2007年315日号

エネサーブが大和ハウスの傘下に
 大和ハウス工業は3月2日、エネサーブの株式52.07%を取得し子会社化すると発表した。A重油を燃料とするオンサイト発電事業からの撤退以降、業績が悪化し自力再建が困難になっていたエネサーブからの支援要請を受け入れた。
 エネサーブが19日付けで実施する第三者割当増資1400万株を引き受けるとともに、深尾勲社長や親族が保有する682万1千株のTOB(株式公開買い付け、4月11日まで)を行い、過半数を取得する。投資額は計95億8200万円になる。
 TOB後の深尾社長の保有株数は50万株となるが、深尾社長は続投し、エネサーブは東証1部、大証ヘラクレスへの上場を維持する。
 大和ハウスはエネサーブの子会社化によって、エネサーブが得意とする電力設備の保守点検や省エネ管理のノウハウを吸収し、環境エネルギー事業を同社の柱に育てる考え。将来的には子会社の大和エネルギーとの統合も視野に入れている。
 一方、エネサーブはオンサイト発電事業からの撤退によって失いつつあった顧客の信用を「大和ハウスグループ入りで補完」(深尾社長)。バイオマス燃料によるオンサイト発電事業を始め、瞬時停電対策、リチウムイオン電池を用いた蓄電システム、風力発電などを軸に事業を再構築、再建のスピードアップを図る。
 昨年11月、大型リチウムイオン電池の事業化を進める「エリーパワー」(東京都千代田区)に対して、両社はそれぞれ3億円の第三者割当増資を引き受けており、今後はさらに増資したうえで08年度中にも量産体制を整え、リチウムイオン電池事業を本格化させる。


街区まるごとCO2削減第1号着工へ 大和ハウスらが越谷に
 大和ハウス工業と大栄不動産は、埼玉県越谷市の越谷レイクタウン内に建設する仮称Dグラフォートレイクタウンに約1千平方mの太陽熱パネルを設置し、3工区に分けて着工すると発表した。環境省が06年度から実施している「街区まるごとCO220%削減事業」の第1号採択を受けて設置するもので、太陽熱利用によるセントラルヒーティング方式を採用。ガスを補助燃料に、電気は一括購入でまかなう。
 T工区を3月、U工区を5月、V工区を08年5月に着工する予定。500戸の分譲マンションで、総延べ5万5558平方mの規模で建設する


熊野灘沖に大量のメタンハイドレードを確認
 経済産業省は、日本沿岸の海底に大量に賦存するといわれるメタンハイドレートについての開発調査をJOGMECに委託して進めているが、このほど、05年度より実施してきた東海沖から熊野灘にかけての東部南海トラフ海域に約1.1兆立方mの資源量があることがわかったと発表した。
 確認した資源量の推定では、そのうち約半分は、特にメタンハイドレードが集中している「濃集帯」として存在していることもわかった。この1兆1千億立方mという量は日本の天然ガス需要量のほぼ14年分に当たっており、更に大量のメタンハイドレートの存在が期待されている西部南海トラフ海域や直江津沖などの日本海沿岸地域などを合わせると約100年分のメタンハイドレートの賦存量が期待できるという推測もある。確認できたメタンハイドレートの賦存量は技術的に採掘が可能な埋蔵量ではなく、あくまでも物理的に存在する原始資源量として計算されたもの。
 メタンハイドレートは、メタンガスが低温、高圧の特殊条件の下で、水の分子中に閉じこめられた形で氷のような状態で存在しており、「燃える氷」ともいわれる。海底から減圧した抗井などによってメタンガスを分解、抽出する。JOGMECに委託して進めているメタンハイドレートの開発事業は、カナダの永久凍土地帯で、抽出実験を行っている段階で、海底下での生産技術の開発にはまだ手が着いていない。
 現在抽出技術を開発中の段階で、効率的に低コストでメタンガスを抽出する技術を開発する必要があるが、現在のような原油価格の高止まりが続けば採算性が期待でき、開発に弾みがつく。そうなると、エネルギー資源の少ない日本が一躍資源大国として豊富な国産エネルギー資源の確保ができることになるとして、開発事業がにわかに注目を集め始めている。

NEDOがインドネシアでバイオマス発電事業
 NEDOは、「国際消費効率化等モデル事業」の一環として、インドネシアでのバイオマス発電事業に乗り出す。同国は石油代替エネルギーの利用促進を目的に、国営電力会社に対して、1万kW以下の新エネルギー発電電力を電力供給料金の60〜80%で買い取ることを義務付ける大臣令を昨年1月に制定した。NEDOではこれを契機に、同国の豊富なバイオマス資源を利用した発電事業を拡大させるため、現地の工場などの産業用施設向けにバイオマス発電の事業可能性調査を行う。
 調査終了後、事業可能性のあるものについてバイオマス発電設備を導入した実証事業を行い、設備導入による省エネ効果を検証する。NEDOでは現在、事業調査の委託先を4月9日まで募集している。

愛媛・佐田岬の2万kWのウィンドファームが運開
 丸紅と四国電力らが出資して愛媛県の佐田岬に建設した2万kWの大規模ウィンドファームが3月1日、営業運転を開始した。1千kWの風車20基を佐田岬のほぼ突端に設置、一般家庭の電力使用量約1万4千軒分に相当する年間約5千万kWhの発電量が見込まれている。丸紅と四国電力、地元の伊方町などが出資する三崎ウィンド・パワー社が運営する。発電した電力は四国電力が全量を購入する。
その他の主な記事
06年度上期の防災用自家発は減少
・全国BDF利用推進協議会設立総会を開催
・自然エネルギー・コム、日本初の地熱グリーン証書
・次世代太陽光を追加公募
・東京電力が中国で風力クレジットを獲得
・燃料電池実証で成果報告会
・CO2地下貯留検討会で骨子案
・エネルギーのグリーン購入セミナー開催
・松下が工場の省エネをCDM
・富士経済が燃料電池市場を予測
・上期RPS電力記録量、42%増
・石油連盟が省エネアンケート
・豊田通商が中国でCO2クレジットを獲得
・東北電力が中国からCO2クレジットを購入
・リード社が太陽電池の国際展示会を計画
・07年度産業機械受注状況
・NEDOがインドネシアでバイオマス発電事業に着手
・HOSPEX JAPAN2007、出展者募集
・ハノーバー・メッセ2007
・大ガスが米IPPを完全取得
・国際協力銀行がブラジル石油公社と覚書締結
・明電舎が自動車実験請負事業に参入
・電力会社の格付けを引き上げ
・三井造船玉野機械工場の増設が完了
・日立造船がDエンジン部品工場を増設
・北九州市医療CESCO
・原弘産が風力事業強化
・街づくり展に延べ27
・西尾市立病院 ESCO
・建築着工統計
・宇都宮市本庁舎ESCO  etc.
             
燃料電池新聞の主な記事
・国際ナノテクノロジー展でも注目の燃料電池
・大ガス、集合住宅で実証試験開始
・コークス炉ガスからの水素製造の動向
・東工大が超臨界水で下水汚泥から水素
・出光興産、青森で燃料電池の熱で融雪実験
・栗本鉄工所が技研を設立
・日産自動車、燃料電池ハイヤーを納車
・燃料電池フラッシュニュース
 -新日石が消防署に家庭用燃料電池
 -超薄型燃料電池セルを東京理科大が開発
 -マツダが水素自動車で寒冷地走行試験
 -SOFCがガス協会の試験を終了
 -協同インター社がマイクロ流体チップで蘭社と提携
・海外ニュース
 -スズキが2輪車用の燃料電池を共同開発へ
 -米社が燃料電池フォークリフト向け水素充填システム
 -バラード社が06年度の決算発表
・燃料電池インフォメーション
  etc.
                 
シリーズ連載
・電力自由化と分散型発電B<誰が投資を負担するか>
・今を考えるA<食品の安全性と経済性を考える>
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電用語の栞<ESCO事業A>
   
コラム
・発電論評<実用化せまるを実感できた燃料電池報告会>
・プリズム<大和ハウスがエネサーブを買収する>
・ちょっと一休み<近所のおじさんが指揮者とは!>
・青空<春闘シーズンが到来>


実用化せまるを実感できた燃料電池報告会【発電論評】

 3月9日金曜日、新エネルギー財団の定置用燃料電池の大規模実証試験の成果報告会に参加した。21世紀の環境エネルギー型のコージェネレーションシステムとして実用化が待たれる燃料電池であるが、新エネルギー拡大に向け国が行う強力な支援事業として取り組まれている。その模様を詳細に報告するゆとりはないが、3年間の成果には相当なものがみられるようだ。
 当日のレポートを聞くと、燃料電池の信頼性や耐久性、コスト削減などに著しい成果が見られ、1年間の無故障連続運転や家庭用燃料電池のコスト120万円のなどの価格目標が現実味を帯びてきているという。もちろん大規模実証試験だけの成果ではないが、様々な生活環境の異なる実際の住居に、1千台規模で、複数のメーカーによる複数機種を同時に大量に運転データを取得できることで故障や事故などの問題点が抽出、分析され、革新的に技術改善が進みつつあるという内容だった。
 燃料電池は夢の発電装置といわれ続けて30年近くが経過するが、1kW級というミニマムな分散型エネルギーシステムとしてようやく実用化が見えてきた。燃料電池ウォッチャーとして過ごしてきた長い月日を顧みると、誠に感慨深いものがある。
 感慨に耽ってばかりでもいけないが、最近東京地区では「家庭発電」というコピーで東京ガスが家庭用燃料電池システムのコマーシャルを流している。
 電気は購入するもので、電線を伝って遠方から運ばれてくるという「常識」が、「家庭発電」が広がることで、「電気は自分でつくるもの」ということが新たな「常識」になるかもしれない。「必要なときに必要な場所で、必要なだけ」という、分散型の常識が広がることで、節約型の省エネから効率利用型省エネへと人々の意識が生活レベルで変革していくことが期待できる。まさに草の根から省エネ意識を変革することで、マクロな省エネ意識が拡大できる。
 「熱」も「電気」も燃料を買って、自分で作る。余剰分は貯めたり、外部に売却できる。そういうシステムが完結できればさらに省エネは進む。使用する1次エネルギーは何でもよいのも魅力だ。燃料の水素は、多くのの「原料」から作ることができる。石油や天然ガスだけが水素の原料ではない。製鉄所などの副生ガスや様々なバイオマス資源、原子力、また、風力などの自然エネルギーの余剰電力からも可能で、あらゆる1次エネルギーが水素によって共通のエネルギーとして標準化できることにもなる。
 そしてその水素を熱と電気へ転換する技術の中心に燃料電池がある。燃料電池を使う環境エネルギーの時代がようやく手の届くところまできているということが実感できた報告会だった。