2007年105日号

大和ハウスがエネルギーサービス事業に本格参入
 大和ハウス工業は総合エネルギーサービス事業に乗り出す。
 9月26日に、エネルギーの運用改善サービスを展開するイーキュービック(東京都千代田区、岩崎友彦社長)と業務提携を行っており今後、子会社の大和エネルギー、この春に子会社化したエネサーブとともに「エネルギー事業ユニット」を形成し、商業施設や事務所、医療・介護施設などを対象に、エネルギーのトータルマネジメントサービスを提供していく。
 こうしたエネルギー事業によって、事業ユニットでは2010年度に売上高で250億円を目指す。また中期的には、CO2排出権ビジネスへの進出も視野に入れており、大和ハウスの事業の核となる住宅事業やマンション事業においても、環境付加価値のあるサービスを展開していく計画だ。
 10年度の売上高目標を2兆円に設定している大和ハウスは、少子高齢化に伴い住宅事業が伸び悩む中、エネルギー事業を収益の柱に育てていく。
 イーキュービックとの業務提携によって、同社の運用改善サービスと、大和エネルギーのESCO・設備改善サービスとを組み合わせた「エネルギー・ドクター・サービス」という事業スキームを創設した。
 まずは、大和ハウスが建設した商業施設や事務所、医療・介護施設などの顧客に、環境付加価値の高いサービスと設備システムの導入を提案していく。大和エネルギーが機器の調達・施工を行い、レンタル及びESCOを行う。これによって顧客の温暖化対策のニーズにこたえていく。
 また、エネサーブも加えた事業ユニットではエネルギーが「いつ」「どこで」「どのように」という「エネルギー消費の見える化」を基本に、温暖化対策の改善計画を策定し、運用・設備・調達の各対策を合理的に組み合わせたエネルギーのトータルマネジメントを、最適なスケジュールで提供していく。


北電子会社がオンサイト発電事業から撤退決める
 北海道電力は9月20日、子会社のエナジーフロンティア(上山勇治社長、資本金1億円)が行う「A重油を燃料とするオンサイト発電事業」からの撤退を決めた。燃料価格の高騰や高止まりなどによって経営環境が悪化したことで、事業の継続が困難と判断した。
 撤退に伴い、現在のオンサイト発電契約は顧客と協議のうえ、2011年度末までに解約する。また、他の事業については北電グループ会社が継承し、サービスの提供を続ける。事業の撤退・継承が完了後、エナジーフロンティアは解散する。事業撤退などに要する費用約37億円は、北電が全額出資する。
 また、事業撤退に向けた体制の整備を円滑に行うため、北電は同日付けで他の株主である三菱電機、北海電気工事、出光興産、興銀リース、三菱商事から株式を譲り受け、エナジーフロンティアを完全子会社化した。
 電力会社系オンサイト発電事業会社はすでに今年、東京電力子会社のマイエナジーが解散しており、関西電力子会社の関電ガス・アンド・コージェネレーションは関電グループ会社と合併している


環境省が電力事業者の排出係数を公表
 環境省は、06年度の実績に基づく電気事業者のCO2排出係数をまとめ公表した。
 沖縄電力と中国電力を除く一般電力会社8社とPPS7社の温対法に基づく届け出に基づいてとりまとめた。
 最も排出係数の少ない事業者はPPSのGTグリーンパワーの0.289kgCO2/kWh。電力会社8社のうち、最も排出係数が少ないのは、関西電力の0.338kgCO2/kWhだった。
 国内で電力の小売り事業を行っているPPSを含む電気事業者が供給した電力のCO2排出量について、06年度中に電気事業者が国内で小売り販売した電力について電源毎の運転実績に基づいて算定した事業者別排出係数(全電源平均値)を環境省がまとめた。
 1年間の運転実績に基づいて電気事業者毎の排出係数が法令基準として算定・公表されたのはこれが初めて。
 電力9社の平均排出係数(単純平均)は、0.410kg−CO2/kWh。平均を下回っているのは東京電力、関西電力、四国電力、九州電力の4社。また、PPSの中で、電力8社の平均を下回っているのは、GTFグリーンパワー、ファーストエスコの2社。
 また、前年度の公表値より排出係数が良くなったのは、北海道、東北、東京、関西、四国の電力5社と、イーレックス、エネサーブ、GTFグリーンパワー、ファーストエスコ、丸紅のPPS5社。

議定書目標達成計画見直しへ議論再開
 京都議定書目標達成計画の見直しに向けて、「追加対策」の必要性が現実になっている中で、産構審と中環審の合同会合が再開され、具体的な追加対策についての検討を始めた。
 8月に取りまとめられた中間報告では、京都議定書に基づく6%の削減義務に対しては、予定されているCDMクレジットの取得などの京都メカニズムの活用量や森林吸収量が計画通りに進んだとしても、1.5%〜2.7%程度の未達となるとの見通しが示され、現行対策の枠外で、更なる追加対策が必要となっている。
 このため、環境省と、経産省は合同会合の場で、目標達成に必要となる追加対策を盛り込んだ中間報告に引き続く最終報告を年内に取りまとめ、新たな目標達成計画を策定し、削減義務を履行が必要になる08年度から取組が行えるようにする。
 追加対策として、具体的に検討されるのは、産業界が業界ごとに目標を定め取り組んでいる「自主行動計画」の一層の取組強化や目標を持たない業種への拡大。また、取組の遅れが指摘されている中小企業対策を目的とする「国内排出権取引制度」の導入やエネルギー諸税や道路財源などの税制改正なども検討の対象になる。中間報告で示されている見通しは、あくまでも現行対策が完全に履行されることを前提としたものであり、中越沖地震などによる原子力などの大規模電源の長期間停止の影響などで現行対策が計画通りに進まないという新たな課題も出現している。

北九州でエコ・テクノ展
 北九州市、西日本産業貿易コンベンション協会は10月17〜19日の3日間、北九州市の西日本総合展示場で「エコ・テクノ2007」を開催する。
 15回目となる今回は「サスティナブル社会の実現を目指して」をテーマに、西日本地域で展開されているリサイクル事業やバイオマス、水素エネルギーの技術動向などを紹介したさまざまな展示、セミナーが予定されている。
 展示場では、西部ガスが家庭用ガスエンジン給湯器「エコウィル」など住宅用の高効率省エネルギー機器を展示するほか、九州電力が三菱自動車と共同開発している次世代電気自動車「アイ・ミーブ」の試乗を行うなど、250の企業・団体がそれぞれの新製品、新技術を紹介する。

エコウィルがBL認定
 ベターリビングは家庭用ガスコージェネ「エコウィル」を、8月15日付けで「BL−bs部品」に認定したと発表した。
 環境保全や住宅ストックの形成・活用、また高齢者などが安全にかつ快適に生活を送ることに寄与するなど、社会的要請への対応を先導する優良住宅部品として認定した。
 エコウィルは昨年10月、発電効率を20%から22.5%へ向上させ、CO2発生量をさらに削減したほか、奥行き寸法を30mm縮小し省スペース化を図った。今後は「BL−bs認定マーク」を表示できる。

その他の主な記事
・川重がGTをシンガポールから初受注
・トーエネックとシーテックが事業移管
・新エネ世界展の開催迫る
・COJが市民主導型CO2削減事業開始
・デンヨーがオランダに子会社設立
・原発用非常用ディーゼルの保安対策
・三洋電機が210Wモジュールを発売
・中部電力が御前崎に風力発電所建設
・クボタが投光機と発電機を発売へ
・東京不、エコジョーズを標準仕様に
・三菱重工、ロシア企業と協業 
・水素とFCロードマップ改定のための調査委託先募集
・中小企業対象にCO2クレジット、NEDOが募集
・高効率エネ2次募集開始
・太陽熱高度利用2次、12件決まる
・神奈川県ESCO2件
・安城市民会館ESCO
・滋賀県、県有施設にESCO
・名古屋大学ESCO
・バイオマスエネ高効率転換技術で報告会
・経産省が公用車にバイオガソリン
・排ガス対策原動機と建機、低騒音建機
・ボイラー大会、11月に山口で開催
・コージェネセンターが事務所を移転
  etc.
                 
シリーズ連載
・再生可能エネルギー 新潮流O<市民共同発電所全国フォーラム>
・建築計画・工事ニュース
     
コラム
・発電論評<追加対策としてのCO2取引への期待>
・プリズム<チョイ悪になれないオール電化生活>
・ちょっと一休<木俣参議院議員と17年ぶりに会う>
・青空<先輩記者の退職>


追加対策としてのCO2取引への期待【発電論評】

 京都議定書に基づく日本のCO2削減義務6%の履行期間が08年から始まる。期間は12年までの5年間。5年間の平均で、90年の排出量の実績から日本は6%の削減義務を負うというのが約束だ。ところが、最新の見通しでは、10年度の国内の排出量の見通しでは、この義務履行は極めて困難であることが明らかになり、新たな削減対策が必要になっている。見通しは、京都メカニズムに基づくCDMクレジットの活用や、森林のCO2吸収などが計画通りに進むことを前提としており、それでもなお、6%削減が困難だいうことに問題の深刻さがある。
 なぜそうなったのかという分析は、詳細にはされていないが、中小企業や家庭などでの省エネ化が遅れていることや、ビルなどの業務部門、運輸部門などの取り組みの遅れなどが今後の課題として指摘されている。
 そこで、追加対策の有力な手段として、にわかに注目を集め始めたものに、国内排出権取引がある。特に、積極的な導入を目指している経済産業省の構想は、中小企業のCO2削減対策として導入しようと考えている。
 中小企業の対策が遅れている原因は、省エネ設備を導入する資金やノウハウが乏しいためであり、これを資金やノウハウを持つ大企業のサポートを受けられやすくする仕組みを導入することで、中小企業の対策を支援しようというもの。
 省エネ設備を導入しCO2を削減した中小企業には、削減量に応じてCO2クレジットを認定する。認定されたクレジットは、投資を行った大企業が取得できたり、市場を通じて売買できる仕組みを整備して、投資の回収ができるようにする。自主行動計画でCO2削減に取り組んでいる企業の取り組みで、京都メカニズム活用する計画の一部をこの「国内CDM」に振り向けてもらうことで、国内の中小企業の省エネ投資を活発化させたいという考えである。
 市場が整備され、CO2削減量に経済的な価値が付加されることで、従来は生産性の向上以外には経済的価値がなく、どちらかといえばマイナスの投資といわれていた省エネ投資に新たなインセンティブが生まれることになる。
 CO2に新たな経済的価値を付加して商品として市場流通させるという排出権取引は、ポスト京都議定書を模索する国際社会の中でも取り組みが始まっており、日本の国内市場の整備を求める声も高まってきている。経産省では、このCO2取引市場として卸電力取引所を活用する方向で検討を始めている。そうなると、流通する電気も電気とCO2価値という2つの価値を持つことになり、コージェネや新エネ電力が、流通しやすくなることが期待できるかもしれない。