2008年125日号

オンサイト発電の市場規模は2330億円
 富士経済は、電力・ガスなどのエネルギーサービスを対象にした市場調査を行った。
 オンサイト発電やESCO、エネルギーアグリゲーション、ファシリティ系サービス、ユーティリティー系サービスの5つのサービス業態に分類し市場動向を分析した。
 オンサイト発電の市場規模は、06年度の実績で、2330億円。ESCOは520億円。エネルギーアグリゲーションは25億円。11年度にはオンサイトが2550億円、ESCOが610億円、エネルギーアグリゲーションは87億円へと拡大すると予測している。
 オンサイト発電やESCOなどのエネルギーソリューションサービスを顧客のコスト削減を主目的とする既存のスキームとして分類、こうした旧サービス形態は原油高や系統電力の相次ぐ値下げで事業環境が厳しくなっており、顧客の利便性や収益効率の向上などの目的にしたワンストップサービスに事業内容を進化させていると分析。また、顧客は省コスト、省エネルギーから省CO2へとニーズを変化させてきており、CO2削減サービスを付加価値として取り込む動きが見られるとしている。調査の対象企業は42社。


横浜市は25年までに30%OFF
 横浜市は、地球温暖化対策を一層強めるため、新たに「2025年までに、市民1人当たりの温室効果ガスの排出量を30%以上削減するとともに、再生可能エネルギーの利用を現在の10倍」にするというCO2削減目標を公表した。
 脱温暖化行動指針を1月中に策定し、大規模事業所などに課している「温暖化対策計画書制度」をコンビニやファーストフード店などへも拡大適用することや、「建物のエネルギー性能の評価・格付け制度」の創設、家庭・事業場での太陽熱利用システムの普及・促進、公共施設等への再生可能エネルギーの導入拡大などを目指す。また、再生可能エネルギーの利用量を10倍に高めるためのロードマップも作成する。
 庁内に「地球温暖化対策行動推進本部」を設置するほか、規制的な施策や融資制度・税制等の経済的な誘導策を盛り込んだ「脱温暖化条例」の策定も検討する。
 政令指定都市では、札幌市、仙台市、さいたま市の3市が市民1人当たりの削減目標を定めている。


ブリジストンが海外工場でもコージェネを導入へ
 ブリヂストンは、国内9工場すべてでコージェネシステムの導入を終え、今年4月からは海外タイヤ工場でのコージェネ導入を積極的に進めていくと発表した。まずは東南アジアの工場から始める。
 同社では、12年までに90年度比6%のCO2削減目標を掲げており、海外工場での削減分をCDM案件として扱うことで、グループ全体で目標を達成を目指す。
 タイヤのライフサイクルアセスメントでみた場合、使用段階でのCO2排出量が87%を占めることから、同社では転がり抵抗をより低減した省燃費タイヤを市場投入してきたが、生産現場でもCO2排出削減を徹底するため、国内工場で実績のあるコージェネシステムの導入を急ぐことにした。


自由化電力価格は平均で12.90円
 資源エネルギー庁がまとめた、自由化部門の電力価格は、07年度上期の平均では12.90円で、前年度同期に比べて0.01円高と横ばいの推移となった。06年度下期比では0.10円下がっている。 前年度同期比で上がっているのは、特別高圧産業用(+0.10円)、同業務用(+0.01円)、高圧産業用(+0.05円)で、高圧業務用は0.15円値下がりした。同下期比では、特別高圧業務用も値下がりしており、産業用と業務用の価格差は一段と縮小傾向で推移している。
 05年度からの、価格変化を半期別にまとめてみると、自由化部門の電気料金価格は平均で、05年度下期の13.07円を上限にほぼ13円程度で推移している。最も安価な特別高圧産業用は05年度上期の9.67円から07年度上期には10.03円でじわりと上昇、最も高価な高圧業務用では、05年度上期に15.21円だったものが06年度下期には15.47円まで上昇したが、07年上期には14.78円と値下がりしている。産業用の平均は05年度上期には11.74円で、その後徐々に値を上げ、07年度上期には12.17円となった。値上がり率は3.67%。業務用の平均は05年度上期が13.58円で07年度上期が13.62円で、0.44円の値下がりとなり、産業用との価格差は1.45円にまで縮小している。


石油連盟がバイオマス燃料の現状などを調査
 石油連盟は、食糧供給問題などが顕在化しているバイオ燃料の本格導入に関して、海外の取り組みの現状や、導入にあたっての問題点、課題等を抽出することを目的に、調査を行った。米国やEU、ブラジルなどのバイオマス利用の先進的な地域でも生産量の飛躍的な増大は困難であること、また、セルロース系由来の燃料化もコスト問題もあり、利用拡大には政治的な推進策が必要なことなどを問題点としてあげ、食糧問題と併せて、バイオマスの利用拡大には慎重な姿勢を求めている。
 調査は、野村総合研究所に委託して実施、米国やカナダ、EU、ブラジル、中国、インドでのバイオ燃料の生産、利用状況についてまとめた。

 
その他の主な記事
都が排出権取引導入で意見交換会
・地球環境イニシアティブが発足
・東証と東工取が共同でCO2を商品化
・環境立国関連予算をまとめ
・11社でバイオガスネットジャパンを設立
・新日石が灯油とLPGのSOFCを実証へ
・インターアクションがバイオマス事業へ参入
・英・カーボン社が日本市場に進出
・豊田通商らバイオディーゼル製造で新プロセス開発
・自然エネルギー市民の会がグリーン電力を販売
・アスパラ栽培にG電力を活用
・JFE環境、大王製紙からバイオガス化設備を受注
・三菱重工が米電力からGT6基を受注
・10月末のRPS認定設備
・日機連が優秀省エネ機器を表彰
・省エネ大賞を発表
・工場の使用合理化シンポ全国10地区で開催
・系統実証研究成果報告会を開催
・国際エネルギー消費効率化等モデル事業公募
・神奈川県チューニング型ESCO
・浜松医大ESCO
・沼津市図書館ESCO
・小牧市2件ESCO
・安城市民会館ESCO
・上越市スポーツ施設ESCO   etc.

特別寄稿
・バリ会議を振り返って(全国地球温暖化防止活動推進センター代表 大木浩氏・元環境大臣)
   
シリーズ連載
・再生可能エネルギー新潮流22
・分散型エネルギー最前線【08年編 その@】<新連載>
・建築計画・工事ニュース


コラム
・発電論評<されどコージェネ やっぱりコージェネ>
・プリズム<原油高で「脱石油」は一時的な現象か>
・ちょっと一休<45人で恩師の喜寿を祝う>
・青空<忘れてはならないこと>
・新刊紹介<「脱炭素社会と排出権取引」>


されどコージェネ、やっぱりコージェネ【発電論評】

 流行り言葉を借りるならば「コージェネをどげんかせんといかん」。
 地球温暖化が顕在化する現代社会でも、当面は化石燃料を使い続けなければならないのだとすると、燃料の利用効率をもっと高めることが必要になる。
 だから、コージェネである。単純に火力発電をすると発電効率はせいぜい40%前後。半分以上のエネルギーは利用されないままに廃棄されている。
 ところが、排熱回収して空調や給湯に熱を利用するコージェネレーションやコンバインド発電にすると、70%や80%の高効率でエネルギーを利用することも可能になる。まさにエネルギーを「シャブリ尽くす」のだ。
 熱を使い尽くすことは、かなり高度な利用技術が必要だ。そのため、空調や給湯などで利用した熱は一度利用しただけで棄てられることが多い。熱として利用する前にエンジンを回して発電すれば、熱と一緒に電気も得られる。これが有名な「熱のカスケード利用」であり、日本のコージェネ技術の根本的な理論になっている。
 コージェネはかつて、画期的な省エネルギー技術として普及してきた。今、昔日の勢いを失っているのは、燃料費の高騰で、コストメリットを失っているからだ。
 しかしながら、地球温暖化である。地球温暖化対策には、化石燃料の使用量を大胆に減らすことが必要になる。だから、コージェネである。熱や電気をこれまで通りに利用しながら、燃料の使用量を大幅に減らせる=CO2排出量を大幅に削減する夢のようなシステムなのである。
 日本のコージェネレーションの普及は、約30年の実績がある。技術革新を重ね、今では、大規模な地域モデルから家庭用の1kW級のものまで、規模に応じたシステムが標準化され、選択できる。
 コージェネレーション技術によって熱と電気が高効率に取り出せても、せっかく取り出した熱や電気が使い切れなくて余ってしまうことも多い。コージェネは使いにくいといわれる所以である。されどコージェネである。熱と電気の使い方を工夫して、ポテンシャルを使い切れば、本来のコージェネの効果が発揮できる。
 例えば、余剰熱や電気が貯蔵できたり外部へ販売できればどうか。複数の需要家や地域で共同で利用しあうことで熱と電気の需給バランスが取れるシステム構築はできないか。
 つまり、コージェネを「使い尽くす」工夫によって、旧知の技術として注目されることが少なくなっているコージェネに新たな息吹を吹き込み、地球環境対策技術の中核としてよみがえらせることができる。やっぱりコージェネなのである。コージェネをうまく使う工夫を「どげんかせんといかん」のではなかろうか。