竣工させる。
 同地は青山高原の北に位置する。シーテックは青山高原ですでに「ウインドパーク美里」(2千kW×8基)を06年2月から稼働させ発電事業を開始しているほか、同社が筆頭株主の「青山高原ウインドファーム」(750kW×20基)も稼働中で、11年には一帯で6万9千kWの風力発電機を保有することになる。


住友電工と東京電力が超電導ケーブルを実証試験
 住友電工と東京電力は、高温超電導ケーブルを電力系統に連系する実証試験を10年度から開始すると発表した。
 NEDOが07年度から5年間の計画で実施している実証プロジェクトの一環として実施するもので、東京電力の旭変電所(横浜市)内で、全長200〜300mのケーブルを実際の系統に連系して運転・保守まで含めたシステムの信頼性を検証する。
 使用するケーブルは、三心一括型で超電導ケーブルとしては世界最大容量(20万kVA級)のもので、マイナス196度Cの液体窒素で冷却するタイプ。冷却システムの製造・運転は前川製作所が担当する。
 高温超電導ケーブルは低温タイプに比べて冷却設備が軽減できるためコンパクトで低コスト化が図れる。実用化できれば送電効率の向上や電力流通設備の建設の大幅なコストダウンが実現できるとして期待されている。


沖縄電力がラオスで太陽光実証事業を実施
 沖縄電力は2月21日、東南アジアのラオスで、太陽光発電の出力変動を緩和し、電力品質への影響を小さくするシステム制御技術の実証開発を行うと発表した。
 電気2重層キャパシタと小水力発電を組み合わせることで、日射量が変化しても安定的に電力供給が可能なシステムの開発を目指す。
 発展途上国の電化に貢献するとともに、得られた実証結果は、地球温暖化対策など国内の問題の解決に役立てる。

   
その他の主な記事
京都議定書目標達成計画見直しで最終報告
・バイオマス燃料開発促進で法律案
・千葉県が環境基本計画を策定へ
・東京都と国際協力銀行が気候変動で協力
・JエナジーらがLPG事業統合
・トクヤマ、高性能電解質膜を開発
・オムロンが新型フローセンサーを発売
・三井住友銀行がカーボンオフセット付き住宅ローン
・シャープと東京エレクトロンが太陽電池関連事業で合弁
・IHI、省エネを実現したフライホイール式2次電池を開発
・上越エネルギー、日本曹達の水力買収
・三井物産が独企業のCO2排出権事業に出資
・環境大賞とシンポを計画
・DME普及促進セミナーを開催
・中小水力、NEFが募集
・エコポイント等CO2削減のためのモデル事業公募
・JHIF第8回会議案内
・省エネ連携推進募集
・官公庁蓄熱でセミナー   etc.
     
シリーズ連載
・再生可能エネルギー新潮流24
・分散型エネルギー最前線【08年編 そのC】
・建築計画・工事ニュース


コラム
・発電論評<排出権市場整備にエネ業界の対応を>
・プリズム<原油高騰相場はどこに向かうのか>
・ちょっと一休<沖縄で住民との交流会>
・青空<独善は良くないよね>


排出権市場整備にエネ業界の対応を【発電論評】

 排出権取引の導入に向けた流れが強まってきた。ポスト京都の枠組み作りが世界的な政治課題となる中で、日本はセクター別の枠組み作りを提案している。産業種別毎にエネルギー消費原単位などの世界標準を示し、進んでいるところにはインセンティブを、遅れているところにはペナルティーを与えるという考え方だ。世界共通の指標ができることで、公平な国際競争環境が整えられることになる。
 温暖化対策のの有効な次期の手段として、環境税や排出権取引の導入が注目されているが、そもそも環境税と排出権取引は、ひとくくりにされるべきものではない。
 環境税は、文字通り、CO2を増加させる化石燃料に課税して、消費を抑制するとともに税収を環境施策の充実に充てることが目的で、消費に対する罰金や課徴金という性格を持つものであるのに対して、排出権取引は、CO2排出量を減らした分だけ、経済的メリットが得られるというもので、まさに環境税と排出権取引はムチとアメの関係にあるといえる。
 昨今の石油価格の高騰によって、化石燃料には最早十分すぎる消費抑制効果が発揮されている。この上、環境税を上乗せし、さらにムチ打つということには無理があり、環境税の導入はその意味ではタイミングを失っているといえる。
 一方、アメである排出権取引は、CO2削減の効果を上げれば挙げるほど、経済的インセンティブが増すことになるため、新たな技術開発に対する動機付けやESCO事業などの多様な省エネ提案などを通じて、削減効果を上げながら経済の活性効果も期待できるものだといえる。
 国内の排出権取引の市場整備も徐々に進められている。環境省の自主参加型の取引制度は4年目を迎えているし、経済産業省も中小企業の削減対策として「国内CDM」事業の創出や、それに伴う、排出権取引市場の整備を並行して進めようとしている。省エネ法を改正して、セクター別のベンチマーク制度を導入し、業種毎の標準排出基準の導入を目指しているのも、排出権取引制度導入の環境整備となる。また、卸電力取引所で、海外のCDMクレジットを商品化し、電力会社の自主行動計画に基づくCDMクレジットの取得を支援するための制度整備の性格を持つ。さらに、東京都が都内の大規模事業所に対して排出権取引を利用できる省エネ義務制度導入の具体的な制度設計に入っているなど、自治体レベルでの導入機運も高まっている。
 排出権取引導入は最早、避けられない流れであるという前提にたち、エネルギー業界には、排出権を創出するために、環境負荷の少ないシステム機器や事業を市場に供給するための技術開発が求められることになる。