2007年1025日号

ヤンマーがコーリンを子会社化
 ヤンマーエネルギーシステムは、経営再建中のコーリンエンジニアリング(福岡県宇美町)の全株式を取得し、9月10日付けで子会社化したと発表した。
 コーリンは非常用及び常用自家発電装置のパッケージング会社として、ヤンマーの非常用発電装置やエネサーブの常用発電装置の製造を手がけていたが昨年8月、エネサーブが事業撤退したことや過去の不良債権の償却で財務内容が急速に悪化、民事再生手続きを申し立てていた。8月25日に再生計画認可確定の決定を受けたことで、コーリンの発電装置製造量の約8割を占めているヤンマーが子会社化することにした。
 コーリンは、一昨年秋にはガスコージェネ専用工場を完成させるなど最新設備を保有しており、ヤンマーは子会社化することでパッケージ発電装置の一貫製造体制を実現する。


中国電力がCO2回収型のMCFCの実証試験を開始
 中国電力は三隅発電所(島根県浜田市、100万kW、石炭)で、CO2回収型溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)の実証試験を10月19日から来年3月まで行うと発表した。
 燃料として水素と酸素とともにCO2も必要とするMCFCの特徴を活かし、石炭火力発電所の排ガスからのCO2を空気と混合、燃料電池出口でのCO2濃度を80%程度まで濃縮する試験を続ける。
 05年10月から10kW級のMCFCを使って試験を行ってきたが、良好な結果が得られたことから今回、発電規模を50kW級に拡大し、新たに「CO2回収」機能までを一体化したシステムで行う。
 経済産業省の補助事業となる「電源利用対策発電システム技術開発」の一環として、電力系統周波数変動抑制、及び発電所のCO2排出抑制に向けた技術を開発するのが目的。中部電力と共同で実施している。


環境配慮契約法の基本方針案まとまる
 環境省は、10月15日、第2回の環境配慮契約法基本方針検討会を開催、それぞれ3回の会合でとりまとめを行った建築、ESCO、電力、自動車の4つのWGでの検討結果に基づいて、基本方針の原案のとりまとめを行った。
 建築の基本方針は、プロポーザル方式でCO2削減効果のある技術提案を募集し、総合的な環境保全性能や障害CO2排出量などを評価することなどを基本とする。ESCOの場合は、可能性調査を実施後、総合評価、あるいはプロポーザル方式で事業者を選定。電力については、事業者ごとのCO2排出係数やRPS法の達成状況、未利用エネルギーの利用状況などをポイント化した裾切り基準を設け入札参加資格とする。裾切り基準に満たない事業者にはグリーン電力証書の活用も認めることなどを盛り込んでいる。
 11月の法律の施行に併せて、閣議決定の上、正式に公表される。対象には、国の施設の他、独立行政法人や特殊法人、国立大学法人も含まれる。


電気事業制度改革、WGでインバランス料金など議論
 資源エネルギー庁は、10月15日、第4回の制度改革WGを開催し、電力制度改革について議論した。
 同日の会合では、送電・系統運用部門の公平性担保のための方策について話し合われ、同時同量やインバランスのあり方などについて議論が交わされた。
 問題点としては、電力会社とPPSでは負担にアンバランスがあること、インバランス料金が高額すぎることなどが挙げられており、インバランス料金の負担が販売量の少ないPPSにとっては経営的な負担が大きいことなどが問題視されている。
 新たな対策として、負担の公平化の検討や参入阻害とならない程度のインバランス料金のあり方、当日の電力取引を可能とする「時間前市場」の開設などが検討課題として挙げられている。また、余剰電力買い取り価格がインバランス料金に比べて安価に設定されていて、バランスが悪いことなども検討課題として浮かび上がっている。


兼松ら4社、北海道で国内初のバイオガス供給事業を開始
 兼松、ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を展開するアレフ、ダイダン、日本総合研究所の4社は、国内では初めてとなるバイオガスの供給事業を、9月から開始した。
 北海道千歳市内の酪農家に設置した、家畜排せつ物処理用のバイオガス発酵プラントから発生する余剰バイオガス(1日約100立方m)を精製後、高圧容器に充てんし運搬、約15km離れた恵庭市内のアレフ工場でガス燃料として利用する。
 発電機を導入して売電を行うケースでは、買取単価が安く事業としての採算性に乏しく普及が難しかった。4社はコーンズ・エージーや吸着技術工業といったメーカーと共同で低コスト・高効率の機器を開発、その上でボイラーなどでの灯油代替ガス燃料として利用し採算性を確保する。
 北海道では約1万5千件の酪農家が存在するとされており、今後は1千件程度の酪農家(飼養頭数100頭以上)を対象にバイオガスプラントを設置し、分散型のバイオガス供給事業として拡大を図っていく。事業は環境省の補助事業。


その他の主な記事
07年度京メカクレジット契約締結220万トン
・政府のCDM承認が1億トンを突破
・環境省が政府機関の温暖化対策状況まとめ
・経団連がポスト京都議定書で提言
・森永乳業がバイオマス熱利用設備を導入
・東京建物が180万kW時のG証書購入
・三菱重工が英国に原動機の新会社
・TISが132万kWhのグリーン電力を購入
・琉球電力が新蓄電池を発売
・日本生命が環境配慮型融資金利を創設
・日立造船が舶用エンジンの生産量を2倍に
・昭和シェルがJEPXの会員に
・富士経済が業務用エネルギー市場を調査
・7月末のRPS認定設備状況
・EIT、ポスト京都でシンポ
・E3に石連が石油供給に難色
・水素社会受容性に関する調査を募集
・BEMS2次募集3件決まる
・公共建築の日シンポ、11月2日に開催
・上期の発受電電力量は過去最高
・洋上風力F/S調査、E&Eに決まる
・省エネ診断委託先は6社   etc.
 
シリーズ連載
・再生可能エネルギー 新潮流Q<ドイツのバイオマス利用>
・建築計画・工事ニュー


コラム
・発電論評<電源別電力で電力のブランド化を>
・プリズム<環境税の導入を経産省が批判>
・ちょっと一休<秩父困民党のロケット祭りを見学>
・青空<媒体価値とは>


電源別電力で電力のブランド化を【発電論評】

 風力発電の電気を使いたいと思っても、集合住宅に暮らしていると、発電機の設置はまず無理だ。風力発電事業者から風力発電の電気を売ってもらえればよいのだが、それもできない。
 使いたくても使えない、買いたくても買えないという現実の中で「電力消費者」たる需要家はもどかしさを感じている。
 発電機を設置できないのは物理的な理由だが、風力発電起源の電力が買えないというのは制度的な問題だ。
 現在、自由化されていない電力需要家は、地域の電力会社から電力を購入しなければならない。でも電力会社は、電源別に電力を色分けして売ってくれないので、「風力発電の電気を売ってください」といっても断られてしまう。電力会社は、常時変化する負荷変動の状況に応じて複数の発電所の運転を複合的に行っているので、個別電源毎に系統内の電力を色分けは不可能だと説明する。でも、それは物理的な問題であって、制度的な問題ではない。
 発電所の発電記録は残されている。需要家の電力需要量も記録されている。発電量と需要量がわかるのだから、発電した電力を記録上売ったことにすればよいだけの話。例えば、風力発電の電気を売って欲しいという人には、月間最大○○kW時まで販売しますという契約を結び、その月の自社の風力発電の調達電力量から顧客数によって按分し、「今月あなたに販売した風力発電の電力量は▽▽kW時でした」という明細を請求書に記載すればよい。何も100%風力の電気が使えなくてもいいのである。
 風力発電の電力をたくさん使いたい需要家は、思うように購入できない場合、風力発電を豊富に持つ遠隔地の電力会社から、少々高くても風力発電の電気を購入できるようになればいい。電力会社にとっても、再生可能エネルギーが高額な料金でも販売できるとなると、コスト回収ができるので電源開発にも積極的になれる。
 考えてみれば、世の中には高額なブランド商品があふれ、コメの値段だって産地や作り手によって異なるのが当たり前の時代になっている。電気だって、電源別の価格があってもいいのではないか。「電気のブランド化」である。
 ブランド電力には、多くのメリットが考えられる。最大のメリットは、需要家が電源を選べようになるということだ。高額でも再生可能がいいという人、産業用には安くてCO2が出ない原子力、水力のある地域は水力中心の地産地消といった選択も可能となる。CO2を排出する火力は、環境負荷の少ない高効率利用技術を磨き、需要家に選択してもらう努力をする。「電力のブランド化」は一考に値すると思うがどうだろう。