2007年615日号

京葉コンビナート11社がCO2削減で面的連携 千葉県らと戦略まとめ
 千葉県は6月7日、京葉臨海コンビナートに立地する企業11社や経済産業省と共同で、地球温暖化防止など環境問題への取り組みと、京葉臨海コンビナートの国際競争力の強化の両立を目指す「エネルギーフロントランナーちば推進戦略」をまとめた。
 同戦略は橘川武郎一橋大学院教授を委員長に、昨年11月から新日本製鉄、出光興産、丸善石油のほか、東京ガス、東京電力らが加わった企業11社が委員となり検討してきたものを今回、中間構想として取りまとめた。オブザーバーとして資源エネルギー庁やNEDOも参画している。
 コンビナート内のプラントを高度化し、さらなる省エネを促進するためのアクションプランとして、LNGの廃熱の活用や、コンビナート内の熱電施設の統廃合、相互融通など4分野での取り組みを強化することで、年間最大で約130万トンのCO2削減を見込んでいる。具体的なアクションプランとして示されているのは@冷熱の活用=現在廃棄しているLNG基地の極低温冷熱(マイマス160度C)活用で年約1万トンのCO2削減A熱電の共用=小規模で老朽化した熱電施設を統廃合し、効率的な供給システムを構築する。蒸気供給の効率化で年約3万トンのCO2削減、最新の高効率熱電施設に導入することで年約79万トンのCO2削減B重質留分の活用=石油精製・石油化学各社でボトルネックになる余剰重油を、重質残さと廃棄物・バイオ燃料が使える100万トン級のグリーンボイラーを導入することで年約32.5万トンのCO2削減C水素の活用=コンビナート各社で製造・利用されている水素の効率的な回収、周辺地域への供給で年約17万トンのCO2を削減するとしている。
 県はこの戦略を進めるため、7月初めにも知事直属の推進会議を立ち上げる予定。


デンヨーが西日本発電機を子会社化
 デンヨーは6月4日、防災用・非常用ディーゼル自家発電機製造の西日本発電機(佐賀県唐津市)を子会社化すると発表した。西日本発電機の親会社、阪和興業(東京都中央区)が保有する発効済み全株式1千株をデンヨーが取得する。取得価格は2億8千万円。11日に株券引き渡しを終えた。
 エンジン発電機と溶接機の製造販売を主な事業とするデンヨーは、工事現場などで使われる可搬式エンジン発電機では、国内で最大のシェアを有するものの、防災用や非常用自家発電機の分野が弱かった。
 一方、西日本発電機は、スプリンクラーなど消防用負荷への電力供給のために設置される防災用自家発電機の分野では、常に国内5位以内の製造販売台数を誇っている。業界団体の調べによると05年度、6045台導入された防災用自家発電機の内、ヤンマーエネルギーシステムの2452台、東京電機の887台、三菱重工業の644台に次いで565台、総容量にして3万8340kWを納入している(デンヨーは7台)。
 今回デンヨーは、発電機用鋼板の購入で取り引きのある阪和興業の株式譲渡提案を受け、西日本発電機を子会社化することにした。特に西日本地域で強固な営業基盤を持つ同社を子会社化することで、グループ全体として防災用・非常用の分野でのシェア拡大を図る。
 西日本発電機の07年3月期の売上高は21億1300万円、経常利益は1億4400万円、当期純利益は6500万円。デンヨーは、子会社化による08年3月期の連結業績予想の変動は軽微であるとしている


再生可能エネルギー協議会が発足
 再生可能エネルギーの普及拡大に向けて「再生可能エネルギー協議会」が発足した。昨年10月に開催された再生可能エネルギー2006国際会議や第1回新エネルギー世界展示会を主催した組織委員会のメンバー、NEDO、新エネルギー財団といった新エネルギー関連団体が協力して展示会や国際会議などの新エネルギーの普及啓発に向けた活動を行い、再生可能エネルギーの普及を目指す。協議会の代表には黒川浩助東京農工大学大学院教授が就任した。昨年、2万3千人以上が訪れた「国際会議」を持続的なものとするため、再生可能エネルギーの関連団体や関係者の連絡組織として機能させる。
 協議会は、発足に合わせて、今年10月に第2回の新エネルギー世界展示会を開催することを発表した。昨年に引き続き、10月10日から3日間の会期で幕張メッセを会場に開催される。協議会が主催する初めての大規模なイベントとなるが、前回を上回る来場者数2万5千人、出展小間数500小間を目標に開催することにしている。
 協議会の役員は次のメンバー。▽代表:黒川浩助/東京農工大学教授▽副代表:牛山泉足利工業大学副学長 小長井誠/東京工業大学教授 山崎正和/産総研理事 山本孝彦/NEDO理事 飯塚和憲/新エネ財団副会長▽諮問委員会委員長:柏木孝夫/東京工業大学統合研究院教授

東京発電の小水力事業に環境省が補助金
 東京電力グループの東京発電は6月7日、千葉県水道局と進めている自家消費型小水力発電共同事業が、環境省の07年度「2酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター〈起業支援〉事業」の交付決定を受けたと発表した。同社が資金調達したうえで、千葉県水道局の幕張給水場(千葉市)内に350kW、妙典給水場(市川市)内に300kWの小水力発電所を建設し、運転保守を手がけるESCO事業。発電電力は両給水場とも自家消費し、幕張では年間使用電力量の約20%、妙典では約16%をまかなう。両発電所合わせて年間890トンのCO2削減効果を見込んでいる。9月から建設を開始、来年4月からの営業運転開始を目指す。運営期間は20年間。
その他の主な記事
風力と環境保全研究会が論点まとめ
・サミット首脳宣言でもコージェネ推進
・電力卸市場活性化など規制改革会議が第一次答申
・めざせソーラーニッポン 太陽光発電シンポジウム開催
・電気設備学会が総会
・熱エネ輸送システムでセミナー
・環境対応型ボイラー導入、交付決定
・竣亭補償装置など製品コンクール受賞者決まる
・静ガス、料金回収システムなどで報告書
・北ガスが9月から料金値下げ
・三菱重工がインドに火力発電技術を供与
・中部電力がインドからCDMクレジットを購入
・三菱重工が米国から大型風車を大量受注
・住金鹿島火力が運開
・自然エネ促進シンポ、7月に開催
・京メカクレジット公募開始
・NEFが新規にSOFC実証開始
・デンヨーがインバーター発電機発売
・物産と丸紅がLPG事業を統合  etc.

企画特集
・東京ガスのガスコージェネ戦略
(◇村木茂エネルギーソリューション本部長に聞く)
               
燃料電池新聞の主な記事
・SOFC開発の現状と展望(その1)
 <東邦ガスのSOFC開発>
・第14回燃料電池シンポジウム報告
・人とくるまのテクノロジー展を開催
・経済産業省の次世代自動車・燃料イニシアティブ
・トヨタのハイブリッド車が累計で100万台に
・燃料電池フラッシュニュース
 -日本電産らが小型空気ファンサンプル出荷
 -経産省が電力貯蔵設備の規制緩和を検討
 -産総研が有機溶媒ゲル化材を開発
 -ホンダがセルロース系エタノール製造を実証
 -東燃化学リチウムイオン電池セパレータを量産
 -田中化研らがCOFC用電極材
 -日化工が電解液用不燃添加剤
・燃料電池インフォメーション
  etc.
                 
シリーズ連載
・再生可能エネルギー新潮流E<ドイツの風力発電 その1>
・未利用エネ面的利用ガイドB
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電用語の栞<バイオマス発電A>
   
コラム
・発電論評<コージェネレーションの技術を磨け>
・プリズム<取引所の情報流出と電力業界の姿勢>
・ちょっと一休み<プロ野球の交流戦を福岡で見る>
・青空<改正建基法の施行>


コージェネレーションの技術を磨け【発電論評】

 2050年までに世界のCO2排出量を半減させるということを共通認識とする方向が、先頃開かれたドイツサミットで世界に向けて発信された。発電技術としては、エネルギーの効率利用を向上させることが重要であり、その実現にはコージェネレーション技術の普及の必要性についても言及されている。
 化石燃料などの1次エネルギーの使用量を減らしながら、必要なエネルギーを確保するためには、省エネとエネルギーの利用効率を上げるという、2つの方法があり、エネルギーを効率利用する効果的で、かつ、既に利用されている手段としてコージェネレーション技術がある。
 コージェネレーション技術は、1次エネルギーを動力や熱、電気へと転換する場合に、熱と電気、動力を同時・複合的に利用する手段であり、1次エネルギーの持つポテンシャルを現状では最大限引き出すことのできる技術である。
 例えば、自動車もエンジンによって動力を得、同時に発電機で発電し、車内で利用する電力を充電するという意味で、コージェネレーションを実施している。
 コージェネレーション技術はエネルギーの効率利用技術として再認識されつつあるが、少し前には、いいコージェネと悪いコージェネというネガティブキャンペーンがあった。コージェネレーションを導入しても、結果的には回収した排熱を利用しないままに放出したりする例があり、コージェネ=高効率ではないとして、普及に待ったをかけようとする仕掛けだった。
 しかしながら、考えてみればすぐにわかることであるが、コージェネはすべからく高効率であり、いいコージェネも悪いコージェネも存在しないということだ。悪いコージェネがあるのではなく、使い方が悪いということである。
 普及が期待されているハイブリッド自動車でも、不必要に大型車であったり、無駄な使い方をすれば、結果的に大量の燃料を使用することになってしまうし、トップランナーの省エネ家電を購入しても、従来よりも大型のテレビやエアコンを使用すれば、より多量の電気を使ってしまう結果にもなりかねない。
 同様に、せっかく、コージェネを導入しても使い方や導入プランに欠陥があれば、省エネにつながらないことになってしまう。そのためには、エネルギーサービスやESCO事業者の拡大や省エネプランナーなどの専門知識を持った人材の育成など、エネルギーユーザーが省エネを確実に実践できる仕組みの構築が必要になる。正しい設備を正しく使うという、コージェネレーション利用技術を磨くことで、普及に弾みをつける必要がある。