2006年1115日号
次期RPS義務量設定で論点提示 RPS小委
 RPS法に基づく新エネ電力の次期8年間の利用目標量(義務量)について検討する「RPS法小委員会」が11月6日、第1回の会合を開き、小委員会で検討する審議内容についての論点整理などを行った。
 RPS法では、4年ごとにそれ以降8年間の義務量を定めることになっているが、現行基準の最終年度に当たる10年度の義務量は前年度販売電力量の1.35%と決められており、特段の情勢変化が見られない限り変更される見通しはないと思われることから、実質的には今回の検討では、11年度以降の4年間についてどの程度の義務量の上乗せを行うかについて議論されることになる。
 新エネルギーの導入目標としては長期エネルギー需給見通しの中でも2010年度の数値目標が示されていることもあり、RPS法の義務量の設定については来年度に見直し時期が来る長期需給見通しに対しても影響を及ぼすことになるほか、風力発電などの新エネ事業者にとっても今後の事業計画の策定などに大きな影響を持つものとなる。
 同日の委員会では、事務局から義務量設定に当たっての論点案が示され、それについて議論が行われた。論点案では、@基本的考え方として、他のエネルギー源との比較による新エネルギーの位置づけや新エネルギーに係る費用対効果とコストの削減A次期目標設定に当たっての具体的考え方として、RPSを通じた導入促進の方向性、新エネルギーのポテンシャルとコスト、新エネルギーに対する消費者・ユーザーの理解B個別電源毎の考え方として太陽光、風力、バイオマス、水力・地熱といった電源毎の特性や個別事情などについて総合的な検討を行い、次期目標値の設定を行っていくことが提案された。
 論点及び次期目標量の設定について、電力側委員からは義務量の上積みについては慎重な検討を求める意見が述べられ、他の委員からは割高とされる新エネ電力のコスト負担を電力会社だけが負担する仕組みとなっている現状について、グリーン電力証書やCO2価値などの方法でユーザーや需要家に負担を顕在化させる仕組みの検討などを求める意見が多く述べられた。
 小委員会は今後、毎月1回程度開催し、来年2月頃には報告書を取りまとめる。


コージェネシンポを開催、テーマは分散型普及
 日本コージェネレーションセンター主催の「コージェネレーションシンポジウム2006」が11月9、10日の両日、東京・大手町の経団連会館で開かれた。シンポジウムではコージェネに関する新技術や導入事例の紹介、パネルディスカッションなどが行われた。
 新技術については東京ガスの排熱投入型3重効用吸収冷温水機(ジェネリンク)と、中部電力の瞬低補償用超電導電力貯蔵システム(SMES)が紹介された。ジェネリンクは世界最高のエネルギー消費効率COP1.6を達成。今年4月には東ガス横浜研究所に258kW機を設置、システム全体の総合効率向上に寄与している点が強調された。またSMESはシャープ亀山工場に1万kW機が導入されており今後、系統安定化を目指した10万kW機の商用化に向け検証を進めることを明らかにした。
 導入事例として、石川島播磨重工業が2千kW級のガスタービンコージェネを導入し、今年2月に運転開始した豊洲地区の地域冷暖房事業を紹介する一方、地域冷暖房システムのCOP評価動向についてエネルギーアドバンスが、コージェネは商用電力より熱効率が高いが、電気と熱のエネルギーを単純に加算するのは不適切といわれる点から、等価値換算する基準値の必要性を指摘した。
 「日本コージェネレーションセンター賞」の事例発表は4件行われた。この中で省エネルギー奨励賞に輝いたシャープ亀山工場のガスエンジンコージェネ(合計2万5920kW)では、第3期工事で2万kW級のガスエンジンコージェネを導入する計画があり、すでに環境アセスメントの申請中との報告があった。
 そのほか関西電力の新潟原動機製400kW級高効率ガスエンジンや川崎重工業の7千kW級ガスタービン、石川島播磨重工業の熱電可変型ガスタービンなどの開発状況の報告が行われた。またバイオマスの利用拡大に向けた取り組みについてヤンマーや東京ガス、JFEホールディングスらが討論を行い、参加者は熱心に聞き入っていた。


産業用の自家発動向などで調査レポート 富士経済
 富士経済は、石油価格の高騰などで系統電力回帰が進む産業分野のエネルギー需要動向について調査を行い、同分野での自家発電設備の利用状況などについてレポートしている。
 それによると、石油系燃料の使用の減少が進展する中で、電力比率が04年度には44%に上昇し、その後もその傾向が進展すると予測されること、ガス系燃料は7%程度ながら都市ガスのインフラ整備が進展しており今後も増加傾向が続くと予測。また、原油価格の高騰の影響で石油系自家発電設備の停止・系統電力回帰やLNG化の傾向が見られ、脱石油、電化・ガス化の動きが加速しているとしている。
 自家発電設備については、蒸気タービンが基礎素材型産業を中心に普及し、ガスタービンは化学工業や加工組立型産業で、ディーゼルは化学工業で多くの導入実績がある。ガスエンジンは鉄鋼や輸送用機械器具で導入数が比較的多く、環境対応、エネルギー調達のリスク分散などを目的に、今後は、ガスインフラの整備の進展やLNG輸入量の増加が見込まれることなどからガスエンジンの増加が見込まれると予測している。
 エリア別の自家発の導入状況は中部地区が318件で最も多く、次いで関東地区の213件、関西地区の181件で、この3地区で全体の59%を占めている。今後も重油からガスへの燃料転換が進む中で中部地区はガス普及のポテンシャルが大きいと分析している。
 また、原油価格の高止まりの見通しが続く中で、電力回帰が進展しており、06年度上期の系統回帰(戻り需要)は833件に上っているとレポートしている。系統回帰の最も多い地区は九州地区で10電力中17%を占めており、06年度に入って更に加速化の傾向が見られる。

05年度のRPS価値取引価格は5.1円 エネ庁の価格調査結果
 資源エネルギー庁では、RPS法により取引されているRPS電力の価格調査を行っている。05年度の価格動向調査結果が先月発表されたが、それによると、03年から05年までの3年間で風力は6.8%取引価格が下落した。(1kW当たりの加重平均価格で電気とRPS価値を動じ購入したもの)。中小水力とバイオマスは初年度である03年度に比べた05年度の価格は水力が3.7%、バイオマスは5.5%それぞれ上昇している。
 また、RPS価値のみの平均価格は05年度は5.1円で03年度に比べると0.1円高い。RPS価値価格は04年度の4.8円が最低価格で05年度は5円台に回復したことになり、今後RPS義務量は10年度に向けて急増する仕組みとなっていることからRPS価値価格は強含みで推移するものと予測される。
 RPSの電力取引は電力事業者が新エネ電力を購入する場合の価格状況をアンケート調査しているもので、取引の形態には新エネ価値と電気の両方を同時に購入する場合と電気と新エネ価値を別々に購入することが認められている。
 電源種別毎の05年度の価格動向を見ると、風力は11.0円で、最高価格は21.0円、最低価格が7.0円。水力が8.4円で最高が14.0円、最低が3.5円、バイオマスは7.6円で最高が13.1円、最低が4.0円。家庭用太陽光の最高は23.2円、最低が19.0円。業務用太陽光は最高が13.4円、最低が9.5円となっている。太陽光については、電力会社が需要家に販売する電力料金と同価格で余剰電力を買い取る仕組みとなっているため、新エネ電力としての独自の価格は設定されないことになっている。新エネ価格の中では水力やバイオマスに比べて風力の価格が突出している。
 また、RPS価値価格の最高は10.0円で最低は2.2円。電気のみの取引価格は電力会社が最高4.0円で最低が2.2円、電力会社以外が加重平均で7.4円、最高が11.0円で最低が2.5円という結果だった。電気のみの価格は電力会社は前年度に比べてほとんど価格変動はないが電力会社以外の購入価格は値下がり気味という結果となっている。

高効率石油給湯機を市場投入 石連と日ガス石油機器工業会
 石油連盟と日本ガス石油機器工業会などは11月7日、経団連会館で記者会見を行い、電力業界のエコキュートやガス業界のエコジョーズに対抗して、最新型高効率石油給湯機「エコフィール」を市場投入すると発表した。
 エコフィールは従来の給湯機では外気に放出されていた排熱を再利用することで熱効率95%を実現している。12月からノーリツが、来年1月からは長府製作所から発売される。会見で津田直和・石油システム中央推進協議会会長(新日本石油副社長)は「石油製品はこれまで努力しなくても売れてきたが、エネルギー間競争でそうでもなくなってきた。新製品は都市ガス燃料式や電気式の給湯機に十分対抗できる」と市場獲得に意欲を示した。
 08年度を目標に、国による導入補助制度の創設を求めるほか、モニター制度を導入(06年度800件)するなどして普及に向けた支援策を講じていく。2015年度には累積約200万台の普及を目指す。また、石油給湯機で作ったお湯で暖房や給湯を行うシステム「ホット住まいる」も、寒冷地を中心に普及を図る。

コーリンエンジが民事再生を申請
 コーリンエンジニアリング(幸松了社長)は10月26日、福岡地裁に民事再生手続きを申し立て同日、保全命令を受けた。負債総額は18億円内外。同社は発電装置のアッセンブルが主力。ヤンマーの非常用発電機やエネサーブの常用発電機を手がけていた。また新日本石油のオンサイト用発電機「エコツーユー」の製造も行い、05年4月期には年商32億9900万円と過去最高を記録した。昨年秋には、ガスコージェネ専用工場を完成させるなど多大な設備投資を行っていたが、過去の不良債権の償却で財務内容が悪化していたうえ、主力得意先の事業撤退による受注減少もあり自力再建を断念した。
その他の記事
RPS電力価格
・電中研がオール電化住宅CO2排出量で反論
・信濃電気が民事再生法申請
・中部電力ら3社世界最高効率のバイオガス発電開発
・JFEエンジ、米国から水和物スラリ空調システム受注
・CDM/JI10件を政府承認
・家庭用燃料電池の電力供給技術調査委託先を募集
・経産、環境がCO2削減で2自治体の事業を認定
・ESCOとLCEMでFM研究会
・宮崎県立病院ESCO
・神奈川県農業RSCO
・中部電力が室温磁気冷凍システム開発
・浜松市がバイオマス推進計画
・京都府20施設の省エネ可能性調査
・川重がマレーシアからGT発電を受注
・上期の産業機械受注
・連系安定化用蓄電システムの基礎調査とプロジェクトの委託先決まる
・風力調査委託先2件決まる(洋上風力、フィールドテスト効果)
・太陽光システム実用化フジプレアムに
・CDM/JI推進調査の委託先決まる
・三菱商事がバス燃料費削減のデリバティブ取引開始
・鹿島北共同発電が燃料転換
・06年度上期のガス販売量は上期としては過去最高
・タクマが英国自治政府から廃棄物発電プラント受注
・愛知県2施設でESCO
・石川県ESCO
・都立大塚病院ESCO
・三浦しらとり園ESCO
・小牧市のESCO
・富山市新庄小PFI
・仙台市泉岳PFI
・多摩スポーツPFI
・吹田市山田駅前PFI
・大阪府消防学校PFI  etc.
         
燃料電池新聞の記事
次世代自動車用電池の開発戦略(経産省の研究会が提言)
・第22回国際電気自動車シンポジウムレポート
・日産自動車が燃料電池フォークリフトを公開
・120度Cでも発電する固体高分子型燃料電池(フォルクスワーゲン)
・.燃料電池フラッシュニュース
 - 高圧水素タンク搭載の2輪車を公開(ヤマハ発動機)
 - FC開発に1億ドルを拠出(米国エネルギー省)
 - リチウムイオン全固体型電池を試作(出光興産)
 - 次世代電気自動車を共同開発(三菱自と電力5社)
 - 改質器用量産化バーナーを開発(ダイニチ工業と新日石)
 - 独製の燃料ポンプを販売へ(ニッタムーア)
 - ミクロハニカム構造のCOFCを開発(産総研と日本ガイシ)  etc.


シリーズ連載
・分散型エネルギー再生へF<分散型エネルギーの意義その1>
・建築計画・工事ニュース
・分散型発電実務の話題<電力システムその1>
 
コラム
・発電論評<新エネコスト負担の仕組み作りに期待>
・プリズム<ヒートアップするオール電化評価論争>
・ちょっと一休み<定年後は窯焚き三昧の柳瀬さん>
・青空<佐呂間町の竜巻被害


新エネルギーのコスト負担の仕組み作りに期待する【発電論評】

 新エネルギーの普及は一つの壁に突き当たっている。少子高齢化社会の進展や産業の国際化、製造業の海外移転など国内の総需要の伸びは頭打ちの傾向を見せる中で、エネルギー需要も伸び悩みの傾向を示している。つまり、国内の発電設備は足りてしまっていることが背景にある。需要の伸びが見込めない中で、新たなエネルギー供給設備として市場参入しようとする新エネルギーにとっては現在は本当に拡大を図るには決して恵まれた環境ではないということになる。
 新エネルギーは、高い、不安定、エネルギー密度が薄いといった多くのウィークポイントを抱えているが、省CO2、再生可能な自然エネルギー、国産エネルギーであることなど、負けないほど多くのメリットもあるエネルギーであり、これからのエネルギー資源開発の中でも高い優先順位が与えられなければならないものである。
 新エネルギーと呼ばれるものは、先般、法制度上の定義が変更され、再生可能エネルギーに限定されることになった。風力、太陽光、太陽熱、地熱、中小水力、バイオマスなどがこれに当たる。これらの新エネルギーの中で量的な普及度が比較的に大きいものは風力、太陽光、バイオマスの3つである。
 これらの新エネルギー発電設備のほとんど全部のものが系統連系されて利用されている。その理由は、例えば家庭用の太陽光発電設備は夜間は発電しないこと、天候に発電量が左右されることなどで、家庭内の電力需要の全てをまかなうことは、そもそも期待されていない。また、風力発電は障害物の少ない風況の良い場所が適地として選定されるため、需要地から離れている場合が多いことなどがその理由に挙げられる。
 太陽光は家庭用を中心に導入が進んだ。究極の分散型発電といえるものだが、発電した電力はまず自家利用し、不足分は系統から買い入れ、余剰電力は買電する。このため発電した電力は無駄なく利用できる仕組みが整っている極めて希有な例だ。
 しかしながら、他のものは自家消費よりも電力会社に売電するという形態が一般的であり、このため、電力会社に系統連系や売電が困難な場合は建設ができないことになる。
 こうした事態を回避するための一つの手段として講ぜられたのがRPS法の仕組みであるが、利用量の拡大については、購入を義務づけられる電力会社側の抵抗が大きいように見受けられる。利用量の設定について検討するRPS法小委員会では、先日の会合で、多くの委員から「電力会社にコストを押しつけるのではなく、最終消費者に新エネルギーコストを負担してもらえる仕組み作り」を求める意見が述べられた。今後の議論に期待したい。