2007年25日号

コージェネCO2排出係数、電気と熱は2対1で配分
 省エネ指定工場のCO2の排出状況を把握することを目的に、経済産業省は「温対法に基づく事業者別排出係数の算出方法等」の基準案を1月31日に検討会を開催しまとめ、パブリックコメントを開始した。
 検討会がまとめた基準案は、一般電気事業者や特定規模電気事業者が供給する電気のCO2排出係数の算出方法について取りまとめを行ったもので、電気事業者が供給する電気の排出係数は「発電に伴い排出されたCO2の量を供給した電気の量で除して算出」するとされた。
 基準案では、懸案となっていたコージェネレーションの算出基準について、投入した1次エネルギーを発生した電気と熱の量で配分する方法とする。その場合の配分比率は2.17とする。この場合係数2.17の算出根拠としては発電の場合にディーゼルの発電効率は36.8%、ガスエンジン30.4%、ガスタービン25.0%を一般的な自家発電機の値として採用し、そこから電気と熱の換算係数として9.82MJ/kWhを固定値として算出。また熱側は鋳鉄製ボイラ、乾留ボイラなどボイラの種別ごとの効率の平均値から換算係数を1.26MJ/MJと算出、この電気と熱の換算係数を使って2.17対1の配分率を決めている。
 換算係数などを決めたディーゼル、ガスエンジン、ガスタービンのエンジン種別ごとの発電効率としては排熱回収を行わないモノジェネタイプの原動機の平均的な発電効率としてディーゼル36.8%(03年から05年度の国内導入量61万9617kW)、ガスエンジン30.4%(同4986kW)、ガスタービン25.0%(同35445kW)という数値を採用したとしており、こうした算出手続きには疑問が残るといえそうだ。
 基準案を所管する資源エネルギー庁電力基盤整備課では「現在基準案は環境省と経産省で同時にパブリックコメントを募集しており、意見があればコメントしてほしい。寄せられた意見を参考に、3月15日に第2回の検討会を開催し、そこで最終案をとりまとめる」としている。


RPS次期義務量は160億kWhに
 RPS法の次期義務量の検討を行っているRPS法小委員会(委員長・山地憲治東京大学大学院教授)は1月29日、第5回の会合を開き、14年度のRPS義務量を160億kWhで調整することで合意した。現行義務期間の最終年度である10年度に比べ約40億kWhの増量で、11年度から14年度までは均等に毎年度9.5億kWh程度ずつ増加させる。義務量の増量については履行義務を負うことになる電力事業者側の負担軽減を目的に、発電コストが他の新エネ電力よりも高い太陽光発電についての利用優遇措置を11年度から14年度までの期間限定措置として利用量(kWh)を2倍にカウントできる特別措置を設ける。14年度の太陽光発電の導入量の推計値は最大19億kWhと予測しているため、この特別措置を適用すると実質的な義務量は141億kWhとなり、10年度比で約20億kWh増、毎年度増加量は5億kWh程度でよいこととなる。
 同日示された骨子案では、義務量の算定に当たっては、現実的に導入可能な新エネの電力量を各電源毎に推計し、それを足し合わせるという手法で算定している。示された電源毎の推計値(14年度)は、太陽光が16億kWh(増減各3億kWh)、風力発電が77億kWh(同5億kWh)、バイオマス発電(廃棄物含)48億kWh(同2億kWh)、水力・地熱発電9億kWh、合計150億kWh(同10億kWh)というもの。160億kWhはこの合計推計値の最大値を採用する代わりに、時限の柔軟措置として現行のバンキングやボロウィング(未達量を次年度に繰り越せる)に加えて、太陽光発電に限っては利用量を2倍として計算できる特別措置を設けることとして、電力事業者のコスト負担を軽減するとともに、太陽光発電の利用量を加速化する支援措置とした。
 太陽光については優遇措置を設けた一方で、バイオマスについては、新規の設備認定について、制限する措置が設けられる。バイオマスについては、現在政府が進めている木質チップのリサイクルなどの循環利用の取組の妨げとならないことを目的として、木質バイオマスについては3Rなどの取組外の燃料を利用することなどを条件として設備認定を行う基準を新たに導入する。これについては、発電用燃料の利用が増すことで、3Rなどの循環利用の仕組みがバイオマスの調達コストが上がることで崩れることが懸念されるためとされているが、同日の委員会でも、発電用燃料として新たに木質バイオマスの利用範囲が拡大することで未利用のバイオマス資源の開拓、特に間伐材などの森林系のバイオマス利用の拡大につながることも考えられるので無用な制限は行うべきではなく認定基準はそういうことも念頭に決めて欲しいなどの要望が述べられた。
 次回は、2月6日に第6回の会合が開かれ、報告書案が審議される予定。


大阪ガスと京セラが発電効率45%の家庭用燃料電池を開発
 大阪ガスと京セラは出力700Wの固体酸化物型燃料電池(SOFC)を開発、世界最小クラスの家庭用SOFCとして08年度から市場投入すると発表した。
 両社はこれまで1kW級の実用化を目指していたが、都市型小規模住宅への設置利便性を考慮し、定格出力を700Wに変更した。今後、フィールドテストを行うとともに、経済産業省が07年度から計画しているSOFC実証研究にも参加することで、さらなる耐久性の向上やコストダウンに向けた取り組みを進める。
 家庭用として、05年度から本格的な導入が始まった固体高分子型燃料電池(PEFC)の発電効率35%、排熱回収効率45%に対し、SOFCは発電効率が45%、排熱回収効率は30%。熱需要の少ない住宅でも経済性メリットが十分生じる。
 またシステム自体、厚みを3mmから2mmにした新薄型セルを採用し、セルスタックの構成も従来の200セルから126セルにする一方、発電モジュールへ空気を供給する空気導入部をモジュールのハコ体と一体構造とすることなどで、1kW機の約半分の大きさ(高さ95cm×幅54cm×奥行き35cm)を実現している。
 廃熱利用給湯暖房ユニットについても、貯湯タンク容量の適正化や補助ボイラーのレイアウトを変更し、都市型小規模住宅への設置に適した奥行き33cmの薄型タイプを長府製作所と共同開発した。
両社は05年度、大ガスの実験集合住宅「NEXT21」に1kW機を設置、国内初の居住住宅での運用試験を行っていた。

京都市が家庭用廃油からバイオ水素の製造に成功、実験施設を公開
 京都市は家庭ゴミや家庭用の天ぷら油などを回収・選別したバイオマスから水素ガスを製造し、燃料電池で発電する実験に成功した。実験に成功した実証試験の模様をこのほど公開した。
 05年11月から、京都大学、環境省、バイオガス研究会と連携してバイオガスから水素ガスを発生し、燃料電池で利用する研究を本格的に着手し、家庭ゴミを選別した生ゴミなどのバイオマスや、燃料化施設で家庭用天ぷら油の廃油から発生させた廃グリセリンなどをバイオガスとして回収する実験を行ってきた。昨年11月からは発生したバイオガスから水素を発生させ、燃料電池で発電を行う実験に取組このほど所要の性能が確認できた。
 家庭ゴミを簡易選別することである程度の異物混入があっても安定的にバイオガスが発生することを確認したことや、生ゴミだけでなく一定割合の紙類を混入することでバイオガスが効率よく発生すること、家庭ゴミ単独よりも廃グリセリンを混合させると極めて高い効率でバイオガスが発生することなどの成果が確認できたとしている。

Jパワーが国内最大のウインドファーム、年間発電量は1億2500万kWh
 電源開発(Jパワー)は1月31日、100%出資する事業会社、グリーンパワー郡山布引が建設を進めてきた郡山布引高原風力発電所が竣工したと発表した。
 同発電所は福島県郡山市の会津布引高原に、05年5月から建設を進めてきたもので、風車基数33基、合計出力は国内最大の6万5980kWとなる。現在実施中の試験データが整い次第、2月中にも営業運転を開始する。総事業費は約120億円。
 Jパワーが国内で手がける風力発電所としては9地点目、総出力は21万530kWとなる。同社は新事業の柱の一つとして、今後も国内外で風力発電所の建設に積極的に取り組んでいく。
 郡山布引高原風力は2千kW機32基、1980kW機1基の構成。これによってウインドファームを形成する。風車は独・エネルコン社製を採用した。年間発生電力量は1億2500万kW時を想定、これは一般家庭約3万5千世帯分の年間消費電力量に相当する。発電電力は今後17年間にわたり東京電力に売電する。

その他の主な記事
環境エネルギーへの取組強めるエネサーブ
・コージェネCO2排出係数など基準案
・23区と東ガスが共同で電力小売り事業開始
・自然エネネットがRPS義務量の上積みを提言
・FCEXPO開催へ
・23区と東ガスが共同で電力小売り事業開始
・地熱開発マネジメントで研修会
・テクニカル横浜に308社
・官庁施設の空調でセミナー
・GTと燃料電池でシンポを開催
・工場の使用合理化シンポ全国10地区で開催
・優良ESCO事業決まる
・ENEX2007が開幕
・日本バイリーン、燃料電池分野に進出
・ヒートポンプでCO2を1億3千万トン削減
・タクマが独のバイオマス発電プラントを受注
・フジプレアムがCB太陽電池を量産化
・07年度の環境保全経費まとまる
・中部電力が省エネ管理システム発売
・04年度の産業廃棄物の処理状況
・伊藤忠エネクスと新出光が九州でLPG会社統合  etc.
             
シリーズ連載
・分散型エネルギー再生へM<新たな担い手への期待>
・建築計画・工事ニュース
   
コラム
・発電論評<RPS時期義務量は決まったが>
・プリズム<万全な保安対策あってこそのガス利用>
・ちょっと一休み<相次ぐ親しい人の死>
・青空<企業の対外対応を思う


RPS次期義務量は決まったが【発電論評】

 RPS法の14年度までの次期義務量が160億kWhとなることが決まった。
 10年度の義務量に比べると約40億kWhの増加で、10年度以降、毎年9.5億kWh程度ずつ新規の新エネ設備の拡大が必要となる数字である。これは導入される新エネルギー発電設備の年間の平均利用率が20〜30%程度だとすると、毎年40万kW〜50万kWの新規電源に相当することになる。
 10年度比の増加率は31%だが、05年度の実績値が約56億kWhであったのに比べると、今後10年間でRPS義務量を達成するためには現状の3倍の新エネ設備が必要になるとして電力事業者からは「負担が大きすぎる」との不満の声も聞かれているが、一方では、10年度の義務量122億kWhは販売電力量の1.35%程度として設定されたもので、160億kWhでもまだ2%にも届かない量であり、新エネ導入に積極的なEU諸国などに比べると桁違いに少ないとして批判的な声も多く聞かれる。
 双方を調整する形で、難産の末に生まれたのがこの160億kWhだったのだとすると、尊重されなければならないが、新エネルギー導入の下支えをするというRPS法本来の目的が失われることのないように、今後の運用を期待したい。
 160億kWhが難産であった証として、太陽光発電の2倍カウント措置が導入されることになった。太陽光発電からは14年度には最大19億kWhの電力供給を見込んでいることから2倍カウントすると38億kWhとなり、ちょうど10年度から14年度までの全体増加分がカバーできる。ということは、10年度の義務量を太陽光以外の新エネでまかなえれば14年度の義務量が達成できる。これについては自家発自家消費分を考慮に入れるということで理解できるという見解も示されているが、それを拡大して、他の新エネ電力の自家消費分の新エネ価値も顕在化させ、利用目標量をさらに上乗せするという仕組みが考えられてもよいのではないか。そうすれば、新エネ利用目標が低すぎるという批判を少しでも緩和できるかもしれない。
 示された数字の評価はさておくとして、新エネ導入を拡大するという姿勢は継続されたという点は評価されなければならない。
 しかしながら、もう一つの懸念材料として、バイオマス発電にリサイクル事業の妨げとならないようにという条件付けがされたことがある。バイオマス燃料の利用拡大については、現在世界的なブーム現象が見られるほど活発になっている。これに対して日本の取り組みの活発化がさらに求められる中で、RPS設備としてバイオマス利用を抑制する措置とならないような制度設計を望みたい。