2007年1015日号

ヤンマーが英国でバイオガスコージェネをフィールドテスト
 英国北東イングランド経済開発公社とヤンマーは、植物油などバイオマス燃料を使った小型ディーゼルコージェネの実証試験を、10月20日から開始すると発表した。
 ヤンマーがすでに滋賀県高島市などと実証試験を行っている9.9kW機を、英国ニューカッスル市近郊の高電圧研究所に設置、2010年度まで耐久性などの機器性能や環境性、また日本に比べて電気料金の安い同国での経済性などを検証していく。
 こうした実証試験は英国では初めてのケース。開発公社が02年に設立した新・再生可能エネルギー研究機関「ニュー・リニューアブル・エネルギー・センター」(NaREC)とヤンマーが共同で実施する。
 実証試験は10年度末までの予定で「その後の展開は未定」(由利誠・ヤンマー環境事業開発部長)という。ヤンマーは、今回の英国以外にもインドやマレーシアにおいて、今年中にバイオディーゼルの実証設備を運転開始する計画で、今後は世界市場を視野に入れた事業を展開する。


三菱重工が小型ディーゼル全機種を環境対応に
 三菱重工業は、130kW未満の小型4サイクル水冷ディーゼルエンジン全機種を環境対応型にモデルチェンジし、10月4日から発売を開始した。いずれも米国環境保護庁(EPA)の排ガス規制に適合する。
 すでに先行する形で今年3月以降、07年または08年EPA3次規制に適合する74〜117kWの販売を開始しているが今回、4〜56kWの12機種についても、08年中間4次規制に適合させた。
 全機種モデルチェンジした小型エンジンの投入を機に、米国を始めとする主要市場で競争力を高め、建設機械や農業機械、産業機械、発電セット向けに08年度、20万台規模の販売を目指していく。


第2回新エネルギー展示会盛大に開かれる 2030年には新エネ時代へ
 再生可能エネルギー関連事業に取り組む世界の企業、団体、地方自治体、政府関係者などが一堂に会した「第2回新エネルギー世界展示会」が10月10〜12日までの3日間、千葉市の幕張メッセで開かれ、連日多くの関係者でにぎわった。
 昨年10月に開催された「再生可能エネルギー06国際会議」と「新エネルギー世界展示会」が好評だったことを受け、この成功を持続的なものにするため今年6月に再生可能エネルギー協議会(代表・黒川浩助東京農工大大学院教授)が結成され、今回の開催となった。
 展示会場では、176の企業・団体が新エネルギーや再生可能エネルギーに関する最新の製品・技術・サービスなどを紹介していた。併設のカンファレンスでは、10日にNEDOが実施している新エネルギーの導入支援策などについて説明した。
 黒川代表は会見で「現在の環境対策はCO2の削減に重点が置かれているが、天然資源も減っていくことを考えるとCO2を減らすのではなく、出さないことが重要だ」とした上で「2030年頃にはガラッと変わって新エネルギー時代になる。そして2100年には1次エネルギーの大半が新・再生可能エネルギーになるシナリオが真実味を帯びてきた。若い世代のためにも、今からその準備を進めることも専門家の役割だと思う」と、新エネルギー情報を世界に発信する意義について語った。

2030年のエネ需給見通しの検討を再開
 2030年度までの、エネルギー需給見通しの検討を開始するため、10月4日、総合エネ調の需給部会が第4回の会合を開いた。需要面では省エネルギー対策、供給面では各種エネルギー源の供給見通しや利用技術の開発動向、社会インフラの整備、転換システムの動向などの側面から検討を行い、来年3月末をめどに見通しをまとめる。
 策定に当たっては、新・国家エネルギー戦略の目標を実現するための技術群を、導入時期、普及見込みといった観点から定量的に評価。これを基に@最終エネルギー消費量(産業部門/業務部門/家庭部門/運輸部門)A1次エネルギー供給量(石油(LPG含)、石炭、天然ガス、原子力、新エネルギー等)B発電設備容量C発電電力量などの全体整合的なエネルギー需給構造として示すことを事務局側から提案した。
 電力については、将来的には需要伸び率が鈍化が見込まれ、原子力依存度を30〜40%程度以上にすることや、原子力稼働率の向上、火力発電の効率化によって環境適合に対応することを基本に、クリーンコールテクノロジーやCCS技術の開発などの石炭火力の環境対応を積極的に進める方針を示している。
 天然ガスについては、今後とも需要が拡大すると見込まれること、また世界的にもLNGの需要拡大が見込まれることから、安定供給の確保を前提に、ガスコージェネなどの高効率利用技術やシステム開発が重要になることなどを指摘している
 新エネルギーについては、低コスト蓄電池の開発や風力の洋上展開などが今後の課題となること、太陽光発電の産業化には弾みがついていることなどが報告された。


CO2地中貯留で経産省の研究会が報告書
 経済産業省は、10月3日、二酸化炭素回収・貯留(CCS)研究会を開きCCSの推進を図る内容の中間とりまとめを行った。
 中間取りまとめでは、地球温暖化対策としてCCSが大量にCO2を排出する石炭火力などのCO2削減を解決する技術として劇的な効果を発揮すること、石炭火力がCO2フリー化することによって、世界的にCO2削減効果が期待できる革新的技術であるとしてCCSを推進することを求めている。また、枯渇油田等からの石油の増産につながる技術であり、CO2の「資源化」の可能性もあることなども盛り込まれている。
 廃棄物の海洋投棄を規制しているロンドン条約の議定書の改定にともなう海洋汚染防止法の改訂も行われ、海底下へのCO2貯留のための法整備も整えられている。

その他の主な記事
都市熱部会でガス事業制度改革の方向を整理
・三菱重工が中国のCDMクレジットを取得
・富士電機らハイブリッド型電力安定化装置の実証開始
・ホンダが太陽電池を本格販売へ
・出光が灯油燃料電池を市場投入
・富士電機が太陽光生産設備を増強
・前田道路が工場にバイオマスコージェネを導入
・洲本市が新エネビジョンの提案募集
・LPG研究成果発表会を開催
・空調工学会90周式典で本を出版
・中央合同7号館PFIで完成、新エネやコージェネも導入
・バイオマスエネ実証試験に関する基礎調査募集
・NEDOの洋上風力F/S調査、E&Eに決まる
・NEDOの省エネ診断委託先は6社
・NEDOがグリーンバイオ技術戦略調査の委託先募集
・冷凍空調・熱源設備のメンテ講習会を開催
・NEDOの地域新エネ導入2次決まる
・越後湯沢でバイオマスシンポ開催
・青森県が環境フォーラム開催  etc.


企画・特集
・京都議定書時代を生きる企業戦略 NTTファシリティーズ編
 ◇ゲスト:NTTファシリティーズ・取締役経営企画部長/筒井清志氏
 ◇聞き手:都市エネルギー協会会長/吉田武治氏
 NTTグループの電力消費量は、日本の販売電力量の約1%を占めていると言われている超大口電力需要家でもある。このNTTグループで、電源設備管理などのファシリティーソリューションを手がけるのがNTTファシリティーズである。NTTグループは、省エネだけではなく、自ら使うエネルギーそのものをクリーンな発電設備でまかなうといった取り組みも行い、コージェネレーションや太陽光・風力発電システムの導入なども積極的に展開、また、東京ガス、大阪ガスとエネットを設立し、電力の小売り事業も手がけるなどエネルギー業界でもその存在感を増している。そうしたNTTグループの環境エネルギーへの取り組みを聞いた。

燃料電池新聞の主な記事
・産総研のセラミックリアクター開発の現状SOFC開発の現状
・伊・ヌベラ社の燃料電池開発の現状
・トヨタの燃料電池車が東海道を完走
・ティラド社が家庭用向けの改質器を開発
・海外ニュース
 -韓国の現代自動車、2012年から燃料電池自動車の生産を開始
 -カナダのポリフューエル社、携帯用DMFCスタックを開発。出力密度は500W/リットルを達成
 -PNNL、水素貯蔵材料としてアンモニアボランを利用
 -米アキュメントリクス社と米ジャドー社、小型SOFCシステムを共同開発
 -ダイムラークライスラー、2010年初めにF-CELLの限定生産開始
 -英ITMパワー社、小型水電解装置を開発
 -独スマートフューエルセル社、ベバスト社のキャンピングカーにDMFCを供給
 -豪セラミック・フューエル・セル社、英国で家庭用燃料電池コージェネの開発を進める
 -米連邦交通局、ナショナル燃料電池バスプロジェクトでNAVCに助成
 -プロトネックス社、大型トラック用補助電源装置向け燃料電池を開発
・燃料電池フラッシュニュース
 -乗用車の新燃費基準がスタート
 -国土交通省、水素・燃料電池自動車の世界統一基準策定作業を開始
 -ダイハツ工業、陰イオン交換型燃料電池を発表
 -新日本石油、ジャパンエナジーに家庭用燃料電池をOEM供給
 -日立製作所、DMFC方式の100W携帯型燃料電池を開発
 -中嶋金属、白金メッキを施した燃料電池用電極を開発
 -FDK、高温下で長期使用を実現したキャパシタ 今期中にサンプル出荷
 -東京工業大学、低純度のアルコールから水素ガスを効率よく生産できる装置を開発
 -早稲田大学、ペロブスカイト型酸化物を利用した改質触媒を開発
 -旭化成ケミカルズ 機械的強度を高めた高分子膜を開発
 -中国工業と広島大、高圧水素タンクを共同開発
 -東芝、シーテックジャパンで燃料電池駆動メディア・プレーヤーを出展
・燃料電池インフォメーション
  etc.

シリーズ連載
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電用語の栞<環境重視型発電>
   
コラム
・発電論評<制度改革に必要な効率的システム整備の視点>
・プリズム<エネルギー価格高騰で静まる環境税導入論>
・ちょっと一休<「女性の品格」の著者に会う>
・青空<情報開示手法と業績>


制度改革に必要な効率的システム整備の視点【発電論評】

 電力制度改革の議論が再開されている。エネルギーの安定供給の確保と地球環境問題への適合がテーマとなっている。電力市場への競争原理の導入によって料金の低廉化や技術革新を促し、需要家の選択肢を多様化するという、当初掲げられていた問題意識は、大いに後退しているように見える。
 自由化議論が始まって、ほぼ10年が経過するが、日本の電力供給と需要構造にはほとんど変化が見られない。日本経済全体が停滞し、デフレも経験したこの10年間に、電力料金もまた数次にわたって引き下げが行われた。自由化の成果として語られるのは常にこの点である。でも、小売り自由化制度の導入によって期待された市場の活性化や新規事業者の参入などは果たして期待どおりに展開しているのかといえばそうでもあるまい。
 電力の課題として、最近特に重要性を増している環境問題についても制度的な不備が目につく。世界的に導入拡大に向けた取り組みが活発化している新エネについても、10年前と比べて新エネの国内導入比率はどれほど増えているというのか。経産省の審議会の場では、日本の再生可能エネルギーの利用は5.8%程度で、欧米諸国に比べても遜色のないレベルにあると説明されている。再生可能エネルギーの中には当然のように大規模水力発電も含まれている。水力と原子力は発電過程ではCO2フリーの電源である。またCCS技術が普及すれば石炭火力だってCO2フリーにできる。技術開発や導入にコスト負担の大きい新エネなどには余り力を入れたくないという姿勢のように見えてしまう。
 この10年間、新エネルギーの開発に、どれだけの政策努力が払われてきたのかということを検証してみる必要はないのだろうか。日本のエネルギー政策の根幹として新エネルギーをどう位置づけ、国産エネルギー開発としてどう取り組むのか。またその価値があるのかどうか。
 最近、電力業界は、ヒートポンプ技術の利用し空調設備を一新すれば1億トン以上のCO2削減効果が期待できるといっている。ヒートポンプ技術は、未利用エネの利用技術で大きな省エネ効果が期待できるので大いに普及を図るべきものだ。一方で、大規模火力発電所を需要地近接型のオンサイトコージェネに置き換え、熱電併給にした場合、どれほどのCO2削減効果が出るのかということについても、試算した結果を是非公表してもらいたい。
 ヒートポンプも、コージェネも、また、新エネも、いいものはすべからく利用し尽くすという姿勢で、エネルギーの供給と利用の両面から最も効率的なシステムを社会インフラとして整備する。そういう視点を今般の制度改革議論の中に是非持ち込んでもらいたい。