2008年25日号

コージェネ・地冷普及へ、協議会が発足
 コージェネレーションや地域冷暖房システムの普及促進を目指して、日本ガス協会が普及促進協議会(CHP・DHCコンソーシアム)を設立した。コージェネと地冷を普及させることで低炭素社会の実現を目指し、海外の推進団体や国際エネルギー機関(IEA)などとも連携し、当面、7月の洞爺湖サミットに向けての情報発信や政策提言を行っていく。
 会長には平田賢東京大学名誉教授(日本コージェネレーションセンター会長)、副会長に長谷川聰川崎重工業常務取締役、村木茂東京ガス取締役常務執行役員が就任した。協議会には、川崎重工業、三菱重工業、ヤンマーエネルギーシステム、トヨタ自動車、荏原製作所、日立製作所、松下電器産業、東芝燃料電池システム、三洋電機、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガス、北海道ガスのコージェネ関連メーカー、燃料電池システムメーカー、都市ガス事業者など14社が会員企業として参加する予定。また、日本コージェネレーションセンター、日本ガス石油機器工業会、日本がスタイエネルギー普及促進協議会などが協力団体となる。
 協議会は3月開催が予定されているG20(気候変動・クリーンエネルギー及び持続可能な開発に関する閣僚級対話に合わせて「CHP・DHC国際シンポジウム」を3月14日(金)に幕張で開催する。また、洞爺湖サミット後も、コージェネや地冷の普及を目指す中核団体として活動を続ける。


グリーン電力活用策検討へ小委員会を設置 新エネ部会
 総合資源エネルギー調査会・都市熱部会(部会長・柏木孝夫東京工業大学総合研究院教授)が2月1日開催され、今後の新エネルギー政策の方向性についての検討を再開させた。
 新エネ部会は、地球温暖化問題の高まりから、エネルギー供給面での要となる新エネルギーの利用拡大について今後の方針を定めるとともに、洞爺湖サミットに向けて、新エネの活用方策について日本の具体的な取り組みをまとめる。また、新エネ導入拡大に向けた経済的側面からの支援策としてグリーン電力証書の普及を図るため、小委員会を設置して信頼性・公平性の確保に向けたガイドラインを作成することにした。
 部会では、今後の新エネ導入の加速化の課題について問題点を抽出するとともに、コスト負担のあり方や導入目標の作り方などについて今後の議論のテーマとすることを確認、太陽光発電については、太陽光発電社会の構築を目指したロードマップの作成や大規模な太陽光発電所の建設の可能性、途上国などへの国際ビジネスの展開のあり方などを検討課題として取り上げた。また、バイオマスについては、食糧問題と競合しない燃料開発、風力については立地の促進策。その他、蓄電池や燃料電池、クリーンエネルギー自動車、グリーン電力証書の普及と信頼性・公平性の確保策、新エネ法やRPS法の評価や今後のあり方などについても検討する。


国内は異種県取引拡大に向け環境省の検討会が初会合
 環境省は、自主参加型排出権取引制度の拡充に向けて検討会をスタートさせた。
 検討会は、第1期のプロジェクトの評価結果を基に、制度の今後の運用の方向などについて課題を整理し、国内排出量取引制度の基盤整備に向けた検討を行う。
 1月31日に開催された第1回の検討会では、当面のテーマとして@モニタリング・算定・検証・登録A目標設定方法(オークション、グランドファザリング、ベンチマークなどの割り当て方法、割り当ての単位等)及び対象B排出権取引の会計処理場・税法上の課題C取引の円滑化Dコスト管理手法Eリンケージなどを取り上げて検討を進めることにした。
 対象事業者として、省エネ設備等を導入しないで削減に取り組む業務部門の事業者なども取り込むことやEUなどで進められている排出枠の有償割り当てなどについても検討課題として取り上げる。また、CO2以外の温室効果ガスの対象化や電力の直接排出に関する試行、事業場単位でなく企業単位での参加などの可能性の検討や、制度からの退出者の取扱のルール化、モニタリング方法のルール化、外部クレジットの取り扱いなどについても検討する。

ガス制度改革小委、内々価格差の拡大など報告
 ガス事業の自由化の成果についての評価作業を行っている制度改革小委員会(委員長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科長)は2月1日に第4回の会合を開き、需要家利益の確保・最大化や効率的・安定的なガス供給体制の整備などの政策目標の達成状況について議論した。
 同日は、自由化実施の効果として内々価格差の分析を中心に検討を行い、経済産業研究所に委託して行った検討結果では、自由化によって却って内々価格差が拡大していることなどが報告された。この原因としては、大手のガス事業者では自由化の導入によって経営の合理化が進み、エネルギー間競争などもあってコスト削減が進んでいるのに対して、中小の事業者では、需要が伸びない中で、熱量転換などのコスト負担や保安コストなどの負担によってコスト削減が進んでいないことが大きな要因として指摘された。
 小委員会は評価検証作業をこれでひとまず終え、3月3日の次回会合から個別制度改革の評価・検証についてのとりまとめの作業を行う。

電力制度改革で、電気事業分科会が報告書案取りまとめ
 次期電力制度改革のあり方について審議していた総合エネルギー調査会・電気事業分科会(会長・鳥居泰彦慶應義塾大学学事顧問)は、家庭用までの完全自由化を5年間先送りし、その間、卸電力取引市場の活性化や託送料金の透明化など既自由化市場の整備を進める内容の報告書案をまとめた。パブリックコメントを行った後、3月にも正式な報告書をまとめる。CO2フリー電力やCO2クレジットの市場取引を、卸電力取引所で行うことも盛り込んだ。4月以降、制度改革小委員会で詳細設計に向けた検討作業を再開する。
ENEX2008ビッグサイトで開催、省エネ対象表彰など
 省エネルギーセンター主催の「ENEX2008」が、1月30日から2月1日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。
 32回目となる今回は、前回よりも20社多い141企業・団体による省エネ・新エネ関連の最新機器やシステム展示などが行われた。産業、業務用を対象としたビジネスゾーンでは、川崎重工業が世界最高となる48.5%の発電効率を達成した8千kW級ガスエンジンを、また家庭用を中心としたスマートライフゾーンでは、東京ガスが「近未来型エコロジータウン」として、家庭用燃料電池、ガス温水機などの省エネ型家庭用システム機器や天然ガス自動車などを利用し、さらなるCO2削減を実現する都市を提案した。一方、東京電力は家庭からビルまで給湯・空調にヒートポンプを使用し、省エネ・省CO2を実現する社会について紹介した。
 ENEXではこのほか、優良ESCO事業や省エネ大賞の表彰式、また省エネルギー技術コンファレンスなどさまざまなイベントが行われ、多くの参加者でにぎわった。
 ENEXは2月の省エネ月間の主要行事として東京と大阪の2会場で開催され、大阪会場は2月21〜23日までインテックス大阪で開かれる。
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 省エネルギーセンターはこのほど「第3回優良ESCO事業」を決め、1月30日に東京・有明の東京ビッグサイトで表彰式を行った。
 金賞には東京電力、日本ファシリティ・ソリューション、高砂熱学工業の「調布市市庁舎他1施設ESCO事業」が、銀賞には日本キャンパック、日立製作所の「蒸気負荷変動の激しいレトルト工程への最適蒸気供給による省エネルギー事業」が輝いた。
 また銅賞にはエネルギーアドバンス、山下設計、三機工業、川本工業、東京ガスの「横浜市総合リハビリテーションセンター等ESCO事業」が選ばれ、表彰された。
 エネルギーアドバンスの案件は、高効率ガスエンジンコージェネや排熱投入型吸収冷温水機(ジェネリンク)のほか、同市にある他の2施設との間で行う電気と熱との相互利用(面的融通)によって、省エネ率18%、CO2削減率30%を実現したことが評価された。
 このほかファーストエスコらの「ガスエンジンコージェネレーションによる汽力発電所(レンゴー八潮工場)リニューアル」と、山武らの「ショッビングセンターセルバの省エネチューニング」が特別賞に選ばれた。
 優良ESCO事業は導入後1年以上の運転実績を持つ、省エネ性や事業パフォーマンスに優れたESCO導入事例を表彰する。

その他の主な記事
・新エネ特措法施行令改正へ
・石油政策や次世代燃料で報告書
・環境省がカーボンオフセット指針案を取りまとめ
・地熱開発利用で講演会
・PAFCと燃料電池仕様は三菱総研に決まる
・使用合理化支援3次決まる
・FC先端科学研究とPEFC劣化機構解析2件で公募
・京メカクレジットに係るリスク調査はナットソースに
・優良ESCO事業決まる
・都市ガス3社の第3四半期連結決算
・東邦、北陸がガス料金引き下げ
・北陸電力が託送料金引き下げ
・山武が熱源設備制御システムを発売
・関西電力がシンガポールからCDM購入
・産総研がバイオ燃料プラントの開発へ
・日立造船がバイオエタノール向け脱水設備受注
・駐車場に電気自動車の充電設備を設置
・三菱商事が排出権信託商品を初めて販売
・川崎重工が独の製紙工場からGT発電設備を受注
・神戸製鋼が冷温水器
・環境総合テクノスがCO2炭層固定化で2倍の効果確認
・昭和シェルがPPS登録
・京セラが円借款で太陽光発電設置
・福島県ESCO本格導入へ
・福岡競艇場省エネ診断
・佐賀県有施設ESCO
・浦安市体育館ESCO
  etc.
             
シリーズ連載
・再生可能エネルギー新潮流23
・分散型エネルギー最前線【08年編 そのA】
・建築計画・工事ニュース
・キーパーソン(堤敦司東京大学エネルギー工学連携研究センター長)
   
コラム
・発電論評<カーボンオフセットとCO2クレジット>
・プリズム<本格化する大型リチウムイオン電池開発>
・ちょっと一休<民営化した日本優勢会社は大丈夫?>
・青空<中国人の葉さんと黄さん>
・新刊紹介<「プーチンのエネルギー戦略」


カーボンオフセットとCO2クレジット【発電論評】

 ノーカーボンにできないのであれば、帳消しにするという訳で「カーボンオフセット」。
 企業の活動や個人の社会生活の中で排出してしまうCO2をグリーン電力証書を購入することなどで「チャラ」にしてしまおうという取り組みがカーボンオフセットで、日本でも少しずつ活動の広がりが見られるようになった。スポーツイベントなどでもCO2ゼロをうたうイベントなども出てきている。
 企業活動全体を通じてCO2の排出「ゼロ」を目指す取り組みなども始まっている。こうした取り組みを可能にするためには、CO2を「オフセット」を可能にする「クレジット」の存在が不可欠となる。他人から無償で譲り受けたり、有料で購入したりすることになるが、そのクレジットの有効性を担保する仕組みの構築がまた必要になるという訳で、個人の善意や自主的な取り組みの枠を超え、カーボンオフセットを公的な仕組みとするための仕組み作りも始まっている。
 京都議定書やポスト京都の仕組み作りなど、地球規模での国家間の枠組み作りとは少し離れた個人レベルで取り組める活動として静かに広がり始めていたカーボンオフセットが、議定書上の義務履行にもカウントできないかという考え方も出てきている。
 個人レベルで勝手に削減しても議定書上の効果が確認できないが、例えばCDMクレジットが小口債券化され、個人レベルでも購入できるようになると、個人のカーボンオフセットに利用することが増えることが予想できる。カーボンオフセットツアーなどに参加する場合、オフセットの手段に国内クレジットで不足する分はCDMクレジットが組み込まれることも予想できる。
 さて組み込まれたCDMクレジットは、政府の講座に登録されなければ、京都議定書上の削減量としてはカウントされない。このため、国は個人や企業のオフセットに利用したCDMクレジット分を譲渡してもらわなければならない。たぶん無償で。有償だとボランタリーなカーボンオフセットの取り組みの目的が変わってしまいかねない。
 自らが削減できないものを、他人の努力によって補う。自ら風力発電を自家発できなくても誰かから風力発電の権利を譲ってもらい、自らの利用電力を風力の電力と見なす。まるでバーチャルな取り組みであるが、効果があるなら前向きに取り組むことも必要だ。でも一番いいのは、外国で減らすのではなく国内で削減することだ。
 国内で減らす努力をした上で、外国の削減の手助けもする。こうした取り組みには、削減量=クレジットを発生させる技術、製品開発が必要になる。コージェネや新エネの出番がますます増えそうだ。