2007年125日号

ブリジストン彦根工場にガスコージェネ、CO2削減
 ブリヂストンは彦根工場(滋賀県)にコージェネシステムを導入、今月から稼働を開始した。出力1万1720kWのガスタービンコージェネで、燃料の都市ガスは、昨年10月に開通した大阪ガスの高圧幹線「近畿幹線滋賀ライン」から供給を受ける。ブリヂストンは今回の彦根工場で、国内にある9カ所のタイヤ工場すべてでコージェネの導入を終えたことになる。
 ブリヂストンはタイヤ製造で熱源を多く使用していることから、コージェネの導入が有効と判断、95年の東京工場へのガスタービンコージェネの導入以降、国内タイヤ工場へのコージェネ導入を進めてきた。
 10年にはCO2の総排出量を90年レベル以下にするという目標を掲げる中、05年の久留米工場と防府工場へのガスタービンコージェネ導入で、CO2削減目標を5年前倒しで達成した。彦根工場でもCO2排出量を年間約22%削減できる見通しで、さらに環境問題への取り組みを強化する。


ヤマハ天竜工場にもガスコージェネ
 ヤマハは天竜工場(静岡県浜松市)にガスエンジンコージェネを導入、1月8日から本格稼働を開始した。
 出力815kWのガスエンジン(三菱重工業製)2基、排ガス蒸気ボイラー2台、温水熱交換機2台、温水吸収式冷凍機などで構成されるシステムで、発電した電力は構内電源として利用し、排熱は空調のほか蒸気として生産プロセスでも活用する。ESCO事業として、大阪ガス子会社のコージェネテクノサービス(CTS)が設置し運営していく。
 コージェネの導入によって、原油換算で年間約250キロリットル相当の1次エネルギーと、年間約1600トンのCO2排出量が削減できるという。
 ヤマハグループは京都議定書で公約した日本の目標と同様、2010年度のCO2排出量を90年度比で6%削減する目標を掲げている。今回の天竜工場へのコージェネ導入によるCO2削減効果は、05年のグループ全体(生産系)のCO2排出量総計の1.6%に相当することから、目標達成に向けて大きく寄与すると期待している。
 ヤマハは電気・電子機器での有害物資使用を制限する欧州連合(EU)の「RoHS指令」(03年制定)の対象になっていない管楽器についても、今月から世界で初めて鉛ハンダの使用を全廃するなど、環境問題への取り組みを強化している。


シャープと三洋電機が太陽電池セルを増産へ
 シャープと三洋電機が太陽光発電事業を拡大する。太陽電池セル生産世界首位のシャープは、主力の葛城工場(奈良県)に約30億円を投じて新設備を導入、生産能力を今年3月から年産11万kW増強し、同工場の年間生産能力を世界最大の71万kWに引き上げる。同工場では昨年11月、生産能力を50万kWから60万kWに拡大したばかり。ドイツと同様の電力買い取り制度をイタリア、スペイン、フランスがスタートさせたことで、急激な需要増が見込まれる欧州市場に対応する。
 また、約50億円かけて今月から原材料のシリコンを製造する冨山事業所を稼働、年産1千トン規模で太陽電池用シリコンの自社生産に乗り出した。IC産業でもウエハの大型化が進むなどシリコンの需要が増大し、太陽電池用シリコンが世界的に不足している。同社はセルの製造過程で出るシリコンの端材や、不純物を効率的に精製する再利用技術を業界で初めて開発。シリコンを自社製造することで、さらなる増産体制にメドをつけた。
 一方、世界4位の三洋電機は滋賀工場(大津市)で手がけてきた洗濯乾燥機などの生産を06年度中に東京製作所(群馬県大泉町)へ移転するのに伴い、約20億円かけて跡地に太陽光発電装置の組立工場を建設する。近く着工し、08年1月から年間4万kWを組み立てる。これによって国内の組立工場は東京製作所、二色の浜工場(大阪府貝塚市)の3拠点となる。
 また太陽電池セルについても、07年度からの2年間で約190億円を投資し、08年度には生産能力を現行の2倍以上となる年産35万kWに拡大する。同社は現在、二色の浜工場と、子会社の島根三洋で太陽電池セルを生産しており、それぞれ11万5千kW、5万kWの生産能力を有している。
 07年度は約90億円かけて二色の浜工場の生産能力を21万kWに拡大、08年度は島根三洋に約100億円を投資し、9月の稼働を目指して新社屋を建設、年産14万kW体制とする。太陽電池事業において10年度までに約400億円以上を投資、セル変換効率も22%以上を目指し、同事業を世界トップレベルに成長させる計画だ。

燃料電池の省エネ効果を確認−経産省が大規模実証試験結果を検証
 経済産業省は、新エネ財団を通じて実施している定置用燃料電池の大規模実証事業の実証結果について1年間で15.3%の省エネ効果が実証できたとする報告を行った。
 05年10月から06年9月までの1年間の第1期分175サイトの運転実績を分析した結果をまとめた。年間の1次エネルギーの削減量は1サイトの平均で7200メガジュールで、灯油換算では1年間で18リットル缶11缶分の1次エネルギーが削減できた。最も削減量を達成したサイトでは1万4600メガジュールで、省エネ率は26.7%だった。
 参加サイトの電気利用効率は平均で26.0%、熱利用効率は37.1%と電気と熱の利用効率が高かったことが省エネ性を高めたことにつながったと評価している。火力発電との比較による年間のCO2削減量は全サイトの平均で850キログラム/CO2で削減率は28.0%という高い値を達成できたとしている。

廃木材からエタノール、世界初の商業生産を開始
 大成建設、丸紅など5社が共同設立したバイオエタノール・ジャパン・関西(本社・大阪市)が、大阪府エコタウン(堺市)内に建設したプラントで1月16日、廃木材を原料とする燃料用エタノールの製造を開始した。
 年間3万トンの廃木材から3700キロリットルのエタノールを製造するプラントで、木質系バイオマスからエタノールを製造するのは世界で初めてという。
 建設廃木材、木くず、剪(せん)定枝などを原料に07年度、燃料用エタノールを約1400キロリットル製造(1期工事分)する。08年度にはプラントを増設し、生産能力を年間約4千キロリットルに引き上げる。
 CO2排出削減を目的に、日本では自動車用燃料となるガソリンに3%のエタノールを混合する計画が進展している。今回、製造されるエタノールはこの実証試験向けに供給される。
 バイオ関西は大成、丸紅のほかサッポロビール、大栄環境、東京ボード工業によって04年3月に設立。環境省の「地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター事業」に採択され、同省の助成を受けプラントを建設した。

その他の主な記事
自主行動計画のフォーローアップ続く
・日本のCO2排出の現状と課題
・中環審が総会、鈴木会長を再任
・富士経済がエネソルーション市場で調査報告
・神鋼電機のそよ風くん、代理店契約希望が相次ぐ
・石連がバイオ燃料輸入で新組織
・北越工業が環境型可発を開発
・清水建設CDMが政府承認
・日清紡がキャパシタなど量産体制に
・デンセイラムダがリチウムイオン電池搭載UPS発売
・省エネ大賞決まる
・省エネ技術コンファレンス
・風力発電協会が賀詞交換会
・RPS設備認定状況(12月末現在)
・11月の産業機械受注
・BDコモンレールと新エネ・省エネ調査決まる
・次世代蓄電システム研究テーマ募集
・2月のJPIセミナー
・さかやかちばESCO
・つるせ台小PFI
・宮崎県病院ESCO
・岸和田市病院ESCO
・愛知県2施設ESCO
・神奈川県ESCO2件
・横浜市図書館ESCO
・佐賀県2施設でESCO調査
・広島県庁舎東館ESCO
・瀬谷区庁舎PFI
・葛飾区のPFI2件
・浦安市新庁舎PFI
・豊橋市PFI3件公表  etc.
             
シリーズ連載
・分散型エネルギー再生へL<地産地消へのアプローチ>
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電実務の話題<電力システムB>
   
コラム
・発電論評<RPS制度の改善の方向>
・プリズム<ガス業界の営業・技術資料によると>
・ちょっと一休み<日本ウズベキスタン協会の新年会>
・青空<シンガポールでの竣工式典の一コマ


RPS制度の改善の方向【発電論評】

 14年度までの次期8年間のRPS義務量のあり方について検討している小委員会の議論が行き詰まっている。小委員会は22日に予定されていた会合で、次期義務量について審議を行う予定だったが、開催を急遽中止した。次期義務量については、利用義務を負う側の電気事業者が、増量に強い抵抗を示している。出力事業者側は、RPS電力の購入に伴うコストが増大し、1千億円を超えるコスト負担を強いられていること、CO2削減が目的ならばCDMなどによって海外の排出権を購入する方がコスト負担が軽いこと、現行基準による10年度の利用目標の達成もハードルが高いことなどを理由としてそれ以上の義務量の増量には難色を示している。こうしたことを背景に、次期義務量の設定について合意が得られる状況にないことから委員会の開催もできないというところまで議論が煮詰まってきてしまっているということのようだ。
 RPS法は、再生可能エネルギーの最低限の利用料を確保することで国内での普及の下支えをするという役割を担っている。現行基準に対しては低すぎはしないかという批判も多いが、国内で風力発電やバイオマス発電などを手がける新エネ事業者にとってみれば事業計画を立てるための重要なよりどころとなっている制度でもあり、新エネ事業者に失望感を与えないような解決策が求められる。
 しかしながら、一方では電力事業者側に一方的に負担を押しつけるという格好になっているということにも耳を傾ける必要がある。
問題の一つには新エネ電力の不安定さにある。風力や太陽光など天候に発電量が左右されてしまい、必要なときに必要なだけ発電できないという欠点がある。こうした欠点をカバーするには電力を一時的に貯めておく蓄電池や予備電源などを整備する必要があるが、更なるコスト負担の増加を招くことから普及には課題が多く残る。
 また、RPS制度を使いやすくするという意味では、一方的なコスト負担という電力事業者側の不満を取り除くことも必要で、そのためにはコスト負担を外部化するという対策も必要になると思われる。これについては証書や基金などいくつかの試みがあるがいずれもなかなか普及していない。例えば、新エネ電力を別メニューとして販売できるようにすることも考えてみる価値がある。
 新エネ電力を使いやすくするという努力は新エネ事業者が追求するべき課題であるが、例えば、蓄電設備などを国が整備して事業者に有料で利用してもらうという思い切った対策なども検討価値があるのではないか。電気事業者の負担軽減や新エネの事業環境を整備することでRPS制度が前向きに進み始めることを期待したい。