2007年625日号

「ディーゼルの退潮くっきり」コージェネセンターが06年度末の導入状況を集計
 日本コージェネレーションセンター(平田賢会長)は、国内のコージェネレーションシステムの導入状況をまとめた。それによると、06年度のコージェネシステムの導入量(増減量)は602件、43万1556kWで、前年度に比べて大幅な減少となった。特に燃料費の高騰を背景にディーゼルコージェネの退潮が際だっている。06年度末の累計では、産業用が2169件(4149台)、707万992kW、民生用が5190件(7461台)、171万7323kW、合計で7359件(1万1610台)、878万6314kWとなった。06年度単年度の増加分は、産業用が71件(146台)、34万4551台、民生用が531件(673台)、8万7005kW、合計で602件(819台)43万1556kWの増加となった。
 06年度は、原油価格の高騰を背景としたオンサイトエネルギーサービスの事業環境の悪化から、業界最大手のエネサーブが事業撤退するなど、ディーゼルコージェネは導入実績がほとんどないという状況。コージェネセンターのまとめでは、エネサーブの撤去分は37万5070kWで、エネサーブの撤去分は、導入年度に遡ってデータを削除し、再集計したとしている。
 原動機別の導入状況を見ると、ディーゼルコージェネはほぼ壊滅状態で、06年度の導入量は3件、4715kW。一方、ガスエンジンとガスタービンはそれぞれ前年度に比べて導入量は減少しているものの減少幅は比較的に少なく、ガスエンジンの06年度の導入量は、579件(792台)、33万3489kW、ガスタービンは20件(24台)、9万3353kWで、特にガスエンジンコージェネが高水準の導入量を維持しているのが目立っている。
 前年度のデータと比較すると、導入件数の累計で、ガスエンジンはシェアを8ポイント増やし60%になり、ディーゼルは7ポイント減って29%とシェアを落とした。発電容量ではガスタービンが42%から43%へと微増、ガスエンジンが18%から22%へと4ポイントのばしたのに対して、ディーゼルは40%から35%へと5ポイントのマイナスとなった。燃料種別では、都市ガスの施設件数が56%から60%へと4ポイント増、LPGも5%から6%へとシェアが伸びたのに対して、石油系、特に発電用の主要燃料であるA重油のシェアは34%から28%へと大きく減少。容量でも都市ガスが40%、A重油が39%とほぼ拮抗していたものが、ガス45%、A重油33%となり、石油からガスへという移行傾向がはっきりと現れている。


コージェネ用ガスタービン発電装置を韓国から連続受注−川崎重工業
 川崎重工業グループのカワサキマシンシステムズは、韓国の三星テックウィン社から、ソウル市の2病院に導入される天然ガス燃料のコージェネシステム用ガスタービン発電装置を相次いで受注した。受注したガスタービン発電装置は三星医療院向け2845kW×1基と、江南聖母病院向け2900kW、1500kWのそれぞれ1基。受注金額は明らかにしていない。川重が、韓国で天然ガス燃料のコージェネ用ガスタービン発電装置を受注したのは今回が初めて。
 三星医療院(約1200床)は三星グループの総合病院。システムはガスタービン発電装置と排熱回収ボイラーで構成され、同病院に電力と毎時9トンの蒸気を供給する。
 江南聖母病院(約800床)は、新たに1200床の病棟と研究センターを建設する計画で、システムは新施設向けに電力供給するのが目的。電力と毎時13.5トンの蒸気を供給するほか、非常用発電設備としての役割も担っている。
 2病院とも三星テックウィン社が周辺機器の調達と施工工事を担当する。完成は三星が07年7月、江南が同12月の予定。


三洋電機が太陽電池を高効率化、変換効率22%を達成
 三洋電機は6月19日、HIT太陽電池で、実用サイズ(100平方cm以上)の結晶シリコン系太陽電池セルの変換効率としては、世界最高となる22.0%を研究レベルで達成したと発表した。従来は21.8%だった。HIT太陽電池は、発電層である結晶シリコン基板にアモルファスシリコン層を積層することで、電気の素であるキャリア(電荷)の再結合損失を低減させる独自構造の太陽電池セル。
 今回、結晶シリコン基板の清浄性を高めるとともに、積層時の基板へのダメージを抑制することなどで世界で初めて22%の壁を突破した。今後は2010年度までに量産レベルでの実現を目指す。


三井住友銀行がCO2クレジットを信託方式で
 三井住友銀行は、信託機能を活用して小口で排出権を共同購入する紹介サービスをおこなっているが、このたび、邦銀で初めて成約したと発表した。CDM事業などとして実施されているCO2クレジットを購入し、小口に分割して企業などに販売する。
 今回の成約案件は、ブラジルの木材加工工場が廃棄する残留物を使って行う1万kWのバイオマス発電のCO2クレジットを企業から信託を受けた三井住友銀行が購入し、信託した複数の企業に配分する。信託期間中は銀行が排出権の管理を行う。
 三井住友銀行はCO2クレジットを信託財産として取り扱う事業認可を今年3月に取得し、排出権紹介サービスとして事業化を図っていた。ブラジルのバイオマス発電は今年2月に国連登録を終えている。
 今回の成約案件の信託企業は、森トラスト、三井住友カード、三井住友銀リースの3社。CO2排出権取引はCDM案件などのほか国内でも独自の排出権取引制度の実施に向けて議論が高まってきており、今後、CO2クレジットの債権化市場の整備に向けて、金融機関の動きが活発化することが予想される。


ウィズガスCLUBが1周年記念セミナーを開催
 豊かで潤いのある住生活の実現を目指しガス、住宅、キッチン・バス、ガス石油機器の業界4団体が設立した「ウィズガスCLUB」が、設立1周年を記念して6月14日、東京プリンスホテルで記念シンポジウムと懇親パーティーを開いた。シンポジウムでは、村木茂・日本ガス体エネルギー普及促進協議会会長(東京ガス常務執行役員)が開会あいさつを行った後、三木健・資源エネルギー庁省エネルギー対策課長が「ロ・ハウス構想の推進と住宅の省エネ対策」について基調講演。また「ウィズガス住宅フォトコンテスト」の表彰式や、「快適でエコな暮らしを目指して」をテーマにパネルディスカッションが行われた。

07年度のRPS義務量は60億7千万kW
 資源エネルギー庁は、07年度のRPS電力の事業者別の使用義務量を発表した。RPS義務量は、国内で電力の小売り事業を営む全電力事業者に、一律に利用目標量を定め、販売する電力の一定割合を風力発電や太陽光発電などの新エネ電力の利用を義務づけるもので、今年度で5年目となる。2010年度までは制度開始に伴う経過措置として義務量を割り引く緩和措置がとられており、今年度の目標量は約87万kWhに対して調整後の義務量として事業者全体で60億6783万9千kWが決められた。義務量が与えられたのは10電力会社のほか特定電気事業者(限定地域で電力供給を行う事業者)5社と特定規模電気事業者(PPS)13社の合計28社。
 義務量の内訳は、電力事業者10社が98.44%を占め、特定電気事業者は0.02%、PPSが1.54%とRPS電力のほとんどは電力事業者が占める。もっとも義務量の多い東京電力は、18億6378万7千kWで、全体のシェアは30.72%。次に義務量が多いのは関西電力の10億2490万5千kWで、シェアは16.89%。電力会社の中で最も義務量が少ないのは沖縄電力で3673万1千kWで、シェアは0.61%。沖縄を除くと四国電力の1億6051万4千kW(シェア2.65%)が最も少ない。
 一方、PPSの中で最も義務量が多いのはエネットの5408万1千kW(シェア0.89%)で、沖縄電力より義務量は多いが、PPS全体の義務量(9342万6千kW)は、四国電力1社より少ない。
 RPS義務量は、当年度の義務量以上にRPS電力を利用した場合は翌年度に繰り越すことができるバンキング制度があり、05年度のバンキング量は約37億kWhと07年度義務量の半分以上があったことから、当面はRPS設備の新規の増設がなくても義務量の達成は確実な状況となっている。
 07年度分の約60億6800万kWhは、1千kWの風力発電で設備利用率が25%の場合は約2870基分に相当。また、太陽光発電の場合は608万kW(年間発電量1kW当たり約1千kWh)に相当する。


その他の主な記事
電気事業分科会にWG
・総合エネ調・省エネ部会が再開、小委を設置
・バイオエタノール実証事業3地区決定
・三菱電機が海外向け太陽光モジュールを新発売
・GMが燃料電池の開発を加速化
・東北電力がハンガリーでバイオマス発電
・東電川崎火力第3軸が営業運転を開始
・三浦工業がボイラーのNOX値を25分の1に低減
・ヒートポンプセンターが蓄熱セミナー
・戸田建設が環境配慮住宅を開発
・島根県高野山風力発電所
・NEDOが燃料電池で報告会
・地熱開発費補助と促進調査決まる
・省エネ連携推進事業(建築)決まる
・JHIF第6回会議
・JHIF、分科会設立
・日本自然エネがヤマハにG証書発行
・ガス協会が総会
・NEDOと中電が電力系統制御用SMESの実証試験開始
・ホンダが薄膜太陽電池の販売を開始   etc.

企画・特集
・京都議定書時代の企業戦略−キリンビール編
 ◇ゲスト キリンビールCSR推進部社会環境室 山村宜之室長
 ◇聞き手 都市エネルギー協会 吉田武治会長−

シリーズ連載
・再生可能エネルギー 新潮流F<ドイツの風力発電その2>
・建築計画・工事ニュー


コラム
・発電論評<需要家選択肢のもう一つの視点>
・プリズム<システム改修では済まないデータ流出>
・ちょっと一休<バーレーンの若者に話を聞く>
・青空<「暑い夏」の参院選>


需要家選択肢のもう一つの視点【発電論評】

 電力制度改革による自由化拡大の本義は、対象範囲を単に広げることではなく、自由な競争が行える市場環境が整備されているかどうかということになるわけだが、今日の電力自由化市場では、ほとんど競争らしい競争が行われていないという現状がある。
 PPSの市場占有率は2%に届かず、多くの需要家は従来からの電力会社から、電力を購入している。今時の制度改革を進めていく上で、需要家の視点に立つということが基本的な考え方として示されているが、今後の議論が、是非、需要家の視点に立って、市場環境整備に向けて前向きに進んでいくことを期待したい。
 さて、需要家の視点に立つとは、どういうことなのであろうか。それは、とりもなおさず必要なときに、必要なだけ、必要なもの(電力)が使用できるということに他ならないだろう。そうした観点から見ると、現在の電力市場は、およそ「市場」というにはおこがましいとさえいえる惨憺たる状況にあるということに気付く。
 予定されている論点の中には、需要家の選択肢という視点も盛り込まれてはいるが、これまでの検討経緯を見る限り、需要家の選択肢とは、供給者を選べるようにするという意味で考えられているが、本当にそれだけでいいのだろうか。需要家の選択肢とは、電力会社を変えることではなくて、購入する電力を選択するということが本意であり、その結果、望ましい電力を供給してくれる電力会社を選ぶということになるはずである。しかしながら、再生可能エネルギーである風力発電やバイオマス発電の電気を電力を購入したいと思っても、提供してくれる電力会社はなく、需要家は電力会社は選べても電気は選べないという現状がある。
 国と電力会社は電力セクターのCO2削減対策として原子力発電の活用強化を打ち出している。現在、発電設備の30%、供給電力の40%を占める原子力発電をCO2ゼロ電源として維持拡大する方針を打ち出しているが、この場合も需要家が、CO2の削減のために、原子力発電の電力だけを購入したいと考えても、それに応えられない制度設計になってしまっている。原子力にしても、新エネルギーにしても、電力セクターにとっては、CO2ゼロ電力として、これから拡大を図っていくべきものなのだとすれば、需要家が自ら電源を選択できる制度設計を目指すべきではないか。
 電力は系統の中で混ぜられ、同質なものになるのだとしても、その出自は発電記録によって明らかにできるはずで、需要家が電源を選択できるようにするという視点を、是非、制度改革議論の中に加えて欲しいと思う。