2007年815日号

RPS価格は4.9円 前年度比はマイナスに
 資源エネルギー庁は、RPS電力の06年度分取引価格の調査結果をまとめた。RPS法に基づく新エネルギー起源の電力を電力会社やPPS各社が購入している取引価格をアンケート調査によってまとめた。調査は今回で4年目で、電力会社とPPSを合わせた電気事業者30社の回答結果を集計した。
 調査結果では、RPS電力価格は「RPS相当量のみ」は平均で4.9円(加重平均価格・回答数70件)で、前年度に比べて0.2円のマイナス、「電気のみ」の取引価格は7.8円(同・15件)だった。電気のみの取引価格はPPSだけの調査結果で、電力会社分の平均価格は集計されていない。
 また、「RPS相当量+電気」では、最も回答数の多かった風力が10.7円(同・202件)、水力8.4円(同・78件)、バイオマス7.7円(同・173件)という結果だった。前年度に比べて風力は0.3円のマイナスだったが、バイオマスは0.1円値上がりした。水力の取引価格は変動はないが単純平均ではやや値下がりしている。RPS電力は、まだ移行措置期間中であり、義務量が低く調整されている関係もあり、余剰分を翌年度の義務量で相殺できるバンキング電力量が増大しており、取引価格が低く抑えられたままの状態が継続しているといえる。
 太陽光については、電力会社が販売電力料金で買い取るというメニュー料金であるため、平均価格の発表はされていないが、取引最高価格は家庭用が24.1円で、最低が18.8円、業務用は最高が12.9円で、最低が8.7円だった。
 RPS相当量のみの最高は、7.0円、最低は2.0円。最高が3.0円のマイナス、最低も0.2円のマイナスで、ともに前年度に比べて値下がりした。


2010年度の需給見通しまとめ エネルギー起源CO2はさらに増加
 総合資源エネルギー調査会の需給部会は、8月9日、第3回の会合を開き2010年度のエネルギー需給見通しをまとめた。需給見通しは、現行の省エネ対策などを反映させ、最新のエネルギー需給動向に基づいて、2010年度のエネルギー起源CO2排出量は90年比で3.8%〜5.0%増の水準となると予測。現行対策のままでは、京都議定書目標達成は困難であるとの見通しを行った。需給見通しは追加対策については想定しておらず、最近の原発事故等による原発稼働率の低下なども盛り込んでいない。需給部会では、今後、目標達成計画の見直しの内容を反映させ、年内にも追加対策を盛り込んだ需給見通しを定める。
 見通しでは、エネルギー需要は産業部門では90年比でほぼ横ばいにとどまる一方で、家庭部門では約26〜27%、業務部門では約47%〜49%、運輸部門では約14〜15%、それぞれ増加するとして、現行対策のままでは不十分でCO2削減の追加対策が必要だと結論づけている。とくに、家庭・業務部門の対策を抜本的に強化する必要があると指摘しており、中小企業対策を中心に、国内排出量取引制度の導入などを追加対策として打ち出す省エネ、省CO2政策の見直しを進めると説明した。
 エネルギー源別の供給見通しでは、石油の消費量は減少するものの約40%を占める。原子力は新規増設分として1基が見込まれており、シェアは14.2%から14.3%へとやや増加。新エネルギーは若干のシェアの増加を見込み、天然ガスのシェアのシェアもやや増え16.2%〜15.8%程度になると見通している。
 新エネルギーについては、10年度の現行導入目標量が1910万キロリットル(原油換算)であるのに対して、現状のままでは400万キロリットル程度の未達となると予想。天然ガスコージェネは現行目標約498万kWの達成は確実で、最大503万kWの導入が見込まれるとしている。燃料電池については、目標の220万kWに対して現状のままでは、2万kW程度の導入量にとどまるとの見通しであるが、家庭用などの小型分野での普及が期待できるとの見通し。
 また、電力分野でのCO2削減対策については自主行動計画であるCO2排出原単位20%の削減目標は困難な状態であるが、見通しでは目標達成を前提として計算されている。


東北電力が風力連携説明会開催へ
 東北電力は9月4日、本店ビル(仙台市青葉区)で07年度風力発電募集説明会を開く。同社電力系統に風力発電の連系を計画している事業者や自治体などが対象。
 07年度は出力2千kW以上の大規模風力を全体で7万kW、出力20kW以上2千kW未満の中規模風力を1万kW募集する。
 それぞれ周波数変動対策を行うことが条件で、具体的には、大規模風力は出力変動緩和制御(蓄電池などを併設し風力の出力変動を緩和)を行うこと。中規模風力は電力需要の少ない夜間などでの発電停止など。
 06年度に、技術的な検証を行うことを目的に募集した出力一定制御(5万kW)については、今年度は募集しない。また20kW未満の小規模風力は周波数変動対策を不要とし、系統連系協議を随時受け付ける。
 同日以降18日まで予備検討を受け付け、予備検討の結果を回答後、抽選申し込みを経て12月中にも連系者を決定する。

日産自動車がクリーンディーゼル技術を発表
 日産自動車は高性能触媒技術を採用し、米カリフォルニア州の排出ガス規制SULEVレベルをクリアするクリーンディーゼル技術を発表した。
 同社のクリーンディーゼル技術は@NOXとPMを同時に低減し規制物質の発生を元から抑える「MK燃焼」技術A高性能触媒技術(HC・NOXトラップ触媒)B排ガス中のO2濃度を高精度で制御し良燃費とクリーンな排出ガスを両立する高度エンジン制御技術−の3つで構成される。
 今回発表したHC・NOXトラップ触媒技術では、NOXをトラップして浄化する層にHCの吸着層を追加し、吸着したHCと微量のO2を利用して、NOX還元効率の高いH2やCOを生成し、高効率なNOX浄化を実現した。
 この触媒技術によって、北米排出ガス規制よりもさらに厳しいカリフォルニア州の排出ガス規制SULEVレベルをクリアできる、としている。


中部電力と東邦ガスが熱電供給会社を共同で設立
 中部電力と東邦ガスはクオリティライフ21城北地区(名古屋市北区)において、熱供給を行うための事業会社「名古屋都市エネルギー」を10月1日付け(予定)で設立する。資本金は2億円で両社が折半出資する。
 同地区は、名古屋新世紀計画2010「福祉・安全都市の実現」に向けた先導的プロジェクトの一つとして位置付けられ、志賀公園に隣接する平手町において、保健・医療・福祉の総合的エリアとして、10年度の完成を目指して整備が進められる。
 新会社は高効率ターボ冷凍機、水蓄熱槽、天然ガスコージェネ、ガス吸収冷温水機、蒸気ボイラーなどを設置したエネルギープラントから、西部医療センター中央病院(仮称)を始めとする複数の建物に冷水と蒸気を供給する。併せて電力も供給する。


三菱商事がバイオエタノール製造事業に参入
 三菱商事は国産バイオエタノール製造事業に参画する。北海道農業協同組合中央会などJAグループ北海道が、今年6月に資本金5億9千万円で設立した「北海道バイオエタノール」から、3億円の増資引き受けを行い、JAグループに次ぐ株主となる。
 同事業会社は今年度、農林水産省から国庫補助を受ける国家プロジェクト「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」の一つとして認定され、ホクレン十勝清水精糖工場内で、09年4月から年間1万5千キロリットル規模のバイオエタノールを生産する。三菱商事はキリンビールとともに製造設備を受注していた。
 同事業会社では主原料として、国内産糖交付金対象外のてん菜と、通常は食用にならない規格外の小麦を充てる予定で、地域の農業と共生しながらバイオエタノールを製造する。
 世界では、米国やブラジルを中心に年間約4600万キロリットルのバイオエタノールが生産されており、わが国でも2010年度には原油換算で50万キロリットルの生産が目標となっている。

その他の主な記事
4月末のRPS認定設備
・第2回省エネ政策小委員会
・JTBが個人向けCO2ゼロ旅行
・産総研が高感度フッ素分析装置を開発
・エス・イー・エスが昭和真空からOEM調達
・ソニー損保がグリーン証書を購入
・日立製作所が石炭火力ボイラー向け燃焼設備建設
・三井造船がフィンランド社からゼオライト膜を受注
・JHIFが第7回会議
・Jパワーが米で3件目のIPP事業
・政策投資銀行らが排出権セミナー
・国交省の環境部会中間報告
・三菱重工、ハンガリー向けGTCC受注
・アルバックが台湾社から太陽光製造装置一括受注
・マツダが水素自動車を経産省に納入
・松下電工が新型電力計発売
・中部電力が高効率ヒーポン床暖房を開発
・川重が複合バイオマス施設を納入
・エネ工研シンポ、バイオマスで
・北海道地区でコージェネセミナー
・バイオマス先導研究開発決まる
・民生モデル評価決まる、2次募集も開始
・CDM推進調査、8件決まる
・風力フィールド高所決まる
・笠取風力発電所今秋着工へ
・環境省が07年度CDM/JI事業調査27件採択
・環境省が病院のCO2削減で8件採択
・東ガスでコージェネ講習会  etc.
                 
燃料電池新聞の主な記事
・フォードFC自動車写真
・リチウムイオン電池の動向A
・NEDO燃料電池・水素技術開発成果報告会レポート
・SOFC開発の現状B
・山梨大がセル内の可視化に成功
・海外ニュース
・燃料電池フラッシュニュース
 -トヨタ自動車、プラグインハイブリッドの国土交通大臣認定を取得
 -東芝、ワイヤレスジャパン2007でダイレクトメタノール型燃料電池などを公開
 -デンケン、九州電力など、工場排熱で水素製造
 -JR東日本、世界初のハイブリッド鉄道車両の営業運転を開始
 -東北大学、木材チップなどセルロースの粉砕・加熱で高純度の水素ガスを高効率で発生
 -米フォード、世界最速を目指した燃料電池車を開発
 -米エネルギー省は先進的な自動車技術研究に1900万ドルを助成
・燃料電池インフォメーション
  etc.
                 
シリーズ連載
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電用語の栞<CO2貯留技術@>
   
コラム
・発電論評<家庭用コージェネでできること>
・プリズム<原発改修費と電気料金の相関>
・ちょっと一休<薬師寺の安田管主の講話を聞く>
・青空<暑い夏に思う>


家庭用コージェネでできること【発電論評】

 エコウィルやライフエルという名前で、家庭用のコージェネレーションシステムがジワジワと普及し始めている。前者がガスエンジンで後者は燃料電池システムである。都市ガスやLPガス、灯油を燃料として使用するのは共通で、ガスエンジンは既に5万台ほどが普及し、燃料電池の方は大規模実証事業として1千台規模でのフィールドテストが行われている。
 コージェネシステムのよい点は、エネルギー利用効率が飛び抜けて高いことであり、発生する熱と電気を最大限利用すれば80%以上の熱効率も可能となる。単純に言えば、家庭でのガスや石油、電気といったエネルギーの使用量が半分にできるということになる。しかしながら、決して思うようにはシステムの普及が進んでいる訳ではない。その背景には、この国の電力政策の貧困さを垣間見ることができる。
 商品化されている家庭用のシステムは、発電出力が1kW級のもの。家庭用の契約電力は、通常3〜5kW程度が主流なのに、なぜ、契約電力と同規模の発電システムが普及しないのであろうか。それは、余った電気は棄てざるを得ないという精度上の欠陥があるからである。契約電力は3kWでも、それは最大で使用できる電力量として契約しているもので、実際に一日中3kWの電気を使っているわけではない。
 コージェネシステムの開発者らによると、エアコン使用時などを除けば、一般家庭では、0.8kWから1kW程度が平均使用量なのだという。1日10〜12時間程度使用すると考えると、1ヶ月平均ではほぼ300kWhの使用量程度。コージェネシステムは定格運転が最も効率的な運転条件として設計されているので、最も効率よく使える規模がこの程度というわけである。
 ここで、さらに疑問がわく。熱のことは考えないのかと。実は効率利用の答えは、ここにある。入浴や給湯、空調などの熱需要に併せたシステム設定をすると発電した電気が使い切れない場合がある。そうした場合に電気を棄てることになってしまい、無駄がでる。そのため、電気を余らせないために、電気使用量の平均にシステム規模を設定して、足りない電気や熱は、従来の方法で補うことにしているというわけだ。
 余った電気が他に利用できる手段があれば、例えば、余剰電力が販売できる仕組みや事業育成策があれば、熱需要に見合ったもう少し大きいシステムが利用でき、システムの普及や電気の効率利用にも弾みがつく。そのためには、余剰電力流通のための安価な託送料金の仕組みも必要になるかもしれない。
 家庭部門のエネルギー利用効率を飛躍的に向上させ、社会全体の更なる省エネやCO2削減に結びつくのであれば、一考に値するのではないか。